プロローグだけで何話になることやら……(遠い目)
さて、ここからだな。こっからどうすっかな……とりあえず、ドローして決めるか。
「俺のターン、ドロー!」
手札
3→4
……お、これが来るか。俺がこの世界に来た時に持っていたこのカード……あいつで勝利を目指すか。そのためには……最初の路線からは予定変更だな。
「俺はモンスターをセット。そしてエンディミオンの魔力カウンターを6つ取り除き……魔力集まりし時、魔法都市を統べし王が現れる。今こそ我が場に降り立て! “神聖魔導王 エンディミオン”を特殊召喚!」
神聖魔導王 エンディミオンATK2700
「出た! 遊牙兄のエース!」
「エンディミオンのモンスター効果。墓地の魔法カードを1枚回収出来る。俺は装備魔法ワンダー・ワンドを回収」
手札
3→4
さて、エンディミオンにはちょっと過労死気味に動いてもらうか。
「装備魔法ワンダー・ワンドをエンディミオンに装備。すかさずワンダー・ワンドの効果でエンディミオンと共に墓地に送って2枚ドローするが……何かあるか?」
「え、ないけど……エンディミオンをすぐに墓地に送っちゃうの?」
「あぁ。また仕事はしてもらうからな。そんじゃ、2枚ドロー」
手札
3→5
よし、少しずつそろってきた……そんで、もう1回同じことするか。
「俺は魔力掌握を発動してエンディミオンにカウンターを乗せてデッキから3枚目を手札に。そしてまた魔法都市の魔力カウンターを6つ取り除いて、エンディミオンを特殊召喚。効果でワンダー・ワンドを回収してまたエンディミオンに装備。そして再びエンディミオンと一緒にワンダー・ワンドを墓地に送って2枚ドロー」
「ま、また!?」
手札
5→7
よし、あと1枚……後1枚で揃う……
「魔法カード“一時休戦”発動。次の遊矢のエンドフェイズまで互いに受けるダメージを0にして互いに1枚ドローする」
「「ドロー!」」
手札
遊矢0→1
遊牙6→7
んー……後1枚が中々そろわないな……まぁ、守備に回るのはいつものことだし……
「俺は永続魔法“魔法族の結界”を発動してターンエンドだ」
遊牙LP2500
手札6
???
魔法都市エンディミオン 魔力カウンター7
補給部隊
魔法族の結界
伏せカード
伏せカード
「俺のターン、ドロー!」
手札1→2
「うーん……これなら……“EMヘイタイガー”を召喚! 更に手札の“EMヘルプリンセス”の効果! EMモンスターが通常召喚されたから手札から特殊召喚!」
EMヘイタイガー ATK1700
EMヘルプリンセス ATK1200
おっと、攻め手を増やしてきたか。
「バトル、いくよ! ヘイタイガーでセットモンスターを攻撃!」
よし、攻めてきた。
「セットモンスターは“見習い魔術師”だ。戦闘破壊されたときの効果でデッキから2体目の見習い魔術師をセットするぜ。そして魔法使い族が破壊されたとき、魔法族の結界に魔力カウンターを1つ乗せる!」
魔法族の結界
魔力カウンター0→1
「ヘイタイガーの効果でデッキから“EMウィップバイパー”を手札に。う~ん……攻撃してもまた出てくるよなぁ…………攻撃終了! このままターンエンド!」
遊矢LP4000
手札1(ウィップバイパー)
オッドアイズ・ドラゴンATK2500
EMヘイタイガーATK1700
EMヘルプリンセスATK1200
伏せカード
伏せカード
「俺のターン、ドロー!」
手札6→7
「おっ……よぅし、これなら……俺は三度魔法都市から魔力カウンターを6つ取り除きエンディミオンを特殊召喚! 効果で三度ワンダー・ワンドを回収」
「もう、テンプレになってきてるけど……また墓地に送るの?」
遊矢が少しジト目になってきた……可愛いんだけどさ…………っとと、話題がズレそうだな。修正修正……
「いーや、ちょっと違う。俺は見習い魔術師を反転召喚!」
見習い魔術師ATK400
「見習い魔術師の召喚・反転召喚の成功時に効果発動。魔法族の結界に魔力カウンターを乗せる。そして手札からも召喚。これも結界にカウンターを乗せる」
魔力カウンター1→2→3
「そして今召喚した方にワンダー・ワンドを装備して効果発動! 墓地に送って2枚ドロー!」
6→8
うーむ、まだこないか。だが、まだチャンスはある。
「俺は魔法族の結界の効果。見習い魔術師と共に墓地に送って、乗ってた魔力カウンターの数だけドローする。よって、3枚ドロー!」
8→11
よーやくか!
