百夜茜は生き残る   作:さんの羊

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久しぶりすぎた…。


百夜茜は暴走する

 

「…え?」

 

気がつくと、辺りは一面見渡す限り白い世界に包まれていた。

 

 

 

「どこだろ…ここ…」

 

気がつくと白く、モヤがかかった世界だった。

なぜ自分はこんなところにいるのだろう…??

 

「あれ…?私は確か…大兎さんと…修行を…」

 

すると突然、白い世界に光がさした。

上を見上げると、何かが空を飛んでいる。

 

「あれは…天使…?」

 

そして、白い世界にラッパの音が大きく響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「…っは!!」

 

…私は目を覚ました。

 

辺りを見渡すとそれは白い世界ではなく、異世界の野原だった。

しかし私の回りは地面がえぐれ、すでに野原ではなかった。

 

「いったい…な…にが…?」

 

「おっ!茜ちゃん!気がついたか!!」

 

声のする方を見てみると、大兎さんが疲れた様子で座っていた。

 

よくみると私の服も大兎さんの服も汚れてボロボロになっている。

 

「茜ちゃん、さっきあったこと、覚えてる?」

 

「さっき…あったこと…?」

 

そんな私の様子を見て、大兎さんは、覚えてないかぁ~…と、頭を抱えている。

 

「えっ…とな、茜ちゃん今の今まで力を暴走させちゃっててさ、俺と戦ってたんだぜ?」

 

「え、!?」

 

「もーすっげー大変だったんだぞ?あそこまで力開放させたの俺久しぶり…」

 

大兎さんは、がっくりとうなだれた様子で疲弊していた。

 

「…全っ然覚えて無いです。…そんなにすごかったんですか…?」

 

「まーね…あー疲れた…。とりあえず今日は修行これくらいにしとくか~!」

 

「…あ、はい。」

 

何がなにやらよくわからないがとりあえず修行の時間は終わりだそうだ。

 

「えっと…とりあえず軍の医務室で一応何か無いか調べてもらってね、じゃあ解散!!」

 

「あっ!ありがとうございました!!」

 

勢いよく大兎さんに私は頭を下げる。

 

 

 

そして、医務室で体を軽く診察してもらい、自分の部屋でゆっくりくつろぐ。

 

「全く覚えて無い…一体何があったんだろ…?」

 

首をかしげながらも、明日の修行に向けて、さっさと寝ることにした。

 

 

 

 

 

…その頃、軍ではかなり茜のことについて話題になっていた。

かなりの力を体に組み込まれていた事に皆、驚きが隠せなかった。

 

月光もその報告書を見て呟く。

 

「フン、やはり俺の勘は当たるな…。めんどくさい事になりそうだ…。」

 

月光は舌打ちをし、報告書を机に雑に放り投げると再び仕事に戻った。

 

 

 

…あれから私は大兎さんと再び修行をしていた。

 

「じゃあ前回茜ちゃんと戦っていろいろ俺なりに考えた事があるから、とりあえず同じように戦おうか。」

 

「は、はい!」

 

 

それからしばらくして大兎さんとの修行で、ある程度は攻撃が見えるようになった。

 

例えば大兎さんの戦いかたのベースが空手だったりとかだったり、大兎さんは決してそこまで技術にこだわって無いことがわかった。

 

(そっか…大兎さんは攻撃の技術とかじゃ無くて…純粋にいろいろ体の機能やら性能が規格外なだけなんだ…。)

 

しかし、それでもやはりかなわないことはわかっていた。

そもそも彼はほぼ不死身なのであって、自分の体が傷ついても気にせず攻撃できるのが強みの一つだった。

 

(絶対に…勝ちたい!!強くなりたい!!今度こそ、吸血鬼を倒すだけの力が欲しい!!)

 

茜がそう強く思えば思うほど、いつの間にか時間が飛んでボロボロになって倒れていることが多い。

 

茜はただただ疑問を浮かべるばかりだった。

 

(私…一体どうしたんだろ…?)

 

それから、また翌日同じように修行を始める。

 

いつもどうり今回も記憶が飛ぶんだろうと思っていた茜だったが、今回は違った。

 

(また…この景色…)

 

何もない、白い世界。

 

向こうには、光に照らされたラッパが一つ転がっている。

 

自分はいつもそれが欲しくなって、手を伸ばし、そこで記憶が途絶えていた。

 

今回もいつもどうりそのラッパが欲しくなり、手を伸ばすと、ガシリと誰かに腕を捕まれた。

 

「駄目だよ、茜ちゃん。」

 

(え…?)

 

「毎回それに何も考えず手を出してばっかりじゃどうしようもできないよ。」

 

「なんで…スクラルドさんがここに…?」

 

「茜ちゃんは何の為に私と契約したのかな?」

 

「あっ…私の力を…制御するため…?」

 

「そう!せーかい!それとね、茜ちゃん。茜ちゃんはあれを使うたびに人間じゃ無くなっているんだよ。わかってる?」

 

「え…?」

 

「茜ちゃん、茜ちゃんはあの力を制御しなきゃいけないんだ。だから私はここにいる。手を貸す為にね。」

 

「でも…どうやってスクラルドさんはここに…?というか、ここはどこなんですか…?」

 

「茜ちゃん、ここは茜ちゃんの精神の中だ。私は茜ちゃんと契約しているからここに居られるだけ。ま、この私は本体じゃ無くて精神を雷で電波みたいにとばしてるだけだけどね。」

 

「精神の…中…。」

 

「さあ、茜ちゃん。あの気持ち悪い天使を屈服させるよ。」

 

スクラルドさんは私に手を差し出し、そう言った。

 

「…はい!」

 

私はスクラルドさんの手を握った。

 

 

 





…できるだけ早く次出します。

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