遊戯王ARC-V 風纏いの振り子   作:瑞田高光

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とある高校生達との決闘目録-3

「「「「「ぶー!?」」」」」

 

 余りの奇行に蓮達観戦していたメンツは歓談しながら飲んでいた飲み物を一斉に吹き出してしまった。まさかそんなことをしでかそうなどと誰が考えるだろうか……

 

「あり得ない……あり得ない……いくら塔の上を狙いたいが為だけにそこまでするんだよ……普通に登れば良いだろう……登れない場所じゃねーだろ……」

 

「ん、まぁ実際に現実だしな……それにアイツもデュエリストだしなんとかなるだろ。それに遊勝塾の人間もあれぐらい簡単にできるだろ?」

 

「「「「「しない! ありえない! するはずがない!」」」」」

 

「できないとは言わないんだな? あ、頂上に激突した」

 

 凄い轟音と土煙をあげてるフィールドを見ながら、蓮は苦笑するのだった。

 

「……ジェット塾という今はないデュエル塾がありましてね、そこはモンスターに<<自分を飛ばさせて>>アクションカードを拾う事が基本だと教える塾なんです。けども、怪我人が続出したのでオープンして3日で廃塾となったんです」

 

「まぁ、出来ないことはない。でも、怪我をしないためにしない。これが自然と暗黙の了解となったのさ」

 

 蓮の言葉に火無菊が答え、遊輔が結論付けた。

 

 

「…………ぶっ飛んでんじゃねーの? 物理的と頭的に……まぁ、これ以上展開するつもりもねぇ訳だし……デミス、いけっ! デミスのモンスター効果! ライフを2000支払ってデミス以外のフィールド上のカードを破壊する! ついでに言うとラーメンに欠かせないのはメンマだろーが!!」

 

「…………お前もデッキがいろんな意味でぶっ飛んでるし……そもそも、ラーメンに必要なものの言争いをしている場合でもないだろう…………」

 

 遊輔は今目の前での光景、並びに彼らの発言に頭を悩ませるのであった……

 

 

「罠カードォォ!! “バトルマニア”ァァァァァ!! そしてアクション魔法“ミラーコート”ォォォォ!! 対象はセットモンスターァァァァァ!! そしてレインボー・ライフの効果で1000回復ゥゥゥゥゥ!!」

 

亮 LIFE2000→3000

 

「これでデミスはセットモンスターに攻撃しなければならない!!」

 

「……大丈夫か? いろんな意味で」

 

「ふ、俺がいつ……大丈夫だと言った?」

 

 

 

 

 

 

                    \ チーン /

 

 

 

 

 

 

 煙の晴れた瞬間、その言葉が似合うほどに亮は頂上で横たわっていた。

 

「……バトルマニア、か。でも、そう簡単に攻撃しねーよ! アクションマジック“伏魔殿の酢凰琉”!」

 

伏魔殿の酢凰琉(スコール) オリジナルアクションマジック

このターンの攻撃権利を放棄することで相手フィールドのセットモンスターを全て除外する。その後、除外したモンスターの数×1000ポイントだけ自分のライフを回復する

 

「この効果でお前のセットモンスターを除外し、ライフを1000回復!」

 

「させない!! アクション魔法“ノー・アクション”!! 相手の発動したアクション魔法を無効にする!! さらにレインボー・ライフの効果で、俺はアクション魔法のペナルティダメージ分、ライフを1000回復する!!」

 

亮 LIFE3000→4000

 

「っ、だが攻撃権利の放棄はコストだから攻撃は出来ない! 俺はカードを4枚伏せて墓地のデーモン・ソルジャーとブレイン・ジャッカーを除外して手札のダーク・ネフティスを墓地に送る! モンスターをセットしてターンエンド!」

 

星史 LIFE2000 手札2枚

フィールド

『終焉の王デミス』 A 2400

伏せモンスター

伏せカード四枚

 

「さて、俺のターン!!」

 

 引いたカードを確認すると、亮は再びニヤリと口許を歪めた。

 

