八咫烏は勘違う (新装版)   作:マスクドライダー

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第7話 さらば箒!男の涙は(ry

アラスカ条約。ラノベであるインフィニット・ストラトスを読んだことがある人には、馴染みのある言葉なのではないだろうか。まぁ要するに、あんなトンデモ機械の情報独占すんなやジャパン……え?コラぁ。こういうんはなぁ、各国で平等に共有せんとアカンやろ。解ったらとっとと、耳ぃ揃えて寄越すモン寄越してもらいましょか?

 

 ……と、いった具合に日本を含めた21の国と地域で、ISに関する情報開示と共有を条件に成立した条約である。前世でも日本が苛められてるビジョンしか見えなかったけど、思ったより酷かったねぇ……アレ。現地の様子とかテレビで中継されてたけど、基本的に罵詈雑言だったよ。まぁつまるところ、世に出ちゃったんだよねぇ……ISが。

 

 モッピーの家に遊びに行った日が、白騎士事件当日とはたまげたなぁ……。パパンが慌てて避難とかいうから何かと思ったら、まさか白騎士事件とはねぇ。ってかさぁ……日本政府及び各国のお偉いさん方さぁ……。こういう時に限ってさぁ、話し合いをスラスラ進めちゃってコンチクショー。

 

 もっとゆっくりグダグダやってくれれば良い物を……。おかげで、おかげでぇっ……モッピーとお別れじゃんよおおおお……。うぇぇぇぇ……寂しいよぉ、辛いよぉ。いや、解っている。原作通りに事が進むのが前提だとすると、モッピーとの別れは必然だ。でも、解っていても辛い。モッピーの……汗の匂いを嗅げなくなると思うと……。

 

 本日は、俺の心模様を反映させたかのような土砂降りでござんす。今は放課後なんだけど、傘忘れちった。天気予報では、日中晴れる。……みたいな事を言っていたんだけどねぇ。そのせいか、貸し出し用の傘は1本たりともなくなった。ワラワラと勢いよく少年少女が傘へ群がったせいか、俺は確保する事が出来なかったのだ。

 

 ま、イッチーが確保したから問題ないけど。でもあの子……帰っちゃったんだよなぁ。なんか、1回家に帰ってから傘持ってくるとか言ってた。そんな面倒な事をしなくたって、俺を入れてくれればいいと思うんだけど……。ハッツ!?もしかして……嫌われている!?俺と一緒に傘へは入りたくないと!?

 

 楽しかったぜぇ~wwwお前との家族ごっこぉ!……とかイッチーが言い出す前に、どうにかこうにか関係修復できればいいけど。でも中の人的に言わせればハルトって叫ぶ方の人だよハルトオオオオオオッ!……それにしても、イッチーを待つのも飽きて来たなぁ……。図書室で暇つぶししてるけど、学校の図書館って、俺からすれば的外れも良い所なんだよな。難しい文学作品は読む気はないし、かと言って絵本も少しアレだしなぁ……。

 

 ラノベを置こうぜ、ラノベを。マンガ、アニメ、ゲームの知識も馬鹿にならないんだぜ?昔テストの問題で、ゲームに出てた用語が出題されて事があったっけ。昔を懐かしむのも良いけど、今は現状をどうにかしないと。う~ん……教室に居ないと、イッチーは俺を捜す事になるかも。暇は承知で、教室に戻ろうか。

 

 そう思った俺は、半分は挿絵を眺めていただけの小説を元あった場所に返した。そうして図書室を後にすると、せっせと自分のクラスへと歩いて行く。教室のすぐ近くまで来ると、明かりがついている事に気が付いた。俺と同じく雨で帰れない子が、自主勉強なんかをしてるのかな?それなら、邪魔しないようにそっと教室に入らないと。

 

