遊戯王ARC-V 風纏いの振り子   作:瑞田高光

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章タイトル通り、αストーリーということで番外編になります!
(※とあるシリーズとは一切の関係はございません。それっぽく書いただけです)
(※これは予約投稿ですので章タイトルは後で付けることになるので、まだ章タイトルねーよ! という苦情は受け付けておりません)

因みに、この番外編だけは毎日投稿として予約しておりますので、毎日夕方17時に見れるようにしておきます!


風纏いの振り子 番外編 αstory
とある高校生達との決闘目録-1


 舞網市の某所。昼過ぎに遊勝塾へと駆け足で向かう2つの人影があった。

 

「火無菊! 何でお前今日あるって言ってくれなかったんだよ!」

 

 人影の片方は……少しクセッ毛の茶髪と青い眼の青年。身長は170cmほどに見受けられ、赤い紐の黒シューズに水色のGパン、黄色のシャツに袖が黒の赤いジャンパーの服装であった。

 

「仕方無いでしょう、星史? 私だってついさっき遊勝塾のソリッドビジョンが直ったと報告を受けたんですから!」

 

 もう一人、火無菊と呼ばれたのは……黒目がちのややぼんやりとした目に、丸いラウンドで長めの黒髪ショートで耳から顎下へと前下がりに切りそろえて横髪が輪郭にかかっている星史と呼ばれた青年よりは背の低い少年で、紫色の生地に淡い桜色の桜模様が描かれた和装を着ている。駆ける度にカランカランと下駄の心地良い音が鳴り響いている。

 彼等はつい先日とあるジャイアントキリングを起こした兄弟、榊遊矢と榊遊牙の所属する遊勝塾の塾生である。

 

「火無菊ぅ、早くしようぜ! ……火無菊?」

 

 クセッ毛の少年……星史は駆けながら友である火無菊に声をかける……も、振り返れば肝心な彼は足を止めている。どうしたのかと駆け足で戻り、再び声をかける。

 

「火無菊、どうしたんだよ……」

 

「いえ、あの方々……」

 

 火無菊の指をさす方向を星史が見る……するとそこには…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よし、もう一度チャレンジだ、遊矢!」

 

「……あぁ! 手札を引いて……ペンデュラムカード2枚来た! 俺は EMオッドアイズ・ユニコーン と EMファイア・マフライオ でペンデュラムスケールをセッティング! これでEMヘイタイガーとEMフレンドンキーを特殊≪ビーッ!ビーッ!ERROR!ERROR!≫……なんでなんだろう……」

 

「うーん、ちょっとこの辺はまだ俺もいまいち感覚をつかめていないから、なぁ……」

 

 遊勝塾のデュエルフィールド……ここでは現在、榊遊矢とその兄の榊遊牙が何やらペンデュラムカードを試しているようであったが、なかなかうまくいかない模様。しかし、遊牙の様子は少しソワソワしている様子だった。

 

「(あぁ~! じれったい!! 答えを言うのは簡単だよ? 簡単だけど! 遊矢の為にならないから言えないっ!! ついでに悩んでる遊矢が可愛いからこのまま見ていたいっ!!)」

 

 ……答えを言いたいが、弟(原作主人公)の為に黙っているだけであった(少し邪な想いもあるようだが……)

 

「……じゃあさ、視聴覚室で俺達のあの試合(自分のは遊矢の精神衛生の為に無音だけど)を見直してみようよ。何かヒントがあるかも知れないし」

 

「あぁ! その手があったな、行こうよ、兄さん!」

 

 遊牙の提案に遊矢も大きく頷いて2人揃ってデュエルフィールドを出る。すると……

 

「遊矢! 出てきたって事はペンデュラム召喚をマスターしたの?!」

 

「……ペンデュラム召喚をマスターした割には微妙な顔だな、遊牙」

 

「どうだ、何かヒントはあったか? 二人とも……」

 

 3人の男女が揃って遊牙と遊矢に声を掛けてきた。

 

「柚子……いや、まだ分からないんだよ」

 

 遊矢は残念そうに柚子に首を振りながら返す。柚子は残念そうに肩を竦めた。

 

