攻防戦終わるとこまでしっかり書き終わったら連続投稿にすると思います。多分←
第5話
「「「だよねぇ、柊柚子ちゃ~ん!」」」
「……ん? 何があったんだ……」
コナミさんと衣音もこっちに来てから数日後の朝、俺はコナミさんと衣音の住む家を経由して3人で遊勝塾に向かうと……塾の門のド真ん前にいわゆるロールスロイスと言われるものがデンと居座っており、そこからどっかで判事でもしてそうな雰囲気のハートマークを模した髪型の赤馬零児の母親、日美香が姿を現した。あー、そう言えばそんな時期か……
俺は二人にここで待ってるように言うと遊矢達の元へと駆け寄った。
「なんなの、この人……」
「実はさ、数日前に俺が沢渡を闇討ちしたってオバサンが……」
おいおい、オバサンって思ってても言ってやるなよな? ぜってー気にしてるだろうし……
「…………」
あ、遊矢の事睨んでる睨んでる。遊矢も気付いたようでそそくさと俺の後ろに隠れた……可愛いなぁ、畜生め! っとと、弁明をしなくちゃな。
「そいつぁ、無理な言い分ですね? 遊矢がもう話したかも知れないですが……その日はウチ、遊勝塾に居ましたよ?」
「そちらの方が無理な説明ですわね。大体、お身内が話しても通りませんわよ?」
「それが通るんですよねぇ。その日は昼の15:00頃から18:00の間、ウチで新任教員の面接があったんですけど……その時の一人がウチの新しい教員になったばかりなんですよ。その人に聞いていただければ良いかと。その人は最後でしたので、貴女の申してる内容が違うと分かるかと。何なら、残念ながらウチとは縁の無かった方々の連絡先をお教えしましょうか? その方々へのお茶だしも遊矢がしていましたからねぇ」
これが俺の秘策。遊矢には基本教員面接のお茶だしを頼んでいた事もあって、その点では無問題だ。それに、今回ばかりは此方に分があるぞ。
「しかしですね……現に襲われた沢渡家の御子息は榊遊矢を名指しで犯人を見たと」
「……じゃあ、他にも見た人がいればいいんすね? …………あ、ちょうどあの時あの場所でその襲撃犯とやらを見てたと思われる人が居ましたね」
俺はそこまで言うと偶然を装って二人を呼んだ。
「昨日、港の52番倉庫に【お二人とも居ましたよね】?」
「え、あぁ」
「52番倉庫なら居たよ」
「実はそこである事件があって……」
遊矢は驚いてるけど俺の言動を黙って見てくれている。俺は偶然居合わせた(設定の)二人に証言をしてもらうことにした。
「……と言うことなんですけど、どうですかね。何か覚えてることは御座いますか?」
ある程度事件の説明(二人とも詳細はしってるけど)を説明して問い掛けると、まず口を開いたのは……
「正直な事言ってさ。俺、ソイツらとバトルロイヤル形式で戦ったけど……見た目は似てるんだなー、これが」
衣音だった。衣音はニヤリとして話している……が、俺から見ればそれは【明らかに赤馬母で遊ぼうとしているような】感じであった。
「そうでしょう、そうで「ただし」……?」
当然のように鼻高々になろうとした赤馬母の言葉を遮った。もう、相手が調子に乗ろうとしたらそれは衣音の手のひらで転がっているだけだ。
「髪はそこの遊矢とは色が違うな。夕方だったし、倉庫は暗かったが……それを加味しても違う色だ。アイツのは、なんっつーか黒。けど、ソイツのはどう頑張っても黒にゃ見えねーし。まぁ、染めた可能性もあっけど……その辺はどーなんだろうな?」
どっち付かずに発言を転々とさせる……実に衣音らしい。
「……ちょっといいかい? 俺もその場にいたんだが……」
と、ここでコナミさんが口を開く。さぁ、どうするんだ……?
