「さぁ、貴方のターンよ……貴方は見事、魔竜退治ができるかしら?」
「魔竜退治、か。面白い……それに、うまく回りゃ……このターンで倒そうと思えば行ける……かな」
「……このターンで? やれるものならやってみなさい」
「まぁ、手札と要相談ってところだが……ドロー!」
遊輔はデッキからドローすると同時にアクションカードを獲得する。
手札
4→5→6
「おっと、このカードか。アクションマジック“フレイム・ボルテックス”。相手の場のモンスターを1体選択しそのモンスターを破壊、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与える! 当然レッド・デーモン・アビスを選択する!」
「エースの一角は消させない、アクション魔法“ノーアクション”!! アクション魔法の効果を無効にする!!」
「じゃあ、手札を1枚コストに“ライトニング・ボルテックス”を発動!」
「レッド・デーモン・アビスの効果発動!! フィールドのカード一枚の効果を、ターン終了まで無効にする!! ライトニング・ボルテックスは無意味!!」
「ふむ、相手ターンにも使えたか。まぁ、構わない。魔法カード“死者蘇生”。甦れ……天帝アイテール!」
天帝アイテールATK2800
「アイテール……いや、狙いは邪帝ね? 既に引き込んでるのかしら? けど、そんなことはさせない」
蘭は急いでアクション魔法を探しにいく。しかし探しても、蘭の近くにアクション魔法の影は一つもない。
「……だったらこうする、レッド・デーモン・アビス!!」
蘭が『レッド・デーモン・アビス』に叫ぶと、アビスは分かったように地面に降り立ち、そしてその拳を地面へと突き刺す。
「一体何を…………っ!?」
「ここは火山のフィールド、なら闇とはいえ炎を操るレッド・デーモン・アビスの炎を大地が受ければ……」
ドッガ~ン、まさしくその言葉が似合うほど、地面が一気に揺れ始め、地面は盛り上がったり崩れたりと大慌てを始める。
「フィールドを一変させられる……言うでしょ? 太古の昔から伝説で龍は自然を壊して人々に恐れを抱かせる……私のレッド・デーモンズはその中でも炎やマグマを象徴する、この程度は朝飯前よ……」
そして蘭はレッド・デーモン・アビスの掌に乗り込み、再びアクション魔法を探し始める。
「邪帝……残念ながら俺の狙いは除外じゃない……バトルだ!」
遊輔は揺れる大地に悪戦苦闘しながらもアクションカードを相手よりも先に取得した。
「アイテールでレッド・デーモン・アビスへ攻撃っ!! そしてこの瞬間……手札の速攻魔法“大ギャンブル”を発動! このカードは攻撃力の劣るモンスターで攻撃をしたときのみ自らのライフを100にすることでアイテールを対象に発動できる。そして、ダイスを2つ振りその出目を掛け合った数に対象となったモンスターの攻撃力をかけた数値が対象となったモンスターの攻撃力となる。ただし、この効果を得るためにはゾロ目でなくてはならないが……な」
大ギャンブル 速攻魔法
このカードは攻撃力の劣る自分のモンスターが相手モンスターに攻撃宣言をしたときのみ自分のライフを100にすることで発動できる。
サイコロを2こ振り、その出目が同じであった場合のみ、出目をかけた数値だけ攻撃力にかけることが出来る。
LP2000→100
「はぁぁぁ!?」
「ゾロ目の倍数って、ギャンブル効果も大概にしろっす!!」
「遊輔先生はあぁ見えてギャンブルカードはよく使うんだぜ。しかも、ほしい数値の的中率もたけぇんだ!」
「でも確率的には約1/36だし、蘭の墓地には……」
「えっと…………“超電磁タートル”を除外するわ」
「アクションマジック“溶岩濁流”! 相手の墓地で発動するカードを無効にし、互いの墓地全てを除外する!」
「!! ならばアクション魔法“フレイム・ボール”!! 相手に200のダメージを与える!!」
遊輔はまだ走り続けていたが、目前に二つのアクションカードがあった。遊輔は咄嗟の判断で【右のカード】を手に取り、表カードも見ずにそのカードを発動した。その瞬間、炎球が当たりそうになった瞬間、瞬間的にその場から姿を消し、少しだけ左に離れた場所にいた。
「アクションマジック“加速”! フレイム・ボールでの効果ダメージを0に!」
まるで、自分の拾ったカードが効果ダメージ遮断であったと知っているかのように……
「く、ならアクション魔法発動!! “粉塵爆発”!! 自分フィールドのモンスターを1体リリースすることで、デッキから魔法カードが出るまでカードをオープンする。そして出た魔法カードの発動条件が満たされていた場合、発動する!! 私はレッド・デーモン・アビスをリリース!!」
遊輔は体勢を変えると【その場にあった残り1枚を放置し別の場所に隠れていた2枚のアクションカードを連続で発動した】
「なんのぉ! アクションマジック“ノーアクション”! 相手のアクションマジックを無効! 更にアクションマジック“マグマ・ソード”! 俺の場に表側表示モンスターが1体のみ存在する場合のみに発動出来る! 俺の場のモンスターを選択し、選択したモンスターは2回攻撃が出来、更に貫通効果を得る!」
