百夜茜は生き残る 作:さんの羊
ちょっとひさしぶりです。
「ぶ、無事に契約することができました!!」
私は生徒会室に戻り、さっそく月光さんに報告した。
「そうか。よくやった。」
月光さんはそれだけを言ってくれた。
「へぇ~!!すげーじゃん!!やったな茜ちゃん!!」
大兎さんは、そう誉めて、私の頭を撫でてくれた。
「これで…修行を始められるな!」
「はい!よろしくお願いします!!」
こうして、改めて本格的に大兎さんとの修行が始まった。
「とりあえず、ここじゃ危険だからどっか広いところいこうか。」
道程を開けられ、大兎さんに辺り一面野原の何もない異世界につれてかれた。
「よし!やってみるか!」
大兎さんはそう言って、拳を構えた。
「い、いきなりバトルですか!?」
「いや~まずは茜ちゃんの力を開放させないと意味が無いから…じゃ、いくぞッ!!」
大兎さんがものすごいスピードで、私に拳を繰り出す。
「ほぁあッ!?」
あわててなんとか避けるが、それでも大兎さんの攻撃は止まない。
次々に足や拳が自分にとんでくる。
とんでもないスピードて繰り出される攻撃に私はただ逃げる事だけしか考えられない。
「…よっと!茜ちゃん…もうちょっと挑戦しような?」
「いやいやいや、無理ですって!!大兎さんどんだけ攻撃はやいと思ってるんですか!!」
「…え~?はやかったか?結構これでもゆっくり茜ちゃんに合わせてるんだけど…」
(ええええええええええ!?)
大兎さんはどうしようかという顔をして頭を掻いている。
というか私自身、超手加減されていたということに若干ショックを受けている。
「んん~…でも、ギリギリ避けられてるしもう少しスピードあげてやってみようか?」
「はッ!?」
「茜ちゃんは…強くなりたいんだろ…?」
その時、大兎さんから凄い気迫が発せられた。
(これが…大兎さんの本気の覚悟…!?)
「弱くちゃ何も守る事ができないし自分が惨めな思いをするだけだ。俺はそんな弱かった自分を…ヒメアを守れなかった自分を呪った。」
「た、いと…さん…。」
大兎さんはほんの少しだけ苦い顔をした。
「…だから強くなるために必死だった。男のくせに俺はヒメアに守られてばっかで情けなかった。ヒメアを守るために俺は強くなる為なら何でもした。…俺はそんな惨めな思いを2度と茜ちゃんにしてほしくないんだ。」
大兎さんはまた構え直した。
「じゃ、いくよ、茜ちゃん。」
大兎さんが私を強く見つめ、大地を蹴った。
大兎さんの攻撃が私に直撃する。
「茜ちゃん、立てる?」
大兎さんは、変わらず強い目で私を見つめたままだ。
「は、い…立て、ます。」
体を起こし、大兎さんと同じように私も大兎さんに強い目を向けた。
大兎さんはそんな私の反応に、何かを覚悟したように拳を握った。
そして、大兎さんの片目が黒く染まり、その黒は急激に首から左肩へ侵食して行く。頭から耳のようなものが突き出し、確実に人間から異形の化け物と化してゆく。
「茜ちゃん、
…ちょっと一回、限りなく死に近づいてもらう。」
大兎さんの黒く染まった腕が、私の胸を突き刺した。
「…え?」
…私は目の前が真っ暗になった。
…がんばります。できるだけはやく続きを入れます。