ISー無限の軌跡ー(スランプ中につき更新速度低下中)   作:ハマトラ

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連続投稿です
このレジェネンコフ零式は元より弱くなっております

そしてフランス編終了です


第8話 剣の重み

刀と刀がぶつかり合う、刃が交錯し火花を散らせる。方や命令を受けて殺す無機質な殺人兵器、方や守る為に剣を学ぶ才ある若き剣士、パターン化されている分読みやすいとは言え風の剣聖のコピー、一夏は防戦一方だった。

 

ニーナ「さっきまでの威勢はどこに行ったのかしらね?」

 

一夏「・・・・・・・・・」

 

しかし、一夏には違和感があった。確かに太刀筋はアリオスのものだった、しかし何かが違う。一夏はその何かを見極める為に敢えて守りに徹していた。

 

『ヒケン・TOKO-YAMI』

 

再び斬撃が一夏を襲う。その時一夏はやっと違和感の正体に気づいた。

 

一夏(そうか、剣に鋭さも重みも感じないんだ)

 

一夏はレジェネンコフの剣を受け止める。これがアリオス本人の剣ならば軽々と押し切られていることだろう。

 

ニーナ「なっ・・・・・」

 

一夏「・・・・・・・軽い」

 

ニーナは言葉を失った。自分の最高傑作の剣がいとも容易く止められてしまったのだ。

 

『ヒケン・SAKA-NAGI』

 

今度は斬撃が飛んできた。しかし、速度はあまりにも遅く一夏は軌道から外れて回避した。

 

一夏「アリオスさんの剣はこんなものじゃない!」

 

ニーナ「何を遊んでいるの!!さっさと八つ裂きにしなさい!!!!!」

 

『オウギ・KURUI-ZAKI』

 

怒涛の連続剣撃が襲い掛かる、それに対し一夏は刀を鞘に納めて抜刀の構えを取った。

 

一夏「八葉一刀流、伍の型」

 

それは一瞬の出来事だった。後ろで見ていたシャルロットとアリアも思わず息をのんだ。一夏は迫り来る剣を回避して次が襲い掛かる刹那、鋭い一閃を放つ。

レジェネンコフの刀が真っ二つに折れてボディに斜め一文字に深い傷をつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏「ーーーーーーー"残月"」

 

レジェネンコフはこの一撃で主要機関が破壊されたらしく片膝をついた状態で完全に停止した。

 

ニーナ「ば、馬鹿な・・・・・・・・風の剣聖のデータを組み込んだ私の最高傑作が!!」

 

一夏「確かに太刀筋はアリオスさんそのものだったよ。けど、太刀筋は真似出来てもその剣が持つ重みはコピー出来ない。」

 

ニーナ「子供のくせに偉そうに!だったらーーーーー」

 

アリア「人んちの庭に・・・・・・・・・」

 

諦めの悪いニーナが次の手を打とうとした時、アリアが怒り心頭と言った表情でニーナに迫り拳を強く握りしめる。

 

アリア「何やってんのよなんちゃってドッペルゲンガー!!!!!!!!!!」

 

アリアの右ストレートは正確にニーナの左頬を捉える。頬骨の砕ける音と顎が勢いよく外れる音が響き、ニーナは吹っ飛ばされ植え込みにめり込んで気絶した。

その顔は顎が外れ左頬骨が砕けて見る影もなかった。

 

一夏「人って・・・・・・・あんな漫画みたいに吹っ飛ぶんだな」

 

シャルロット「うん、私も初めて知った」

 

呆然となる一夏とその場に居合わせた武装隊と亡国機業のIS班、そして呆れ半分で頭を抱えるシャルロットとアリオスの視線の先でどこか満足げな表情で何故か勝鬨を上げるアリアがいた。

こうして後にデュノア社を混乱させた事件はデュノア夫人の強烈な一面を大勢の人の目に焼き付けて解決した。

ちなみに翌日の新聞で『監禁された大企業社長夫人!卑劣な犯人を一発K.O!!』という見出しで一面を飾っていたのは言うまでもない。

 

その後、ニーナ・アレイシスは逮捕されテオ・デュノアは医療チームが作り出した解毒剤で徐々に回復しているが、目を覚ますのにも全快するにも相当の時間が必要になるらしい。

そしてクリスマスも近付いた頃、一夏とアリオスは日本に帰国することとなった。

 

 

 

一夏とアリオスが荷物を整理している頃、シャルロットは自分の部屋で憂鬱そうに空を眺めていた。

 

シャルロット(一夏・・・・・・・・・・)

 

衝撃的な出会いからずっと彼のことが頭から離れなかった。こうしている間も「一夏に会いたい」、「一緒にいたい」、それしか頭になかった。

それでも、デュノア社が落ち着きを取り戻し父が快復するまでは付き添わないといけない。

だから見送りに行けないのは仕方ないことだと自分に言い聞かせた。

そんな時、部屋の扉が破壊されて勢いよく吹き飛ぶ。

 