「俺はカードをセット!!」

 

「……なんだ、セットするだけか。俺の思い違いか……?」

 

「……そいつは俺のセットモンスターを見てから言いな!! リバースモンスターオープン!! “メタモルポット”!!」

 

メタモルポットATK700

 

「っ、メタモルポッド!?」

 

「こいつの効果は有名だよな!! 互いに手札を全て捨ててカードを5枚ドローする!! 俺の手札は0枚、そっちは二枚、さっきのピーピングで見るに、恐らくデッキに“ネクロ・ガードナー”ならまだしも“超電磁タートル”は入ってねぇ、そんなのはアクション魔法で代用すれば良いからな!!」

 

「まぁ、普通は入れねぇだろうな……けど、決め付けも良くないぜ?」

 

 手札を捨てながら、亮の言葉にニヤリとしながら返す。その様子を見て火無菊は「というか、星史のデッキを初見でしっかり見抜けるヤツはまず居ないです。確実に……」と呆れた様子で呟いた。

 

捨てられたカード

怨念集合体×2

 

「いーや、お前は容れてない。お前が今捨てたモンスター……“怨念集合体”を見ても、お前が使ったカードを見ても、お前のデッキのモンスターは基本的に、いわゆる【オカルト】系のモンスターを中心として組み上げてる!! なら狼男のような姿をしたネクロ・ガードナーはまだしも、機械的な生物の姿をした超電磁タートルは容れてない!! 一枚でも容れればデッキコンセプトを破綻させるからな!! だから俺はこのカードを使う!! 今引いた魔法カード“魔法石の採掘”!! 手札の二枚を捨てて、墓地の手札抹殺を回収する!! そして捨てた中にある二枚目のシャドール・ビーストと暗黒界の狩人ブラウの効果で二枚ドロー!! そして、手札抹殺を発動する!! さぁ、手札を捨てな!!」

 

「……なら、試してみるか?」

 

 星史はニヤリと笑いながら手札を墓地に送り、デッキより新たに5枚引く。

 

捨てられたカード

死霊伯爵

冥界の魔王ハ・デス

絵画に潜む者

夢魔の亡霊

首なし騎士

 

 

「……墓地へ捨てられた三枚目のグラファの効果発動!! 俺が破壊するのは、その伏せモンスターだ!!」

 

破壊されたモンスター

ニュードリア

 

「まぁ、オカルトっぽいって言われると……あながち間違いでもないけどな」

 

「……お前、今の状況分かってるのか?」

 

「大方、予想は付いてるさ。まぁ、一応“死霊ゾーマ”を発動し、特殊召喚するが……何かあるか?」

 

 亮の問いかけに星史は笑って返しては伏せてあった罠モンスターのカードをオープンした。

 

 

 

「……星史の凄いところは、デッキの読めなさもだけど……自分がピンチでもそうでないときも、笑い飛ばす……遊牙さんと同じところなんだよなぁ……私には、到底……できない…………」

 

 デュエル場の様子を見ていた火無菊は小さく、だれにも聞こえない声で呟いていた。

 

 

 

「……いや、何もないぜ。分かってるなら、このターンで終わらせるぜ!! 手札から再び魔法カード魔法石の採掘を発動!! 手札のページとリビングデッドの呼び声を墓地へ捨てて再び手札抹殺を加えて、発動!! 俺の手札は残り二枚、そっちは五枚だ。伏せカードの発動はあるか?」

 

「……いや、何もない」

 

「……なら最後に俺の切り札を見せてやる!! 俺はまず魔法カード“貪欲な壺”を発動し、墓地のシャドール・ビースト、シャドール・ヘッジホッグ、シャドール・リザード、ページ、ブラウをデッキに戻して二枚ドロー!! そして儀式魔法、“六絶神の生誕”!! フィールドまたは墓地のモンスターを除外して、手札の六絶神と名のつく儀式モンスターを特殊召喚する!! 俺は墓地のシャドール・ビーストを除外!!」

 

 墓地から消えていくカードと共に、フィールドの上空が轟音と共に暗く闇に染まる。

 

「欲望の紫石から産まれし死の神よ、我がフィールドに舞い降り、あまねく全てを冥界へ送れ!! 儀式召喚!!

