インフィニット・ストラトス 白き流星   作:朱羽総長

18 / 40
ギリギリ間に合った(^_^;
感染性胃腸炎とかいうのにかかってました。
急いだのでおかしいとこあるかもしれませんが、どうぞ


異常事態

「アリーナ全出入り口ロックされてます!システムレベル4、アリーナ内のモニターも出来ません」

「本校舎との連絡は?」

「無理です。妨害電波があるようです」

 

 第二アリーナ管制室。そこは大騒ぎだった。

 突如現れた乱入者。それと同時にアリーナ全体へのハッキング。

 外部との連絡は絶たれ、試合を映していたモニターにはノイズしか映っていない。

 

「織斑先生…」

「……………」

 

 織斑千冬は世界最強の称号『ブリュンヒルデ』をかつて手に入れてる。そのため、IS学園での予測外の事態への対処を一任されている。

 

「オルコット、ゲートは壊して構わない。中に入り織斑、凰の撤退の支援をしろ」

「敵の撃墜ではなく?」

「そうだ。あそこに居る片方は世界で二人の男性操縦者だ。さらに初心者で馬鹿だ。突っ込んで死なれては困る。凰は実力があるとはいえ、多少は消耗してるだろう。状況によっては足手まといだ」

「…わかりましたわ」

 

 セシリアは急ぎ管制室を出て行く。

 

「織斑先生、私も!」

 

 箒はその様子を見て、自分も行かせてくれと言う。

 

「篠ノ乃、お前は残れ」

「私だって戦えます!それに機体だって」

「はっきり言ってやる。足手まといだ」

 

 千冬は箒のほうに振り向いた。

 

「足手まといって…、模擬戦では一夏より勝ち星は上です!」

「いい加減にしろ!」

「!!」

「いいか、今のお前は手に入れた力に酔っているだけだ!その状態では周りも見えず、ただ闇雲に力を振るい、味方に被害を及ぼす!」

「………」

「よって今のお前は出さん。そこで立ってろ!」

「くっ……はい」

 

 忌々しげに返事をした箒の右手には、彼女が手にした力、『椿』の待機状態である鈴の付いたキーホルダーが握りしめられていた。

 

 

簪side

 

 降り注ぐビームを跳んだり、転がったりして回避する。

 

「くっ…!」

 

 こういった運動神経だけは、実家に感謝だ。

 実家…姉さん…。

 やめよう。気分が沈んでいく。今そうなったら確実に撃たれる。

 

「おらおら!どうした?」

 

 全身装甲で背中に緑の筒のような物をつけ、2本のアンテナ、人のような2つの目。

 その機体は突然現れ襲ってきた。

 戦おうにも打鉄弐式は使えないから逃げることしかできない。

 

「ちっ、もういいや」

 

 敵は胸部中心の砲門から、さっきまでのより威力の高いビームを放つ。

 そのビームは地面に当たり爆発を起こした。

 

「くっ!?」

 

 爆風で吹き飛ばされ、地面に頭をぶつける。

 当たりどころが悪かったのか頭から出血しているらしい。

 顔にぬめっとした感触を感じていることからそう考えた。

 視界が眩む。意識が薄れる。

 

「んじゃ、死ね」

 

 意識を失う直前。最後に覚えてるのは、

 

「なっ!?」

 

狙撃の音と、ビームライフルが破壊されて驚いた声を上げる敵の声だった。

 

 

一夏side

 

 振り下ろされる光刃。

 それを俺は、右手に持った近接ブレード(・・・・・・・・・・・・)で、受け止めた。

 

「!?」

 

 驚いた様子が伝わってくる。今しかない!

