水も滴る触手精霊、始めました。   作:ジョン・ドウズ

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若干展開が他の作者様と似てしまいました。リスペクトだと思って堪忍してください。面白かったんやあれ。登録もしてるんで許してください。

触手が少ない?

誠がわりとまとも?

安心してください。まだ誠は三回の変身を残している。

無いか。無いですか。そうですか。



第一章-十香デッドエンド-
Date.4「邂逅、十香」


  十香(トーカ)

 

  私の名前。

 

「〈プリンセス〉、今日こそは」

 

  十香(トーカ)

 

  私のこと、だ。

 

「殺す」

 

  十香(トーカ)

 

  十香(トーカ)

 

  ああ、嗚呼、今はこの名を噛み締めよう。

 

  例え渦巻く悪意と殺意の中でも。

 

  果てぬ破壊と荒廃の中でも。

 

  無限の孤独が再び訪れようと。

 

  士道(シドー)がくれたこの名前を。

 

  十香(トーカ)

 

  ()()()()()()()()()

 

「いつかの私の言葉に継ごう、トビイチオリガミ」

 

「………………。」

 

  憎い、憎いあの女。

 

  何度も私を否定する、あの女。

 

「私は、十香だ」

 

「………そう。記憶はしない」

 

  今日からは、言い返せる。

 

  ()()()()()と。

 

「だろうな、期待はしていない。自慢したかっただけだ。ばーかばーか」

 

「嫌に、饒舌」

 

「貴様もな」

 

「一緒にしないで、精霊」

 

「貴様はトビイチオリガミ。私は十香。端から違うではないか。誰が一緒なものか」

 

「今だけは、肯定する。お前を否定するために」

 

「力で否定出来ないのにか?」

 

「ッ!!」

 

  それだ。その殺意。害意。悪意。敵意。

 

  私を乱し、侵し、苛み、嘲り続けた。

 

  貴様の振るう刃には飽きたが…………。

 

  今日は、付き合ってやってもいい。

 

  私は、十香(トーカ)───────。

 

 

 

 

 

 

 

 

「そこの美少女!確保ォーーーっ!!」

 

「何─────ぐわぁぁぁぁっ!?!?」

 

  突如戦場に現れた、謎の女。私の腹に全体重を乗せて飛び付いてきた。トビイチオリガミとの打ち合いが中断され、私は瓦礫に沈むことになる。

 

「なっ、何をする!?何だ貴様は!」

 

  ()()。肉体の痛みは感じなくなって久しかった。つまり、メカメカ団の連中とは、明らかに格が違う。

 

「おう!お前も精霊だろ?そうなんだろ?俺もなんだよ!っはー!」

 

  ………のだが、私に馬乗りになるこの女は、私を惑わせる。

 

  精、霊?()()()

 

「友達になろうぜ!」

 

「ともだち?」

 

「おう!」

 

  ともだち?何を考えている。

 

「何だ、それは」

 

  こいつは、何を言っているんだ?

 

「お前は………〈サッカバス〉!!」

 

  トビイチオリガミが、謎の女を呼ぶ。

 

  奴の敵なら、私の同類なのだろう。私の呼び名(プリンセス)と似たようなものが飛び出したしな。多少、警戒を解いてもいいか。

 

「んお?おお!くっころ団じゃねーか!お前襲われてたの?」

 

「退け、邪魔だ」

 

「いやん、もっと激しく荒々しく」

 

  覗き込んでくる女を押し退け立ち上がると、鏖殺公(サンダルフォン)を構える。女は何やら嬉しそうにしていたが、すぐに立ち上がると埃を払う。

 

「襲われていた…………と言えるのか?傷も付かぬ砲を撃たれ、刃を向けられるのが」

 

「一応言えるんじゃねーの」

 

「そうか。煩わしいな」

 

「あ、そう?じゃあ、ここは俺に任せてちょいと見物しててよ」

 

  私を遮って前に出た、女の姿が変化する。肌の露出した破廉恥な姿。しかしそれでいて、何処か神々しさもある姿。

 

「〈神威霊装・無番(アーシラト)〉、こいつも久しぶりだな」

 

