百夜茜は生き残る   作:さんの羊

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休みなんで…はい。更新します。


百夜茜は再び出会う

 

 

「なんだよこれ、人間は気味の悪いバケモノをつくるなぁ」

 

暴走した優一郎を見て、フェリドはグレンの首を掴みながら言う。

 

 

「でもちょっとやばいか、フェリド君どうする?」

 

クローリーに聞かれ、フェリドは悩んでいると、

 

「ん~」

 

フェリドがグレンにあのバケモノについて問おうとした瞬間、何かが頭上を飛び越して行く。

 

「…!?」

 

それはヨハネの四騎手だった。

 

(こんなところにどうして…?)

 

フェリドが疑問に思っていると、よく見るとヨハネの四騎手の上に、誰かが乗っている事がわかった。

 

鮮やかなセーラー服を着た少女。

 

そのまま暴走した優一郎に刺されそうになっていたシノアの前にドカンと着地し、優一郎に向き合う。

 

 

 

シノアside

 

暴走した優さんがこちらに向かってくる。

自分はどうすればいいのかわからない。

 

優さんは敵意をこちらに向け、剣を握っている。

このままでは……!!

 

しかしその時、

 

何故かヨハネの四騎手がこちらに突っ込んできた。

 

「えっ!?」

 

よく見るとヨハネの四騎手の上に、誰かが乗っている。

ヨハネの四騎手は人間を襲う存在の筈だ。しかし意図してこちらに突っ込んできたとなると…

 

(もしかして…ヨハネの四騎手を操っている…!?)

 

それは自分と同じ位の年頃の女の子だった。

鮮やかな色のセーラー服を着ている。

 

とても場違いな女の子。

 

 

 

ミカエラside

 

その子は今でも覚えている。

まだ自分が弱く幼い人間の子供だった頃の、

百夜孤児院の、同い年の女の子。

 

カレーを作るのが上手くて、

僕の大事な家族の一人。

 

 

フェリドに殺された…女の子。

 

「あ…茜…ちゃん…?」

 

死んだはずの、女の子。

 

 

茜side

 

強い天使の力を感じて向かえば、そこには吸血鬼と人間が戦っていた。しかしそれよりも…

 

天使の力を暴走させている彼を見つめる。

それは、私の家族の一人。

 

「ゆ…優ちゃん…!?」

 

大事な家族が生きていた。

凄く嬉しい。涙が出てくる。

私の…復讐以外の生きる目的が見つかった。

 

 

「生きていたんだ…嬉しいな…」

 

 

けれど今は…

 

「優ちゃん…今、助けるからね。」

 

涙をぬぐって月光さんからもらった剣を取り出した。

 

「私が受け止めるから…安心してね。」

 

大兎さんに私が助けられたように、今度は私が助ける番だ。

 

 

ミカエラside

 

茜ちゃんが生きていた…?

 

…茜ちゃんは死んだはずだ。弱い自分のせいで。

 

しかし、昔と変わらずみつ編みを肩に垂らしている姿はまさに茜ちゃんそのもの。

背も伸びて成長した姿だが、やはり昔と変わらない顔立ち。

いつも笑顔で家族達と笑いあっていた彼女と全く同じだ。

 

彼女は暴走した優ちゃんと向き合い、剣を抜く。

 

茜ちゃんはそのまま優ちゃんに飛びかかった。

 

 

フェリドside

 

「んんん~?こんどは何かなぁ?また人間が一人入ってきたぞ??」

 

静かに彼女を観察する。

帝鬼軍の制服でもなく、明らかに一般人の学校の制服。

 

「一体何者かなぁ?」

 

ヨハネの四騎手に乗って来た事といい、あのバケモノと化した人間に正面から向き合えるなんて普通じゃない。

 

「でも…楽しくなりそうだ♪」

 

フェリドは茜を見てニヤリと笑った。

 





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