ハイスクール・フリート―Double Girls Story―   作:有栖川アリシア

22 / 65
晴風との邂逅

第二艦隊――旗艦 長門 執務室

 

光近は、長門の艦長室兼執務室でその推移を見守っていた

 

「ふぅ…無事だったか」

「みたいだな」

執務室に飛び込んできた情報で胸をなでおろす光近。その隣にいる長門。

 

「それで晴風からは?」

「乗員の安全を確約してほしいと来ています」

「そりゃそうだろう、それでこっちからは?」

「確約すると伝えています」

「うん、それで、晴風との舷付け中といったところか?」

「あと5分といったところです」

「わかった」

そういうと光近は制服を身にまとう。

 

「行くのか?」

「さすがに当事者同士が話し合わないといかんだろう?」

「まぁ、そうだな、お前もくるか?」

「いんや、あぁ、それともし晴風に乗艦するなら、吹雪と白雪を連れていけ?」

「戦闘終わったばっかだろう?どうして?」

「護衛と交流だそうだ、陸奥が言っていた」

「あいつらしいな、せっかくだ、古鷹も連れていくとしよう」

「わかった、伝えておこう」

この世界で艦娘という存在は認知されているものの、一般人や特にかかわりのない人たちにとっては、物珍しいものなのだ。それから、長門の後部甲板に降りると

 

「お待ちしておりました、司令官」

敬礼した吹雪と白雪と古鷹がいた。

「ありがとう、それとそんな堅苦しくなくていいよ、お互い交流なんだから」

「は、はい!」

ガチガチに緊張している吹雪。

 

「(そういや、民間人とはあまり駆逐艦たちもつながりがないからな、ここまで読んでいたのか陸奥は?)」

ちなみに当然のことながら民間人との交流が多い艦娘もいる。特に横須賀方面の艦娘は総じて民間人との交流も多々ある。

 

「では、行こうか」

「「「はい」」」

そういうと、左舷側のラッタルに向かった。それから、艦内通路を通って、左舷側のキャットウォークに出る。晴風の方を見れば、艦長も乗組員も全員こちらの姿に驚いている。

 

「ぜ、全員、気を付け!」

長門左舷からのラッタルから晴風に降りる。

 

「気を付け!敬礼!」

晴風の艦長、岬明乃さんの号令で、出迎えに来ていた乗組員達が敬礼する。光近もそれに返礼する。

 

「ありがとう、おろしてくれ」

「はい」

多少のことはあるが概ね出来ている。光近は、晴風の方を向き直り

 

「はじめまして、あなたが艦長の岬明乃だね?」

「はい、晴風艦長、岬明乃です」

「はじめまして、太平洋艦隊の司令長官、いや提督の米内です」

「はじめまして、太平洋艦隊第二艦隊第三水雷戦隊の吹雪です」

「同じく白雪です」

「古鷹です、よろしく」

と三人の挨拶が続く。光近はふと、艦長の隣にいた副艦長に気づく。

 

「もしかして副長の宗谷真白さんだね?」

「は、はい!晴風副長の宗谷真白です」

「お姉さんにはお世話になっています」

ここは悟られずにと頭を下げる光近。それに慌てる真白。

 

「さて明乃さん、どこか腰が据えて話せるところはないかな?」

「はい、私の部屋でよろしければ」

そういうと艦橋を通って、艦長の部屋に向かって歩き出す。

 

「うそ、お兄さん提督だったの?」

艦橋を通ろうとすると、あの時の褐色肌の少女と、猫耳の輪郭の形をしたリボンを付け、猫の顔を模したフードのパーカーを着用した少女がいた。

「メイちゃん」

「あ、ごめんなさい!」

「ハハハ、いいよ、そんな堅苦しくしなくて、私は君たちとほぼ同年齢だからね」

「・・・えっ?」。

まず驚いたのは明乃。

『えぇえええええ!!』

吹雪達もなぜか驚いてた。

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。