では、本編始めます!!
また名前(入れ替わった身体)で進めていきます
OP『プライド革命』
※紫音だった所をキャラ変えました。今更な感じで申し訳ありません
交通事故に遭い、五体は無傷ながらも魂が身体から分離してしまった銀時、土方、零斗、おそ松は中身だけが入れ替わってしまう。
元に戻る方法を見つけるまではとりあえずそれぞれの身体の持ち主として生きる事になった4人は一体どうなってしまうのか?
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『・・・・・・・・・・・・』
土曜の朝10時、禍終素学園第二生徒会室にて零斗を除いた第二生徒会メンバーが集まって黙々と作業を行っていたが、全員何時もならいるはずの人物がいないことに戸惑っていた。
「ねぇ知弦、零斗から連絡はまだ来ないの?」
「まだよ。おかしいわね何時もなら集合時間の15分前に来るはずなのに・・・」
「それに零斗先輩は遅れるとしても連絡位はしますしね」
何時もなら誰よりも早く来て仕事に取り掛かっているはずの零斗が生徒会室に来ていないことにくりむ、知弦、真冬は動揺していた。
「電話した方がいいよな?これって・・・・」
「そうだな。もしかしたら病気とかで来れないのかもしれないしな」
深夏が鍵に電話することを提案すると鍵も同じ意見なのかスマホを取り出して零斗に電話をかける。
─────所変わって松野家の食卓におそ松を除いた5人の兄弟が円状に座っていた。
「あれ、おそ松兄さんは?」
「ブラザーの事だ、マミーから金を借りてギャンブルに行ったんじゃないか?」
「それもそうだね」
起きて食卓に来たチョロ松が昨日しばいたおそ松の姿が見当たらないことに疑問を抱くが、反省という言葉をドブに捨てたようなおそ松のことだからまたギャンブルに行ったと考えるカラ松の言葉に納得すると、何時ものちゃぶ台の定位置に座った。
「ねぇ朝ごはんまだなの?」
「そう言えば何も用意されてないね」
「僕もわっかんない!」
何時もなら起きた時に母の松代が作った朝食がちゃぶ台に用意されているはずなのだが、何故か今日はちゃぶ台の上に何も置かれていなかったのでその事を一松が聞くが、トド松と十四松もまた知らないので何も言えなかった。
「ちょっと台所に行って確認してくるよ」
チョロ松はそう言うとその場から立って松代がいるであろう台所に行って朝食のことについて聞こうと扉に向かってゆっくりと歩いていき───
────────またまた同時刻、新撰組屯所にて新撰組が集まっているのだが、全員何時もと違うことに戸惑っていた。
「なぁ土方さん来ないな・・・・」
「いつもは30分前に会議の席に着いているはずなのにまだ来てないなんて」
「マズイんじゃねーか?局中法度『理由の如何に拘らず集合に遅れる者は士道覚悟で切腹』。それを決めたのは誰でもない、副長だぜ?」
何時もなら誰よりも早く来ているはずの土方が未だ屯所に来ていないことに隊士や武偵たちは動揺していた。まさか土方自身が厳しく定めた局中法度を土方本人が破るとは誰も思いもしなかったのだから。
「・・・オイ鉄、トシの様子見てこい」
「は、はい!」
土方の様子が気になった近藤は土方の部下である佐々木鉄之助に様子を見てくるよう指示を出すと、鉄之助は土方の部屋へと向かっていった─────
─────そしてしつこいようだが同時刻、最低限の荷物を持った新八が万事屋に到着していた。
「おはようございます!!っつってもあの人らがこんなに早く起きているワケないか・・・・」
基本、休日の朝からこの万事屋に来ることなどないので家主である銀時と居候の神楽と定春は新八が来るまで惰眠を貪っているので新八が声をかけても反応しないのはいつも通りだった。
「仕方ない、いつもの始めるか」
新八は慣れているのか真っ直ぐ神楽と定春がいつも寝ている押入れに歩いていきその前まで行くと襖を勢いよく開けた。
「ハイおはよう神楽ちゃん!!定春!!起きて!!朝だよ!!ってアレ、いない?」
いつも通り起こそうと大きな声を出しながら襖を開けた新八だが、押入れの中には誰もいなかった。
「どういう事?あのだらしない連中が・・・」
普段なら絶対に新八が来る前に起きることなどありえない神楽たちが起きていることに新八が首を傾げなら、銀時を起こしに行った。
「銀さーん、ちょっと・・・」
銀時に呼び掛けながら新八が引き戸を開けると─────
