インフィニット・ストラトス 白き流星   作:朱羽総長

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4月内に投稿出来なかった…orz


あえて言い訳させて頂くと、高校が進級してから忙しくなってしまって書く暇も読む暇も無かったんです。
出来も悪くなってる気がするし…。

先月出来なかった分、今月にもう一話目指します。

あと、今回は独自解釈、オリジナル要素入ります。
ご注意ください。

それでは、どうぞ


VS生徒会長

 第三アリーナ

 

「最終確認完了。OKよ」

 

 瑠璃の最終確認を済ませてもらう。

 開始時刻まで、あと数分。

 

「これ、動きにくいんだけど」

「しょうがないでしょ。たった5日で作り上げたんだから」

「それについてはありがとう。けど、これで勝てるか?」

「無理」

 

 断言された。きっぱりと。

 

「国家代表、それの強さは代表候補の数倍よ。挑むこと自体馬鹿なことよ」

「ぐっ」

「というか、代表候補にすら勝てない人間が挑むなんて愚かね」

「がっ」

「それに……」

「る、瑠璃さん、もうそれくらいで」

 

 山田先生が止めてくれた。

 ありがたい。試合前からダウンするとこだった。

 

「意外と打たれ弱いのね」

「正論ばっかだったからな」

 

 さて、と気持ちを入れ替える。

 

「山田先生、ルールを」

「はい。今回の試合は、関係者意外知りません。よって観客はいません」

 

 モニターにアリーナの様子を映しながら話を進める。

 

「制限時間は二時間。先にシールドエネルギーが尽きたほうの負けです。時間切れの場合は、引き分けとなります」

 

 ですが、と言葉を続け

 

「今回は、更識さんのご要望で引き分けの場合は橘君の勝ちとなります」

「は?」

「経験者からのハンデだそうで」

 

 確かに国家代表と闘うにはそれくらいのハンデが与えられてもおかしいことでは無い。

 けど、それでは駄目なのだ。

 それじゃあ目的が果たせない。

 

「時間です」

 

 山田先生の声を聞いて、カタパルトへ移動。そんな中、瑠璃が近くに来た。

 

「頑張れ」

「頑張る」

 

 それだけのやり取りをして、離れていく。

 

「橘結人、ユニコーン、行きます!」

 

 

 

 

 

 「来たわね。覚悟は……」

 

 中央に向かって進むと、既にいた更識生徒会長がなにか言いながら此方を見て、言葉が途絶えた。

 

「ず、ずいぶんと厚着じゃない。何かしらそれ」

「瑠璃いわく、ユニコーン用のパッケージだそうで」

 

 今のユニコーンは、肩、腕、脚をアーマで包み、ビームトンファーの代わりに右腕キャノン砲、左腕ガトリング砲となっている。

 背中には長方形のバックパックを背負い、その側面には円盤状のものが4つ着いている。

 

「名称『UC-フォートレス』。さぁ、始めましょう」

 

 言った直後、開始を告げるブザーが鳴り響いた。

 

 

 

 

「…どうなると思う?」

「生徒会長が勝ちますね」

「即答ですね…」

 

 管制室では三人の人物がモニターを見ていた。

 織斑千冬、篠ノ之瑠璃、山田真耶の三人だった。

 

「観客はほとんどいないんですね」

「当然だ。非公式だからな。居ても生徒会くらいだろう。ところで、それはなんだ?」

 

 モニターを見ながら感想を告げる瑠璃。それに反応しながら、千冬は瑠璃が抱きかかえてる球体に視線を向けた。

 球体は目らしきものが確認できるオレンジの物体だった。

 

「この子ですか?ハロっていいます」

「ハロッ、ハロッ、ヨロシク」

 

 耳らしき部分を動かして喋ったことに二人は目を見開く。

 

「この子に関しては後で。それよりも今は二人に注目しましょうよ」

 

 

 

 

(あぁ、もう!厄介ね)

 

 更識楯無は、上空へ上がりながら心の中で愚痴を漏らす。

 さっきまで自分がいたところをビームの雨が通過した。

 結人は、ビームガトリングを一度止め、肩のアーマーからミサイルを10発撃ち出した。

 ミサイルはランスのガトリング砲で撃ち落とされる。

 楯無も反撃とばかりにランスを結人に向けて構えるが、別方向からのミサイルに気づいて防御する。

 

 

 

 

 

「結人では更識生徒会長に勝てません。これは絶対です」

 

 管制室で戦闘の様子を見ながら、話始めた。

 

「初心者がプロに勝つための戦法。一つ目は、攻撃させない」

 

 モニターでは、結人がミサイルを、ビームを放ち、楯無は防ぎ、回避していた。

 

「実力が離れていようと、攻撃されなければダメージは受けないのは当たり前。回避も防御も時間が過ぎれば、体力と耐久性を失っていきます」

 

「それに、更識生徒会長はどちらかというと接近型。寄せ付けないように離れた位置から攻撃をすればいい…はず」

 

 

 

 

(距離、大分離れたな)

 

 攻撃の手を緩めず、目測だが離れた距離を確認する。

 

(休まず次!)

