色々と個人的な都合で、大分間を空けてしまいました。
今年もどうか宜しくお願いいたします。
さて、今回ですが結人が何をやってたのかを結人視点で書いた方がいいのではないかと思いましたが、話を進めることを優先しました。
ご希望があれば3巻終わったころに創ろうかと思います。
それではどうぞ。
所変わって保健室。
傷ついた鈴とセシリアの2人を治療するためだ。
「別に助けてくれなくても良かったのに…」
「あのままやってれば勝ててましたわ」
「お前らなぁ…」
二人とも所々怪我してる癖に。
シャルが飲み物を買って帰ってきた。
「好きな人に格好悪い所見られたから恥ずかしいんだよ。はい、烏龍茶と紅茶」
「えっ?」
二人に飲み物を渡しながら何か言っていたようだが、聞こえなかった。
けど、俺よりも間近にいた二人は聞こえていたようで
「な、なな何をおっしゃってるのか全然分かりませんわね!!」
「そ、そうねっ!まったく、わかんにゃいわ!」
顔を赤くしてまくし立てた。
鈴なんて噛んでるし。
「あれ?そういえば…」
ドドドドドドッ!
シャルが何か言いかけたが、遠くから聞こえてきた地響きに全員が顔をドアへと向けた。
そして、ドアを吹っ飛ばしながら大量の女子が突入してきた。
ドアが吹っ飛ぶとこなんて…初めてじゃないな、そういえば。
昔束さんがやって、千冬姉にアイアンクローしてたし。
「「織斑くん、デュノアくん!」」
突入してきた女子一同は、一斉にプリントを突き出してきた。
いや、一人でいいだろ。はっきり言って怖いよ。
「なになに?『今月開催する学年トーナメントは、より実践的な模擬戦闘を行うためペアでの参加を必須とする。ペアが出来なかった場合は、抽選により』――」
「そこまででいいから!とにかく!」
「「「「「私と組んでください!!」」」」」
み、耳が!?
しかし、困ったぞ。ペアでの参加となればシャルルが誰かと組んだ場合、女だとバレてしまうかもしれない。
女子間の噂のネットワークは早いとかいうし、学園にも広まるだろう。
となると、阻止するには…。
「悪い!俺は「少し遅かったわね。一夏はデュノアと組むらしいから」シャ、えっ鈴?」
「ですわよね、デュノアさん」
「う、うん」
鈴とセシリアが介入してきた。
部屋へと一瞬の沈黙。
「んー、そっかぁ…ならしょうがないかな」
「まぁ他の誰かと組まれるよりねー」
「橘君もいるし」
「それにあの二人の組み合わせ…ジュルリ」
最後がなんか不気味だけど、下がってくれたみたいだ。
ゾロゾロと保健室から出ていった。
「なんとかなったな」
「だね…」
「けど、助かったぜ。鈴、セシリア」
二人のほうを向くと、ちょっとだけ残念そうな顔をしていた。
「まぁ、事情を知ってるのが私達だけだし、その私達がこれじゃあね」
「箒さんに勝手に許可取るのもなんでしたから」
あのセシリアの毒殺料理のとき、シャルルがそれを食べて倒れた。
パニクった俺達は心臓マッサージをしようとしてたのか(実際何しようとしたかあやふや)、服を脱がそうとしてコルセットに気付いた。
そこからは、目を覚ましたシャルルから事情を聞き四人でこのことは秘密にすることが決まった。
「で、今更なんだけどシャルル。何を言いかけてたんだ?」
「うん、結人がいないなぁって」
「…あれ?」
「そういえば、二人より先に運ばれた筈のもう一人も」
その話題の主、結人はというと…。
「地下に医務室があるとは…」
簪を運んだのは虚さんと本音だった。
そして運ばれたのは学園の地下2階、そこの部屋の一角だった。
「ここは元々は拷も…取り調べ室だったのですが」
「いや、今拷問って言いかけてませんでしたか?」
「楯無お嬢様が生徒会長就任後に改装した後、隠し医務室となっています」
「スルー!?」
そんな中でテキパキと簪の治療を行ってるのは意外にものほほんさんこと、本音。
この姉妹、どっちも優秀なのか…。妹はいつもあんななのに。
「そういえば、会長は?」
超絶シスコンのあの人が此処にいないのがおかしい。
簪が怪我したのを聞いてぶっ倒れたか?
