遊戯王ARC-V 風纏いの振り子   作:瑞田高光

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はい、第9話目ですね。気が付けばこれももう総話数50話超えてましたね……どんだけ進んでないだろう……まぁ、とりあえず最終第6戦目ですね。3勝2敗……遊勝塾は勝利を決めれるのか、それともLDSが意地を見せるのか……

因みに対戦相手、実は以前あるモンスターを使って欲しいと言われたことがあって……その時から色々考察してたので使わせていただきました!!

因みに展開を考える際にどうしても詰まり気味だったので他の方にご助力いただきまして、展開を決めさせていただきました。お手伝いしていただいた方、本当にありがとうございました。

それでは、どうぞ!!


第9話

『『デュエル!!』』

 

 静かに始まった遊勝塾vsLDSの最終第6戦。3勝2敗で遊勝塾サイドが勝利に王手となったこの試合、アクションフィールドは岩肌の見える谷に太陽が燦燦と輝く【おひさまの谷】。そして先攻を取ったのは……

 

『行くよ、光一。俺のターン!』

 

 LDS総合コース主席、黄瀬常人。彼のドローが始まった時、観覧席では……

 

「真澄、相手の宝良ってやつ常人に勝てると思うか?」

 

「なんで私に聞くのよ……」

 

「お前とあの宝良っての仲良さそうだったからなぁ」

 

「……別にそんなんじゃないわよ。光一の家はアクセサリーショップで……お父様の仕事のお得意先ってだけだから。家族ぐるみで仲良くしてるだけ。強いて言うなら腐れ縁よ」

 

「へぇ……そうなのか……んで、どう思うよ」

 

「……まぁ、無理でしょうね。良くて善戦かしら?」

 

「案外辛辣なんだな。まぁ、良くて善戦ってのは意外だけどな」

 

「一応少し甘めの採点よ。それに……無理なのは当たり前でしょう? 何せ常人は総合コース主席ってだけでなく……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私たちやユースクラスの方々に対しても大きく勝ち越している……言わばLDS現役生徒全員のトップなのだからね」

 

 

 

 

 

「俺は手札のレベル5以上の闇属性モンスターを墓地に送って、“ダーク・グレファー”を特殊召喚」

 

ダーク・グレファーATK1700

 

「そして、残った手札3枚をセット。これでターンエンド」

 

 

常人LP4000

手札0

ダーク・グレファーATK1700

伏せカード

伏せカード

伏せカード

 

 

「(転塾を決めれたのはお前のおかげだ。LDSじゃあ俺は伸びきれないと思えたから……)俺のターン! ドロー!!」

 

「(光一……LDSにいたころは毎日のように挑んできたやつだな。珍しかったから覚えていたが……遊勝塾に転塾していたのは驚いた……LDSほど恵まれた環境にいたのにも関わらず、何故……)」

 

 そして、光一がデッキトップよりドローをする。そんな光一の姿を見ながらアクションカードを取りに行く常人。その二人の思いは交わらないままデュエルが進行していく。

 

「俺は永続魔法、“宝玉の樹”を発動し、“宝玉獣 サファイア・ペガサス”を召喚!」

 

宝玉獣 サファイア・ペガサスATK1800

 

「サファイア・ペガサスの効果! デッキから宝玉獣モンスターを宝玉化する! サファイア・コーリング!! そして宝玉の樹にジェムカウンターを乗せる!」

 

 光一のフィールドに現れたサファイア・ペガサスの放った光により、光一のフィールドに現れたのは、赤色の宝石、ルビー。そして光一は更なる一手を打つ。

 

「魔法カード“虹の架け橋”を発動! デッキから“宝玉の絆”をサーチして、発動!! “宝玉獣 トパーズ・タイガー”を手札に加え、デッキからエメラルド・タートルを宝玉化! そして再びジェムカウンターが乗る!」

 

手札

3→4(トパーズ・タイガー)

 

 手札とデッキをフル回転させてフィールドを整えていく光一……そして、動いた。

 

「バトル! サファイア・ペガサスでダーク・グレファーを攻撃!」

 

「リバースカード、“攻撃の無敵化”。戦闘破壊を無効に」

 

常人LP4000→3900

 

しかし、常人は冷静に戦闘破壊を防ぐ。ダメージもさほど気にしていない、といった様子でアクションカードを取得する。

 