 俺はそろりそろりと、教室の戸をスライドさせる。するとそこには、勤勉な子なんて1人も居ないではないか。代わりに居たのは、物鬱げな表情で雨を眺めるモッピーだった。そんな表情をしているのは、大雨だからでは無いだろう。モッピーは、もうすぐここを去る事になる。残り短い時間を、少しでも思い出に残しておきたい……のかも。

 

 ……ってか、モッピーもワンチャン傘とか持ってる可能性があるじゃん。退屈でしょうがなかった俺は、自然と傘を求めてモッピーへと接近を図る。ここで問題が生じるが、どうするべきか。俺は無言なうえに影も薄いらしいので、用事があって肩を叩くと驚かれるんだよ。しかし、他に方法が無いのが辛い所である。仕方が無いので、俺はモッピーの肩を軽く叩いた。

 

「ひ、ひぃっ!?な、なんだ……黒乃か。まったく、毎度の如く驚かせてくれるな。」

 

 まるでお化けでも目の前にしたかのような、可愛らしい小さな悲鳴をモッピーは聞かせてくれた。今のでご飯3杯はいけるな……。しかし、モッピーの様子がいつもと違う。いつもだったら、割と怒られる形で驚かせるなと言われるんだけど。今日のモッピーは、鼻に優しい柔らかティッシュ並にしっとりしている。

 

「黒乃は、帰らないのか?」

 

 いやいやモッピー、聞いてよ。いつでも帰られる状況だったのに、イッチーに置いて行かれた可哀想な俺氏なんですよ。あっ、でも……そしたらモッピーも、後からイッチーと合流できるね。ならば、モッピーの為にも引き留めておくことにしないと。モッピーは椅子に座って外を眺めていたので、俺も近場の椅子を拝借した。

 

 ズルズルと引きずって、モッピーの近くへと寄せる。そしてそのまま、背中を預ける様な形で座った。あ゛~……モッピーの背中があったかいぃ~……。この温もり、今のうちに堪能しておかなければ。うぅ……自分で言ってて寂しくなるなぁ。大丈夫さ、モッピー。俺は、モッピーの事は絶対に忘れない。

 

「黒乃……。ありがとう。本当に、ありがとう……。」

 

 背中越しだからよく解からないけど、何故だかモッピーに感謝された。あれかな?テレパシーみたく、俺の言いたい事が伝わったのかもな。う~む、ツーカーが取れるってのは良いね。それは黒乃ちゃんがこの状態だからかもなぁ……。もし俺が欲望のままに行動していたら、間違いなく嫌われてるだろうし。

 

 どっちにせよ、今回は傘が目当てな部分もあるし……。複雑な気分ではあるけれど、モッピーが嬉しく思っているのならそれで良いか。そして俺とモッピーは、無言で教室へ居座り続けた。やがてイッチーが俺を迎えに来てくれて、いつもの3人で家路へと着く。

 

 この帰り道を3人で歩けるのは、もはや終わりの見える頃だ。こんな時くらいは、明るい表情でいたいのだけれど。せめて俺は、2人から一歩引いておかないとだな。モッピーはイッチーと離れるのが最も辛いはずだ。ガッデム要人保護プログラム。そんな事を心で呟き、俺は2人の背を見守った。

 

 

 

 

 

 

 そうして時間は過ぎて、モッピーが引っ越してしまう日となった。織斑姉弟と俺は、全員で見送りに来ている。たば姉はドロンと失踪してしまったせいで、かなり前から行方知らずだ。そう思うと、最後に交わしたやりとりはどんなだったかな?最後にもう一度で良いから、あの巨乳に顔面を埋めたかったなぁ……。

 

「箒……。向こうに行っても、元気でな!」

「ああ、ありがとう……一夏に黒乃。それに千冬さんも、本当にお世話になりました。」

「こっちこそ、ウチの馬鹿2人が世話になった。特に、黒乃はな……。」

 

