遊戯王ARC-V 風纏いの振り子   作:瑞田高光

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とある高校生達との決闘目録-6

「さて、三戦目……予定通りタッグデュエルの時間よ!! 相手は誰かしら?」

 

「姉さん……挑発するのは無しだよ……ホント。あ、遊矢君だっけ? フィールドはスタンディングでお願いします」

 

「……あぁ、相手はアタシと柚子が受け持つよ。生憎と遊勝塾だけじゃなく大抵のデュエル塾はシングルデュエルプレイヤーが多くてね。一応タッグデュエル用のデッキは組んでたが、試せなかったんだよ。今回はデッキためしのつもりで胸を借りにいくよ」

 

「え、っと……宜しくお願いします!」

 

 椿姫の声かけにハッと我に返った杏子がそう告げると、柚子も会釈をする。

 

「……あー、もしかして剱菜のアレに動揺しちゃった感じ?」

 

「? 祐司それって……あー、そう言えばこの子達初見だったわね、慣れすぎて忘れてたわ……」

 

「慣れ……るもの、なのかな……?」

 

「慣れては絶対にダメなものよ……間違いなく」

 

『それじゃあ、スタンディング用にしますね! 『天獄の大地』!!』

 

 4人がデュエル場に入ったのを確認した遊矢がそう宣言すると、フィールドに映写されたのは天国のような地獄のような……しかし、そのどちらにも当てはまりそうにもない、きれいな青空の広がる赤黒い地面の野原であった。そして背景が変わったのを見て4人はデュエルディスクを構えた。

 

 

「「「「デュエル!!」」」」

 

祐司&椿姫LP8000vs杏子&柚子LP8000

 

「先行は私よ!! 私は手札から速攻魔法“手札断殺”を発動!! 私と……そっちの最後だから柚子は手札を互いに2枚墓地へ送って、2枚ドローする!! 私は“ボルト・ヘッジホッグ”と“ジェット・シンクロン”を手札から捨てるわ!!」

 

「え、っと……それ、じゃあ……“幻奏の音姫プロディジー・モーツァルト”と“幻奏の音女エレジー”を墓地に送ります!」

 

「続けて私は手札の“ネクロ・ガードナー”を墓地へ送り、魔法カード“ワン・フォー・ワン”を発動!! デッキからチューナーモンスター“ガード・オブ・フレムベル”を守備表示で特殊召喚!!」

 

ガード・オブ・フレムベルDEF2100

 

「そして私はカードを一枚伏せて、ターンエンド!!」

 

祐司&椿姫LP8000

手札

5:1

ガード・オブ・フレムベルDEF2100

伏せカード

 

 

「さて、次はアタシね。アタシのターン、ドロー!」

 

 ドローした杏子はふんふん、と頷けば手札の中の1枚を手に取った。

 

「アタシは“クリバンデット”を召喚!」

 

クリバンデット ATK1000

 

「そして、手札の“堕天使イシュタム”の第1の効果を“堕天使スペルビア”と共に捨てて発動するわ。これに何かチェーンはあるかしら?」

 

「特にチェーンは組まないわ、続けてどうぞ?」

 

「じゃあ、お言葉に甘えて、2枚ドロー……うん、これなら……魔法カード“堕天使の戒壇”を発動。守備表示で堕天使スペルビアを特殊召喚」

 

堕天使スペルビアDEF2400

 

「堕天使スペルビアの効果でイシュタムを特殊召喚する……けど、どうする?」

 

「悪いけどイシュタムからの戒壇のループは勘弁被りたいわ。永続罠“デモンズ・チェーン”!! スペルビアの効果は無効よ!!」

 

「おっと、これじゃあ仕方ないわね……カードを4枚セット。これでターンを終えるわ。そしてクリバンデットのモンスター効果。この子をリリースしてデッキトップ5枚を公開、その後魔法・罠を1枚選択してそのほかを墓地に送るわ。デッキトップは5枚はこれね」

 

公開されたカード

・魅惑の堕天使

・堕天使降臨

・背徳の堕天使

・堕天使の追放

・アテナ

 

「堕天使の追放を手札に加えて他は墓地に。ターンエンドよ」

 

 

杏子&柚子LP8000

手札1(堕天使の追放):5

堕天使スペルビアDEF2400(デモチェにより効果無効)

伏せカード

伏せカード

伏せカード

伏せカード

 

「それじゃ僕のターン! ……僕は魔法カード“マジックプランター”を発動、その効果で役目を終えた“デモンズ・チェーン”をリリースして二枚ドロー!! ……よし、僕は今引いた“ハーピィの羽箒”を発動!! そっちの伏せカード全てを破壊する!!」

 

 祐司の発動したハーピィの羽根箒を見て杏子は目を丸くしては少し微笑み、伏せカードを1枚だけ発動した。

 

「……チェーンしてこのカードを発動するわ。“アーティファクトの神智”、発動! こっちはもうないけど、何かチェーンはあるかしら?」

 

「“アーティファクト”!? た、確かに相性は良いのかもしれないけど……僕はそれにチェーンするカードはないよ」

 

「じゃあ、効果処理させてもらうわね。まずは神智の効果でデッキから“アーティファクト・カドケウス”を特殊召喚するわ」

 

アーティファクト・カドケウスDEF2400

 

「そして貴方のハーピィの羽根箒で私たちのフィールドの魔法罠ゾーンのカードが破壊される、と……良かったじゃない。伏せカード、無くなったわよ?」

 

