「「デュエル!!」」
先攻 Yuga LP4000 vs Shin-ya LP4000 後攻
「先攻は俺のターンだ!」
先攻を取ったのは遊牙。遊牙は手札を見ると、少し口角を上げた。
「おっと、久しぶりに使うから手札に来るか心配だったけど……早速来てくれて嬉しいぜ。フィールド魔法“マジェスティックP”を発動! そして、“マジェスペクター・クロウ”を召喚! マジェスティックPの第一の効果により、場のマジェスペクターモンスターは攻守が300アップする。」
マジェスペクター・クロウATK1000→1300
「マジェスペクター……? アニメでは見なかったな……転生者? いや、決めつけるには早いか」
真也はこの世界に【否、自分のいた世界でまず出回っているはずのないカード群】の存在に信じられない、といった表情で呟く。しかし、その呟きは遊牙にも聞こえたようで……
「……転生者、って事はアンタもか?」
「!? ……いきなり妙なことを言うな? 何を根拠に」
真也の反応に遊牙は少し困惑した表情になりつつもそう感じた理由を説明した。
「俺のデッキを見て転生者と呟くなんて……転生者だからこその発言、だろ?」
「なるほど、確かに転生者なんて普通考えつかないか」
遊牙の指摘に、何故だか分からないが納得してしまう真也であった。
「続けるぞ。クロウの召喚時効果でデッキから“マジェスペクター・サイクロン”をデッキからサーチ。そしてマジェスティックPの効果でクロウをリリース。デッキより“マジェスペクター・ラクーン”を特殊召喚!」
マジェスペクター・ラクーンATK1200→1500
「ラクーン召喚時効果。デッキから……“マジェスペクター・ユニコーン”をデッキからサーチ。そして……」
「あっ、おい待てい」
江戸っ子かよ……ってツッコミは野暮か?
「……ん? どうした?」
真也は目を丸くして遊牙の行動をに中断を求めた。遊牙は首を傾げていたが、それもその筈……
「何堂々と禁止カード使ってるんだ? リミットレギュレーションが転生前と違ってもその辺りは守るべきだろ」
何を言っているんだ? 一応、デュエルディスクはエラーを吐いていないし……問題はない。ストロング石島もそう言ってただろう。デュエルディスクがエラーを吐いていないのだからデュエルを続行せよ、ってな。
「はぁ? 何言ってんだよ。マジェスペクターカードは使用者は俺だけだし、エラーも吐いていないんだから問題はない。それにこの世界で生きる以上俺はこの世界のを順守する……って、お前んとこのレギュレーションどうなってんだ?」
「まあそこらの考え方は個人によるか。竜の渓谷が帰って来たりテラフォーミングが準制限になったり…後はエアーマンが準制限になったりだな」
竜の渓谷帰ってきたとかマジかよ……いや、それよりも何より……
「エアーマンが準制限……マジかよ……」
これ、後で勝太さんに聞いておこう。あの人もHERO使いだからな……
「驚くのはわかるがユニコーンが制限ですらないっていつのこったよ……いや、あの禁止はメタルの所為だからユニコーンの無制限期は短くないな」
真也の世界のリミットレギュレーションの違いに戸惑っているらしい……が、俺はフルフルと首を振って今現在の状況を整理しながらもターン中に行おうと思っていた行動を続ける事にした。
「……ま、色々あるが今はこのターン続けさせてもらうぞ。俺はスケール1の“オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン”とスケール7の“エキセントリック・デーモン”でペンデュラムスケールをセッティング!」
赤:オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン:スケール1
青:エキセントリック・デーモン:スケール7
遊牙の背後にペンデュラムの黄緑色の2本の光の柱が現れ、その中にオッドアイズ・ペルソナ・ドラゴンとエキセントリック・デーモンが姿を現し、光の柱の間に風の渦の様なものを纏ったペンデュラムが現れる。
「これでレベル2から6までのモンスターが召喚可能! 揺れろ、新風纏いしペンデュラム! 天空を翔ろ新風のアーク! ペンデュラム召喚! 舞い降りろ、俺の仲間達よ!」
遊牙の背後にあるペンデュラムが揺れたかと思うと、その軌跡から生まれた穴から光がペンデュラムめがけて出てきて、ペンデュラムが砕け、その破片が3か所に集まり、モンスターの形を形成していく。
「手札より現れよ、マジェスペクター・ユニコーン! “マジェスペクター・フォックス”! そしてエクストラデッキより再来せよ、マジェスペクター・クロウ!!」
マジェスペクター・ユニコーンATK2000→2300
マジェスペクター・フォックスATK1500→1800
マジェスペクター・クロウDEF1500→1800
「クロウとフォックスの効果! クロウの効果で再びマジェスペクター・サイクロンを、フォックスで“マジェスペクター・トルネード”をそれぞれサーチ。そしてカードを2枚セットしてターンエンド」
遊牙LP4000
手札1(???)