 俺の頭をポンポンと叩きながら、ちー姉はそう言った。いやぁ……ちー姉の言う通りに、本当にそうだよ。モッピーが居てくれたおかげで、いろいろと助かった事が多い。それはそれとして、イッチーと並んで馬鹿扱いは心外だなぁ。イッチーもイッチーで、ちー姉へと向けて抗議の視線を向けている。

 

「なぁ……黒乃。今日も声は出なさそうか?しばらくは、箒と離れ離れになっちゃうんだぞ。」

「いや、大丈夫だ。黒乃、無理をする事はない。見送りに来てくれただけで、私は十分だ。」

 

 そうだよねぇ、別れの挨拶くらいはしなきゃだよな。俺も全力で声を出そうとしてるけど、いつもと同じで声帯が機能しない。くそぅ……困った身体だなぁ。俺が必死に声を出そうとし続けていると、そのときにふと一陣の風が吹いた。……と、同時に俺の両目に痛みが走る。

 

 ぐおああああ!風に巻き上げられたゴミか何かが、俺の両目に入りやがった。なにこのミラクル……。両目に同時とか、奇跡としか言いようがないじゃん。いたたたた……涙が出てきた。それよりも、こんな事をしている暇じゃないんだって。モッピーに、別れの言葉をだね……。

 

「ずるいぞ、黒乃。私だって、泣か……ない……ように、我慢していた……のに。よりにもよって、お前が……泣くと……。う……うぅ……!うわああああああ!」

 

 ぬぅん、モッピーよ……抱きついてくれるのは嬉しいが、腕ごとロックするのは止めておくれ。目を擦りたくても擦れない!拷問だぁ……。……って、あれ?前にもこんな事があったような……?それよりモッピー……そうだけど、そうじゃないんだよ。

 

 確かに俺は、泣きたいくらいに別れは悲しい。だけど、この涙はそういうのじゃなくて……。ま、まぁいいか、結果オーライって奴だろ。泣け泣け、モッピー。お兄さんの胸の中で、思いきり泣きなさい。俺はとにかくイッチーとは、今生の別れってわけじゃないけどさ。感情を表に出せるのは、きっと幸せなんだから。

 

「箒、そろそろ行くぞ。」

「い、嫌です!2人と離れたくありません!」

 

 モッピーは泣いてしまったせいで、気持ちが揺らいでしまったらしい。モッピーにしては珍しく、駄々をこねるようにパパンの言葉を拒否した。そして俺にしがみつくもんだから、パパンがそれをひっぺがしにかかる。篠ノ乃親子の悶着に巻き込まれた俺は、もみくちゃ状態である。

 

 なんか、アレかもな……俺が涙を流すと、不幸な事態になる。ジンクス的なものになる気がして、すっごく嫌なんですけど。しかしモッピーの抵抗も空しく、俺から引き剥がされ強引に車へと連行された。パパンも俺達に別れの挨拶をすると、付け足すように精進しろと念を押される。そうしている間に、車は走り出してしまった。

 

「一夏ーっ!黒乃ーっ!」

「箒……。……行こう、黒乃!最後まで、追いかけよう!」

 

 へ……?ちょっ、ちょっとタイムだイッチー!まだ涙で前も良く見えないのに、そんなに引っ張ったら転ぶ転ぶ!俺は必死で足を動かして、転ぶのだけは避けようと踏ん張る。薄ぼんやりと、車の中から手を振るモッピーが辛うじて見えた。でも……やっぱ走るのでいっぱいいっぱいだ!スマーン、モッピいいいい!

 

 心の中でそう叫ぶしかない、なんとも微妙な別れになってしまう。車が見えなくなったのか、イッチーはようやく走るのを止めてくれた。やっと涙を拭う事が出来た俺は、遠慮なしに袖で目元を拭いた。するとイッチーが、俺は黒乃の隣に居る……なんて言うけど、本当に寂しいから出た涙とかじゃないんだよ?

