ようやく出来ました。
ギリギリ平成間に合った…
「このフロアみたいだな」
各階に置かれたマップを確認しながら進むこと数分。ようやくお目当ての店のフロアへと来た。
さすがレゾナンスとでも言うべきか。広い上に店舗が多く、さらに人混みも多い。
「うん…あっちかな…」
「よし、じゃあ行くか」
そうして踏み出した際に、簪が人にぶつかってよろけた。
「あっ」
「よっ、と」
咄嗟に手を伸ばし倒れない様に抱きとめる。って、往来で何やってんだろう。
すぐさま起こし、腕を離す。
「大丈夫か?」
「う、うん……」
ふむ、このフロアは特に人混みが多いみたいだな。水着売り場が集中してるからだろうとは思うが。
こういう時、あの
「危ないしこうしとくか」
「……ふぇっ?えっ?」
手を握ってみた。こうしとけば離れない。倒れそうになってもすぐ起こせるだろう。しっかりと
顔を赤くしてるのは男と手を繋いでるからだろう。我慢してもらおう。自分もそこそこ恥ずかしいのだから。
《……ロス……》
「うぉっ!?」
どこからか殺気…みたいなものが……
「…どうかした?」
「いや、なんか……って簪もどうした?」
さっきまで赤くして顔をうつむけてた簪の表情は、驚くほど冷静になっていた。
「何でもないよ、行こ」
「あ、あぁ……」
疑問を残したまま目的地へと向かうことにした。
「わぁ…」
目の前でパフェを目の前に目を輝かせるこの人は本当に年上なのだろうかと思わなくはない。
「山田先生……」
「はっ!?」
織斑先生…じゃなくて千冬さんの言葉で正気に戻ったようだ。
レゾナンスの飲食スペース、そのうちの喫茶店の1つで私達はすこし早めの昼食とすることにした。
そして今はデザートタイムとでもいうべきか、もっとも頼んだのは山田先生だけだったりするが。
「む、すまんな。少し席を立つ」
何か連絡が来たのか携帯端末を持って席を離れていく千冬さん。そのほんの少し後に山田先生も離れていく。
「……ようやく2人きりね」
「あぁ、聞かせてもらおうか。私がウジウジしてるなど…」
「してるわよ、
目線を逸らした。図星よね。椿は先日色々あって回収した。
「はっきり言ってあげる。あなたに持たせておくのは危険だと判断したわ」
「なっ!?」
「周りが専用機持ちだってことも原因だとは思うけど、今のあなたは力を欲し過ぎてる。そんな状態で椿を預けたら力に酔って何かしらやらかすわ」
「そんなことはっ!」
「何を騒いでいる」
と、千冬さんが戻って来たようだ。
「続きはまた今度にしましょう?」
「くっ!」
睨みつけてくるが、気にしない。伝票を取ってレジへ向かおうとすると、横から掠め取られた。
大人組で払うという事だろう。
「あまり篠ノ之にプレッシャーをかけるな」
「わたし篠ノ之ですが?けど、千冬さんも分かっていると思いますが、彼女何処かでヘマしますよ」
「…………」
「シスコンの母さんが、専用機送るのをちょっと躊躇ってるくらいですからね」
「はぁ……程々にな」
目的地へと着き、店内をしばらく物色した後、簪はレジへと向かった。
俺は店外へと先に出て、待つことにした。
「ん…?」
またこの感じだ。
けど、さっきより何となく強い?
少しだけ店先から離れて歩くと、
「「あっ」」
曲がり角から、何かを探すようにキョロキョロしてた銀髪の少女、ラウラと遭遇した。
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