遊戯王ARC-V 風纏いの振り子   作:瑞田高光

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とある高校生達との決闘目録-5

「では、私のターンです。ドロー……!」

 

 ドローカードを確認した火無菊は少し目を丸くするとそのカードを手札としてそのまま加えてバトルフェイズへと移行した。

 

「メインフェイズは飛ばしてバトルフェイズです。真紅眼の黒竜で氷盾の守護者オーシンに攻撃! 黒炎弾!」

 

「まぁ流石に最優先で潰すか……」

 

「……では、続いてセットモンスターに流星竜メテオ・ブラック・ドラゴンで攻撃! 黒炎流星弾!」

 

「セットモンスターは“ミーア・バット”だ。そして破壊された瞬間、伏せていたカード、“呪の覇王 カオティック・セイメイ”の効果を発動する!!」

 

「魔法・罠ゾーンにモンスターが……!?」

 

「このカードは魔法・罠カード扱いでセットできる。そしてフィールドのモンスターが破壊されたとき、相手フィールドのモンスターの攻撃力を、発動したターンのエンドフェイズまで半分にし、さらにこのとき、闇属性モンスターが破壊されたことにより、フィールドに特殊召喚できる!! 私は流星竜を選択させてもらう!!」

 

 するとフィールドの空が暗雲に包まれ、空に雷鳴が鳴り響く。

 

「借り物だが、使わせてもらうぞ蓮!! 祖は呪う、混沌を呼べと猛り狂え!! 現れろ! レベル8“呪の覇王 カオティック・セイメイ”!!」

 

呪の覇王 カオティック・セイメイATK2000

 

流星竜メテオ・ブラック・ドラゴンATK3500→1750

 

「っ、メテオ・ブラック・ドラゴン!」

 

 

 

「なるほどね……剱菜が貸してって言ってたの、あのカードだったのね?」

 

 椿姫が納得するように聞いてきて、蓮は頷く。

 

「今回は使うつもりが無かったですし、それに先輩のデッキとも相性が良いんで」

 

「まさかそれをいきなり成功させるとはね……いやぁ、凄いわ、誉めてあげるわ」

 

「……その身体で誉められてもグホァ!?」

 

 椿姫の裏拳がお腹に決まったかと思うと、今度は杏子の拳が蓮の背中を襲った

 

「な、なんで柊さん……まで…………ガクッ」

 

「あら、ごめんなさい。なんか自然と体が動いてしまってねぇ。普段はこうならないんだけど、何かね」

 

「…………これは蓮の自爆だね」

 

 こんなことが観戦場所にてあったらしい……

 

 

「……仕方ないですね。このままエンドフェイズに移行し、墓地の3体の真紅眼の飛竜の効果を発動します。通常召喚はしていませんので、3体を除外し……レッドアイズモンスターである真紅眼の凶雷皇-エビル・デーモン、真紅眼の凶星竜-メテオ・ドラゴン、“レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン”を特殊召喚し、そのままターンエンドです。これにより、カオティック・セイメイの効果が切れ、攻撃力が元に戻ります」

 

「……なるほど、プレゼントカードが仇になったか……」

 

 

火無菊LP4000

手札1

真紅眼の黒竜ATK2400

流星竜メテオ・ブラック・ドラゴンATK3500

真紅眼の凶雷皇-エビル・デーモンATK2500

真紅眼の凶星竜-メテオ・ドラゴンDEF2000

レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンATK2800

伏せカード

伏せカード

 

 

「私のターン!! ……よし、私はチューナーモンスター“闇騎士ケイ”を召喚!!」

 

闇騎士ケイATK1800

 

「私はレベル8“カオティック・セイメイ”にレベル4“闇騎士ケイ”をチューニング!!

 

漆黒の闇にて振るう暗黒の剣、覇の雷を異界の地にて轟かせ!! シンクロ召喚!!

 

現れろ、レベル12!! “騎士の覇王 ソーディアス・アーサー”!!」

 

騎士の覇王 ソーディアス・アーサーATK3500

 

「流星竜メテオ・ブラック・ドラゴンと同じ攻撃力3500のモンスター……!? それに、シンクロ召喚ですか……!」

 

「ソーディアス・アーサーの効果発動!! 1ターンに1度、墓地の攻撃力2000以下の闇属性モンスターを特殊召喚できる!! 私はカオティック・セイメイを復活!!」

 

呪の覇王 カオティック・セイメイATK2000

 

「バトルだ!! ソーディアス・アーサーで流星竜を攻撃!!」

 

「相打ち狙い……? 迎え撃ちなさい、流星竜メテオ・ブラック・ドラゴン!」

 

 アーサーの剣と流星竜の鉤爪がぶつかり合い、やがて剣がドラゴンの喉に突き刺さり、鉤爪は鎧を貫いて互いに爆発、四散する。

 

「……仕方無しとはいえ、これで黒炎弾によるワンショットキルは防げた……続けてカオティック・セイメイでレダメに攻撃!!」

 

「攻撃力が低いのに……攻撃?!」

 

「カオティック・セイメイとの戦闘によって、私は戦闘ダメージを受けない!! さらに破壊されたことにより、相手のライフを1000吸収して、墓地から再び特殊召喚する!!」

 

火無菊LP4000→3000

 

