インフィニット・ストラトス 白き流星   作:朱羽総長

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投稿が大分遅れました。すいません。
今回はセシリア好きの方には不快な気持ちにさせるかもしれない場面がありますが見ていただけると幸いです。
作者にとって初の戦闘描写です。
では、どうぞ( ・∀・)つ

2015/01/07 修正


白の一角獣

決闘当日、俺、一夏、箒の三人は第2アリーナの第Aピットにいた。

 

「なぁ箒」

 

「…なんだ?」

 

「この一週間さ、ISのこと教えてくれるんだったよな」

 

「そうだったな」

 

「じゃあさ、なんで剣道ばっかだったんだ?」

 

「………………」

 

「目をそらすな!」

 

一夏と箒が隣で夫婦漫才してる。

一週間剣道のみか。

それはそれで良かったじゃないか。

 

俺なんてこの一週間なにもしなかったぞ。

料理してたり、掃除したり、そんなことばっかしてたな。

 

「織斑君!橘君!」

 

山田先生が大急ぎでやってくる。

見ててハラハラさせる足取りだ。

 

 

「山田先生、落ち着いて。はい、深呼吸」

 

「あ、はいっ。すーはー、すーはー」

 

「吸って」

 

「すー」

 

「吐いて」

 

「はー」

 

「吸って」「吐いて」「吸って」「吐いて」 「吸って」「吐いて」 「吸って」「吐いて」 「吸って」「吐いて」

 

「えっ!えっ、えっ?」

 

一夏と目で合図して山田先生をからかう。

昔は、鈴や弾の妹の蘭をこれでからかったものだ。バリエーションはまだたくさんある。

 

バシッ!ベシッ!

 

そんなことをしてた俺たちに頭上から重い一撃が降り降ろされる。

 

「馬鹿どもが。あまり教師をからかうなよ」

 

後ろにはいつの間きたのか、我らが担任織斑先生がいた。

 

「織斑、お前の機体だが搬入が遅れている。」

 

「えっ?」

 

今日届くと思われていた一夏の専用機が遅れている。

ということは、

 

「俺からですか?」

 

「そうしたいところだが、今第3アリーナで2年の数名が練習試合をしていてな、機体がない。」

 

「えーと、つまり」

 

「待つしかないということだ」

 

大丈夫かな?

ピット内にあるモニターからはもう既に出撃しているオルコットが移っている。

うわぁ、怒ってるよ。そんな表情してる。

 

「織斑の機体もあと10分ほどでつくらしい。オルコットにはこちらから連絡して一回下がって貰おう」

 

織斑先生が連絡をしようとピット内にある電話に向かおうとした。

 

 

「その必要はないですよ」

 

 

突如知らない声が聞こえてきた。

声のしたほうに目を向けると、そこにいたのは、目測だが俺よりも頭一個分小さい背丈の、瑠璃色の髪の、白衣を着たが女だった。

 

 

「誰だ!今は関係者以外立ち入り禁止だぞ

!」

 

 

織斑先生が声を荒げながら問う。

すると少女は

 

「関係者ですよ、ある意味。今日はお届け物があって来ました」

 

そう言いながら近づいてくる。

俺たちの近くまでくると、

 

 

「初めまして。私の名前は、篠ノ之瑠璃(しのののるり)と言います」

 

 

自分の名前を名乗った。

だが、誰も返事が出来ずにいた。

何故なら、

 

 

「篠ノ之だと……?」

「はい。」

 

 

動揺して疑問を口に出してしまった箒にたいして肯定で返す少女。

 

 

「まぁ、そんな話は後にしましょう」

 

 

そう言ってこっちに近づいてくる。

俺の前まで来て、

 

 

「あなたに、お届け物です、橘結人」

 

「俺に……?」

 

「はい。こちらです」

 

 

ピットの搬入口が開く

流れてきたのは、

 

 

グレーの装甲で肩と手、そして下半身全体を包んだIS

 

 

「これは……」

 

「あなた宛てのものです。乗り方はわかりますよね。」

 

 

確かにわかるが…

 

 

「………誰からだ?」

 

「それは今は言えません。この闘いに勝てたら教えましょう」

 

「……わかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「気分はどうですか?」

 

「大丈夫です」

 

機体に乗り込みカタパルトで最後の確認をしている。

違和感はないし、問題ないはずだ。

 

ー戦闘待機状態のISを感知。操縦者セシリア・オルコット。機体名『ブルー・ティアーズ』。戦闘タイプ中距離射撃型。特殊装備ありー

 

オルコットの機体データが送られてくる。

中距離型か。

こっちは

 

ー機体名『?????』。戦闘タイプ不明。操縦者、橘結人ー

 