 

 まぁ……心配してもらえる内はいいよね。俺はイッチーの言葉に首を頷かせ、肯定の意思を示した。するとイッチーは、自分でも照れ臭そうにはにかむ。そうして元来た道を戻ると、2人揃ってちー姉に抱き止められる。ちー姉も、モッピーの転校に思うところがあるんだろう。そう……しみじみと考える俺であった。

 

 

 

 

 

 

 ザーザーと雨が降りしきる。今日の天気は、生憎の大雨。曇天から降り注ぐ雨の矢を、箒はただただボーッと眺めていた。天気予報では、日中晴れと言っていた。そのために、傘を持って来ていない生徒が大半だ。しかし箒は、偶然にも以前置きっぱなしにしてしまった傘がある。だから箒は、その気になればいつでも帰れる。

 

 しかし、箒は帰らなかった。なるべく多くの時間を、この教室で過ごしたかった。今は家に帰っても、どうせロクな事など無い。束がISを発表してからというもの、箒を取り巻く環境は一変してしまったのだ。一家の絆は半ば断たれたも同然で、2人の友人との絆も……秒読みで断たれるのを待つのみ。

 

 要人保護プログラムに則り、箒は余所へと引っ越す事が確定していた。それすなわち、一夏と黒乃との別れを意味していた。時分は、もうすぐ4年生が終わりを告げる頃だ。春休みに入ってしばらくすれば、すぐにこの地を去る事となる。箒は、何よりもその事が辛くてたまらない。

 

 多くの友人なんて、望んではいない。箒は、ただあの2人が居ればそれで幸せだった。ひたむきで、真っ直ぐな一夏が好きだった。喋らなくても、表情が変わらなくても、優しい黒乃が好きだった。2人は箒にとって、宝だった……。2人と一緒に居られなくなる。その考えが過るだけで、箒の心模様は今の天気と同じく土砂降りになってしまう。

 

「…………。」

 

 もはや箒は、溜息すら出て来ない。今の箒は、それほどまでに追い詰められているのだろう。心なしか瞳は淀んで、何処でも無い何処かを眺めているような……そんな感じだ。そんなにボーッとしている最中に、軽くだが箒の肩を掴む者が居た。突然の事に驚いた箒は、少しばかり意識を覚醒させる。

 

「ひ、ひぃっ!?な、なんだ……黒乃か。まったく、毎度の如く驚かせてくれるな。」

「…………。」

 

 身体をビクつかせてから振り向いてみると、そこに居たのは黒乃だった。いつもならば少しばかりの抗議をぶつける箒だが、いかんせん覇気のない様子でそう言った。それには、黒乃が遠くから声をかけられないという事情も含まれている。しかし、姿が消えていたのに……黒乃はどうしてここに?そう思った箒は、素朴な疑問を投げかける。

 

「黒乃は、帰らないのか?」

「…………。」

 

 箒も解ってはいたが、返答は無い。ただただ黒乃は、いつもの様子で箒を見据え続けた。しばらくすると、箒の近場の席にある椅子を、乱暴に引きずりながら箒の座っている場所まで近づける。そして黒乃は、運んだ椅子へと飛び乗って、箒の背中を背もたれにするようにした。

 

 まるで黒乃は、これが返答だと言いたいように思えた。帰らない。箒が帰るまで、私も帰らない。そう黒乃が言いたいように感じた。それは本人にしか定かでない事だが、それでも箒は嬉しかった。こうして、残された時間を共に過ごそうとしてくれるのは。箒は思わず声を震わせながら、感謝の言葉を述べる。

 

「黒乃……。ありがとう。本当に、ありがとう……。」

「…………。」

 

 箒には、これしか伝えるべき言葉が見つからない。だからこそ、心から黒乃の全てにありがとうを伝える。今までは、2人から離れる事は苦痛でしかなかった。しかし箒は、黒乃のおかげか……前向きな考えが浮かび始める。物理的距離なんかに、私達の絆は負けない。遠くに居ても、繋がっているのだ。

 