マジェスペクター・ラクーンATK1500
マジェスペクター・ユニコーンATK2300
マジェスペクター・フォックスATK1800
マジェスペクター・クロウDEF1800
伏せカード(???)
伏せカード(???)
赤:オッドアイズ・ペルソナ・ドラゴン:スケール1
青:エキセントリック・デーモン:スケール7
フィールド魔法:マジェスティックP
一応、このデッキで出来るそこそこ良いフィールド。転生者だと分かった以上十分に警戒する必要性もあるからな……まぁ、とりあえずこっから盤面ひっくり返されそうなデッキと言えば……属性HEROデッキか? いやいや。流石にないだろう。HEROはシリーズカード全てが超高価カードだ。あっちの世界でドンくらいの値かはしらねぇが、そう簡単に持っていても困る。
「序盤から豪華な盤面だなぁ…それじゃ、俺のターン!!」
手札5→6
「ライフを半分払い、“ヒーロー・アライブ”を発動! デッキから“E・HERO エアーマン”を特殊召喚する!」
真也LP4000→2000
E・HERO エアーマン ATK1800
うん、もうフラグビンビンだったな。回収は早かった。アライブがあるって事はほぼ属性HEROだろ、相手のデッキ……けど、一つ言えることがある。
「LP4000スタートって事もあるんだろうが……コストにライフ半分使用するってデメリット大きすぎるよな」
「全くだ。死ななけりゃ安い、なんて言うにはライフが少なすぎる」
HERO使いはアニメライフスタート。誰が言ったかは知らねぇけど、アライブの存在からよくHEROデッキの使い手は実質アニメライフと言われている。けど、アニメライフで発動したらコストが普通にひでぇ。
「続けよう、エアーマンの効果だ! デッキから“E・HERO ブレイズマン”をサーチする!そして召喚だ!」
E・HERO ブレイズマン ATK1200
サーチした対象がブレイズマンなら確定で【属性HERO】だな、間違いない。ミストだったらまだ少し悩んでたけど……
「効果で“融合”をサーチする! ここまでで何か効果の発動はあるか?」
「……んじゃ、融合のサーチ効果時にチェーン。セットカードのマジェスペクター・サイクロンを発動。コストとしてマジェスペクター・ラクーンをリリース。対象はエアーマンだ」
別に融合体に打てばいいんだけど……仮にTORNADOがいたらちょっとだけ面倒だし。だったら先に可能性を潰す。ミラフュ持ってたら話は別だが。
「いいタイミングで打ってくれるなぁ……チェーンは無い。エアーマンは破壊される」
まぁ、これをかわせって方が難しいからな。素直に通してきたのを見ると少し怖いが……
「悩みどころだな……“増援”を発動し、“E・HERO バブルマン”をサーチし、“融合”!」
来た。今のところの有力な候補としてはまずノヴァマスターかな。次点はガイア……? いや、ZEROの方が高そうか。エスクリダオ、シャイニングは出す旨みが少ないよな。TORNADOはさっき警戒しておいたからないとは思うが……まぁ、様子見って事で通すか。
「……良いぜ、通す」
さぁ、何が出てくる? 正直、どれを出されても問題はない。ノヴァマスターの場合は除去を切る必要も考えないとな。
「そうか? では効果処理だ。俺が融合するのは、場のE・HERO ブレイズマンと手札の水属性、E・HERO バブルマン!」
水属性指定っつーことは、やっぱアイツか。ブレイズマンを戻したところで手札で消費するだろうし、これはそこまで痛くはない。
「汝、無慈悲なる執行者! 全てを凍て付かせ、ゼロへと帰す絶対の力! “E・HERO アブソルートZERO”!!」
E・HERO アブソルートZERO ATK2500
「さあ、バトルフェイズだ! アブソルートZEROで、“マジェスペクター・ユニコーン”に攻撃! “瞬間氷結”!!」
別に効果で防ぐのもアリだけど、ここは通す。ダメージはとりあえず200。相手の失ったライフの10分の1だ。ここは然程問題ではない。
「……っ!」
LP4000→3800
「普通に通ったか……俺はカードを2枚伏せてターンエンドだ」
真也LP2000
手札2
E・HERO アブソルートZERO ATK2500
伏せカード
伏せカード