オーバーロード~悪魔王の帰還~   作:hi・mazin

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一話目 いざ玉座の間へ

 

 

 

自室から廊下に最初の感想は

 

「お~、懐かしいな~この無駄に豪華な感じ」

 

だった。

 

ただの廊下だが、あまりの懐かしさについ、『笑顔』になる

 

「我らのナザリック地下大墳墓は今日も平和なり、さて」

 

右手の人差し指にある指輪『リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン』を使用し玉座が在る十階層に転移しようと考えたが昔の記憶が蘇り懐かしさがこみ上げてきた

 

「まだ時間あるし、ナザリックも今日で見納めだしな・・・歩くか。久しぶりに来たんだから、ちょっと遅れてもモモンガの旦那は許してくれるさ」

 

そんな事を考えながら十階層に向かい歩を進め始めた、自身に起こった変化に気づかず・・・

 

 

 

 

 

 

 

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一方、十階層 玉座 では

 

モモンガ「セバスよ、大墳墓を出て周辺地理を確認せよ。もし仮に知的生物がいた場合交渉し友好的に連れてこい」

 

セバス「了解しました、モモンガさま。直ちに行動を開始します。」

 

必死に情報を集め状況を把握するため死の支配者が孤軍奮闘していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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『ナザリック地下大墳墓』

 

ユグドラシルに存在する数多に存在するギルドの中で、最も悪名高きギルド「アインズ・ウール・ゴウン」のギルド拠点であり、メンバー全員の知恵と努力の結晶。

 

 地上部分の陵墓に加え地下1〜10階層で構成されており、さらにギルメンのみが持つ『リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン』で転移しないと行けない隠し部屋の宝物殿などもあり、バカみたいに広いのだ。さすがは廃課金者多数の社会人ギルド、やる事が桁ちがいだぜ

 

(これは俺の勝手な想像だが・・・絶対にまだ何かしらの部屋かギミックが在ると思う。イヤ、絶対に在る)

 

「あの人たちが何もしないなんて、あり得ないな」

 

誰とは言わないが、頭に浮かぶギルメンの姿を思い出し、益々昔を懐かしみながら誰も居ない廊下を歩き始める・・・

 

「あっちから転移した方が玉座までの最短距離のはずだ」

 

だんだん思い出してきたぞ、あの頃は毎日が楽しかったな、 仕事さえなかったら、毎日だって来れたのに・・・あっ、うちのギルドは社会人であることが条件だった。

 

リストラされたり、退職したらどうなるんだったけ?

 

確か夜中にみんなで話し合った気がするな、脱線してばかりで進んでなかったような

 

-ちなみに、こいつが話を脱線させた張本人だったりするが誰も覚えていない-

 

馬鹿な事を考えているとリアルの明日の予定をつい思い出してしまった。

 

「あ~、そーいや、朝一で出張先に戻んないと行けないから、ゲームが終わったら飛行機のチケット予約しなきゃ・・・今何時だ。」

 

時間を確認するためにコンソールを開こうと右手を出したが・・・その手は途中で止まり何かを決意したように拳を振り上げる

 

「今日、俺は旦那に呼ばれてこのナザリックに遊びに来たんだ! 今の俺は『悪魔王サイファー』だ!! 仕事なんてクソくらえだ!滅びろクソ会社!! 強制終了されてないからまだ0時前のはずだ!!」

 

折角の楽しいひと時に水を差された気分になったため『顔を歪める』ほど怒りが沸いた。

 

「早くモモンガの旦那のとこ行こう・・・いろいろ昔話でもして楽しい気分で最後を迎えよう・・・あっちが近道、こっちはリビングスペースだったかな?」

 

 

『リビングスペース 』 大浴場、バー、ラウンジ、雑貨店、ブティック、ネイルアートショップなどなど様々な設備が存在する。これらの設備はあくまでもユグドラシル時代では雰囲気を出すための小道具にすぎないが、メンバー全員で凝りに凝りまくった結果、他のギルドとは比べものならないほどに充実した設備である。

 

「・・・ちょっとくらい寄り道したっていいよな・・・別にモモンガの旦那を蔑ろにしている訳じゃないんですよ」

 

誰に言い訳をするでもなく、悪魔は娯楽施設に消えていった、その顔は良い『笑顔』であった。

 

 

 

 

 

 

 

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再び十階層 玉座

 

 

モモンガ「胸を触っても・・・構わにゃ・・・ないな」

全然無理でした!

