遊戯王ARC-V 風纏いの振り子   作:瑞田高光

60 / 74
デュエルはこの話で終わります!


兄たちの苦悩と意地-4

 さて、と……さっき引いたのは戻してたペルソナだけど……どうすっかな。引いてから考えよう。

 

「俺のターンドロー」

 

手札

3→4(クロウ・虹彩の魔術師)

 

 ファントムが来てくれたか。このまま使っても良いんだが……

 

「……ここはドローに賭けよう。虹彩の魔術師をペンデュラムスケールにセットして、セット処理完了直後に再び連成する振動の効果で虹彩の魔術師を破壊しドロー。星霜のペンデュラムグラフの効果で“降竜の魔術師”をサーチ」

 

手札

4→3→4→5(クロウ、降竜の魔術師)

 

「マジェスペクターだけじゃなく魔術師としても普通に動けてるな……その構築の腕は見習いたいもんだ」

 

 まぁ、魔術師カードはそんなに入れてないからもうデッキに無いんだけどな……っと、今のドローで引いたのがこれか。まぁ、これなら良いかな?

 

「魔法カード“打ち出の小槌”を発動。手札の任意の枚数を戻して戻した枚数分ドローする。俺は2枚戻す。そして2枚ドロー!」

 

 戻すのは当然、公開情報であるクロウと降竜の魔術師。とりあえずペルソナの片割れを引きたいんだけど……

 

手札

4→2→4

 

 っし! 引いたのは目的のカードじゃないけど……!

 

「“金満な壺”発動! エクストラデッキの黒牙の魔術師、竜穴の魔術師、虹彩の魔術師をデッキに戻して2枚ドロー!」

 

手札

4→3→5

 

 よしよし。無事に引けた。それに、これも引けたなら、やるべきことは決まってるな。

 

「やっべ、何が出てくんのか想像もつかねえ……あのデッキ、最終的にどんな盤面になるんだ……?」

 

「行くぜ、スケール1のオッドアイズ・ペルソナ・ドラゴンとスケール8の“オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン”でペンデュラムスケールをセッティング!」

 

赤:オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン:スケール1

 

青:オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン:スケール8

 

「これでレベル2から7までのモンスターが召喚可能! 改めて揺れろ、新風纏いしペンデュラム! 天空を翔ろ新風のアーク! ペンデュラム召喚! 舞い降りろ、俺の仲間達よ!」

 

 

 

 遊牙の背後にあるペンデュラムが揺れたかと思うと、その軌跡から生まれた穴から光がペンデュラムめがけて出てきて、ペンデュラムが砕け、その破片が4か所に集まり、モンスターの形を形成していく。

 

 

 

「手札より現れよ! “オッドアイズ・ファントム・ドラゴン”、マジェスペクター・ラクーン! そしてエクストラデッキより再び現れよ、マジェスペクター・クロウ、マジェスペクター・フォックス!」

 

オッドアイズ・ファントム・ドラゴンATK2500

マジェスペクター・ラクーンATK1200

マジェスペクター・クロウDEF1800

マジェスペクター・フォックスATK1500

 

「ラクーン、クロウ、フォックスの順でチェーンを組み、処理する。何かあるか?」

 

「チェーンは無い。そのまま通すぜ」

 

「オーケー。それじゃあフォックスの効果でマジェスペクター・トルネード、クロウの効果でマジェスペクター・サイクロン、ラクーンの効果でユニコーンをそれぞれサーチ。そしてラクーン1体をリリースしユニコーンを再び召喚!」

 

マジェスペクター・ユニコーンATK2000

 

 ラクーンは低攻撃力だし、事前に処理をしておくか。エアーマンとシャドーミストはバウンスしたところでだし……ここはこいつが対象だな。

 

「ユニコーンの効果。ラクーンをリリース、サモンプリーストを対象に発動」

 

「ぐっ……通す」

 

 やっぱり、ここが嫌だったようだな。ペンデュラムの得意技の大量展開は一度ハマるとそうそう簡単には止められんぞ? さて、ここはマジェサイをどうするか、だけど……別に使わなくとも、良いか?

 

「バトル! オッドアイズ・ファントム・ドラゴンでエアーマンを攻撃! 幻視の力 アトミック・フォース!!」

 

「“ダメージ・ダイエット”を発動!このターン、全てのダメージを半分にする!」

 

真也LP2000→1650

 

 っと……そう来たか…………だが、全員通ったら意味ないぞ? 果たして、このターンの攻撃を耐えきれるのか?

 

「オッドアイズ・ファントム・ドラゴンのモンスター効果発動! このモンスターが相手に戦闘ダメージを与えたとき、自分のペンデュラムゾーンにいるオッドアイズの数×1200のダメージを与える。俺のペンデュラムゾーンにいるオッドアイズモンスターは2体……よって、2400のダメージ! ダメージダイエットで半分だが……それでも1200のダメージだ!!」

 

真也LP1650→450

 

 耐えられてしまったが……ここは推して参る!!

 

「まだまだぁ! ユニコーンでシャドーミストを攻撃!」

 

「シャドーミストは破壊される! シャドーミストの効果で……オネスティ・ネオスをサーチする!」

 

 ほう、そのサーチか。少々意外だな……まぁ、良い。それはそうと……

 

「コイツの攻撃は止めれるのか!? フォックスで直接攻撃!」

 

 これが止めれないようなら……あまり面白くないぞ?