「残念ながらまだ手詰まりだよ、杏子。あ、これから視聴覚室を使っても良いですか、遊輔さん」

 

 遊牙が肩を竦めて返答したのは外に跳ねた茶髪が特徴的な少女…のような背丈の女性……柊 杏子、そして立て続けに返答した相手は明るい茶髪を短く刈り上げて焦げ茶色の瞳を持つ青年……星野 遊輔。杏子はヤッパリか、と言った風に肩を竦め、遊輔は今はまだ誰も使っていないから大丈夫だと頷く。

 遊輔の言葉に笑顔で頷き、遊牙は遊矢と共に視聴覚室へと入って行った。すると……それと入れ違いになるように入口のドアが開いた。

 

「あ、遊輔先生ー。おはよー!」

 

「ん…………星史……と火無菊か。どうした……ってその人達は?」

 

 遊輔が自身が臨時講師をしている塾生である星史の声に真っ先に気付いて振り返る。星史の隣に幼馴染みである火無菊がいることを確認……したまではよかったが、その後ろにいる人物たちに存在に気付き、問い掛けた。

 

「なんか、舞網市までカードを買いに来たらしいんですけど、道に迷っていらしてて。お店の名前をお訊きしても分からないので先生や塾長なら何かご存知かと思ってお連れしたんです」

 

「風山蓮です。高校二年生だ」

「……朱志那蘭。同じく二年」

「不動島亮っす!! 同じく二年っす」

「黒霧劔菜だ。一応高校三年生で私達の部活のリーダーだから、よろしく頼むよ」

「僕は三納代祐司、三年生でタッグデュエリスト。そしてこっちが相方兼姉の……」

「こっちのいうな!! ……三納代椿姫よ、これでも三年生だから小さいとか思ったら焼き尽くすからね?」

 

 遊輔の問いに星史……ではなく、火無菊が答える。遊輔が連れてきたという面々を見てみると、確かに学生服を全員が着ている事もあり、身長も全体的に高校生を彷彿させるものである、と感じ取り別段嘘をついている……とは思えない。と遊輔は結論付けた。

 

「まぁ、俺たちの自己紹介するまでもねぇが……改めて自己紹介をするとしたら……俺は高井 星史。中学2年の遊勝塾所属だ!」

「星史の幼馴染みの同じく中学2年生。遊勝塾所属の本田 火無菊と申します。お見知りおきを」

「私は柊 柚子です。星史や火無菊と同じ中学2年生で、遊勝塾所属です」

「アタシは高校3年。柊杏子。遊勝塾所属だよ」

「ここにいるメンバーでは俺がラストだな。星野 遊輔、18歳。一応、これでも遊勝塾の臨時講師だ。現在塾長は別件で不在でな……後は我が遊勝塾の誇るペンデュラムの開祖兄弟の中学2年の榊遊矢と俺と同い年の高校3年、榊遊牙がいるんだが……今は生憎とペンデュラム召喚の確認中で今は別室にいる。他にも小学生メンバーがいるのだが、今日は生憎と学校行事でな。他にも1人いるのだが、実家の手伝いで忙しいらしい。よって今いるのは俺を含めて7人だけだが、まぁゆっくりしていきな」

 

 相手の自己紹介も終わった事もあり、星史の自己紹介を皮切りに遊勝塾の面々も自己紹介をする。遊輔は今この場所にいない人物達の自己紹介もしっかりとしておいた。

 

 

 

 

 

「……あの、ゆっくりって…………」

 

「ん、あぁ。多分だが……おっと、部長さんとやらがいらしたな」

 

 落ち着いてきた所で互いにある程度距離を保ったまま身内での話し合いを始め……火無菊が不思議そうに遊輔に問い掛ける。遊輔がそれに返そうとしたとき、ちょうど相手方より黒霧劔菜がやってきたことで話は途切れた。

 

「や、お話の途中に失礼」

 

「確か黒霧さん、でしたね。確かカードショップをお探しとのことですが……」

 

「うむ、○○というカードショップなのだが……何か心当たりはおありだろうか?」

 

 遊輔の元にやって来た劔菜。劔菜がお店の名前を問うも、その店の名前には聞き覚えがない。首を振る遊輔に劔菜は肩を竦める……

 

