八咫烏は勘違う (新装版)   作:マスクドライダー

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第15話 一夏の覚悟

「黒乃……。」

 

 ドイツの病院の一室で、俺はただただ黒乃の様子を見守り続けた。医師が言うには、ただの過労ですぐに目を覚ますだろうとの事。しかし、長い間黒乃が眠るのを見ていると……とても不安になる。それはまだ幼い頃に、黒乃が一週間も目を覚まさなかった前例があるからだろう。

 

「なんだってこんな……。」

 

 俺は思わずそう呟かずにはいられない。なんたって、誘拐事件にあったのだから。それも目的は、どうやら千冬姉を棄権させるためらしい。ふざけんな……そんな言葉しか出て来ない。それに対しても腹が立つが、俺は何より……自分の不甲斐なさが許せなかった。

 

 どうやら黒乃は、生身でISに立ち向かったそうだ。それもこれも全て、俺を守るため……。だからこうやって、黒乃は病院に寝かされているんだ。考えれば考えるほどに、自分に対する苛立ちが増していく。結局俺は口ばっかりだ。黒乃を守るなんて言っておいて、守られてるのは……いつも俺の方じゃないか。

 

 黒乃はISにも乗り始めて、ドンドンと前に進んでいる。それに比べて俺はどうだ……?千冬姉に迷惑かけたくないって、剣道もすっぱり辞めて……そんなのただ自分に言い訳してるだけだ。そうすると、黒乃の存在があまりにも大きくあまりにも遠く感じられた。

 

「…………。」

 

 俺はいつの間にか黒乃の手を握り締めていた。こうしていると、黒乃が近くにある事を実感できる。黒乃の手はとても温かい。家事の影響か、少し荒れて女の子らしくはない。女の子らしくはないが、女性的ではある。だからこそ黒乃の手は美しいって、心からそう思う。

 

「い……ち……………か……。」

「黒乃!?」

 

 俺は驚きのあまりに、座っていた椅子を倒しながら立ち上がった。確かに今黒乃が、俺の名前を呼んでくれた。いったい……いつ以来の事だ?もはや黒乃が事故にあうよりもだった気がする。黒乃が『いちか』の3文字を発音してくれた事こそ嬉しいが、今はそんな喜んでいる場合じゃない。

 

 俺は黒乃の手をさらに強く握りしめて、黒乃の名前を優しく呼び続けた。しばらくすると、俺の手を黒乃の方から握り返してくれる。そこから先はトントン拍子で、黒乃はゆっくりとだが目を開いた。昨日の夕時ほどにここへ寝かされたから、軽く10時間以上といったところだろうか。

 

「黒乃、俺が解るか?」

「…………。…………っ!」

「あ、ゆっくり起きろよ。左腕、少し痛めてるらしいから。」

 

 目を開いた黒乃は、凄い勢いで飛び起きようとして……止まった。それは恐らくだが、左腕に痛みが走ったからだろう。それを察した俺は、黒乃の背中を支えゆっくり起き上がらせた。これに関しても数日見ればよくなると言っていたが、黒乃が腕を抑えて痛がるとなるとよほどの事だろう。

 

「「…………。」」

 

 それ以降は無言の時間が続く。いや、きっと黙ってるのは俺の方だけだ。黒乃が喋れたとするならば、俺に大丈夫だったかとか、千冬姉の試合はどうなったかとか……人の心配ばかりをしているはずだ。それなのに俺は、全く言葉が出て来ない。黒乃に、何を伝えれば良いのかが解からないんだ。

 

 ありがとうと言えば良いのか、それともごめんと言えば良いのか。どちらも……違う気がする。黒乃が俺の為に無茶を、いや……命を賭けてくれた事くらいは解っている。だけど、黒乃が望んでいるのはそんな事じゃないハズなんだ。やっぱりダメだ……そういう考えを巡らせると、つい後悔が口に出てしまう。

 

