百夜茜は生き残る   作:さんの羊

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相変わらずなんというか…。


百夜茜は手段を得る

「んーと…まずは茜ちゃんになにが必要かな…」

 

大兎さんは何やら難しい顔をして悩んでいる。

 

「必要な事…?いきなり修行するんじゃ無いんですか?」

 

「んん…いきなり始めてもいいけど…おそらくそれじゃダメなんだよな…とりあえず茜ちゃんを制御するものが必要かな。」

 

「制御…ですか…?」

 

「そうだな、とりあえず…修行を始める前に茜ちゃんを制御する事が出来るように…いざというときに理性を保てるようにしないといけないから…探そうか!」

 

大兎さんは思い付いたように顔をあげる。

 

「え?探すって?」

 

大兎さんは探すというが、それは魔法とかではダメなのだろうか…?探すということは生き物…?

 

「何がいいかな?契約内容にもよるし…」

 

「け、契約ってなんですか…!?」

(はじめて聞く単語だ…!!)

 

「え~と…契約ってのはなぁ…」

 

大兎さんがなんとか説明しようと考え込んでいるが、

 

「えっともう見てもらった方がはやいか…?…おい、ニャン吉出てこいよ。」

 

大兎さんがそう呼び掛けると、大兎さんの体から猫が出てくる。

 

「これがニャン吉。俺が契約してる魔獣でいろいろまぁ役に立つ奴なんだ。えっと…ニャン吉ってのは本当は俺がつけた名前で…ニャン吉、お前本名なんだっけ…?」

 

「ヴィショウブ・エレランカだに…いい加減おぼえるだに、このダメ主人!」

 

猫が…しゃべった。

よくみるとしっぽが二本あるし…やっぱり普通の生き物じゃないんだ…。

 

「なんかお前の名前長いしかみそうで言いづらいし覚えにくいんだよなぁ…。」

 

大兎さんが苦笑いでそんな事を言う。

 

「えっとまぁ…俺は毎日血液5リットルあげてる代わりにコイツと契約してるんだ。契約してるかわりに特殊な魔法が使えたり俺の力が暴走しそうになったとき制御してくれたりな。」

 

なるほど、だから契約…。

つまり私の力を制御する生き物を探さなければならないのか…。

 

「…というか、血液5リットル!?いくら人外でも死んじゃうじゃ無いですか!?た、大兎さん大丈夫なんですか!?」

 

毎日血液5リットル…ただの人間だったらとっくに死んでいる量だ。

 

「…あれ?言ってなかったっけ…?俺、不死身なんだけど…」

 

今頃知る衝撃の事実。

不死身ってどういうこと!??

 

「ふ、不死身なんですか…!?」

 

「ああ、うん。俺ヒメアの呪いの力で15分に7回殺されない限り死ねない体なんだよ。」

 

ふ、複雑な呪いだ…てかサイトヒメアさん大兎さんになんて呪いかけんの…!!

 

「だから1日一回くらい死んでも平気だぞ?」

 

…あっさり笑顔で大兎さんは言うが私は結構複雑な気持ちだった。

 

「…で、とりあえず茜ちゃんは何かと契約する必要がある。修行はそれからかな。」

 

「そうですか…。でも契約なんてどうすれば…。」

 

「んん~…契約にもいろいろあるしなあ…。とりあえず何と契約するかはだいたい決めといた方がいいかもな…」

 

「わ、私が決めるんですか?」

 

「ああ、だって…契約ってことはこれからの自分のパートナーを決めるってことだぜ?一緒に戦ってく仲間だ。」

 

「仲間…」

 

「自分を助けてくれるやつをこれから決めるんだ。当たり前だろ?それにたぶん俺が決めるより茜ちゃん自身が選んだ方がきっとしっくり来るし。」

 

「でも…契約するって…例えば何とですか?」

 

「んん~…一番よく聞くのは悪魔だろ?月光とかも悪魔と契約してるし…テンペロン?クローリーだっけか?そんな名前の他の組織の魔女達も契約してるって言うし…」

 

「悪魔…ですか…」

 

「悪魔の場合自分の一番大切なものと引き換えに契約するって前にヒメアに聞いたな。」

 

「一番…大切なもの…」

 

私が一番大切なものって…なんだろう…

 

「やっぱり悪魔、魔獣辺りかな…?」

 

「悪魔…魔獣…」

 

「でも契約するのはほとんど代償によるからな…そこら辺しっかり考えないと間違って死んじまうし…とりあえず茜ちゃんは聖地使ってなんとか契約する悪魔か魔獣を探さなきゃいけないんだ。」

 

…と、いわれてもどうすればいいのかわからない。

 

「月光とかに聞いてみるか?あいつ詳しいし。」

 

大兎さんが思い付いたように言う。

 

「月光さんに…?」

 

「ああ。ちょっとはいろいろわかるかもしれないぜ?」

 

 

 

 

 

 

 

…そして、私は月光さんに聞くことにした。

 

「…だから俺に聞きたいという訳か。」

 

「は、はい!」

 

「俺はそんな事に構ってる暇なんて無いのだが…ふむ…いいだろう、少し考えてやる。」

 

「ほ、本当ですか!!ありがとうございます!!」

 

するとそこで、大きな音を立てて扉が開く音がする。

 

「ゲッコーゲッコー!!おかし買うからおこづかいちょうだーい!!」

 

ミライさんが来た。

 

「ミライ…お前には昨日こづかいあげたばっかりだろうが!!」

 

「えぇえぇー!?だってだってー!!」

 

「うるさい!!だまれ!!」

 

…何故か二人がケンカ始めた。

 

「今は取り込み中だ!!」

 

「ええぇえー!?」

 

「ああ!うるさい!!もうわかったから黙れ!」

 

「え!?おこづかいくれるの!?やったー!!」

 

なんかミライさんがすっごい喜んでいるがそれとは対照的な月光さんはひどく消耗している。

 

(月光さん…大変だなぁ…。

 

)




…これを打ち込んでいると、何故か凄く眠くなってしまう

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