破壊されたカード

・アーティファクトの神智

・アーティファクト・デスサイズ

・アーティファクト・アイギス

・アーティファクト・ムーブメント

 

「やっぱりデスサイズも仕込んでいましたか……」

 

「ふふ、このターンで決めようと焦りすぎたかな? では、破壊されたカードの効果発動よ。チェーンは“アーティファクト・デスサイズ”、“アーティファクト・アイギス”、“アーティファクト・ムーブメント”、アーティファクトの神智の順よ。まず神智の更なる効果、相手に破壊されたことによりガード・オブ・フレムベルを破壊。アーティファクト・ムーブメントの効果で相手に破壊されたことにより次の相手のバトルフェイズスキップ。アイギスは相手ターンに破壊されたことで特殊召喚されたこのターン中にアーティファクトは相手による効果破壊耐性と相手カードの対象にならない。最後にデスサイズの効果でこののターン中、エクストラデッキからモンスターの特殊召喚を封じるわ。あ、それとついでにカドケウスの効果でドローもしておくわね」

 

アーティファクト・アイギスDEF2500

アーティファクト・デスサイズATK2200

 

手札

1→2→3

 

「さぁ、これで私はもう残念ながらチェーンするカードは今は無くなったわ。さぁ、お好きにどうぞ?」

 

「……確かに驚きはしました。けど、ある意味では予想の範囲内、寧ろフィールドを空っぽにしてくれてありがとうと言いたいですよ」

 

「……どういうこと、かな?」

 

「……こういうことですよ!! 相手フィールドにモンスターが存在し、自分のフィールドにモンスターが存在しないとき、僕は手札の魔法カード“ガガガ学園の緊急連絡網”を発動!! 特殊召喚を封じられてないデッキから現れろ!! “ガガガマジシャン”!!」

 

ガガガマジシャンATK1500

 

「確かにメインデッキは封じられてない、でも……その子の効果でなんとか出来るのかしら? 見たところ、そこまでこの場面で活躍するとも思えないのだけれど……」

 

「確かにガガガマジシャンはシンクロ召喚の素材にはできないし、何よりこのターン、エクシーズ召喚すらできない……けど、このカードも、このデッキでの使いようはあるんですよ。僕はさらに魔法カード“手札抹殺”を発動!! これにより僕は残りの手札四枚を捨てる!!」

 

捨てたカード

ドッペル・ウォリアー

超電磁タートル

ゾンビ・キャリア

馬の骨の対価

 

「超電磁タートル、厄介なものが落ちたわね……良いわ、通しましょう」

 

捨てたカード

・堕天使の追放

・アテナ

・堕天使スペルディア

 

「そして互いに捨てた枚数分ドロー!! ……ってスペルビアとアテナかよ!? 引き運良すぎでしょ!? ……俺はカードを二枚伏せ、モンスターをセット、バトルフェイズに入ってムーブメントの効果で強制スキップ、メインフェイズ2に入るが、何かあるか?」

 

「……いーえ、特には?」

 

「ならメインフェイズ2、僕は手札から魔法カード“太陽の書”を発動!! ひっくり返れ!! “メタモルポッド”!!」

 

メタモルポッドATK500

 

「メタモルポッド!? そうくるだなんて……!」

 

「メタモルポッドの効果で、手札を互いに全て捨てて、デッキからカードを五枚ドローする。いや~、まさかこんなに上手く使えるとは思ってなかった。ちなみに僕の手札は今は0だ、だからそっちだけ捨ててください」

 

「草食系な顔して案外グイグイ来るのね、そういうのは嫌いじゃないなぁ?」

 

 杏子は笑ってそう言うものの、その笑顔はまさに張り付けた、という言葉が当てはまるほどに感情が籠ってなかった。

 

 

捨てたカード

・アーティファクト・モラルタ

・堕天使マリー

・堕天使エデ・アラーエ

 

 

手札

祐司0→5

杏子0→5

 

「分かってるさ。僕はカードをさらに二枚伏せて、ターンエンド!!」

 

 何か話している祐司と椿姫であったが、手早く済ませると追加のセットでターンを終えた

 

祐司&椿姫LP8000

手札3:1

ガガガマジシャンATK1500

メタモルポッドATK500

伏せカード

伏せカード

伏せカード

伏せカード

 

「私のターン……ドロー!」

 

 柚子は手札を見てどう動けばいいかゆっくりと見渡しながら自分にできることを考えて、1枚を手に取った。

 

「えっと……スタンバイフェイズ、速攻魔法カード“サイクロン”。私から見て左から2番目を破壊します!」

 

「ならその伏せカードトゥルース・リインフォースを発動!! デッキからドッペル・ウォリアーを特殊召喚するよ」

 

ドッペル・ウォリアーDEF800

 

「っ……えっと「“堕天使マリー”は墓地で発動する効果を持つわよ、柚子」あっ、えっと……スタンバイフェイズに堕天使マリーのモンスター効果発動! 私たちのライフを200回復する!」

 

LP8000→8200

 

「メインフェイズ! ここ、は……デスサイズとアイギスをリリース!

 

天上に響く妙なる調べよ。眠れる天才を呼び覚ませ

 

いでよ! レベル8、『幻奏の音姫プロディジー・モーツァルト』!」

 

幻奏の音姫プロディジー・モーツァルトATK2600


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