そして同じ頃零斗に電話を掛けていた鍵はしばらく待っているとようやく零斗が電話にでた。
「もしもし零斗か?お前何時になったら来るんだよ?」
零斗が電話に出たことに少し安心しながらまだ生徒会室に来ていないことを尋ね────
「母さん?僕達の朝食がないんだけ──」
チョロ松が台所の引き戸を開けて中に入ったとき───
「副長、マズイです!!もう朝の会議がっ・・・」
そして鉄之助が土方の部屋に入った時だった。
ドゴシャァァァァァァァァ
新撰組屯所、松野家、万事屋で大きな音がした。
「『テメー』」
「「今何時だと思ってんだ?」」
鍵がかけた電話と新撰組からはマヌケな声が、松野家の台所と万事屋からは殺気を感じる声が聞こえてきた。
「『まだ朝の10時。おねむの時間だろーが』」
竜ヶ崎家の方でまだ寝ていたのか布団の中に蹲りながら電話でおそ松(零斗)が、新撰組屯所の方では未だマヨネーズのパジャマを着た銀時(土方)が枕を右脇に抱きながらそんなことをほざいていた。
「もう10時、社会人は立派に仕事をしている時間だろーが!!」
「10時5分30秒、戦いは既に始まってんだろーが!!」
松野家では料理していたのかエプロンを服の上に来て右手に包丁を握りながら零斗(おそ松)が、万事屋では神楽と定春を正座させた土方(銀時)が怒鳴っていた。
「全員そこに正座しろ、その腐りきった性根叩き治してやる」
包丁の切っ先を向けながら零斗(おそ松)は他の松野兄弟を睨みつけながらそう宣言し
『つーわけで二度寝するわ』
竜ヶ崎家ではおそ松(零斗)が二度寝することを鍵に一方的に伝えると返事も聞かずに電話を切り
「解散。二度寝の時間だ」
銀時(土方)は死んだ魚のような目をしながら鼻をほじりながら隊士達に言い
「腹切れ、士道覚悟で切腹だ」
土方(銀時)は新八を睨みながらそう言った。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
チョロ松たちを正座させた零斗(おそ松)は顔と歯を洗いに洗面台に行き、起きた時に確認したがもう一度鏡で今の自分の顔を見た。
「朝起きたら元通り、なんて都合のいいことはないか・・・」
その鏡に写っているのは何時もの見慣れた零斗自身の顔ではなくギャグ世界の住人である同じ顔した六人のうちの一人であるおそ松だった。
「つーか何だよこの顔は。これから元に戻るまでこの馬鹿面と付き合うとか気が滅入るわ」
そんなことを呟きながら顔を洗い終えタオルで水を拭き取り終わった零斗(おそ松)は無理やり正座させてまだチョロ松たちのいる食卓へと戻っていた。
「どうせアイツだって俺の身体を好き勝手するだろうから俺は俺のやり方を貫き通させてもらうさ」
そして零斗(おそ松)が食卓に戻るとそこには正座しているチョロ松たちだけではなく先程まで台所にいた両親である松野松造と松野松代がチョロ松たちと向かい合う位置に座っており、零斗(おそ松)は両親の間の隙間に座った。
「さてニートたち。今日はあなた達に大切なお話があります」
「大切な話?」
松代が真面目な顔で言ってきたことから冗談や悪ふざけなどではないと感じ取り、チョロ松たちは真面目に聴き始めた。
「もしかして野球!みんなで野球するの!?」
「違うわ」
「えぇーーー!?違うの!?」
───訂正、1人だけ違った。もしかしたら真面目に考えてその考えに至ったのかもしれないが真相は誰にもわからない。
「じゃあ話ってなんなのさ?」
「ゴホン、まぁよく聞きなさい」
何を言われるのか全く予想できないのかトド松が松造にいったい何を言いたいのか聞くと、松造は一度咳払いしてから話し始めた。
「父さんと母さん。そしておそ松との話し合いの結果、今日から働かないものは養わないことにした」
「そういうことよ。分かったニートたち?」
「つまり働けってことだ穀潰し共」
松造、松代、零斗(おそ松)はわかりやすいように言うと5人は何を言われたのか理解出来ず一瞬固まってしまったが、すぐに正気に戻った。
「「「「「いやいやいやいやいやいや!!」」」」」
「え、ちょっと待ってよ父さんたち!?いきなりなんで!?」
チョロ松たちは突然のことすぎて理解できてないようで困惑していた。何とか考え直して貰おうとするがそれより先に零斗(おそ松)が話し始めた。
「父さんたちがいつまでもお前らクズ共を養えると思うな。今からでもお前らニートは変わらなきゃいけないんだよ」