 

「はい!!喜んで!!」

 

死の支配者はアルベドに対して絶対に確かめないといけない事をしていた。

勿論守護者統括は即座に了承しくれました

 

 

 

 

 

 

 

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~数十分後~

 

 

 

ヤバい、ブラブラし過ぎた。

 

嫌な気分をリビングスペースで晴らし、気分転換をしてから玉座に向かうはずだったがいささか時間を潰し過ぎた。

 

何から見たらいいか迷って片っ端から店をのぞき込んでたら、ついつい時間を忘れていた。

 

風呂場にいたローパーはこっちの存在に気づいたら触手を振り回したりバイブ機能みたいに震えだして・・・若干キモかった・・・

 

誰だよあんなAI追加したの、まったく嫌な『汗』かいたよ。

 

自分の中の体内時計が悲鳴を上げている、恐らく強制終了まで20分もないはずだ。

 

これ以上の遅刻は温厚なモモンガの旦那いえども、キレるかもしれない、昔から「時間ぴったりですけど、もう少し早く来れませんか?」と苦言を受けてきたしな。

 

でも、遅刻はしてない訳ですし、時間ぴったりだから別に良いじゃんと今も若干思ってるけど・・・そんな言い訳はもう通じないだろう

 

そんな考えを振り払い右手に装備している『リング・オブ・アインズ・ウール・ゴウン』を使用し玉座が在る十階層に転移した。

 

十階層玉座の間付近に転移が完了すると急いでモモンガの下に向けて走った、目的の場所はレメゲントのゴーレムが守護する最後の扉だ。

 

「はあ、はあ・・・やっと着いた」

目の前には五メートル以上ある巨大な両開きの扉があり、右扉には女神、左扉には悪魔の彫刻が彫られていた。

この扉の奥に玉座の間がありモモンガがいるであろう場所である

 

「ん、この彫刻・・・こんなにもリアルだったかな?」

 

昔見た時より迫力が在る気がする・・・まるでリアルに在るみたいだ

 

「いや、それより何か違和感がする」

 

自分の手を握りながら違和感の原因を探ろうとするが『身体』には違和感は・・・無い。

 

まさに『自分の身体』だ。

 

「扉の前で悶々してもしょうがないよな」

 

意を決し扉を開いた、無論、右扉でもなく、左扉でもなく、堂々と左右同時に開いた

 

しかしそこには・・・

 

「誰もいない・・・そんな、確かにここにモモンガの旦那が居るはずなのに!」

 

最後まで残るとメールにも書いていたのに・・・なぜ・・・まさか、誰も残らなかったら・・・強制終了まで待たなかったの・・・か?

 

フラフラとした足取りで歩を進め空席の玉座の前に立った。

 

「モモンガの旦那よ・・・俺は何時も、時間ギリギリだって知ってるよな、もうちょっと待ってくれても良いじゃないか」

 

いや、俺が悪いんだ、仕事の部署が変わり、上司の命令であちこち飛び回る日々が続き、時間が取れないためゲームから離れた俺が・・・

国内の出張が多いからゲームは持ち運んでやったら良かったかな?

 

一人で自問自答を繰り返し主の居ない玉座に座った。

 

そして、ちょっと凹んだ、大好きなゲームだから最後くらいみんなと騒ぎたかった

 

例えば・・みんなのアイテムボックスの肥やしになっている『流れ星の指輪/シューティングスター』をすごく無駄な事に使って馬鹿やったり

玉座に居る守護者統括のアルベドの設定をタブラさんの断り無く改変して笑いあうとか

さぁ・・・

 

アルベド?

 

「なぜアルベドが居ない! ここで待機してるのがデフォのはずなのに!」

 

勢いよく玉座から立ち上がり周りを見渡が、やはりアルベドの姿は見えない・・・

 

自室が用意されておらず玉座の側が立ち位置のはずなのに何処にも見当たらなかった

 

「そうか違和感の正体はこれだったんだ。九階層に居るはずの戦闘メイドプレアデスも居なかったし、モモンガさんが最後に連れ出したんだな・・・あ~焦って損しちゃった」

 

謎も違和感もすっかり解決とばかりに玉座に座りなおすと、騒いでいた元凶が静かになり辺りに静寂が訪れる。

 

「あ~あ。誰も居ないのか、あと何分でサービス終了だろう」

 

コンソールを開くため手を伸ばしたが、手はコンソールを開く事無く空を切った。

 

(あれ、コンソールが出ない・・・いや、ありえないなそんな事)

 

無意識にキャンセルしたんだろう、そう思う事にした。

 

ミヨーに座り心地のよい玉座に身を預け瞳を『閉じた』

 

「なんかこの椅子座り心地が良い感じだな・・・よし、最後だし、このままネオチして楽しい夢でも見ながら終わりにしよう」

 

仕事疲れもありすぐに意識が微睡み夢の世界へと旅立っていった

 

その眠りは深く、死の支配者がギルメンに向けて発した『伝言/メッセージ』の魔法に気づかないほどに・・・

 

 

 





玉座の間に無事到着
しかし疲れて御就寝のもようzzz

モモンガさんはアウラとマーレの模擬戦を見ながら異変に巻き込まれてのは自分一人かと思っております





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