ハイスクール・フリート―Double Girls Story―   作:有栖川アリシア

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晴風と艦隊とバカンスと!!

 

「おう…」

「あ、司令官」

こっちに気づいて振り向く美少女。そこにいたのは、水着姿の艦娘たち。飛龍に吹雪、それに陸奥、加古、嵐、荻風、親潮、江風が水着姿でいた。見比べるのはよくないがいろいろと見比べてしまう。見れば、スタイルのいい艦娘三人のまわりには、晴風の生徒が羨ましそうに見ている。特に陸奥は言うまでもない状況で羨ましいという視線がすごい。

 

「(あぁ、これが龍驤が常日頃感じていることか…)」

と考えている。見れば飛龍も、混じって遊び始めるが、揃いも揃ってというか、やはり艦娘たちの特注水着というは、いろいろな意味で目に獄だ。ある意味で阿賀野型と潮と蒼龍がいなくてよかったと思っている光近。

 

「うわぁ…本当にスタイルがいい」

「すっごい…一体何を食べたら」

「もう、モデルよね、あのスタイル」

「まさにお姉さまだわ…」

と、半ば絶句しつつ驚いた声が聞こえる。

 

「てーとく、鼻の下伸ばして・・・いないのか」

やってきたのは飛龍と吹雪だった。

 

「うるせぇ…」

どっちかというと、鼻の下よりためいきが伸びる。さすがに圧倒しすぎである。

 

「まぁ、こういう時はめったにないからね」

「いい交流になる、ちゃんと楽しんで来いよ」

ここで軽く背中をたたいてやるのがいいが、セクハラになるのでやらない光近。

 

「あれ、背中たたかないの?」

「セクハラになるだろ?」

「どっちかというと、童貞?ってか厳しすぎない」

「ど、ど、ど、ど、童貞ちゃうわ!」

そういうと、光近は帽子を被り直す。

 

「オフじゃないからな」

「まぁ、被っているからね、外せば?」

「いいさ」

そういいながら、光近は再び視線を戻すと

 

「んなぁぁあー!?」

視線の先では駆逐艦の面々がとんでもないことをしていた。

 

 

 

 

 

「んじゃあ、水上スキー行きますよー」

見れば、江風が晴風の乗員達の水上スキーの手伝いをしていたのだが、その速度がとんでもない。

普通に駆逐艦の出力を出しているため、物凄い速い。言ってしまえば、水上ハイスピードスキーだ。

 

「はやぁああああい!」

「あははは!」

若干、離陸しかけている。尚、江風はノリノリである。見れば、航空機からバンジーしている面々もいる。

 

「(まぁ、今日ぐらいはいいか…)」

と再び帽子を被り直していると。

 

「やっほー終わったよー」

タマとその付き添いのメイが戻ってきた。

「ん、終わったか、お疲れ」

「おつかれー」

その手にあるのは、缶のドリンクだった。

 

「ん、持ってきてくれたのか?」

「どら焼きのお礼だよ」

「おう」

それを開けるとぷしっといい音がする。

 

「いいの、遊びに行かなくて?」

「いいんだよ」

ドリンクに口をつけながらいう光近。

 

「ねぇ、お腹周りみしてよ?」

「はッ!?」

いきなりのことに飲み物を吹き出し始める。

 

「いんや~気になってね~下心じゃないから見せてよ~」

「贅肉しかないぞ?」

「いいじゃん、いいじゃん」

「…まぁ、減るもんじゃないし」

そういうと、ちらりと見せる。

 

「おお~にしても、贅肉ないじゃん、ムッキムキじゃん」

鼻息が荒い中でそんなことを言ってくる。

 

「いんや、そうか?」

「そうだよ~うわぁ~すごい」

「…そんなもんか?」

「そんなもんだよ?」

こればっかりは日ごろの行いが良かったなと思いながら、光近は再び視線を戻す。

視線の先では相変わらず江風が水上スキーを行っていた。


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