ハイスクール・フリート―Double Girls Story― 作:有栖川アリシア
「提督、直教艦『武蔵』増速、我が艦隊と反航状態に来る針路です、
「転舵!面舵40度!
「了解!おもーかーじ40度!よーそろー」
そういうと武蔵の艦が右に動いていく。
「
「させるか、1、2番主砲照準を
こちらの武蔵の主砲が右に旋回していく。
『砲塔右10度、仰角20度に合わせ――!』
砲雷長の指示が主砲にすぐさま伝わり、砲塔が旋回していく。
「1番、2番砲塔用意よし」
「うてぇ!!」
そういうと轟音と共にこちらの武蔵の主砲が火を噴く。そして、
「
「今だ、航空部隊、攻撃開始!」
光近の指示と共に、上空にダイブブレーキ音が鳴り響き、武蔵にまるで獰猛なワシが襲い掛かる。
そして、艦載機が落した爆雷や爆弾で海面が爆発し、それでバランスを失った
「
「各艦一斉射撃!用意出来次第発射!」
マイクを通して光近の指示が伝えられる。そしてすぐに取り囲んでいた戦艦達の主砲が火を噴く。そして、再び武蔵の船体が傾く。だが、今度は『武蔵』が発砲してくる。
「
「対空戦闘!
すると対空機銃が砲弾を弾いていくが
ズドォオオォンッ!!
かなりの至近距離で『武蔵』の砲弾を迎撃したため、その衝撃の余波で艦が揺れる。
「危なかった」
「
「狙いはそっちか!?」
見ればそっちの方向にはこちらの武蔵がいる。
「1,2番主砲、
『了解!』
そして、武蔵の主砲が動いていく。
「照準誤差修正!行けます!」
「撃てぇ!!」
光近の言葉と共に再び武蔵の主砲が火を噴く。
「
「クソッ!早い!出来る限り妨害しろ!」
そういいながら武蔵が連続で撃っていく。その直後だった。
ズガァァンッ!!
「後部被弾!」
流れ弾が光近が乗っている武蔵の後部に直撃し、爆ぜる。同時に、爆発の衝撃で艦橋が揺れる。
「大丈夫か!?」
「戦艦が簡単に沈むか!」
「撃てぇ!」
武蔵にそういわれ戦闘を続けていく。
「報告!教官艦隊の離脱を確認!」
「武蔵、速度低下しました」
「よし、我々も離脱するぞ!最大戦速!取舵20!現海域より我々も急速離脱する!」
「とーりかーじ20度!!最大戦速!」
そういうと、連合艦隊はの面々は、その海域から離脱しようとする。だが、それだけで終わるほど、甘くもなかった。
「提督!晴風が航路を逸脱――晴風からスキッパーが出ました!まっすぐ武蔵に向かっています!」
「こんな時に!?晴風を援護するぞ!」
「は、はい!」
「奴をひきつけろ!撃ち方はじめ!」
武蔵と妙高、那智がすぐに方向を変え、武蔵の主砲が火を噴く。それに連なるように妙高と那智も牽制射撃を行う。
「武蔵、回避行動を開始!」
「いまだ、晴風の艦長を回収しろ!」
「は、はい!」
武蔵が水平線上に消えていく。その様を同じ武蔵から眺める光近であった。