 

「うぉぉぉ!」

 

 スラスターを全開にし、相手を弾き飛ばすように起き上がる。

 緑の機体、(面倒だから以後四枚羽)は後退し、距離を置く。

 ビットも自身の周囲に集めているため、今まで囲まれてた鈴も合流してきた。

 

「よう、鈴。大丈夫か?」

「平気…とはいえないわね。衝撃砲は片方潰されて、エネルギーもかなり削られたわ。ってか一夏、そのブレードどうしたのよ」

「うん?あぁ、これか。あれだよ、黒い箱」

「はぁ?」

 

 白式は雪片弐型の他の武装を格納できない。なので、瑠璃から貰ったアイデアは『持ち込み』である。

 黒い箱にあらかじめ打鉄のブレードを入れて、最初は箱を鈍器のように使い放り投げる。

 その後、雪片の使用でエネルギーが減りピンチに追い込まれたときに使用。

 そういった作戦だ。

 それを鈴に説明しようとしたが、四枚羽は待ってくれなかった。

 

「ファンネル…」

 

 呟くと同時にビット(ファンネルというらしい)が、一斉に攻撃してきた。

 俺達はバラバラに回避し、追ってくるかのように来たファンネルのビームに対応する。

 

(右、左下、上…くそ!速い!)

 

 高速で動くファンネルによってじりじりとエネルギーが削られていく。

 残り二割。鈴もそれくらいだろう。

 

「くそっ!」

 

 一か八かに賭け、四枚羽に向かって全速力で突っ込む。

 後ろから鈴の止める声が聞こえたが、気にしない。気にしてられない。

 追ってくるファンネルと、敵のビーム砲は少ない俺のエネルギーをさらに削る。

 一割を切った。けど、この距離なら!

 

「ハァァァァ!」

 

 残りのエネルギー全部をつぎ込んだバリア無効化の一撃は、直撃するラインを描いて、

 

ガシンッ!

 

「な!?」

 

 肩に隠されていたサブアームによって腕を掴まれる形で防がれた。

 残りエネルギー、13。

 掴まれる瞬間に零落白夜は解除したため、エネルギーが尽きることは避けた。

 けど、

 

「終わりです…」

 

 機会音声の声。手にはビームサーベル。

 その一撃で終わる。そう宣言された。

 実際俺もそう思った。

 だがその予想は覆される。

 サブアームを撃ち抜き、俺と敵を離すように青いレーザーが降り注ぐ。

 

「一夏さん!大丈夫ですか!?」

 

 俺がいたピットからセシリアが出てきた。

 

「あぁ、なんとか」

 

 俺を庇うように前に動き、ライフルを構える。

 

「一夏さん達は下がってください!」

 

 ティアーズを飛ばし、俺達に下がるように言ってくる。

 

「俺はまだ!」

「一夏!下がるわよ!」

 

 鈴が片腕を掴んでピットへと引っ張っていく。

 

「鈴!」

「いいから!残量少ない私達がいても邪魔なだけよ」

「くっそ…セシリア!?」

 

 鈴の言葉にしぶしぶ納得してセシリアに視線を向けると、ティアーズが二つ破壊され、ライフルも撃ち抜かれている場面だった。

 相手のファンネルも二つ爆発していた。

 

「こんのぉぉ!」

「一夏!?」

 

 鈴の拘束を振りほどいて加勢に向かう。

 相手に隠し腕使われないように接近して、零落白夜の斬撃与えればそれなりのダメージになるはずだ。

 

「?…!」

 

 嫌な予感がして、後ろを向くと少し離れた位置、動いてる俺を撃てる位置にファンネルが動いてるのが見えた。

 俺がたどり着くより先に、相手のビームのほうが早い。

 詰んだ。そう思った。

 

『警告!前方に高エネルギー反応!』

「えっ?」

 

 突然の警告に従い身体を少し捻る。

 そのすれすれを向かいのピットのゲートを貫いた赤い熱線が通過した。後ろで爆発の音も聞こえたが気にしなくていいだろう。

 

「よし!やっと行けた…って一夏何やってんだ?」

 

 現れたのはユニコーンを纏った結人。片手にはビームマグナムが握られている。

 

「危なっ!当たったらどうすんだよ!?」

「お前なら避けてくれると信じてた!」

「ギリギリだがな!」

 