 

「気まぐれで入れといてよかったぜ! リバースカードオープン! “ガードブロック”!!ダメージは通さねえ!!」

 

 うーむ、流石に止められるか。この位のライフで前にひっくり返した時の試合思い出してしまうな(※プロローグ8、第1話参照)気を引き締めなければな。幸いにも除去カードは色々揃ってる。

 

「ま、この位止められるか……でも、ここからの逆転の可能性もあるからな……手札を全てセットして、ターンエンドだ!」

 

 

遊牙LP3800

手札0

オッドアイズ・ファントム・ドラゴンATK2500

マジェスペクター・クロウDEF1800

マジェスペクター・フォックスATK1500

マジェスペクター・ユニコーンATK2000

星霜のペンデュラムグラフ

連成する振動

伏せカード

伏せカード

伏せカード

 

ペンデュラムゾーン

赤:オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン:スケール1

青:オッドアイズ・ミラージュ・ドラゴン:スケール8

 

(伏せカードのうち2枚はマジェスペクター・サイクロン及びマジェスペクター・トルネード)

 

 

 それにしても、次のドローで判明しているギックリ腰爺ちゃんことサモプリ、融合サーチャーのブレイズマン、攻撃力アップのオネスティ・ネオス。そして相手ターンで数えて2ターン前にサーチしていたフォーム・チェンジ。その他は前のターンで持ってた不明のカード1枚、ガード・ブロックでのドローカード、そして次のドローの計7枚。オネスティネオスは他のHEROを出されない限りは何とかなるし、ZEROは効果破壊がマジェスペクター達に効かない。ZEROアシッドをまたやられると少々面倒……

 

「文字通りの絶体絶命か……ここで何とかするしかねえ! 俺の、ターン!!」

 

真也

手札6→7(内4枚ギックリ爺・ブレイズマン・オネスティネオス・フォーム・チェンジ)

 

「E・HERO ブレイズマンを召喚し、最後の融合をサーチする!」

 

 ふむ、相手の手札は7枚。そのうち判明しているHEROは2枚。ただ、オネスティ・ネオスを融合素材に使う……というのは考えにくい。だったら、俺の取れる行動は……

 

「手札は消費してもらうぞ! その効果にチェーンしてマジェスペクター・トルネードをフォックスをコストに発動! ブレイズマンにはデッキに戻ってもらう!」

 

 まぁ、他にHERO手に握ってたら一応無駄にはならないが……この盤面をひっくり返すにはZEROルートしか対処できる方法がなさそうなんだよな……

 

「この程度で止まるもんかよ!! 融合をサーチ、発動! 融合するのはバブルマンとオネスティ・ネオスだ!!」

 

 おや、バブルマンとオネスティ・ネオスが素材……ってことは融合先はシャイニングは出す意味がなさげだし、やっぱりZEROか? オネスティ・ネオスを素材にしたところを見ると他にHEROはいない、って感じなようだな。オネスティ・ネオスを2枚握ってるとかいう事故はもう考えないようにしておこう……

 

「また力を貸してもらうぞ! 汝、無慈悲なる執行者! 全てを凍てつかせゼロへと帰す絶対の力! E・HERO アブソルート・ZERO!!」

 

 ここまでは想定内。相手は手札にチェンジカードを握ってるんだから、ここでマジェスペクター・サイクロンを打つのは愚策……

 

「そして俺は“マスク・チャージ”を発動! オネスティ・ネオスとマスク・チェンジを手札に戻す!!」

 

 2重のサクリファイスエスケープ、か。ここを封じても良いんだが、2枚目とかでチェンジカードを持ってこられたら困るからな……うん。ここはこの一択だ。

 

「……良いぜ、通す」

 

 バトルフェイズにチェンジを回収するカードは無かったはず。だったらば、バトルフェイズが来れば……!

 

「ならこれで終わらせる!バトルフェイズ!行け、ZERO!! 〈瞬間氷結〉!!」

 

 来た……お前が終わらせるってんなら、その幻想を打ち破るために、ここで切る!

 

「リバースカード、オープン! マジェスペクター・サイクロン! ユニコーンをリリースし、ZEROを破壊する!」

 

 さぁ、どう出てくる……?

 

「届かせる! マスク・チェンジを発動! 対象はZEROだ!!」

 

「……お前なら、そうすると思ったさ。そこから手札のフォーム・チェンジ、さらに手札に戻したオネスティ・ネオスで火力アップ……さらにまだ不明の手札が1枚。おそらく、その1枚が逆転のカードなんだろ?」

 

「読まれた所で関係ない!! これを通すしか俺の勝ち筋はねぇからな!!」

 

 通すしか、か。だったら俺の勝ち筋はその勝ち筋を潰すこと!

 

「けど、ワリィな。これが俺のラストトラップ! カウンター罠“魔宮の賄賂”を発動! 相手に1枚ドローを許す代わりにマスク・チェンジを無効にする!」

 

「あっちゃあ…………よりによってカウンター罠かよ!! まいったなぁ……」

 

 ほんと、金満な壺の効果で引けて良かった。あの時のドローカードがこれじゃなかったら間違いなく負けてた可能性があるな。

 

「俺は1枚ドロー、マスク・チェンジは不発。ZEROは破壊され、ZEROの効果でお前のモンスターは全て破壊される」

 

 まあ、破壊されるのはオッドアイズ・ファントムだけだがな。ただ、今のドローで何か罠を引かれる可能性もあるんだよな……魔法罠除去カードは少ないからな、このデッキ……どうなる?

 

「…………くそっ、これはやっちまったなぁ……俺はこれでターンエンドだ」

 

 ……何もなし、か。

 

「ドロー!」

 

 あ、ナイト・ショット……ま、まぁ案外何とでもなったか。

 

「クロウを攻撃表示に……そして、ラストバトル! クロウで直接攻撃!!」

 

 

真也LP450→0


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。