これしか分からん。

 

 

「武器あるのか?」

「ありますよ………多分」

「おい、なんだそれ?」

「整備は私してないので、はいってるかどうかは…」

 

 

確認してる時間もない。仕方ない、行くか。

 

 

「結人」

 

 

一夏が声をかけてくる。

 

 

「なんだ?」

 

「頑張れ」

 

「頑張る」

 

 

ピット・ゲートへ目を向ける。

さぁ、行こう。

 

 

「橘結人、出るぞ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら、逃げずに来ましたのね。遅いので逃げたかと思いましたわ」

 

「遅くなってわるかったな。それだけは謝るぜ」

 

 

オルコットの言葉を適当に受け流す。

青い機体『ブルー・ティアーズ』を装備し大型のライフルを持っている。背には特徴的なフィン・アーマーを四枚つけている。

 

 

「最後のチャンスをあげますわ」

 

「はっ?」

 

開始の鐘はもう鳴っている。そんな中、此方よりも上に浮いているオルコットは人差し指をビシッと突き出して言ってくる。

 

 

「今ここで謝るのなら、許してあげないこともなくってよ」

 

「はっ、言ってろよ。そっちこそ言い訳位考えておけよ。素人にボコボコにされても笑われないようにな」

 

 

思考が攻撃的になってるな。久しぶりの感覚だ。

 

 

「……そうですか。なら……」

 

 

警告が表示される。撃ってくるぞ、と。

 

 

「お別れですわね!」

 

 

独特の音と同時に閃光が走る。

 

 

「ッ!?」

 

 

とっさに反応して、回避運動をとる。自分でも驚くくらい早く体が反応した。

けれども掠ったようだ。

 

ーダメージ12。戦闘行動に支障無しー

 

ISバトルはシールドエネルギーが0になると負けだ。今はバリアに当たっただけだが、貫通されると実体にダメージが通り機体が破損することもある。そうなると後の戦闘に支障がでる。

 

ISには『絶対防御』という操縦者が死なないための能力があるが、操縦者の命に関わらない限り発動しないので、今はいいだろう。

 

 

(武器は無いのか、武器は!)

 

 

機体データから武器を探す。

中距離武器と近接武器が一つずつ。

まずは、中距離武器を呼び出す。

 

右手に現れたのはハンドガンタイプの武器。弾数は、20発。それもフルオート無しの単発式。

正直言って効果があるとは思えない。

あっちは高速で動いている。

IS用になっているとはいえ、これではほとんど当たらないだろう。

 

 

(近接武器は?)

 

 

 

そう思い呼び出す。

 

 

「…………」

 

「…………」

 

 

左手に出てきたものを見て俺もオルコットも静止してしまった。

左手に出てきた武器、それは

 

 

「何故に金槌!?」

 

 

金槌だった。それも、IS用になっている一般サイズのだ。

……ふざけてんのか?

 

 

 

 

 

その頃Aピット内

 

「あー、ラボで無くしたやつだ。どこいったかと思ったらあんなところに」

 

 

 

 

 

 

そんなことを言っている白衣の少女がいた。

 

舞台はアリーナ・ステージに戻り

 

 

「……ぷっ、フフフ」

 

 

オルコットが笑い出した。

 

 

「そんな、装備初めてみましたわ。それで勝てるとでも?」

 

 

観客席からも笑い声があがる。

………はずい。

こうなりゃ、あとはどうとでもなれ。

 

 

「やってやらぁぁーーーーー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ」

 

「はぁ、はぁ、ありえませんわ。」

 

覚悟を決めて数分が経ち、戦況は大分変わっていた。

途中、オルコットがビットを四機展開してきて大分ダメージくらったがのだが、

 

 

「まさか、ティアーズをそんなので破壊するなんて…!?」

 

 

そう、破壊した。二機だけだが、金槌で。

相手がビットをどこに動かすのかを何回か避けながら、位置を推理し撃たれる前に加速して接近。

砲口を殴って潰し、あとは放たれる筈だったビームが暴発。これを繰り返した。

ついでに破壊した際に驚いて動けなかったオルコットを撃ってみた。当たった。

だが、此方も、

 

ーシールドエネルギー残量81ー

 

のこりのエネルギーがほとんど無い。

残り弾数も2発。当たったのは11発。

 

 

「どうだ。こんなんでも結構やるだろ。金髪クロワッサン」

 

 

強気の態度で挑発する。

 

 

「まったく、本当に此方を怒らせるのがお上手ですわね。教育がなってないのでは?」

 

 

イラッとしたが我慢だ。

どうするか、それを考えなくては、

 

 

「親の顔が見てみたいですわね。

どうせ、こんな風に育てるような、馬鹿な人達なのでしょうがね」

 

 

 

 

 

 

 

 

……………………はぁ?