  自分の容姿について、深く考えたことは無いが。()()()()()()()()()、と確信した。

 

  成る程、だから()()か。

 

  言葉としては識っているが、まるで感覚の理解が及ばない。これまで居たことがないからな。

 

  一番該当しそうなのは…………士道(シドー)か。

 

「〈触抱聖母(アルミサエル)〉、【寵愛(ヤッド)】!!」

 

  霊力の嵐と共に、空中に水晶の柱が現れ、体内に取り込まれる。すると、奴の身体から無数の水の筋のような、蔓のようなものが飛び出す。

 

「なぁお前、名前何て言うの?」

 

  奴は、軽い調子で問うて来た。少し前なら、答えられなかったが、今は違う。

 

十香(トーカ)だ」

 

「OK、()()()。俺は誠!色無誠だ!十香!」

 

「何だ!」

 

  首だけをこちらに向けながら、誠は叫ぶ。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!」

 

  時が止まったように思った。

 

  何と。

 

  何と、暖かい。

 

  名前とは、これ程までに暖かいのか。

 

「俺は呼んだぞ、十香!お前は呼んでくれるか!?」

 

  嗚呼。断れる訳が無いだろう。

 

  それは、()()()()()()()()()()

 

  お前は士道(シドー)と同じだ。

 

  他の奴とはちょっぴり、ほんのちょっぴり違う。

 

  私のことを、否定しない。肯定してくれる。

 

「──────ああ!勿論だぞ、誠!!」

 

  それだけで、誠は嬉しそうに笑うのだ。

 

「OK!じゃあ、()()()()()一枚脱ぎますか!!」

 

「一肌ではないのか?」

 

「俺は変態さんだからな!変な友達だからって嫌がるなよ?」

 

「変態なのか。ばーかばーか」

 

「何で罵倒されたん俺!?あ、変態だからか」

 

「そんなことも分からないのか?仕方無い友達だな、ばーかばーか」

 

「俺の扱い荒いなチクショウ!慣れてるが!」

 

  何やら叫びながら、誠はメカメカ団の群れに飛び込んでいく。結局脱いでいないが。水の蔓で捕まえては投げ、捕まえては打ち、捕まえては………くすぐり?

 

  ともかく、多人数相手なら私よりもずっと効率が良さそうだった。あのトビイチオリガミと、指示を飛ばす隊長格の女くらいしか、誠に対応出来ていない。

 

  適当な瓦礫を転がし、その上に座って誠を待つ。

 

  ばーかばーか。

 

  例え変態でも、誠が良い奴だという事くらい、私にも分かる。

 

  士道は私を私にしてくれた。

 

  お前は私を私と認めてくれた。

 

  どうして、拒絶出来ようか。

 

「…………ばーかばーか」

 

  本当に、ばかばかり。

 

  でも、…………………ありがとう。

 

  今はまだ、お前やシドーがちょっぴり怖い。私にとって、未知な存在だからだ。私を肯定してくれる者というのが。

 

  だから、もしも、もしもちゃんと仲良くなったら………いつか言う機会もあるだろう。

 

  その時は、………どうしたら良いのだろう。

 

  とにかく、心から、ありがとうと言おう。

 

「誠め、時間が掛かっているな。本当にしょうがない奴だ。ばーかばーか。」

 

  嫌にくすぐってばかりだな。あれが有効なのだろうか。もしや、戦い慣れていないのか。メカメカ団の連中の、女ばかり拘束しているぞ。

 

「男は要らん!帰れ!美少女だ!美少女成分が足りないんじゃァァァァァァ!!」

 

『イヤァアァァァァァ!?!?』

 

「バカ野郎そこは悲鳴上げずにキビキビ向かってきて返り討ちにされろ!そして〆は、くっ殺せ、だ!お前ら身体も張れないんじゃ意中の相手も落とせないまま悪の幹部に弄ばれるぞ!!」

 

『何の話!?』

 

「同感。身体的接触や性的興奮を伴う積極的なアプローチは重要」

 

「アンタ分かってる!俺は色無誠だ!」

 