 そう心を新たに、ようやくしゃんとする事ができた。箒が黒乃を連れて帰ろうとすると、そこへ一夏も現れた。ちょうどよいタイミングだ。また3人で家路につけるのならば、今の箒にとってこれほどに嬉しい事はない。連れ立って帰る3人の姿は、どこかいつもより楽しそうに見える。それは空元気か、それとも……。

 

 

 

 

 

 

「箒……。向こうに行っても、元気でな!」

「…………。」

「ああ、ありがとう……一夏に黒乃。それに千冬さんも、本当にお世話になりました。」

「こっちこそ、ウチの馬鹿2人が世話になった。特に、黒乃はな……。」

 

 そうしてやって来た別れの日に、一夏と黒乃の2人はしっかり見送りに来ていた。それだけでなく、千冬も来ている事が箒としては意外だった。黒乃関連で世話になったと言われるが、とんでもない。どう考えたって、世話になったのは自分の方だ。

 

 この前黒乃が寄り添ってくれた。そのおかげで、自分はこうして明るく去る事ができるのだから。最後の最後まで、世話になりっぱなしだ。箒は、どこか自嘲するかのような表情を浮かべる。そうして別れの挨拶を済まそうとしていると、一夏が黒乃に言った。

 

「なぁ……黒乃。今日も声は出なさそうか?しばらくは、箒と離れ離れになっちゃうんだぞ。」

「いや、大丈夫だ。黒乃、無理をする事はない。見送りに来てくれただけで、私は十分だ。」

 

 箒からすれば、言葉などは不要だった。黒乃と接していて、それは何度も思った事だ。無言だろうと何だろうと、黒乃がこの場に居ればそれだけで見送りは成立している。別れの時は、笑顔で。そう心に決めていた箒は、微笑みながら黒乃に視線を送った。

 

 その時、まるで箒達を包み込むかのように……力強い風が吹いた。思わず箒は、一瞬だけ目を閉じた。そして再度目を開くと、目の前にいる黒乃が……涙を流していた。何の涙かなど、聞くまでもないだろう。箒との別れを、悲しんでいるのだ。

 

「ずるいぞ、黒乃。私だって、泣か……ない……ように、我慢……していたのに。よりにもよって、お前が……泣くと……う……うぅ……うわああああああ!」

 

 決して泣かないという思惑は、脆くも崩れ去ってしまった。無理もない……。自分の感情を表現できない黒乃が、自分との別れを惜しんで泣いてくれているのだから。もらい泣きのような形で泣き出した箒は、思わず黒乃へと抱きつく。そんな2人を、織斑姉弟は押し黙って見守る。

 

「箒、そろそろ行くぞ。」

「い、嫌です!2人と離れたくありません!」

 

 こうなってしまえば、箒は思っていた事と真逆の行動をとってしまう。どちらかと言えば、今の言葉が本音であるのに違いはない。しかし、こればっかりはどうしようもないのだ。箒のワガママを通す訳にはいかず、柳韻は強引に車へと連れ込んだ。車内でも箒はジタバタとして、すぐさま窓を開け放つ。

 

「一夏ーっ!黒乃ーっ!」

 

 大切な友人2人の名を叫ぶと同時に、車は走り出してしまう。しかし、遠ざかっていく2人は、最後まで車を追いかけてくれた。それを見る事ができて、箒は少しだけ救われた気分になる。だが、やがて2人は見えなくなってしまった。解っていた事だが、とんでもない喪失感が箒を襲う。

 

 箒は柳韻に促されて、窓から引っ込んでしっかりと座り直す。それでも黒乃の涙が脳裏から離れないのか、箒はいつまでもメソメソとしたままだった。しかし、希望を捨ててはならない。いずれまた再会できることを信じて、箒は唇を噛み締める。それでも、涙は垂れ流しのままだが。

 

(一夏、黒乃……いつか必ず……)

 

 

 




黒乃→目にゴミがぁ!?
箒→私との別れで、泣いてくれるのか……。


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