「いやおそ松兄さんだけにはそんなこと言われたくないんだけど」
「一番のクズはテメーだろうが」
「黙れカス松と闇松。昨日までのゴミクズクソニートな俺は死んだ。これからは普通の社会人として生きていくんだ」
兄弟の中で最もクズなおそ松に正論を言われたことにトド松と一松が反論をするが今のおそ松は中身が零斗なため多少クズい所があってもちゃんとした常識は持っているので正論で2人の反論を言い返す。
「え、なんかおそ松兄さんが真面目なこと言ってるんだけど」
「ヤバいね」
「頭でも打ったのか?」
中身が入れ替わっていることを知る由もないチョロ松たちにとって今のおそ松は気味の悪いものだった。しかし零斗にとってというか普通の人にとって当たり前のことを言ってるだけなので本来ならば特に驚くことでもない。
「いいか、今の俺達の社会的地位はテロリストや犯罪者より立場は上でも一般人から見たら圧倒的底辺の存在だ」
「「「「「ゲボォォォォォォっ!?」」」」」
零斗(おそ松)の言葉の刃が鋭すぎて、チョロ松たちの心臓を抉りながら切り裂いて血反吐を吐いて倒れてしまった。松代と松造は零斗(おそ松)の言葉にうんうんと頷いていた。
「しかし人間っていうのはその気になれば〇空術を習得することも、か〇はめ波を撃つことも界〇拳を習得することだって出来るんだ」
「つまり!ニートだろうとマダオだろうと諦めなければ夢は叶う!!」
「「「「「お、お~~~~~~~!!」」」」」
「うぅ、まさかおそ松からこんな立派な言葉が聞けるだなんて(泣)」
「いつまで経ってもニートなお前達には失望していたが、まさか6人の中で最もクズなおそ松からこんな言葉が聞けるとは(泣)」
何時もは口だけで何かを実行する気を感じられないおそ松だが、今のおそ松の目に光を感じるチョロ松たちは自分たちも頑張れる気がし始め、両親はやっと真面目になった息子たちに涙を流すのだった。尚、何度も言うようだが中身は零斗なので考えが変わっているのは当たり前である。
「よし」
「じゃあ早速」
「やってみるか・・・・」
「僕達の本気!」
「見せてあげるよ!!」
「「「「「────────明日から!!」」」」」
「今からに決まってんだろうがクソ松どもがァァァァァァァァ!!」
ドゴーン!!(零斗がバズーカをチョロ松たちに放った音)
こうして、元の身体に戻るまでの間零斗はおそ松として生活することになったが幸先は不安である。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
零斗がおそ松として生活している一方、禍終素学園近くにあるゲームセンターに鍵と深夏が生徒会の書類仕事を終わらせて遊びにきていた。
「結局零斗の奴来なかったな」
「珍しいことだけど何か理由があったんじゃないか?」
深夏と鍵はそんなことを話しながら両替機の前に移動していると奥の方にあるパチンコ台の前に座っているおそ松(零斗)の姿を偶然見つけてしまった。
「んだよチクショー!全然当たらねぇじゃねぇかよ!?ふざけんな!!」
『『・・・・・・・・・・・・』』
声が聞こえてきた方を見るとそこには長時間やっていたのかおそ松(零斗)の座っている周りには袋が空いているおツマミや空になっている酒缶などが積まれていた。
「「何やってんだお前ぇぇぇぇぇ!!」」
「まそっぷ!?」
おそ松(零斗)の姿を冷めきった目で見ながら鍵と深夏はおそ松(零斗)の側まで近づくとそのまま勢いよくアッパーカットを放ち、おそ松(零斗)は天井まで殴り飛ばされ頭が突き刺さったのだった。
「おい、何仕事サボってこんな所でパチンコなんてやってんだお前」
「じゃ、邪魔すんじゃねぇよ。俺は今パチンコという貯金箱に無利子で金を貸してるところなんだ」
「それちょっとかっこいい感じに言おうとしてるけど有り金全部パチンコでスったってことだよなそれ!?」
アッパーカットによって天井に頭が突き刺さったままおそ松(零斗)がパチンコしていた言い訳をするがそんな言葉で流されるような2人では無い。なお、おそ松がパチンコで使っていた金は零斗自身がバイトなどで稼いだ金であり、それを遊びで使い切ったのだからこのことを知られればただじゃすまないのは分かりきっているはずなのだが、おそ松はその事に気づいていないのだった。
「そんなことより金貸してくんね?」
「貸さねぇよ!?なんでギャンブルやって有り金無くなった奴に貸さなきゃいけねぇんだよ!?」