「黒乃、俺は……ダメな奴だな。黒乃が命を張ってる間に、気付きもしないで寝てたなんてよ。黒乃が、死んじまってたかも知れないのに……俺はっ……!」

「…………。」

 

 こうなってしまえば俺は止まる事が出来ずに、誰に対してか何に対してかも解からない懺悔を口にした。俯き加減でそう言っていると、病室内にパンッと乾いた音が鳴り響く。何事かと思ったが、俺の頬がジンジンと疼いている事に気が付いた。ああ、そうか……俺は、黒乃に頬を叩かれたのか。

 

 それは理解できたが、俺がすべきは黒乃が何故いきなり叩いて来たかを考える事だ。そんなの……最初から解り切った話ではある。黒乃はきっと、こう言いたいに違いない。そうやってウジウジしたって、何かが変わるのか?後悔する暇があるんだったら、これから何をすべきか考えろ……ってな。

 

 ああ、そうだ……そうだよな、黒乃の言う通りだ。自分をダメな奴って思うくらいだったら、少しくらいは変わろうとしろよ。黒乃が命を張ってくれたんなら、俺も黒乃の為に命を張れ。今までは見て見ぬフリをしていた。今の世の中は、仕方が無い事なんだって。

 

 仕方が無いで済ましていいはずもない。変わろうともしない奴の言い訳が通じるほど、この世の中は上手くできちゃいない。変わりたいのなら……足掻け、苦しめ、這いつくばってでも前に進め。俺に足りなかったのは、きっとそういう意志。足りなかった意志は、黒乃の平手打ち一発で満たされた。

 

「……ありがとうな、黒乃。」

 

 本当に、黒乃にはこの言葉を何度言ったって足りやしない。だけどいつしか、黒乃にそう言って貰えるように……黒乃を堂々と守ってやれる男に俺はなりたい。いや、なる。絶対になってみせるんだ。黒乃にはもう2度と、こんな経験をさせてはならない。黒乃は俺が守るんだ……俺が必ず。

 

「一夏、少し良いか?」

「千冬姉、ちょうど良かった!黒乃が目を覚ましたんだ!」

「何っ!?黒乃……!」

 

 千冬姉は俺に用事だったみたいだが、身体を起こしている黒乃を見て俺への興味は薄れてしまう。驚きと喜びが入り交じったような表情で、千冬姉は黒乃へと歩み寄った。しかし、それも短い時間の事だ。次第に千冬姉は、表情を険しいものへと変貌させてゆく。病院内という事に配慮してか、声を潜めて千冬姉は言う。

 

「馬鹿者が、生身でISと対峙するなどと。無茶をしなければならなかったとは言え、もう少し命を大切にしろ。」

 

 どちらかと言えば、諭すような叱り方だった。きっと千冬姉も、黒乃の迫られた二択を配慮しての事だろう。戦うか、そのまま殺されるか。きっと黒乃には、その2つに1つしか選べなかった。黒乃の事だ……迷いもなく、前者を選んだんだろう。それは、俺が居たから……。

 

「だが、とにかく黒乃は生きていた。今は……それだけで良い。」

「…………。」

 

 俺も先ほど、千冬姉に似たような事を言われた。取り乱していたし、ろくな返事は出来なかったが……俺はとにかく嬉しかった。きっと黒乃も、俺と同じ気持ちだろう。千冬姉の棄権の事は、知っているのかどうかは解らない。知れば黒乃は責任を感じる。そこに関しても、俺と同じなはずだ……。

 

「千冬姉、俺に用事じゃなかったのか?」

「ああ、そうだったな。黒乃、お前は何も心配するなよ。今日の内は、とにかく安静にしていろ。」

 

 命令口調の千冬姉の言葉は、何処か反論を許させない何かがある。黒乃は大人しく首を縦に振ると、さっそくベッドに寝直した。そして俺と千冬姉は、2人して病室から出る。黒乃の前では話し辛い内容だと、俺はなんとなくそう思った。そして病室の目の前で、千冬姉が静かに口を開く。

 