「さらに墓地のミーア・バットは、手札が0でフィールドのレベル4モンスターが破壊されたとき、フィールドに特殊召喚できる!! 永続魔法闇の聖剣の効果で、破壊されたモンスターのレベルは3または4としても扱うことができる!!」

 

ミーア・バットDEF500

 

「バトルフェイズに特殊召喚されたことにより、セイメイは再び攻撃できる!! もう一度セイメイでレダメで攻撃!!」

 

「っ、させない! リバースカードオープン! “次元幽閉”! カオティック・セイメイを除外します!」

 

「……ここで次元幽閉か……手札もフィールドもほぼ尽きた……ここまで、か。ターンエンド」

 

剱菜 LIFE2750 手札0

フィールド

ミーア・バットDEF500

闇の聖剣

水銀海の工場島

 

「私のターン、ドロー」

 

手札1→2

 

「……墓地も有益なカードは見えなかった筈……なら、バトル! エビル・デーモンでミーア・バットを攻撃! 魔霧炎!」

 

 エビル・デーモンが天へと両腕を掲げると、天空から無数の炎の弾がミーア・バットめがけて降り注いだ。

 

「……ついにはモンスターすら居なくなった……これまでか……」

 

「……対戦、ありがとうございました。このデュエルは今後の良き糧とします。レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンでダイレクトアタック! ダーク・メガフレア!!」

 

剱菜 LIFE2750→0

 

デュエルエンド

ライフキル

win 本田 火無菊

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「Aaaaaaathrrrrrrrrrrrrrrrrrrr!!」

 

「「「またか剱菜(先輩)!?」」」

 

「ファッ!?」

 

「突然なんだよ!?」

 

 突然の剱菜の叫びに蓮らは突っ込み、遊輔と星史は驚きの声を上げる。他の遊勝塾のメンバーも声には出ていないが、驚いている様子だった……

 

「あー、気にしなくても良いですよ、剱菜先輩、自分を円卓の騎士のランスロットだと思い込んでる節があるんで」

 

「……サブデッキも確か、【聖騎士】で組んでたぐらいだし……いつもこんな感じだから気にしたら負け……」

 

「そ、それでいいんですか……?」

 

 決闘部のメンバーの落ち着き具合に思わず呆れ口調で柚子が問いかけていた……

 

「Aaaathrrrrrrrrrrrrrrrrrrr!!」




さて、何だかんだで2パート1試合のペースだな。このペースで進めばパート11くらいで全デュエルが終わりそうだな。あっちの方はどんなペースなんだろうか……っとと、今回もデュエルを終えた2組と色々話し合おうと思うぜ。今回は……この2人だな

火無菊「本田火無菊です。私のデッキは【真紅眼の黒竜】ですね」

劔菜「黒霧劔菜だ。デッキは【疑似不死ループ】というものだな」

火無菊「あ、戻ってるんですね」

 作者が後書きに呼ぶにあたってあの状態じゃあまともに話せそうにないってんでデュエルしたんだと。んで、俺が様子を見に行ったらノーダメージで作者が負けていた。

火無菊「……あれ、作者のデッキって【ジャンクシンクロ】でしたよね?」

劔菜「とても有意義なデュエルだった。懐かしのカードがいくつか混じっていたがな。『人食い虫』とか『ファイヤー・ウイング・ペガサス』とか『ミスターボルケーノ』とか」

火無菊「……人食い虫は分かりますが他2枚……」

 なんでも、懐かしいのがあったから入れてみた、反省はしているが後悔はしていない、とのことだ。ちなみにミスターボルケーノのカードは大分ボロボロだった。

劔菜「因みに、【真紅眼の黒竜】という事だったが……どういった軸で回しているんだ? 大体内容は分かるが……」

火無菊「はい、私のは【真紅眼の黒竜】の中でも【デュアル軸真紅眼の黒竜】というものです。アクションデュエル時には外していますが『化合電界』を軸に回したりしております」

劔菜「成程な……しかし、腑に落ちない事がある。さっきのデュエルでの初手の手札の内容を教えてほしい」

火無菊「えっと、『伝説の黒石』『レッドアイズ・インサイト』『紅玉の宝札』『真紅眼の黒炎竜』『黒炎弾』ですね」

劔菜「ふむ、では質問だ。最初のターンでなぜ黒炎弾を発動しなかったのだ? 真紅眼の黒竜はフィールドに存在しているのだから、発動は出来たはずだ」

あー、その事……まぁ、【遊勝塾のメンバーならいつもの事だから】気にならないな。

劔菜「???」

火無菊「実は、私はあまりバーンカードは好まないのです。ですから、『レッドアイズ・バーン』も入れていませんし、黒炎弾も1枚のみです」

劔菜「成程な。しかし、それでは守備に特化したデッキにはかなり苦戦をするのでは?」

火無菊「構いません。その為の除去カードもそこそこ入れておりますので、その辺りは気にならないですね」

それじゃあ、そろそろ締めといこう。二人とも、最後に言う事はあるか?

劔菜「勝負において躊躇いは隙も同然だ、そして同時に相手を見下してることと同じだ。優しいだけでは勝てるものも勝てなくなるということを忘れるな」

火無菊「ご安心を。次は私の本気をお見せ出来たら良いかな、と思います」(ニッコリ)

遊牙・劔菜「「!?」」

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