 結人は俺の近くまで寄ってくる。敵もいつの間にか離れてるし、何故か攻撃して来ない。

 四枚羽はこっちをじっと見てる。

 すると、機体の中心が緑の光を放ち始めた。

 

「!」

 

 結人からも機体から赤い光が漏れ始めてる。

 

「…セシリア、一夏と鈴連れて下がってろ」

「な、何を馬鹿なことを!私もここに」

「一夏たちは限界だ。守ってくれ。それに、ユニコーンの強さは知ってるだろ?」

「………わかりましたわ。すぐ戻ります。行きますわよ、一夏さん」

「あ、あぁ。頼んだぜ結人」

「任せろ」

 

 俺はセシリアに守られる形でピットまで下がった。正直結人と一緒に戦いたいが、足を引っ張るだけだ。

 それが、悔しかった。

 

 

結人side

 

 さて、一夏たちは戻ったな。

 

「そんじゃあ、始めようか。侵入者さん」

「……………」

 

 両手にビームサーベルを構え、ビットが全てこちらに狙いをつける。

 ビームマグナムとシールドを構え、臨戦態勢を整える。

 

「ッ!」

 

 ビットがビームを放ち、それを回避してビームを撃つ。

 さぁ、どこまでやれるかね俺。

 

 

アリーナ外side

 

「くっそ、何処だ!」

 

 簪を追いかけていた緑の機体の操縦者は自身を狙撃した相手を探して、周囲を見回した。

 

(ようやく戦えそうなのが出てきたかと思えばスナイパーかよ。探し出してやる)

 

 とどめを邪魔されたことには怒りは無く、戦えそうな相手がこそこそ隠れてることに苛ついていた。

 

(もう一度こいつ殺そうとすれば、何らかのアクションしてくるだろ)

 

 予備のライフルを使い、倒れている簪に銃口を向ける。

 引き金を引こうと指を動かした。

 

「それは困るからやめてもらえない?」

 

 女の声とともに再びライフルが破壊される。しかし、前とは違い今度は正面からのビームだ。

 

「テメーは確か…」

「篠ノ之瑠璃。以後お見知りおきを、カオスのパイロットさん?」

 

 瑠璃色の長い髪の少女、篠ノ之瑠璃が右腕を部分展開させ、ライフルを構えていた。

 

「篠ノ之束の関係者か。悪いが今日はどうでもいいんだわ」

「そう。でも、あなたがそうでも私は違うのよ。あなた達の所属とか、色々」

 

 ライフルを構えたまま、倒れている簪の場所へ動く。

 カオスと呼ばれた機体の操縦者の表情は読めない。

 

「うん?てっきり把握してるのかと思ったが?」

「確信が無いのよ。三つ、いえ、四つ浮かんでるから」

「あっ、そう。まぁ、教えねーけど。ってかISあるなら戦おうぜ。勝ったら教えてやるよ!」

 

 言い終わると同時にビームを撃つ。狙いが甘かったようで、地面に着弾し煙が上がる。

 煙を突き破るように二発のビームが襲いかかる。

 

「臨海学校まで出番ないと思ったから、メインは今日持ってきていないのよね。

まぁ、これでもやれるでしょう」

 

 煙が晴れた先には、カオスと同じく全身装甲で、人のような二つの目の黒い機体。違う所は角が四本というとこと、背中に大きな蝙蝠の羽をイメージしたかのようなウィングがついていることだ。

 

スペア3(・・・・)アストレイノワール。ロールアウトしたばかりで一部武装無しの状態だけど頑張るとしますか」

 

 両手に持ったビームライフルをカオスへ向けて、

 

「さぁ、行くわよ」

 

ビームの発射音を合図に戦いが始まった。

 

 




よく考えるとSEED系列多いなぁ。
UC系列も調べないと。
感想、アドバイス頂けるとありがたいです。

次は今年中を予定。間に合うかは不明ですが。
それと、原作一巻分終わったら主人公のステータスとかやろうと考えてます

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。