ハイスクール・フリート―Double Girls Story―   作:有栖川アリシア

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宗谷家の次女

『こちらイエローイーグル(飛龍航空隊)、エリアB5に到着』

フェニックス(鳳翔航空隊)、最終攻撃アプローチに到着』

「了解、イエローイーグル、攻撃はじめ、比叡前部に爆弾投下、比叡の速度を押さえろ」

光近はすぐに通信機を取り、そう伝える。

 

「晴風全艦!至近弾に注意しろ!誘導爆撃が来るぞ!」

「爆撃!?」

艦橋に光近の衝撃的な言葉が響き渡る。そういうと光近は手元の機器で赤外線で目標をマークする。同時に、3個編隊の戦闘機が高速で比叡に近づき、爆雷や魚雷、それに誘導弾で針路を押さえていく。同時に、比叡が速度を落とす。さらに光近の通信機に通信が入る。

 

「艦長!速度を上げてくれ、巻き込まれないようにしてくれ!」

「わかった!ヒメちゃん、今!」

『了解!バラスト排水!』

そういうとバラスト排水して、増速する晴風。

 

「フェニクス、攻撃開始、左に逸らして思いっきり岸壁に当ててやれ」

同時にフェニックスが比叡の左舷に向けて威力を弱めた魚雷を投下し、爆発させる。

 

 

ズガァァアアアンッ!!

物凄い衝撃と共に比叡の左舷が爆発し、比叡の船体が強制的に左に動かされ、岸壁にぶつかると同時に比叡を座礁させることに成功した。

 

「はぁ~やっりきった~」

光近は晴風艦橋から座礁した比叡を眺めていた。

 

「お疲れさまです、光近提督」

やってきたのはココちゃんだった。

 

「おう、そちらこそな、君の情報で色々と助かったよ」

「いえ、それほどでも」

隣に座りながらおにぎりをふたりで食べる。

 

「ま、これでトラックと比叡、ひとまずは安心か――本隊の方もやってくるし、あとはそっちに任せればいいか」

「そうですね」

「んじゃあ、少し風に当たってくる」

「はい」

そういって、艦橋から右舷側に出る。出ておにぎりを食べながら比叡を眺めていると周りに生徒たちがやってくる。

 

「提督、かっこよかったよー、まるで映画のワンシーンだったよ!」

「いんや~すごいね~提督さん」

体を張った指揮にものすごい尊敬のまなざしを向けてくる。

 

「これが俺ができることだからね」

「さっすが~」

女子に囲まれて半ばウはウは状態の光近。それから、艦橋のひいては艦長と副長の方に向かう。

向かってみると、そこでは明乃が真白とふたりっきりで話している。

 

「私今、艦長だったかな?」

「まぁ、らしかったです、いくぶんですが」

光近は物陰から姿を現す。

 

「艦長、いい動きや指示でしたよ」

軽く肩を叩きながら、そういう光近。そんな中、どこからか機関音がする。見れば一つではない。その方向を見ると、現れたのはインデペンデンス級沿海戦闘艦のような艦艇、BPF10『弁天』だった。

 

「ま、まさか」

「?」

真白の顔が引きつる。その理由がある程度分かる光近。同時に、その弁天の後ろには数隻の黒鋼の城。そして、その弁天の前部甲板から飛び乗ってくる人影が一人、黒いマントに黒い艦。一人しかいない。

 

「ブルーマーメイドの宗谷真冬だ、あとは任せろ――ぁ?って、シロにミツチカじゃねぇか!」

そういうとずかずかと駆けよっていき

 

「ひっさしぶりだなぁ、おい」

「ちょ、ちょっと姉さん、やめてよ!」

相変わらずといった感じの二人だ。

 

「なるほど、苗字が同じですしね」

「まぁね、まぁふたりは昔からあんな感じだよ」

光近が添えるようにいいつつ、光近は艦隊の方に向かった。

 

 


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