「……あいっ変わらずだな。いつもの流れとあまり変わんねぇ」

 

「…………お前はそのまま終わるつもりか?」

 

「……全力でおまえを倒すに決まってんだろ! カードを1枚伏せてターンエンド!」

 

 

光一LP4000

手札3(トパーズ・タイガー)

宝玉獣 サファイア・ペガサスATK1800

宝玉の樹:ジェムカウンター2

ルビー

エメラルド

伏せカード

 

 

「……そうか、ならば俺のターン、ドロー」

 

手札

1→2(アクションカード有)

 

「……アクションマジック“闇を照らす光”。デッキから闇属性モンスターをデッキから3体までの任意の数を墓地に送る。デッキからこの3体を墓地に。そして1枚ドロー」

 

墓地に送られたモンスター

●魔族召喚師

●レベルスティーラー

●ネクロ・ガードナー

 

手札1→2

 

「……ダーク・グレファーをリリースし、こいつを召喚。出でよ、“魔族召喚師(デビルズ・サモナー)”」

 

魔族召喚師ATK2400

 

「……リバースカード、オープン。“スーペルヴィス”。これを魔族召喚師に装備する。これで、こいつは≪デュアル状態≫になる」

 

 

 

 

 

 

「来たね、常人の黄金パターン。僕たちでも通してしまったら厳しい流れだからねぇ」

 

「これからはもう常人の独壇場だな」

 

 常人の動きに北斗と刃は口角を上げて自分たちの勝利をほぼ確信し始める。そして、それは真澄も注目する対象が違えど、同じであった。

 

「ここからの逆転は厳しいわよ? 光一……あのモンスターが出たら……常人のペースなのだから……」

 

 

 

 

「行くぞ、光一。魔族召喚師の効果、墓地か手札より悪魔族を特殊召喚する。墓地より現れな、俺のフェイバリットモンスター……“ダーク・キメラ”」

 

ダーク・キメラATK1610

 

 

 

 

 ……だ、ダーク・キメラ!?あの生徒なんっつー珍しいモンスター使ってんだ!?

 

「レベル5の攻撃力1610の通常モンスター……?」

「変なモンスター……」

「痺れないぜぇ……」

 

 うちの小学生たちにはあまり刺さってない模様。多分、これ驚いてるのは……

 

「シーホースじゃねーのかよ……」

「そこはモリンフェンでしょ」

 

 うん、衣音とコナミさん注目するところが現実世界らしい。多分、俺とこの2人だけだろうね、驚いているのは……

 

「……デーモン・ソルジャーじゃないんだ…………」

 

 うん、遊矢。全くその通り。普通はそれでおkって言われちゃうからダーク・キメラって使われにくいんだよね……困惑顔もまた可愛いよ、ほんと…………おっと、いけない。ブラコン拗らせるな拗らせるな…………それに、更に原作とは明らかに違う事になりそうなんだよな……

 

 

 

 

 

 

「来たね、常人のフェイバリット……今回はどうやってくる?」

 

「装備魔法“団結の力”をダーク・キメラに装備。さらに魔族召喚師のレベルを1つ下げて“レベル・スティーラー”を特殊召喚。団結の力で攻撃力2400アップだ」

 

 団結の力を装備したダーク・キメラはその体躯が大きくなっていった。

 

レベル・スティーラーATK600

 

ダーク・キメラATK1610→4010

 

「……攻撃力4010…………!!」

 

「今回は力押しで光一……お前を制圧する。バトル。ダーク・キメラで攻撃。ダーク・サイレント・バーン」

 

 常人の攻撃宣言に応じてダーク・キメラが漆黒の炎を放つ。それを見た光一は落ち着いて伏せカード、そして手札からアクションカードを発動した。

 

「リバースカード、“宝玉の集結”とアクションマジック“ダメージ・バニッシュ”を発動!」

 

 常人は手札と場のカードの確認をすると……

 

「……良いぜ。さっき手に入れたこのアクションマジックはそれを封じないからな」

 

 一拍の間を置いてそのまま行動阻害がないことを伝えた。

 

「なら、この戦闘でのダメージは0!そして、そのままペガサスは破壊され、宝玉化!」

 