 

現れろ!! “六絶神 欲望のデス・ガル・ヴァトス”!!」

 

六絶神 欲望のデス・ガル・ヴァトスATK2000

 

「デス・ガル・ヴァトスが儀式召喚に成功したとき!! 墓地に闇属性モンスターが5枚以上存在するとき、デッキから手札が5枚になるようにドローする!! 俺の手札は今は二枚、よって三枚ドロー!! そして最後に俺は伏せていた魔法カード一時休戦を発動し、互いに一枚ドロー!!」

 

 そしてこの瞬間、星史のデッキは0に、亮のデッキは残り六枚……完全に勝負は確定した。

 

「俺はこれでターンエンドだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まさか、あの時と同じデッキデスだなんてな……やっぱりオレには40枚デッキは性に合わねぇや」

 

デュエルエンド

デッキデス

win 不動島亮

 

 

 

 

「そうでもねぇよ。お前が便乗を使ってこなきゃ、ビートダウンを狙って多分返り討ちになってたしな。年下と思って少し油断してた」

 

 亮はそう言いながら星史に右手を差し出す。

 

「いいデュエルだったぜ。もし次に戦うなら、今度は油断無しで最初から本気で行くぜ」

 

「オレだって次やる時は負けねぇよ!」

 

 そうして二人は互いに握手を交わし、フィールドから出た。




えーと、今回は地文は俺、榊遊牙が担当するぞ。作者はなんでもドロイデンさんとどこかへ食事に行くらしいから不在だ。何してんだよって感じだが……っと、本題に移ると……
とりあえず今回のコラボの後語りではデュエルが終わったらデュエルをしていた2組を呼んで色々話をしてもらおう、という感じだそうだ。そんなわけで今回はこの2人だ。デッキ紹介もしてもらおうか!

星史「よぉ! 高井星史だぜ! まぁ、分かってるとは思うが俺は【オカルト】だ」

亮「不動島亮っす! デッキは【スキドレ暗黒界】っすね」

…………ってかさ、星史。お前なんで調整中のデッキなんだよ

亮「え、どういう事っす?」

いや、アイツのデッキ、本来は60枚だし……

亮「……え?」

星史「いやぁ、昔みたいに40枚に抑えようと思ってさー! やっぱり60枚に戻した方がいいよなぁ、うん」

ついでに言うと、アイツはコンセプトデッキの様に見えてしっかり汎用性のあるカードも多いし……ってか、今回それいっぱい外してたんじゃねーかよ!

星史「アハハ……んなこと言われたって俺は昔のデッキに戻しただけだっつーの」

亮「……えーと、つまり?」

アイツのデッキ本来の奴なら『強欲で貪欲な壺』、『紅蓮魔獣 ダ・イーザ』、『カオス・エンド』……それと、『超電磁タートル』も入っちゃってる……って訳だ

星史「いや、それらはもう外してるぜ? 他にも入れたいやつあったからな!」

亮「入れてた!? え、だって……デッキコンセプトが…………」

こいつがコンセプトを守る、といつから勘違いしていた?

亮「いや、だって実際に……」

アイツはコンセプトデッキに見せかけた謎デッキでコンセプトなんてあったもんじゃない。それっぽく言うならば【オカルトっぽいデッキ】だな。

亮「」

星史「よーし、デッキ組み直したぜ! やっぱり、60枚デッキの方が落ち着くな!」

……もうそろそろ時間だな、それじゃあ、2人とも。何か最後に一言……

星史「次に俺がデュエルする時は俺の本来のデッキを見せてやるよ!」

亮「…………まぁあれだな。デュエルの腕はともかく、誰彼構わずのため口には気を付けろよ、何せ世界にゃタメ言ったら毒ぶっ刺す変態クラゲ野郎みたいなのがいるからな、うん」

星史「努力はするぜ」

…………ダヨネ

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