ハイスクール・フリート―Double Girls Story―   作:有栖川アリシア

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光近の帰投

「いくわよ~」

なすすべなく連れ込まれる光近。

 

「母さん~連れてきたわよ~」

「あら、早かったわね」

奥からやってきたのは一人の女性。現れたのは、現監督室長で、大和の艦長。

 

「どうも光近君、宗谷真雪です」

「米内光近です」

「わざわざ、ここまで来てくれてありがとう、とりあえず、おあがりなさい」

「失礼しま――「なんていうのかしら?」へっ?」

光近の唇に指をあててくる真霜

 

「え、ただいま?」

「おかえりなさい」

そのにっこりした笑顔に思わずドキリとする光近。それから今に通されると

 

「お、話題の光近じゃねぇ―かー」

「ふぁ!?えっ?」

現れたのは、髪はショートで体育会系の気質っぽそうな女性だった。木曾に近い感じだ。

 

「私は、宗谷真冬、よろしくな」

「よ、よろしく」

そのがつがつした態度に思わず腰が引ける光近。それから居間に案内され座る光近

 

「さて光近君、政治に巻き込まれて大変だったわね」

「えぇ、まぁ」

そういうしかない光近。隣には相変わらずニコニコした笑顔の真霜。

「娘から‥真霜から貴方の事は聞いたわ、今後の生活は私達がちゃんと面倒をみるから安心してね」

「は、はい‥ご配慮感謝いたします」

光近は真雪に深々と頭を下げながらいう。

「ま、よろしくね~」

ウィンクする真霜。波乱万丈ななにか大変なことがおこりそうだと感じる光近であった。

 

 

 

数日後――霧島出航の目処が立ち、光近は港に戻っていた。

 

「お疲れ様です、提督」

「霧島もご苦労だった」

お互いの労をねぎらいながら、光近は霧島に乗り込む。

 

「それで、今後に関して、御蔵島泊地からは?」

「はい、ブルーマーメイドからの伝達によると、大まかなスケジュールは未定ですが、今後、航海試験を行って配備ということです」

「そうか、ということは、御蔵島には早めに戻った方がよさそうだな」

「そうですね、既に御蔵島では、明石と夕張、それに何人かの艦娘主導の下、開発がすすめられています」

「開発に関しては、ブルーマーメイドとの取り決めがあるから、問題はないな」

ブルーマーメイドとの折衝の中、その性質や艦隊の規模から専用の泊地が欲しいという事で、御蔵島の管轄権などを丸ごと貰っているのだ。

 

「それで御蔵島の改造計画は順調といったところか?」

「すでに大和型および大型艦が接舷できる桟橋が出来上がっているので、問題ないかと」

「庁舎ができれば本格的だな」

「ま、夕張さんのことですから、それ以上を作りそうですが」

「・・・そこは気に留めずに自由にやらせよう」

と話しながら艦橋に向かう。霧島に提督座上の旗があがり、機関が始動する。

 

「よし、では御蔵島に戻るとしよう――艦隊出航!」

「了解、出航します!」

そういうと、戦列を組んで霧島と不知火、その他の護衛艦隊で構成された艦隊が動き始めた。それから数カ月後、無事、御蔵島の設備もある程度完了し、すべての準備や手続きが完了した。


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