マグマ・ソード(Aマジック)
自分の場に表側表示モンスターが1体のみ存在する場合のみに発動出来る。自分の場のモンスターを選択し、選択したモンスターは2回攻撃が出来る。
選択したモンスターが守備表示モンスターを攻撃した場合、その守備力を攻撃力が超えた分だけ戦闘ダメージを与える。
「だったら……これで正真正銘、全身全霊の最後だ!! アクション魔法“アクション・チェーン・マイン”!! このターン発動されたアクション魔法一枚につき、互いに1000のダメージを受ける!! 死なばもろとも……よ!! このターン発動されたアクション魔法はこのカードを除いても5枚!! よって互いに5000のダメージを受ける!! 」
「引き分けにさせ……ないっ! 最終戦へ希望(のぞみ)を繋ぐ!」
遊輔はそう叫び近くに爆風で巻き起こった砂埃に埋もれていたAカードへと手を伸ばす。そして……それに手が届いた。
「アクションマジック“リ・アクション”! このターン中に発動されたアクションマジックの効果を1つ選択し、得ることが出来る! その代わりに俺は300のダメージをエンドフェイズに受ける! 俺はノーアクションの効果を選択! アクション・チェーン・マインを無効にっ!」
「……ここまでAマジックの応酬が続いたの、いつ以来だ……?」
「……少なくとも、私の知る限りでは一度も存在しませんね……」
「いや~、流石にこのあとの試合は、凄いプレッシャーが掛かるだろうねー、蓮?」
「……お願いですからやめてください、胃に穴が空きそうです……」
「……流石に、これ以上の回避手段は無さそうね」
蘭は流石に体力が限界に達したようで、フィールドに立ち尽くす。
「……けど、最後に私のエースだけは見せてあげる!! アクション魔法“熔岩再臨”!! 墓地に存在するエクストラデッキのモンスターを1体除外して、除外したモンスターこレベルが一つ下で同種族同属性、同召喚方のモンスターを、フィールドのモンスターを1体リリースして、エクストラデッキから特殊召喚する!! 私はダーク・リゾネーターをリリース!! 現れなさい!! 我が化身の竜!! “レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライト”!!」
レッド・デーモンズ・ドラゴン・スカーライトATK3000
「さぁ、バトルは続行、運命のダイスを降りなさい!!」
「当然。ダイスロールっ!!」
遊輔が手元に現れた2個のダイスを天高く投げ、それはソリッドヴィジョンの大きいものとなり降りてくる。地面にあたり、跳ね、互いにぶつかったりと様々な面が交錯し……2つはそれぞれ止まった。そして、一番上を向いていた面は……
「ビンゴ! 出目は6と6! よって、アイテールの攻撃力は6×6の36倍となり……」
天帝アイテールATK2800→100800
「……なぁ、俺は夢でも見てるのかな? 攻撃力10万オーバーって」
「……大丈夫だ。俺も……今それ思ったところ……」
「天帝掌波撃!」
その天帝の一撃は、一瞬にしてフィールドを拡散していき、辺りを白い光に飲み込んでいく。つまり何が言いたいかというと……
「「「ぬぁぁぁぁぁぁ!?」」」
控え室すら飲み込む大爆発に、その場にいた全員が呑み込まれたのだった。
蘭 LIFE4100→0
デュエルエンド
ライフオーバーキル&RSVへの直接攻撃
win 星野遊輔
「……帝には勝てなかったよ……!?」
ふらふらと立ち上がった蘭が見たのは、ボロボロに皹が入ったアクションフィールド、バリバリに割られたガラス、そして死屍累々にぶっ倒れる遊輔以外のメンバー全員だった。
「あ~…………流石に……やり過ぎたか……」
「「「当たり前だ……!!」」」
その後、暫く遊輔は石抱きの刑にさせられ、大ギャンブル使用禁止令が出たのだが……それはまた別のお話。本当に、別のお話…………
……うん、作者の扱いはもう慣れた。(物理的に)燃え尽きて灰のようになってるのは気にしたら負けだな。ちなみに本当に燃え尽きたら続き書けないから後で無理やり復活してもらうけど
蘭「……こっちの作者も後で燃やす」
ドロイデンさん逃げて、超逃げて。
遊輔「まぁ、作者2人が揃いも揃って2番目に蘭の敗北を決めたって言ってたらねぇ……」
蘭「……私のデッキ、【レッドデーモン】。新旧揃い踏み」
遊輔「俺は【帝王】だな。シンプルながらもどれも強力な効果を持っているな」
……ってか、遊輔さん。あのアクションマジックを取る動きなんですか?
遊輔「ん? ……そうだな、カードの声が聞こえた、的な?」
蘭「……意味わかんない」
同じく
遊輔「そういわれてもなぁ……俺は直観を信じて動いていただけだからな」
……もっと話が広がるかと思ったらそうでもなかった件について。
蘭「……次は私がギャンブルで大勝ちしてみせる」
遊輔「俺はデュエルすること少ないだろうけど、またデュエルする時は実力で勝ちに行くさ」
蘭・遊輔「「それじゃあ、また」」
え、もう〆てるの!?え!?