「恐らくだが……一夏、お前も取調べを受ける事になるだろう。その時は、余計な事を口走るなよ。」

「余計な事……って、もしかして……。」

「……お前の考えているように、黒乃の事だ。」

 

 誘拐事件に際して、俺と黒乃は被害者にあたる。しかし、何故無事にいられたかが説明がつかない部分がある。それこそが、黒乃が誘拐犯の1人を撃退したから。それも……生身で。俺としては凄いとしか思えないが、取り調べをする側からすれば……異常な事と取られかねない。

 

 それで黒乃に、不利な事態が起きてしまうかも知れない。だからこそ千冬姉は、俺に釘を刺したのだろう。確かに指摘されなければ、黒乃に助けられましたなんて言いかねない。俺も、もう少し考えないとダメだな。そうすると、ずっと気絶していました……とだけ言っておけば良いだろう。それに、何処も嘘をついてない。

 

「解った、気を付けるよ。」

「発言には細心の注意を払え。では、私は行くぞ。まだ取り調べが残っているのでな。」

「なぁ、千冬姉。」

「……何だ?」

「俺、千冬姉の弟で本当に――――」

「その言葉は、そこで止めておけ……照れるだろうが。」

 

 動き出した千冬姉にそう告げれば、振り向きもせずにそう返された。半ば玉砕覚悟だったが、今日の千冬姉はやけに素直だ。……千冬姉がそれを望むなら、皆までは言わない。だけど千冬姉……覚えておいてほしいのは、それだけじゃない。黒乃もきっと、そう思ってるって……それを忘れないでくれ。

 

「……剣道、また始めてみるかな。」

 

 千冬姉の背が見えなくなると、俺はポツリとそう呟いた。黒乃に追いつくのなら、ISを動かしてみたいもんだけど……男の俺には無理だ。だから、出来る事から始める事に決めた。俺はもう逃げたくないから。逃げたくないから、戦うんだ。己の無力さや、どうしようもなさと……。そう俺は心に強く誓った。

 

 

 

 

 

 

 う~ん……う~ん……ハッ!?おはようございます!……って、あり?家じゃない……。そうか、当たり前の事だ。今俺はドイツに居て、勇敢にも誘拐犯に立ち向かったではないか。んで、どうなったんだっけ?えーと、そうそう……ずっと死ぬ死ぬって思ってたから、無事になった途端に気絶しちゃったんだった。

 

 そしたら今まさに目が覚めた訳で……ここは何処よ?俺の目の前には、でっかい川以外には何もない。…………解った、これはきっと夢だ。時々だけどあるよね、自分で夢だって認識できる夢。だとしたら、そんなに騒ぐような事でもないか……。それにしても、我が夢の中とはいえ……随分とデカイ川だこと。

 

 見た限りの川幅は広く、流れも速い。激流と言っても差し支えなさそうなソレは、入ろうものなら一瞬で溺れてしまいそうだ。ん~右を見ても左を見ても、川の全貌が解らないくらいに長い。本当になんなんだろう?これじゃあまるで、こっちと向こう岸を隔ててるみたいだ。

 

 この速さじゃ……なかなか生き物も住み着きそうもないなぁ。なんて思いながら、川へ近づこうとしたその時だ。俺の手が何者かに掴まれて、制止させられる。びっ、びっくりしたぁ……!心臓が飛び出るところじゃないか。まったく、どなただよ……。

 

 そう思って振り返ってみると、これまたビックリ。なんと俺の手を掴んでいるのは、体は子供で頭脳は大人な名探偵が活躍する作品……に出てくる犯人役の黒い人的な感じだ。正確に言えば、目も口も真っ暗でシルエットと表現した方が正しそう。きっと、俺が夢で特定の人物をイメージしきれなかったんだろう。

 

 だとすると、俺の手を掴んでいるのは……実際はとびきり美少女に違いない。いや、もしかすると美女かな。そうやって思い当たる美少女、美女をイメージしてみるも……特に黒いシルエットに変化はみられない。なんだよ、つまらない。俺は辟易とした感じで、離してもらうために言葉を紡いだ。