「お嬢様から今連絡が来ました。生徒会室にてお話があるそうです」
「あれ?なんか嫌な予感が…」
なんだろう、寒気までしてきた。
とりあえず行くとしよう。
さっさと終わらせて休みたいし。
「ゆいゆい〜、これあげる。目、赤いよ〜」
そうやって本音から手渡されたのは目薬。
その優しさだけが救いだよ…。
そして、やってきた生徒会室には。
「……………」
無言でタブレットを弄ってる瑠璃と、
「………………………………………」
同じく無言でも、威圧感が段違いの我らが生徒会長様がいた。
(えっ、部屋間違えた!?)
そう思ってしまう位の威圧感、いやもうこれ殺意とか殺気の部類だよ。
「…瑠璃ちゃん、先どうぞ」
「は、はい」
瑠璃までも怯えてる。
もう帰りたい。
「この数日間のことなんだけど、一応宇宙での映像データは見せてもらったわ。その上で何が起こったのか説明してくれる?」
「いや、それはいいけど、会長はいいのか?」
「事情は知ってるから」
ならいいけど。
瑠璃の目が「早く言って!」って語ってるよ。
どれだけ速く去りたいんだ此処から。
「まず、宇宙に上がって無重力に苦戦しながらもなんとかコンテナ見つけたんだよ。そしたら、突然IS…いや、あれISでいいのか?人二人分はあったけど」
「アレはISでいいわ。名前も予測が尽くし」
「そいつに襲われてとにかく応戦したんだ。けど、速い上に指からビットみたいなの打ち出すわ、高出力のビーム撃つわで」
壁にした大きめの隕石を顔面スレスレで貫通した時は、ホントに恐ろしかった。
「まぁ、何故かデストロイモードになれて善戦したんだけど」
「そこから映像データ途切れてるのよ。どうしたの?」
「途中で引力に引かれて大気圏突入を味わった」
「!?」
あっ、会長今一瞬こっち見た。
「コンテナはIS内に収納してたんだけど、暑さと疲労で気絶してアメリカの方に落ちたんだよ」
「ISの操縦者保護機能が働いたのね。それで」
「そこで軍人さんに拾われて、アメリカのIS関係の会社で療養してた」
「運が良かったとしか言えないわ、下手したらモルモットになってたかもしれないのに」
「そうか?会う人の殆どが優しかったけぜ、アメリカ。何言ってるかさっぱりだけど」
英語は一番苦手な科目である。
厳密には英会話。
「拾ってくれた企業が日本語使える人多くて助かった」
「で、その企業の名前は」
「「ファクトリー」」
「えっ?知ってるの?」
意外だ。俺初耳だったし、会社もそこまで大きくなかったのに。
「…オーキスの奴、わざと連絡しなかったのね。覚えてなさい」
「なんか言ったか?」
「別に。で、その後は?」
なんかボソッて言ってたような。
まぁ、いいや。
「そこでシミュレーター使って訓練したり、拾ってくれた軍人さんの買い物付き合ったり、その同僚さんと模擬戦したりしてた。で、IS学園にアメリカの生徒宛の荷物届ける輸送船に乗って途中まで来た」
「飛んできたのは?」
「いや、アリーナのバリアが崩れていったから何事かと思ってな」
船の上からでも見えるところで良かったよ。あんなことになってるとは思わなかったけど。
「拾ってくれた軍人ってもしかしてIS操縦者?」
「あぁ、ナターシャさんって言ったかな。ファクトリーには個人的な知り合いがいるからってことで来てたらしいけど」
今度会ったらお礼しないとな。
色々世話になったし。
「了解。じゃあ、私からはお終い。あっ会長、例の件お願いします」
そう告げてそそくさと出ていった。
えっ、二人っきり?
「…まずはおかえりなさいね、結人くん」
「アッ、ハイ」
恐ろしさに声が上擦ってしまった。
よく見ると、足元に扇子らしき残骸が…。
「結人くんは、明日は暇?」
「暇です!」
「なら、」
振り向いた会長の顔はとてもにこやかで
「お姉さんと、デート、しない?」
拒否権を感じさせない笑顔だった。
瑠璃と結人の会話
実はこの二人、早口で会話してたという裏事実
ナターシャ
どこかで聞いたような…
結人を襲った機体
この文章だけでわかった人は凄い。ヒントは平成入ってからのガンダムシリーズの機体です。
感想、アドバイスなど頂けたら嬉しいです。