「精霊であることが悔やまれる。鳶一折紙」

 

「いざ尋常に立ち合うがいい(ケイネス風)!」

 

「望むところ」

 

『エエェェェ(°Д°)ェェェエエ』

 

  ………何故かトビイチオリガミと意気投合しているが。他の連中を蔓であしらいつつ、拳と刃の応酬を繰り広げ何やら語り合っている。わざわざ天使でなく自分の拳で戦う意味が分からん。

 

「誠!!私は別に面倒なのでやりたくないのだが、お前がどうしても手伝って欲しいと言うなら、助太刀してやらなくもない!」

 

「いや、大丈夫だけど」

 

「助太刀してやらなくもない!」

 

「助けて十香さん!」 

 

  何だ、やっぱりそうではないか。うむうむ。仕方の無い奴め。

 

「任せろ誠!!この私がいれば、メカメカ団など烏合の衆に過ぎんぞ!」

 

  鏖殺公を握り締め、私は一気に誠の前に飛び出した。

 

 

 

 

 

  時間は少し遡る。

 

  士道先輩に逢った日から三日経った。今は、時刻にして午後五時二十分過ぎ。

 

  丁度何時もの小学生が公園から帰った辺りで、突如空間震警報がした。

 

  慌てて子供たちが無事か近隣のシェルターに駆け付けたところ、全員親御さんと共に避難していたようで安心した。俺に気付いた子が手を振ってくれたのは可愛かったなぁ。子供に罪無し。ショタとロリは正義。

 

  因みに俺は親御さんに『公園のお姉さん』と紹介されていた。何処と無くいかがわしく感じた俺は汚れちまってると思うの。

 

  さて、無事を確認した所で、今日は精霊に会いに行こうと思う。人の流れに逆らって上手いことシェルターを脱出、誰にも呼び止められることなくその場を後にした。

 

  俺以外の精霊がどんな奴なのか。どんな力を持っていて、何を思っているのか。直接本人に聞いてみるには絶好のチャンスだ。

 

  あと、可能なら友達になりたい。ボッチ辛い。考えてみ?毎日毎日公園の水が主食とか何さ。腹は満ちるが心が満ちぬ。ここは一つ、精霊ならではの愚痴を精霊同士でしたい。つまり精霊トーク。セイトーーク。あ、漢字で書けそう。聖徳?………太子?飛鳥文化アタック?

 

  と、言うわけで。俺さんこちら、手のなるほうへと大☆爆☆走。何となくそれっぽいほうへ走るっ!え、根拠?勘?取り敢えず精霊の全力で走りゃ天宮市くらい五分で一回り出来る!うおおおおおおっ!

 

  おっ、何か母校の方角が喧しいぞ!ドンパチやってるみたいな音がするわー怖いわー!精霊居るの間違いないわー!俺も混ぜてーーーーッ!

 

 

 

 

 

 

  ───────で、今に至る。

 

「おい、誠よ。何処を見ている」

 

十香山(男の夢の詰まった胸のブツ)

 

「どの山だ?」

 

「汚れた目でお前を見て悪かった」

 

  止めてくれ、澄んだ瞳で山間部をキョロキョロ眺めるのは止めてくれ。

 

「大事無いか?水道とやらで洗うか?」

 

「本当に悪かった。大丈夫だ」

 

  おう誰か俺の目くり貫いてくれ。自分でやれ?怖くて出来ん(ヘタレ)。

 

  現在どうなったかと言うと、ASTの皆様を見事にブッ飛ばし、俺の城(いつもの公園)にいる。ホントは触手プレイを堪能したかったんだけど、張り切った十香が全員鏖殺公でブッ飛ばしていったもんで獲物が失せました。因みに比喩じゃなく、文字通りね。

 

  剣が顕現装置(リアライザ)に衝突した瞬間、バットでゴムボール打ったみたいにカッ飛んでったのはシュールだった。どうやったお前。何がリアライザだ、全然現実味(リアル)がねぇ。俺のアルミサエルでグローブ作って今度野球やったろか。

 