 

()や、()がうんですよ……()わに入って入水自殺的なやつじゃなくてね、単に川の様子を見守ろうって……。)

 

 そう言っても、黒い人はウンともスンとも言わない。……なんなんだこれは!どうすれば良い!俺の妄想力よ、そんなもんじゃないだろう……そうやってムムムとうなっていると、黒い人は俺をしっかりと抱きとめた。そうそうそうそうそう……そういうやつ、そういうやつ。後は……姿だけだな。

 

『…………の、黒……!』

 

 だっしゃおらぁぃ!何処の誰さ、俺の妄想を阻むのは!今良い所なんだから、邪魔せんといて!って、ああ……なんだか周囲が明るくなってきた。これはアレか、目が覚めてしまう前兆か……。ちくせう、結局はなにがなんだか解らないままじゃん。あの川が何の暗示だったかとかさ。そこまで考えて、俺にはある答えが浮かんだ。

 

(解ったああああ!アレ、三途の川でしょ!?)

 

 なんでさ、なんで気絶しただけで……そんな夢を見んといかんのや!俺の発想力は、ある意味で天才的だったみたいだ。さて、今度こそ目が覚めらいしな。見渡して見ると、ここは病室以外の何物でもない。そこらに書かれている文字を見るに、恐らくはまだドイツだ。ドイツ語か……もっと簡単そうなら勉強するんだけどな~俺もな~。

 

「黒乃、俺が解るか?」

「…………。…………っ!」

「あ、ゆっくり起きろよ。左腕、少し痛めてるらしいから。」

 

 イッチー……無事だったか!思わず飛び起きようとした俺だが、左腕に走る痛みに阻まれた。イッチーが痛めてるらしいなんて言うって事は、やっぱり投げられた時に地面への着き方が悪かったのね。イッチーは、優しく俺を起こすのを手伝ってくれた。すまないねぇ……なんて、年寄り臭いか。

 

「「…………。」」

 

 起こしてくれたは良いものの、イッチーは何も話そうとしない。き、気まずい……。ブーブー、イッチー……大丈夫だったかとか、なんか一言くれたって良いじゃん。イッチーがグースカしてる間に、俺はいったい何度死ぬかと思ったか……。もう2度とあんなのは勘弁したい。せめてISに乗っていれば話しは別かな。

 

「黒乃、俺は……ダメな奴だな。黒乃が命を張ってる間に、気づきもしないで寝てたなんてよ。黒乃が、死んじまってたかも知れないのに……俺はっ……!」

 

 イッチーが喋り出してくれたのは全然良いんだ……。だけど何か、タイミングが悪すぎやしないかい?何事かって、小さいハエ的な虫が、ブンブンと飛び回っているからだ。ドイツにも似たようなのはいるんだな……って、鬱陶しい!イッチーの言葉がまったく頭に入って来ないじゃない。

 

 なんか、良いこと言ってるっぽいんだけどな~……。あっ、イッチーの顔に止まった……。そのままにしておけば気づくと思っていたけど、イッチーはいっこうに虫を追い払わない。……そういうところも鈍感?頬の神経死んでんの?ダメだ……今度は面白くて、話が耳を通り抜ける。

 

 そうなると、俺がどうにかした方が良いよね。ドイツも先進国だから問題ないとは思うけど、変な病気を持っていたら大変だ。それが病院に侵入してる時点でどうかとは思うけど……とにかく、大事をとって仕留める!イッチー、そのまま固まって動かないでな……。

 

 いきなりで怒らすだろうなぁ。でも、これはイッチーの為でもある。ここは心を鬼にして、掌を開きつつ指をピンと張って力を込める。そしてイッチーの頬に狙いを定めて……思いっきり振り切る!イッチーの頬を打った音が、病室内に木魂した。自分の掌を確認すると、そこに潰れた虫の姿はない。

 