「ふむ……仕方あるまいな」

 

「まさか、それだけのためにじゃないでしょう。本題を素直におっしゃっては?」

 

 納得する劔菜だったがそんな様子はお構いなしに遊輔はそう言い放ち、柚子と杏子に遊矢と遊牙を呼んでくるように指示をする。火無菊が全く分からないといった様子で「いったい何が……?」と分からない様子であったが、劔菜はフッと笑うと

 

「バレていたか……我らとぜひ練習試合を組んでいただきたい」

 

「その真意は?」

 

「うむ、近々我らのデュエル部はとあるチーム大会に出場する予定なのだが……まだ、まともなチーム戦をできていない。もし良ければ、チーム戦で戦わせていただけないだろうか? タッグデュエルを含めたもので、だ」

 

「ふむ……タッグデュエルを含めればそちらは5組。では3戦目にタッグデュエルを挟んだ合計5戦によるチーム戦で如何かな?」

 

「それで構わない。感謝する」

 

 遊輔と話していた劔菜が部員達の元へと戻る……そしてそれを見届けた遊輔はクルリと星史と火無菊の方へと向けば笑って宣言した。

 

「と、言うわけで遊勝塾とあちらのデュエル部によるチーム戦の作戦会議を開始する」

 

「(まるで意味が分かりませんよ!?)」

 

 火無菊が心の中で苦悶していると同時に柚子と杏子が遊矢と遊牙を連れてきたことで順番決めが始まった……

 

 

 

 

「さて、互いに決まったようだな。俺達遊勝塾チームは……」

 

「俺、高井星史が先発で行かせてもらうぜ!」

 

 互いがメンバーが決まったところで遊輔が途中まで言うと、先輩だろうとお構い無しにタメで喋る中二……星史が一歩前に出て笑って宣言した。そしてどうやら相手は不動島亮という人物が先鋒のようだった。

 

「一応、ここは俺たちのホームみたいなもんだし……アクションデュエルかスタンディングデュエルか、好きなの選ばせてやるよ」

 

 デュエル場に移動した星史はいつもの調子で亮に選択を迫る……

 

「まぁ当然俺はアクションデュエルをやらせてもらうんだがな……一応歳の差あるんだからよ、少しは敬語とか……」

 

「んなもん知るかっての。別に俺はいつもこんなんだし、変えろって方が無理だっつーの」

 

「……えっと、管制さん?アクションフィールド展開お願いします」

 

 亮は星史の返しに怒りを覚えたようで、それをみた遊矢は思わず謝罪をする……

 

『えっと、星史がすみません……ん、と……アクションフィールド、オン! 〈悪魔の巣窟 伏魔殿(ふくまでん)〉』

 

 管制室に移動した遊矢が起動し、リアルソリッドビジョンによってデュエル場に今回のデュエルで使用されるアクションフィールドが展開される……そして今回選ばれたのは〈悪魔の巣窟 伏魔殿〉。頭上にあるAカードの数々が詰まっている球体が浮かび上がったの以外では基本的には現存するフィールド魔法である『伏魔殿-悪魔の迷宮-』の画像とあまり変わらないようにも見えるが、彼らがいる場が荒野のようになっており、その少し先に悪魔の口のような入口があった。

 

「戦いの伝導に集いしデュエリスト達が!!」

 

 まず初めに星史が先んじていつもの掛け声を始める。

 

「モンスターと共に地を蹴り、宙を舞い、フィールド内を駆け巡る!!」

 

 それに応じるように亮が掛け声を返す。

 

『見よ!! これがデュエルの最終進化系!! アクショ~ン……』

 

 そして観客全員が叫ぶ。そして……

 

「「デュエル」」

 

 星史と亮の宣言と同時に二人の頭上にあった球体が弾け、Aカードがフィールド内に散らばっていった。




はい、という訳で今回のコラボはドロイデンさんの「スピリットが遊戯王モンスターになってた件」より蓮・蘭・亮・椿姫・祐司らデュエル部メンツに来てもらいました!
現実的デュエリスト5名にうちのメンツはどう戦っていくのか!乞うご期待!!

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