  最後に残った鳶一折紙は十香と打ち合ってただけあり、元気100倍十香ちゃんにも何とか食い下がっていた。ただ、流石に無茶だと思ったので、「仲間回収した方が良くない?」って言ったら「借りは返す」と言いつつ引き下がっていった。二対一だからね。

 

  精霊二体が結託したということで、流石にASTも黙ってない………ってか、面子が立たなかったのか、少し間を置いて増援を送り込んできたけど、これも漏れ無くお星様になりました。精霊強すぎィ!?もう十香一人でいいんじゃないかな。あ、俺も精霊か。

 

  まあ、やり遂げたって言わんばかりの笑顔で十香が汗拭ってたから、いいとしよう。ストレス解消したって感じのいい笑顔だったよ。

 

  ああ、今の人生、とかく現実味が無いことだらけだ。リアル直売所の在庫一掃セールでもやってるんか。ちょっとストック買いたい。

 

  遠い目をしつつ、公園のブランコに佇む。

 

  ついさっき、お疲れさまという気持ちを込めて(俺殆ど何もしてないので)、サクマドロップをあげたら喜ばれた。ハッカはウケなかったが。何でや。ハッカ飴もなかなかだろ。缶で保管出来るサクマドロップは俺の貴重な甘味なんだぞ。美味しそうに一缶ペロリと平らげやがって。可愛いじゃねーかチクショウ!また仕入れとくぞ!

 

「わははははは!」

 

  そんな十香だが、今は大はしゃぎでブランコ漕いでる。描く軌跡がほぼ180度………いや、270度近いんだが。おめえ自前のアクションでもっと激しいこと出来るでしょうに。ホント子供っぽいな。可愛いから許す。

 

「それくらいにしとけよー。危ないぞー」

 

「む?そうなのか?一回転したかったのだが」

 

「頭打ってブランコ壊れるから止めなさい」

 

  十香の心配<ブランコの心配

 

  こう考えると我ながら酷いな。だが実際精霊の方が頑丈だから笑えん。

 

  注意したら、十香はブランコに立つのを止め、俺と同じように腰を降ろす。さて、折角だから少しお話しするか。

 

「なあ十香。お前いつも何してんの?」

 

「ぬ………こちらに来てすぐに毎回メカメカ団が現れるから、それと戦うだけだな。そうでなければ、臨界で休眠状態にある」

 

「────ああ、俺行ったこと無いんだよね臨界」

 

  臨界。精霊達が普段いる世界。こっちに来るときに空間震が起きるのが、精霊が目の敵にされる最大の原因。だが、俺一回も行ったこと無い。疲れても寝てても行けない。何でや。

 

「何と。では普段は何をしているのだ?」

 

  あら、質問が同じ質問で帰ってきちゃった。まいっか。

 

「図書館行って本読んで、この公園で子供と遊んで過ごしてる」

 

「トショカン?」

 

  かくん、と首を倒して俺を覗く十香の頭の上に、疑問符が見える。こっちの常識はあんまりないんだな。

 

「楽しいところだぞ。色んなことが載ってる『本』を読むんだ。ただ、皆集中してるから、大声は出せないな」

 

「おお、興味が湧いたぞ。連れていってくれ」

 

  未知への興味に、拳を握り締めてブンブン振り回す十香。瞳を輝かせる所を見ていると、何かを連想させる。

  ………オオカミ少女?違うか?       

 

「いや、それが残念ながら今日はお休みだ」

 

「そ、そんな………」

 

  分かりやすくしょぼくれる。純真な子供そのものだ。

  ………ウケるかな、これ。

 

「安心しろ、安心しろよ十香。ここに図書館で借りてきた本がある。本当は良くないけど、貸してあげる」

 

(俺)つ[桃太郎]スッ

 

  小学生達………いや正確には、彼等がすっかり俺のことを信頼して、更にチビッコの妹や弟連れてくるようになったもんで、絵本も仕入れてたのです。

 

  直感した。

 

  十香には、桃太郎。

 

  ………流石に大丈夫だよな。字大きいし平仮名だし。

 

「ぬ?これは………何だ?」

 

「桃太郎。日本が誇り、国内知名度・人気共にナンバーワンの大冒険記だ」

 

  嘘は吐いてない。

 

  嘘は。

 

「おお!凄いな!」

 

「だろ?」

 

「で、これはどう見るのだ?」

 

「そっからか!!」

 

  いやあ、本を知らんとは!!参った!大誤算!!