 げっ……仕留め損ねた?マズイな、イッチーがくってかかってきたら死骸を見せる予定だったのに。喋れない俺にとって、言い訳ほど難しい事はない。しかし、いつまでたってもイッチーは騒ぎ出さない。不思議に思ってイッチーの様子を窺うと、頬を真っ赤に染め茫然としていた。

 

 つ、強く打ち過ぎたかな。なんか俺に話しかけてたし、流石に驚きの方が勝っているのかも。そうなると、怒り出したらそのぶん怖い気もする。イッチーに本気で怒られた経験はないけど、メンタルの弱い俺からするとトラウマになってしまうかもだぞ。やがてイッチーは、俺に向かって口を開く。

 

「……ありがとうな、黒乃。」

 

 お前ドMかよぉ!(同族嫌悪)。ば、馬鹿な……叩いておいて感謝されるなんて、俺と同じ性癖な持ち主って事じゃないか。いったい……いつの間に覚醒していたというんだ……。そんなまさか、このタイミングでイッチーの性癖を知る事になるなんて……。いや、どんなタイミングでも聞きたくはなかったけどさ。

 

 もしかして、俺のせいだったりする?原作のイッチーは、そんな事なかったと思うし。自ら失言して殴られにいくとか、まさに俺が喋れればやろうとしてた奴だよ。これで何か、大きな影響にならないといいけど……。それにしても……弟ないし兄貴分がドMかぁ。お姉ちゃん(妹でも可)そんな育て方した覚えはありませんよ。

 

「一夏、少し良いか?」

「千冬姉、ちょうど良かった!黒乃が目を覚ましたんだ!」

「何っ!?黒乃……!」

 

 まるで謀ったかのようなタイミングで、ほんまもんのお姉ちゃんが姿を見せた。ちー姉……責任の一端は、ちー姉にもあるとおもうよ?シスコン気味なイッチーが、ちー姉にバンバン叩かれるから……そこから快楽を見出だしてしまったのではないかと私は推測します。まぁ……その話は後だ。なんたって、ちー姉が安心した表情をしてるから。

 

「馬鹿者が、生身でISと対峙するなどと。無茶をしなければならなかったとは言え、もう少し命を大切にしろ。」

 

 いやいやちー姉……それは誤解だよ。俺の命は、俺にとって何よりも大切なものだ。本当だったら、俺だってあんな無茶はしたくなかったし……。DEATH or DEADの選択肢なら、斜め上の選択肢を選んでFIGHTしかあるめーよ。戦わなければ、生き残れない!……って感じさ。

 

「だが、とにかく黒乃は生きていた。今は……それだけで良い。」

 

 はぅあ!出た……ちー姉必殺の天然飴と鞭!あ゛~調教されてる感覚が堪らんのじゃ~。個人的には、鞭が少し足りないくらいだけどね。物理的でも精神的でも良いので、もっとちー姉にいじめられたい。まぁIS学園に通えれば、その機会は嫌でも増える。今は純粋に、ちー姉が心配してくれるのを嬉しく思っておこう。

 

「千冬姉、俺に用事じゃなかったのか?」

「ああ、そうだったな。黒乃、お前は何も心配するなよ。今日の内は、とにかく安静にしていろ。」

 

 俺が目覚めたばかりなのを考慮してくれたのか、イッチーは話題を変えてくれた。ぶっちゃけ、今日中に日本へ飛んでも大丈夫くらいだけど……。変な夢を見てたのもあるし、ちー姉の言う通りに今日のところは休んでおこう。俺は首で肯定を示すと、2人がまだ居るにも関わらず毛布を頭から被った。

 

 しばらくして、扉が静かに開く音がしたし……気にするほどの事でもないか……。う~ん、左腕の痛みが気になるけど、眠る事ができるだろうか。余所様のベッドって、なんか落ち着かないし。ええい、細かい事を気にするでない。眠る事に集中集中!なんて思ってる間に、俺はうつらうつら……の〇太並みに神速で眠る俺氏であった。

 

 

 




黒乃→イッチーはドMみたいですね。
一夏→黒乃の為にも、強くなって見せるんだ……。

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