ISー無限の軌跡ー(スランプ中につき更新速度低下中)   作:ハマトラ

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ハロウィン第二部そろそろですね~
そして3種目になるエリリ・・・・・・・・何度も出てきて恥ずかしく無いんですk(バートリハロウィンエルジェーベト!!


第31話 トーナメント前日

早朝、一夏はいつも通り道場で自己鍛練を行っている。だが、今日はいつもより熱が入っていた。

ラウラがVTシステムに囚われた時、結局何も出来なかった。隙を突いて一矢報いラウラを救い出すので精一杯だった。

偽暮桜に動揺していなかったといえば嘘になる。だが、それを抜きにしても自分の未熟さを実感するには十分過ぎた。

自分が強いなどと思い上がった考えを持った事は無い。常に冷静に客観的に自分の力量を計る事は出来る。

それでも、かつての無力だった頃から成長しているのか。その疑問が不安を募らせ、鍛練にも現れている。

 

「やれやれ、朝から熱心な事だ」

 

不意に後ろから声をかけられる。振り向くと道場の入り口から千冬が普段のスーツでは無くジャージ姿で立っていた。

 

一夏「ちふ・・・・・・・織班先生」

 

千冬「今は勤務外だ。普段通りで構わん」

 

一夏「じゃあ千冬姉、こんな朝早くにどうしたんだ?」

 

千冬「何、偶然昨日、お前が出した道場の早朝使用許可申請を見てな。久しぶりに一手付き合ってやろうと思ったのだ」

 

千冬は立て掛けてある居合い用の刀を抜いて構える。

 

千冬「どれ、お前がどれだけ成長したか見せてもらおう!」

 

一夏は手に持つ愛刀"風切"を構えると、千冬は下段の構えから一気に距離を詰めて横一文字に切り払う。

一夏は一歩跳び退くと上段から袈裟斬り、千冬は刃を翻して振り払い弾き、道場に火花が散り金属音が響く。

一夏は体勢を崩す事なく、弾かれた反動を利用して回転して横薙に振るう。勢いの乗った一撃を防ぐと、そのまま刃を滑らせて腕を斬りにかかる。

一夏は寸前で反応して刃を押して外し柄を側頭部打ち付けようとしたが、次の瞬間腕を掴まれ視界が一回転した。

気づくと道場の天井を見ていた。

 

千冬「まあこんなものか、安心しろ。お前は確実に少しずつだが成長している。でなければ私相手に短時間だが切り結ぶ事は出来なかっただろう。研鑽を怠るな、自信を持て、日々の鍛練は嘘をつかない」

 

千冬は刀を鞘に納めて戻すとそう言って道場を出た。自分の悩みを知った上でそれを手合わせしながら解消する。

一夏は改めて千冬の凄さ実感していた。

 

 

一夏「くそ、敵わないな・・・・・・・千冬姉には」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日、個人別トーナメントを明日に控え、参加者達はそれぞれ、パートナーと共に連携の確認を行っていた。

セシリアはマドカと組む事を決めて互いにビットを使った隙の無い連携射撃を編み出していた。蒼也はラウラと組む事で繰り返されるリアル鬼ごっこから逃れ、様々な戦術パターンを話し合っている。

一夏とシャルロットは互いに息の合った連携と食堂で繰り出される甘い固有結界で周囲を悶絶させていた。

 

そしてそんな中、中国国家代表候補生、鳳鈴音は職員室の千冬と真耶の元を尋ねてきた。

 

千冬「お前が来るとは珍しいな、それで何の用だ?」

 

鈴音「千冬さ・・・・・・織班先生、お願いがあって来ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

篠ノ之箒と、話しをさせて下さい」

 

あの騒動の後始末をしていた時、鈴音は官制室で中学時代に少しだけ話した九重永遠と厳罰を受けた篠ノ之箒と会った。

箒は完全にやつれて、もはや廃人ようだった。

その時は怒りを覚えたがすぐにそれも薄れた。ほんの一瞬だが、そこにいた箒が自分に見えたからだ。

 

千冬「理由を聞こう」

 

鈴音「あいつは・・・・・・・・多分私なんです。有り得たであろうifの私、一夏への想いを捨てきれず暴走していたら私もああなっていました。だから、話してみたいんです。悪と断定して嫌う前に」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

学園の地下、厳罰対象者用の懲罰房の一室にうずくまる少女が一人、綺麗な長髪のポニーテールは見る影もなく、その目からは生気を感じない。

ロックが外され、扉が開く。そして入って来たのは臨時養護教員で箒の専属カウンセラーの九重永遠と小柄な女子だった。

 