宝玉の樹:ジェムカウンター2→3

 

「そして、宝玉の集結の第1の効果! デッキからアメジスト・キャットを守備表示で特殊召喚!」

 

アメジスト・キャットDEF400

 

「……なら、レベル・スティーラーでアメジストキャットを攻撃」

 

「……そのまま破壊されるよ。魔法・罠ゾーンは埋まってるから墓地に送られる」

 

「魔族召喚師で直接攻撃」

 

「宝玉の集結の第2の効果! このカードをリリースして宝玉になってるサファイア・ペガサスと魔族召喚師を対象に効果発動! これで……」

 

「リバースカード、オープン。速攻魔法、“ライバル・アライバル”。このバトルフェイズ、俺は通常召喚を行うぞ」

 

ライバル・アライバル

速攻魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。

(1):自分・相手のバトルフェイズに発動できる。モンスター1体を召喚する。

 

「ん? 良いけど……何かモンスターを出したところで「効果の阻害はされないってか? 相変わらず抜けてんな」っ……!!」

 

 常人の言葉に光一は思わず戸惑いを覚える。そして常人は今までポーカーフェイスを貫いていたのだが、わずかにニコリと口角を上げる。

 

「まぁ、俺のデッキはつい今日調整を終えてたからな。これを知らないのも当然か……レベル・スティーラーをリリース。来いよ、“人造人間-サイコ・ショッカー”」

 

人造人間-サイコ・ショッカーATK2400

 

 新たなモンスターの召喚に成功すると、上がった口角は元に戻り、再びポーカーフェイスに戻っていった。

 

「んなっ……!?」

 

「こいつが存在する限り、お互いに罠は使えない……これがどういうことか、分かるだろ?」

 

「っ……宝玉の集結の効果は不発になる…………」

 

「そういうこったな。もう少しできると思ったが……効果が無かったことになるからな。攻撃は続行だが……お前のデッキだ、どうせ防げる手立てはねーんだろ?」

 

「……!! な、なんでお前のデッキに……サイコ・ショッカーが入ってんだよ!それに、そのカードがあったならっ!!」

 

「発動タイミングが遅い理由? あいにくと、それは気まぐれだ」

 

「っ……」

 

「……満足か? ならこれで終わりだ。サイコ・ショッカーと魔族召喚師で直接攻撃」

 

「次は!! 絶対に!! お前に勝つからな!! 常人!! 俺はここでおまえに勝てるまでに成長してやる!!」

 

「そうか。やれ」

 

 常人の端的な号令により、僅か1ターンで一度も削られていなかった光一のLPはあっという間に0を刻んだ。

 

LP4000→1600→0

 

 

win 常人

 

 

 

 気になることもあるけど……これで3勝3敗、相手は全員が一巡した……って言いたいけどなぁ

 

「……すまねぇ……負けちまった……あんな大見得切ってたのに…………」

 

「しゃーねぇよ。次戦うまでには強くなろうぜ」

 

「あぁ……!」

 

「……まさか、ここまでとは驚きましたわ」

 

「そりゃどうも。それで、6戦終了してお互いに3勝3敗……ですが、俺と遊矢の進退がかかわってくるのに俺が出ないというのも変なんで、最終戦は俺が相手を決めても? そちらは6名しか連れてきていないようですが、全員一巡してますからね」

 

「構いませんわ。それで、誰をお選びになるのかしら?」

 

 ……まぁ、決めてはいるんだけど、一応考えていこう。まずは刃は却下。ガトムズやヒュンレイとかがいるし相性が悪い。同じ理由でプレアデスマンの北斗もNG。ジュニア用のフィールドにはジュニアユース以上は入れないし逆も然りなのでシュウトも除外。講師の方は火力的に対抗できないのでNG。ついさっき出ていた常人ってやつはなんとなく負ける未来が見えたので除外、となると真澄になる……んだけど、やっぱりどうしても気になるんだよなぁ……

 

「……そうですね、では相手をしてもらうのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで隠れて俺に殺気を振りまいてる、あんただよ。確か名前は赤羽零児、だったか?」

 

 俺の言葉に通路から姿を現したのはなんでかは知らないけど最終戦の途中からこっちに殺気を向けすぎていてあまり観戦に集中できなかった要因……赤羽零児、当人だった。


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