「遊矢、折角だ……良いもの見せてやる。授業で習ったとは思うがここでお復習だ……これまでに発見された特殊勝利条件を全て述べよ」
「えっ!? えぇと……ウィジャ版、終焉のカウントダウンに…………えっ、ま、まさか…………!?」
俺の唐突な質問に明らかに動揺しながらもしっかり答えようとしていたが、スグに理解したようだ。
「俺の手札に“封印されし者の右足”、“封印されし者の左足”、“封印されし者の右腕”、“封印されし者の左腕”……そして、“封印されしエクゾディア”が今揃った。これで俺の勝ちだ」
「うそっ!? 何で持ってるの!? そのカードって確か全部揃ってるのって何組しかないんじゃあ……!?」
ちなみにこの世界でもエクゾディア達はレアカードとなっている……んだが、どう答えるか…………あ、そうだ。
「実はな、前に路地裏で拾ってたんだよ。本体以外のはな……んで、本体パーツが意外に安い値段で売られてたから、思わず買っちゃったんだよ」
苦笑いしながら俺は遊矢にそう返す。実は前の次元での入手方法にちょっと脚色しただけで嘘はあまり言ってない。『カードは拾った』これは偉大な言葉だね。遊矢も渋々だけど納得してくれた。
「むぅ……まぁ、確かに遊牙兄ならそういうこと有り得るかもね…………」
ん~……? 遊矢は俺のことどう思ってんだ? 今の発言はとても気になったぞ……?
「納得いかないけど……やっぱ遊牙兄は強いね! これなら今度の大会も優勝間違いなしでしょ!」
「あぁ、勿論さ…………流石にエクゾディアは公式試合では抜くけどな?」
「えー……見せたらいいのに……」
やっぱりムスッとなる遊矢が今日もカワイイ……じゃなくて!
「いやぁ、今回みたいにうまく立ち回れるか不安だしさ。それに……これは俺と遊矢、2人だけの秘密だ。他の人には内緒だぞ?」
「……! うん! 約束!!」
あぁ、今日も遊矢が可愛くて仕方がない……
そして、予選のスタンディングデュエルが開催される日まで、遊矢や幼馴染の柚子と共にデッキの調整とテストプレイを繰り返していた……
そして、予選会当日……俺が会場であるデュエル・スタジアムに向かうと、とてつもない人数のデュエリストがそこにはいた。
「何だ?やけに今回は多いな……」
俺がそう呟いていると、アナウンスが聞こえてきた。
『さぁ、皆さま長らくお待たせいたしました! ただいまより……LDS主催、デュエル大会を開催いたします!!』
今日もいつものオーバーな口調で話しているMCは確かプロモーターのニコ・スマイリー……だったはず。んで、今回の大会は……
『本日は優勝賞品がシンクロ召喚の新規デッキ……ということもあって予選会には、なななんとぉ! 総勢128人もの参加者が集まったぁ!』
そう、過去に例を見ない多さの128人が入り混じっているのである。
因みに、今回の参加条件としては『一定期間中に50戦35勝、もしくは期間内での同一カードを含めず10連勝のどちらかを達成している』ってのが課せられていた。俺は期間中の10連勝、という方をクリアした(方法? 小さな大会で優勝していっただけだな)ので出場条件が無事に到達していた、というわけだ。それにしても……今回はやけにクリア率高いな……今までのに比べて出場条件が高い気がしたんだが……
『流石にこれだけの人数を1つのトーナメントだけではさばききれないので、参加者たちには1枚のカードを手渡したはずだ。それをデュエルディスクにセットしてくれ!』
言われたとおりに手元にある白いカードをスキャンしてみる……すると、デュエルディスクにはc-5の文字が現れた。
『そこに出たのは君たちの出場するグループだ! そのグループ内で予選を行い、それで勝ち上がった精鋭8名で決勝トーナメントを行う!』
つまり、16人8グループで分かれていて、俺はcグループで勝ちあがれば決勝トーナメントでデュエルができる、というわけか。
『予選会はスタンディングデュエル、決勝戦はアクションデュエルで行われるぞ! それでは、諸君の検討を祈る!!』
ニコの言葉と共にスタジアムの選手が集められているフィールドの壁にグループが表示された。
「さぁて、どんな強敵が待っているのかな?」
俺の狙っているシンクロデッキを賭けた予選会が……今、始まる!!