 

 バックパックの上部がスライドする。

 中にはミサイルが積み込まれていた。

 それらを上空へ全て撃ち上げる。

 

「!」

 

 ビームの雨を避けていた楯無は防御姿勢を取るが、ミサイルはただ真っ直ぐに上昇していくだけだった。

 

(何を…?)

 

 アリーナの高度限界ギリギリまで飛んだミサイルは、そこでUターンし弾頭を地面に向けて落ちてくる。

 楯無は、結人への注意を怠らないようにしながら迎撃体制としてランスをミサイルに向ける。

 

「はぁぁ!」

 

 ランスの先端、そこに内蔵されたガトリングを発射する。

 弾はミサイルに当たり、爆発した。

 今までの倍の規模で。

 

「!」

 

 水のヴェールで爆風と熱を軽減させる。

 爆煙を振り払って、結人のほうへ顔を向けるが

 

(いない!?どこに…!)

 

 後方からのミサイルを感知したアラートの音を聞き上に逃げることで回避しようとする。

 しかし、ミサイルは後を追ってくる。

 

「追尾型?そんなので!」

 

 空いていた左手に蛇腹剣『ラスティーネイル』を展開し、ミサイルを叩きおとす。

 

 再びのアラート。

 煙を高出力のビームが貫く。

 今度は下に下がることで回避するが、読んでいたかのように、前からミサイルが。

 ガトリングと蛇腹剣で壊す。

 落とした直後、上空からミサイル群が降り注ぐ。

 蛇腹剣を上空へ振り、対処すると再び前からミサイルが襲いかかる。

 振り上げた腕を降ろす勢いで半分を壊し、腰だめに構えたランスのガトリングで残りを撃ち落とす。

 

(キリがないわね。なら…)

 

 

 煙によってどんな状況かは見えないが直撃した気配はしないから、ダメージはそんなに受けてないはずだ。

 そう考えながら結人は、視界の右端に出ている表示を見た。

 

【ビームキャノン『ワンブラスター』冷却完了まで15秒】

 

 右腕のキャノンは、一発撃つと冷却しなきゃいけないが威力ならマグナムを超える。

 あと10秒ちょい。回復次第、もう一度撃ってそれからどうするかを考えるか。

 

(4、3…!)

 

 爆風を引き裂きながら、楯無がコマのように回転しながら出てきた。

 水を纏った蛇腹剣を突き出し、回ることで自身を中心に小規模の水の竜巻を作り上げていた。

 ミサイルは水と剣によって破壊され、煙を吹き飛ばされる。

 その状態のまま、予想外の速度で接近してくる。

 

「くっ!?」

 

 一か八かでブラスターを撃つ。

 回転をやめ、右側へ跳ねながら剣振る。

 鞭のような軌道を描いた剣は、ビームキャノンを切り裂いた。

 

「やばっ!?」

 

 即座にビームキャノンを外して、捨てながら上空へ。

 足元で爆発が起こったのを音で感じながら、蛇腹剣の届かない距離まで上昇し反転。

 左のビームバルカンを構えようとした。

 

水月(すいげつ)!」

 

 したのだが、それよりも早く下から水の斬撃が切り裂いた。

 

 

 

「水だけで作った斬撃!?」

 

 管制室で瑠璃は困惑していた。

 更識楯無の機体のアクアナノマシンは、まだそこまでの技術は持ってなかったはずだ。

 試作型ともいえるもの、ヴェールやミストルティンなどはあったが。

 

(ナノマシンの改良案。それを提供できそうな人、そしてこれに間に合わせてることからこの騒動を知ろうと思えば知れるのは…) 

 

 頭が痛くなってきた。

 ちらりと周囲を見ると、織斑千冬も片手で頭を抑えていた。

 同じ結論にいたったのだろう。

 

(問題は、あの人(母さん)がなんのために介入してきたか)

 

 …面白そうだからではないことを祈る。

 

 

 

 瑠璃が管制室で頭を痛めてる間にも試合は続いていた。

 

「まだまだ!」

 

 再び蛇腹剣を振り、水月を二発。

 もう片方の手に持っていたランスをいつの間にか蛇腹剣に切り替え、間を空けずにさらに三発。

 

 

 その斬撃は、体勢を崩しかけてる結人目指して進み、直撃した。

 

 

 




フォートレスに関しては、背中陸戦型、アーマーフルアーマーガンダムをご想像してください。
それの白い版が一番近いので…。

感想、アドバイス、評価お待ちしております。

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