百夜茜は生き残る 作:さんの羊
…ちょい、百合っぽい。それだけをいっておこうと思います。
「…んじゃ、さっそく契約しよっか!茜ちゃんの一番大切なものってなーにー?」
茜はそう聞かれたが、すぐに答える事ができなかった。
「あの、えっと…一番大切なものって…何かわかんないんですけど…」
「んーと…じゃあ、ちょっと胸貸してね~」
「ななな何をッ!??」
そう言うと、スクラルドは茜の胸を触り、茜の契約情報を読み取る。
もちろん、そんなことを知らない茜は顔を赤くして戸惑うだけだが…
「ふむふむ…んー…茜ちゃん…あなたの大切なものって全部まちまちだねぇ…」
「…え?」
「茜ちゃんにとって一番大切なものは家族ってなってるけど…もう死んじゃってるし…奪いようがない。思い出とかとっちゃうと…茜ちゃんが私と契約する意味が無くなっちゃうし…他の大切なものってなると…どれもまちまちだしねぇ…どうしよっかぁ…」
「は、はぁ…」
「これじゃあ契約が成り立たないから…私との契約は無理かなぁ…」
「え、えええぇ~!?なんとかならないんですか!?」
「んー…あ?」
スクラルドが何かを見つけたように声をあげる。
「一個だけ…でもこれは…」
「な、なんですか!?」
「いーもの見ーつけた♥…これは…
茜ちゃんの…百夜ミカエラへの恋心」
「…ミカへの…恋心…?」
茜は一瞬スクラルドのその言葉にドキリとしたが、すぐに冷静になった。
「ふふ…これなら代価として認めてあげる。…どうする?茜ちゃん。」
スクラルドは妖しく茜を見つめながら笑う。
「…契約しましょう。今私が必要なものは…吸血鬼を滅ぼすための力ですから。」
「ふふ…りょーかい!じゃあ、契約するねぇー!」
「でも…どうやって契約するんですか…?」
茜がそう疑問に思っていると…
「月光君になーんにもも教えられて無いんだね、茜ちゃんってば…こーするの!」
「!??!!」
スクラルドは突然茜に深く噛みつくような口づけをした。
「はい!これで契約完了!!」
「えっ!?今、き、きすを…!?」
「これが契約の仕方だよ、茜ちゃん❤」
茜が顔を真っ赤にし、うろたえているのに対して、スクラルドはそんな茜をからかうように笑う。
(知らなかった…契約の仕方がキスなんて…!というかファーストキスが悪魔の上に女性って…!!)
「改めて、雷の末裔…アンドゥのスクラルド。この神鳴りの世界を統べる者兼、ミライの母親でーす!これからよろしくね!茜ちゃん❤」
「よ、よろしくお願いします…」
こうして、なんとか茜は無事に契約を済ませる事ができたのだった。
今回短いです。ちょっと話を区切りたかったので…
…がんばります。