トワ「こんにちは、箒ちゃん!今日は貴女に会いたいって子を連れて来たよ!」

 

鈴音「こうして話すのは初めてね、私は鳳鈴音。友達からは鈴って呼ばれてるの。一夏とは・・・・・・まあ親友かな。」

 

一夏の名前が出て顔を上げる。そこには年下と見間違う程小柄な女子がいた。

 

鈴音「私も・・・・・・・一夏が好きだった。絶対に振り向かせてやるって本気で思ってた。けどそんなある日、あいつが誰かと電話してるところを見ちゃったんだ。あいつ、凄く嬉しそうで私や友達にもしないような顔してて、何より愛おしむ目をしてた。気付いちゃったんだ、一夏の隣は、きっと電話の向こうの顔も知らない誰かのものなんだって・・・・・・」

 

鈴音の話しを聞いて、少しだけ箒の目に生気が戻って来た。

 

鈴音「聞いたよ。お姉さんのせいで要人保護プログラムで一夏と離れ離れにされたって。私も同じ事があったら・・・・・・・・・そして一夏に執着していたら、きっとあんたと同じになってた。だから・・・・・・・話しがしたくなったの」

 

しかしまだ箒に反応は見られない。だが、それでも鈴音は諦めたくなかった、少しだけ憎んでいた彼女を助けたい。

鈴音はそう思うようになっていた。

 

鈴音「・・・・・・・今日はここまでね、また来るわ。明日は個人別トーナメントよ、見れたら見に来なさいよ!」

 

そう言うと鈴音は永遠について部屋を出て、ロックをかける。箒は手付かずの食事に目を移した後、またうずくまって動かなくなった。ただーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

箒「リン・・・・・・・イン・・・・・・・リ・・・・・・ン・・・・・」

 

箒にも少しだけ変化が訪れたようだった。




前回のイチカのボイス続編

イチカはエミヤ同様、抑止力の代行者です、容姿は白騎士を纏った白髪褐色の一夏

絆レベル1
「俺は本来英霊なんて大層な人間じゃない。」

絆レベル2
「何かを守りたい、その気持ちは大切だろう。だが、自分の力量を計れなければ意味は無い」

絆レベル3
「一人の少年の話しをしよう。そいつは世界最強の姉がいて友人にも恵まれた。だが、ある天災の企みで力を手にして運命を狂わされた」

絆レベル4
「いくつもの出会いを経て、そいつは強くなった・・・・・・・・気でいた。」

絆レベル5
「そいつは強くなんてなってなかった。周りに守られ、運が良かっただけ・・・・・・その事に気付いた時、既に手遅れだった。結局何一つ守れず、全てを失った。あんたはそうならないでくれ、あんな結末は俺だけで十分だ」

イベント開催時
「何か異変が起こっているな、ならば解決せねば。行くぞ、マスター」

聖杯について
「聖杯なんかに興味は無い。俺は抑止力としての役目を果たす。それだけだ」

好きなもの
「好きなもの?・・・・・・思いつかないな、そんなものとは無縁の生活が長くてな」

嫌いなもの
「嫌いなもの・・・・・・・・・自分の力量も計らず、過ぎた理想を求める奴、とだけ言っておこう」

会話1
「未熟な事を責めはしない、誰でも最初はそうだからな」

会話2
「世界を救うか・・・・・・随分重責を負わされているのだな」

会話3
「あのアーチャー・・・・・・・・・そうか、彼も俺と"同じ"というわけか。」

会話4
「あのアサシンも抑止力の代行者か、世界線は異なるが彼も俺と似た末路を辿ったんだな。それだけは解る」

会話5
「何をしている、世界を救うんだろう?だらけている暇があるなら鍛練の一つでもしたらどうだ?」


霊基再臨1(ボロボロの翼が追加される)
「翼は折れたのに、こいつはまだ飛ぶ気でいるのか・・・・」

霊基再臨2
「こいつに・・・・・・まだ力が眠っていたとはな」

霊基再臨3(バイザーが取れて素顔が見える)
「ここまで俺に力を与えるとはな、この素顔を見せないと失礼だな」

霊基再臨4(血塗られた白騎士に乗り剣を振るうイチカの背後にヒロイン達の面影が映っている)
「力が流れ込んで来る・・・・・・・・・そうか、俺はまだ彼女達に守られていたのか・・・・・」

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