「遊矢君、君のゴーグルを全て見せてくれないか? もちろん、見せたくないものがあるなら見せなくてもいいが……言いたい事はわかるね?」
「……この首にかけてるモノだけです。別に見せて困る物もないですから」
コナミさんの言葉に遊矢は首にかけている星マークのついたゴーグルを見せる。すると、それを見たコナミさんは首を横に振った。
「……これを見る限りじゃ、彼はあの時の彼じゃないね。まちがいない」
「なんですって!?」
「あの彼のゴーグルには星マークは無かった。これは後で付ければ良いかもだけど……あの時の彼のゴーグルにはヒビが入ってた。けど、見た限りでは傷ひとつついていない」
「買い替えたならもう俺たちは御手上げだけどな~」
……いい加減にしろよ、衣音。
「っ……では、こうしましょう!」
「……結局、デュエルで決着かよ」
相手の出した条件はこれだ。
・全7戦で勝ち星の多い方が勝ち
・デュエル形式は全てアクションデュエル
・引き分け等で勝敗が同数の場合は勝者同士で再度デュエルを行い、全ての試合が終わって必ず勝敗を決する
・参加出来るのは各塾に所属している者に限る。教師でも可
・LDSが勝利すれば沢渡襲撃犯は遊矢で確定となる。そして遊勝塾は廃塾となり、塾生達や塾長、教員は全員別の場所へ強制的に転塾、転居。ペンデュラム召喚の出来る俺と遊矢2人だけは強制的にLDSの監視下に置かれ、ペンデュラムコースの教師となって沢渡の入院費や賠償金諸々を払い、LDSの指示や労働条件には絶対服従すること(ちなみに費用はウン千万らしいから恐らく生涯働くハメになるな……)
・遊勝塾が勝利すれば沢渡の件は遊矢は完全に不問となり、遊勝塾側からの要求にLDS側はNOを言えない
「くぅっ……この漢、権現坂……遊矢の危機を救えないとは…………なんたる不覚っ……!」
ちなみに、このルールで権ちゃんvs刃を見ることは確定で叶わなくなった。まぁ、元々7戦らしいから原作とは多いに違うけど……いや、それはどうだっていい。問題は……誰を出すか、か。一応新メンバーのアイツもいるにはいるが……出して良いのかな? 仮にも元LDSな訳だし…………
「兄さん、本当に受けて良かったの……? もし負けでもしたら…………みんな離れ離れになるし、俺たち……」
遊矢は不安そうに上目づかいで俺に問い掛ける。
ちなみに、原作とは違って立ち向かうことは無かった……うーん、残念だけどこれはこれで可愛いから許す!
「不安なら勝てばいい、それだけだ」
「でっ……でも…………」
……あ、ヤバい。イライラしてきた……
「……じゃあ、遊矢。俺はお前が犯人じゃないと分かっているからアッチの無茶難題な要求に応じた。その意味がわかるか?」
「っ……そ、それは……」
……うん、決めた。俺は決めたぞ。
「遊矢、別に無理はするつもりはない。けどな……そんな状況のお前を塾の看板が掛かったこの試合に出すわけにはいかないな」
「っ! でっ……でも、これは」
「お前だけの問題じゃねぇと言ってるんだ! そもそも! お前が関わってすらいねぇ!」
「っ……に、いさ……」
「これはLDSから遊勝塾に適当なこと付け加えて吹っ掛けられた喧嘩だ! 俺はさっき塾長に談判してこの試合は俺が指揮を執ることを許可してもらった! まだ泣き虫の治ってないような奴を出す事は俺は絶対にしない! 仮に俺の大好きな弟の頼みがあっても、だ!」
遊矢はかわいいし、出してやりたいのは山々。だけど……まだ不安定な所もあるから出したくない。だからこそ、敢えて強い口調で俺は遊矢を突き放した。甘やかすだけじゃないからな、俺だって。ふと、周りを見ると、驚きの表情が殆どだった。まぁ、そうだよなぁ……今までが今までだったし、うん
「……俺!」
「……なんだ?」
「俺、兄さんの言いたいこと、分かってる。でも、デュエルは喧嘩の道具じゃない! デュエルはもっと楽しいもんなんだよ! それは兄さんも分かってるよね?!」
「……だったら?」
「俺、は……戦う! 遊勝塾を失いたくないし……何より、みんなと楽しくデュエルをしたい!! だから……!」
……あー、もう。こういうの、よえーんだよ……ったく!
「……わーった、わーった。その代わり、出すタイミングは俺が決める。それでいいだろ?」
「っ! うん!」
「全く、兄弟愛劇場は別に構わないけど……初戦の僕の相手は誰なんだい?」
……なんだ、初戦は北斗ークンか。だったらぶつけるのは当然……
「……こっちは遊矢が行かせてもらう」
遊矢はエッって顔でこっち見てるけど、気にしない気にしない。北斗ークンは自分で勝率9割を自慢してるけど気にしない気にしない。
「こういう相手にエンタメを見せてやれ」
遊矢は完全に委縮しちゃってるけど……やると決めたようでアクションフィールドへと向かっていった。そして、管制室にいる塾長が声をかける。
『それじゃあ、二人とも、準備はいいか! アクションフィールドオン! コスモ・サンクチュアリ!』
……まぁ、知ってはいたけど。問題は……刃相手に誰をぶつけるか……だよなぁ……権ちゃん投げれないから自然と別の人投げることになる……あ、そうだ。アイツにしよう。
『『アクショーン……デュエル!』』
おっと、デュエルが始まった。
ということで権ちゃんvs刃君は他の方の執筆する方で見てください←
あと、衣音君のキャラが不安定な今日この頃