アリア「何やってんのよシャル!一夏君行っちゃうわよ!!」

 

シャルロット「母さん!?いや、でも・・・・・・・・」

 

アリア「好きなんでしょ?一夏君のこと」

 

詰め寄るアリアにシャルロットは俯きながら頷いた。するとシャルロットを連れ出してテオのことを執事に任せると自分の車にシャルロットを押し込めて法定速度ギリギリで空港まで飛ばした。

 

アリア「いいシャル?私達に遠慮することは無いの。貴女が心から好きになったのならそれをとやかく言うつもりも無い、だから自分の気持ちをごまかさないで」

 

シャルロット「母さん・・・・・・・・」

 

空港までの最短ルートを突っ切り空港の入口にドリフトを決めながら停車する。

 

アリア「行きなさい!告白なんて当たって砕けろよ!!」

 

シャルロット「母さん、ありがとう!」

 

シャルロットは母から強引なエールを受けて駆け出した。それを見送ったアリアは携帯を取り出してある所に連絡した。

その頃一夏はアリオスに刀を預けて危険物輸送手続きが済むのを待っていた。

 

一夏「アリオスさん、遅いな・・・・・」

 

以前より明らかに遅いことに違和感を抱きながら待っているとーーーー

 

シャルロット「一夏!!」

 

後ろから声をかけられ振り向くと、息を切らせたシャルロットがいた

 

 

ちなみにアリオスはーーーーー

 

アリオス「先程から話しが支離滅裂だぞ、大丈夫か?」

 

アリアによって足止めされていた。

 

 

 

 

一夏はシャルロットと一般解放されているテラスのベンチに座っていた。周りに人の姿はあまり無い。

 

一夏「落ち着いたか?」

 

シャルロット「う、うん・・・・・・・」

 

シャルロットは赤くなっている顔を隠そうと俯く。いざその時になると、言葉が見つからなかった。

それでも何か言わないといけないと思っていると、ふと初めて出会った時を思い出していた。

 

シャルロット「そういえば、まだちゃんとお礼言ってなかったね。あの時、助けてくれてありがとう」

 

一夏「気にするなよ、俺も偶然見つけたんだし。」

 

シャルロット「あの時の一夏・・・・・・その・・・・・凄くかっこよかった。お姫様のピンチに颯爽と現れて助けてくれるお伽話の王子様みたいだった。」

 

自然と言葉が紡がれていく、余計な考えが消えて言葉が思い浮かんでいく。

 

シャルロット「あの時から・・・・・一夏の存在が自分にとってとても大きいものになったんだよ、一夏の純粋でひたむきな所に私は惹かれたんだよ」

 

心臓の鼓動が速くなる、頭の中が真っ白になりそうになる。それでもシャルロットは自分の想いを一夏にぶつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

シャルロット「私・・・・・・・・一夏のことが、好き」

 

一夏は一呼吸おいて、自分が告白されたことに気付いた。次第に顔が熱くなる、今までにも何度もあった感覚だった。初めて出会った時、帽子を取ってもらい素顔を見た時、一緒に街を歩いてる時、そしてその気持ちを言葉にすると何か理解することに少し時間がかかった。

 

一夏「・・・・・俺の両親は、俺と千冬姉を置いてどこかへ行ってしまった。それからなんだ、誰かを好きになることが怖くなってしまったのは・・・・・・好きになったらいなくなってしまう。そんな気がしたんだ。けど、君に会った時、初めて出会った時、そんな考えが吹っ飛ぶ程君が愛おしいと思った。守りたいって思う様になったんだ。」

 

シャルロット「え、それって・・・・・・」

 

思わず一夏の方を見た瞬間、一瞬思考が停止してすぐ自分が一夏に抱きしめられたことに気付いた。

 

 

一夏「こんな俺だけど・・・・・・・・好きでいてくれるか?」

 

シャルロット「・・・・・・・・・うん、一夏大好き」

 

 

 

 

 

 

テラスの影でそんな二人を見守る影が二つあった。

 

 

アリオス「こういうことなら初めに言え」

 

アリア「ごめんごめん、何せ急いでいたからね~」

 

アリオス「やれやれ・・・・・・・・」

 

 

 

そして時間が迫り、シャルロットは一夏とアリオスを見送った。

 

シャルロット「一夏・・・・・・」

 

一夏「そんな顔するなよ、もう会えない訳じゃない」

 

一夏はシャルロットを慰める様に抱き寄せた。

 

一夏「もし落ち着いたら、日本に来てくれ。千冬姉やマドカに紹介したいし、今度は俺の生まれ育った街を見せてやりたい」

 

シャルロット「一夏・・・・・・・・・うん、絶対行くよ」

 

シャルロットとの別れを惜しみながら、一夏のフランス旅行は終了した。

 

 

 

 




はい、一夏とシャルくっつけました!強引過ぎたかな?

再び時間をキング・クリムゾンして原作開始直後になります

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