 

「ならば仕方無い。ここは俺が長年(二、三日)培った読み聞かせスキルを披露してやるしかないようだな!」

 

「わくわくするぞ!」

 

  悟空かお前。今日から語尾に(悟空)付けろや。

 

  まあいい。この輝く瞳に全力で応えなければ。

 

「昔々───────」

 

                         [読み聞かせ中]

 

「──────めでたしめでたし」

 

  そっと絵本を閉じる。そっ閉じ。古いドアが軋みそうなくらいにそっ閉じ。

 

「誠」

 

「何だ?」

 

「もう一回頼む」

 

「もう三回読んだぞ!?」

 

  十香ちゃん、まさかの大絶賛。

 

  桃から桃太郎が生まれて目を白黒させ、キビダンゴを食べたいと言い出し、私もお供するぞと拳を振り上げ、鬼との戦いでまさかのハラハラドキドキしてらした。

 

  しかも、鬼ヶ島から宝を持ち帰り、幸せに暮らしましたと締めたら、「良かったなぁ」とうるうるする始末。

 

  この子感受性強すぎィ!?チビッコ達の中に放り込んでも違和感無いぞ!ただし見た目は考慮しない!

 

「それだけ気に入ったのだ!誠、私も鬼を成敗する!」

 

「今いねぇよ!桃太郎がやっつけたよ!」

 

「むう………ならばキビダンゴをくれ」

 

「あたしゃババアか!?」

 

「ならばもう一回…………む?」

 

  十香の言葉が途中で止まった。何だ?

 

「無念。そろそろ臨界に帰るようだ」

 

「良く保った方じゃねえの?」

 

「かもしれぬな。そうだ、誠。一つ聞きたいことがある」

 

「何だ?」

 

「シドーにデェトに誘われた。デェトとは何だ?行っていいものだろうか?」

 

  へー、先輩に会ったのか。成る程、早速司令が動いてるって訳ね、OK。ならば援護射撃しとこうか。

 

「デートってのは、男女で遊びに出掛けて仲良くなるのが目的だ。士道先輩はお前と仲良くしたいんだよ。行っていいんじゃない?」

 

「何と、誠もシドーの知り合いだったか。うむ、なら安心だな」

 

  よし、良いじゃねぇの。やはり同類からの言葉ってのは良く効くって訳だ。

 

 

 

「では、()()()()行かぬか?」

 

 

 

  ───────訂正。

 

  男女恋愛を分かってない。これはダメだ。それは友達としてのベストであって、デートの上では最悪だ!!

 

「あのな十香、」

 

「では誠、今日はさらばだ!また会おうぞ!」

 

「十香、ちょい待て(Wait)!十香ちゃーーん!?」

 

あ、消えた。

 

  間  に  合  わ  な  か  っ  た  。

 

  ……………………。

 

  かくなる上は。

 

「あ、もしもし。誠です」

 

『何よ突然。何かあった?』

 

 助けて琴里司令!俺ピンチ!

 

「あのー、十香っていう精霊に会ったんですけど」

 

『へえ。仲良くなった?』

 

「いや、まあそうなんですが。士道先輩とのデートに付いてこないかと誘われたんですけど」

 

『え"?』

 

「どうしたらいいですかね」

 

『………………行くしか無いんじゃない?』

 

「マジっすか?」

 

『十香を説得して、アンタが影から()()()()()()()しなさい。突拍子も無いことしないように。士道には黙っておくから』

 

  おいおい、勘弁して司令。

 

  それって、

 

  俺に()()()()()()()()()()でもやれって言うの!?

 

  変態には荷が重いんですけど!?

 

 

 




士道→圧倒的後ろ楯

誠→お金も自宅も、無いんだよ!

何が出来るかなんてお察し。

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