何だと?

 

 

 

 

 

 

 

「……った」

 

「なんですの?」

 

「今、なんて言った!?」

 

 

いっきに加速して接近する。

ビットから放たれたレーザーが当たるが気にしない。

奴との衝突まで、15メートル。

残りシールドエネルギー12。

 

負けてもいい。コイツを殴れるなら!

 

残り10メートル。

オルコットは接近する俺を見て、口元を歪めた。

それを見て、我にかえったが、

 

 

「ティアーズは、六機ありましてよ!」

 

 

腰に装備されていたと思われるビットから、ミサイルが二発放たれた。

 

 

 

 

第三者side

アリーナ・ステージの中心で結人へ向けて放たれたミサイルが爆発する。

ミサイルを撃った本人であるセシリは、その様子を見ながら勝利を確信して、微笑む。勝ったという思いからか、自分でも抑えられない程高まった気分で彼へ言う。

 

 

「あなたの親は、普通の人にも劣る馬鹿な人達なのでしょう!そういったんですわ!」

 

 

本人もそこまで言うつもりは無かっただろう。言ったあとに、顔を気まずそうにしていた。

だが、後悔してももう遅い。

言ってはいけないことを言ってしまった。

 

 

煙が晴れる。

 

 

ー敵IS反応健在ー

 

 

「ッ!?」

 

 

警戒を強める。

煙の中から出てきたのは、

 

 

 

 

白い装甲で全身を包んだ機体、特徴的な頭部の角。

 

ーフォーマットとフィッティングが完了しました。機体名『ユニコーン』ー

 

 

 

そんなウィンドウが表示される。

初期化(フォーマット)』と『最適化(フィッティング)』。

 

つまり、この機体はようやく結人専用の機体となった。

けれども、彼は気にも止めない。

今の彼は、

 

 

 

 

 

「…潰す」

 

 

 

 

 

機体の装甲の隙間から赤い光が漏れ始める。

 

 

 

 

「潰してやる。お前は…」

 

 

 

 

彼は、

 

 

 

 

「ここで墜とす!」

 

 

 

 

 

怒りだけでしか動いていない。

 

 

ー『単一能力(ワンオフアビリティ)IS-D』発動ー

 

 

ユニコーンの装甲が展開する。機体の大きさが一回り大きくなる。ゴーグルアイが顔のような物になる。ブレードアンテがV字型に別れる。

展開された装甲が赤い光を放つ。

 

 

「変身した……」

 

 

会場内の誰かが言った。

 

 

「行きなさい!」

 

 

セシリアはビットを操作しユニコーンを攻撃する。

 

 

「………」

 

 

ユニコーンから衝撃波のようなものが全方位に放たれる。

放たれた衝撃波はビームを撃った直後のビットにぶつかり通り過ぎる。

レーザーは当たると思われた。

が、ユニコーンに当たる直前に曲がって外れた。

 

偏向射撃(フレキシブル)

 

操縦者の適正がA以上で、BT兵器稼働率が最高状態にあるときに射出されるビームそれ自体を精神感応制御よって自在に操ることができるとされる能力。

 

彼は、無意識にそれをやってみせた。

その事実を受け入れられずにいると、ビットは突如こちらのコントロールを無視して、攻撃を開始してきた。

 

 

(まさかあの機体、ビットをジャックしたとでも!?)

 

 

このままではこちらの分が悪い。

セシリアはやむを得ずティアーズを撃ち落とす。

ユニコーンはバックパックから、ビームサーベルを抜く。

そして、一気に加速した。

 

 

(まずいっ!?)

 

 

回避運動をとるブルー・ティアーズ。

ユニコーンは高速で接近して、

 

サーベルを掠らせたが、壁に突っ込んでいった。

 

 

「えっ?」

 

 

よく状況が理解出来て居ないセシリアは機体を確認する。

 

 

ー右腕破損。シールドエネルギー残量23ー

 

 

ギリギリだ。厳しいが、まだやれる。

そう覚悟を決めた時だ。

 

 

「試合終了。勝者セシリア・オルコット」

 

「えっ?えっ?」

 

 

セシリアの勝ちを告げるアナウンスが聞こえてきた。

 

 

勝敗は決まった。結人の意識不明によって。

 




戦闘描写こんなのでいいかよく分からないので評価やアドバイスを頂けるとありがたいです。
IS-D……そのまんまだな~と自分のネーミングセンスにがっかりしてたり(笑)

次回更新は未定です。

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