百夜茜は生き残る   作:さんの羊

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…文書くのへたくそです。でもがんばります。


百夜茜は生き残る

…4年前、

 

「「警告します!!愚かな人間どもの手により致死性のウィルスが蔓延しました!!残念ながら人類は滅びます!!しかしウィルスは13歳以下の人間には感染しないことがわかっています。よって我々ー第三位始祖クルル・ツェペシ直下部隊は……これよりこの地区の子供たちの保護を始めます我々の指示に従いなさいー」」

 

…その宣言とともに私達家族の運命はほぼ決まった。

 

吸血鬼の家畜になってしまったけれど、私は家族みんなで一緒に居られればそれでいいと思っていた。

 

「茜ちゃん、みんなを起こして!この世界から逃げるぞ!」

 

…そう言って私に手を差しのべる彼は私にはとても眩しく見えた。

だから私もついていきたいと思った。

家族みんなでここから逃げ出す事ができたら…きっとなんとかなると思えた。

 

「あはぁ~」

 

…でもそれは間違いだった。

 

「待ってたよ哀れな仔羊くんたち」

 

…本当に間違いだった。

 

「逃げろ!!!みんな走れ!!逃げるんだ!!出口まで!!早く!!!走れ!!!」

 

次々と殺されていく家族、必死なみんなの叫び声、

 

「あ…」

 

…自分の体から吹き上げる血液、

 

「茜!!」

 

最後に家族に名前を呼ばれた。しかし返事をすることができない。

 

(優ちゃ…ん…ミカ…みんな…)

 

…あーあ、もっと家族と一緒に暮らしたかったなぁ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

…意識が戻る。

 

「そこらへんに捨てておけ、フェリド様に危害を加えようとした哀れな人間だ。いずれヨハネの四騎士にでも喰われるだろう。」

 

そう言って私を置いていってしまう吸血鬼達。

 

「っ!?」

 

私の周りには殺された家族達の死体が横たわっていた。

何故自分だけは生き残ったのかわからない。どうしてこんなことになってしまったのか。

家族達を殺した吸血鬼達が憎い。

家族達を殺されて泣くことしかできない自分が憎い。

無力な自分が憎い。

 

こんな世界が憎い。

 

…ふいに私の視界にそれが目にはいる。

空間が歪み、ぽっかりとそれは口を開けた。

 

私は何を思ったのか無意識にそれに吸い寄せられるように近づいてゆく。

 

あ な の な か に わ た し は 飛 び 込 ん だ 。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…ん?」

 

男は悠然と椅子に腰かけパラパラと書類を確認していた。

 

「クソ…またか…」

 

男はこの学校の中のどこかで《道程》が開いた気配を感じ取った。

 

「今度はどんな雑魚だ…?」

 

彼はゆっくりと腰をあげ、現場に向かう。

今まで様々な化物やらが現れるのはこの学校では日常茶飯事だった。

 

「…あ?」

 

しかしいざ現場につくと、そこの《道程》は既に閉まりかけ、恐らく衰弱していると思われる女児が横たわっているだけであった。

しかし彼にとっては経験上これが明らかに他の化物が現れるよりも面倒なことになるということがわかってしまった。

 

彼は無言で制服のズボンのポケットから携帯を取りだし電話をかけた。

 

「…俺だ。《道程》を通ってきたと思われる女のガキを拾った。…それと、随分と衰弱している。一応軍の医務室に連れて行く。とりあえず何かないか調べろ」

 

彼は電話を切り、再び倒れている子供を見る。

 

「クソ…面倒くさい事になりそうだ…」

 

彼はそう呟き舌打ちをした。

 

 




更新は遅いです。

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