「一万だけ!一万貸してくれたら倍にして返すから!!」
「負けてる奴が言っても説得力皆無だからな」
まだパチンコを続ける気なのか鍵に金を借りようとするおそ松(零斗)だが、当然はい、そうですか。と納得出来る訳もなく2人は明らかに何時もと違う零斗に内心疑問が尽きないがそれ以上に今の零斗に何を話しても意味は無いと考えその場から離れるのだった。
「ってかそろそろ下ろしてくんない?俺の力だけじゃ抜けられないんだけど。ねぇ聞いている?」
天井に突き刺さっている状態のおそ松(零斗)が助けを求めるが既に2人はゲームセンターを出ているため、その声は聞こえておらずしばらくの間そのまま放置されていたのだった。こっちはこっちで零斗が元に戻った後のことが不安になるものだった。
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そして同時刻、新撰組屯所にて近藤と沖田が土方をこっそりと尾行していた。
今の土方はタバコの代わりにロリポップをタバコのように咥えている上、締まりのない顔をしていた。
「オイ総悟。アイツ、何か悪いもんでも食ったのか」
「頭の悪いマヨネーズもんなら毎日食ってましたがねェ」
引きつった笑みを浮かべながら聞いてくる近藤に沖田は適当に返した。
「アイツが局中法度を破るだなんて。隊士達はうまくごまかしたが、どうにも様子が……」
近藤は土方の様子が急に変わってしまった事が気になっていた。
「確かに掟に厳し過ぎるきらいはあったが、己も厳しく律し、隊士達の模範となっていたのが、鬼の副長・土方十四郎ではないか」
「ただの寝坊でしょ」
土方を心配する近藤に対し、沖田はあまり興味ないのか適当に答える。
「しかし、アイツあんなに締まりのねェ顔してたか」
近藤が土方(中身銀時)のだらしなくなった顔を見たときだった。
「あっ副長!!おはようございます!!」
山崎を始めとした真選組の隊士たちはいつも通り大きな声で挨拶した。だが──。
「うるせーな、朝からデッケー声出すんじゃねーよ。百木アニメーション学院声優科かてめーら」
既にだらしなさ全開の銀時(土方)がめんどくさそうに山崎に返した。
「五番隊六番隊七番隊、準備整いました!!」
「準備って何?ラジオ体操の?ゴメン俺ハンコ持ってないよ」
「いえ、そうじゃなくて!」
銀時(土方)には隊士達の言っている準備の意味が解らなかったようで、山崎は銀時(土方)にいつもやっている事を言った。
「出撃の準備が、今日は我々が市中見廻当番なので、いつものお願いしますよ土方さん」
しかし、土方と中身が入れ替わってしまった銀時にはその『いつもの』が解らない。
「いつものって何だ。今日の土方さんはいつもと一味違うんだよ。ちゃんと言え」
「いや・・・、だから局中法度を読み上げて隊士達の引き締めを」
「あー、ハイハイ」
そして、銀時(土方)は真選組の鉄の掟を読み上げる、という真選組が出撃前に行ういつもの作業を行う。
「てめーら、俺達真選組の鉄の掟忘れてはねーだろうな。局中法度第一条──」
だが──。
「えーと、あの……アレ」
現在は中身が銀時の土方には局中法度が解らなかった。それもそのはず、銀時は真選組の鉄の掟など知らなかったのだ。
途方にくれた土方(中身銀時)はこんな事を言い出した。
「局中法度を忘れた奴をとがめる奴は、士道不覚悟で切腹!!」
「(いや、忘れたのお前だろ!!)」
近藤は声にならないツッコミを入れた。
「あのすみません副長・・・、第一条そんなんでしたっけ」
六番隊に所属している蓮太郎が銀時(土方)にツッコミを入れるが銀時(土方)は
「ハイお前切腹!!」
と蓮太郎を指差しながら言った。それを聞いた六番隊隊長のアリアが銀時(土方)にツッコむ
「ちょっ・・・、ちょっと待ちなさいよ!そんな法度聞いた事ないわよ!!」
「あゴメン。これ434条だったな」
「いや法度434条もないです」
適当な事を言ってごまかそうとする銀時(土方)に金次がツッコんだ。だが銀時(土方)は
「第一条!434条もないって言った奴切腹!!」
と無理矢理ごり押ししようとする。
「いや、何で第一条から434条に触れてんですか!!」
山崎は銀時(土方)にツッコんだ。屯所の中から近藤が土方たちを見ていたが、土方のあまりの変貌ぶりに近藤はドン引きしていた。
「黙れ、局中法度は変わったんだ。昨日から」
「いや、聞いてないですけど!?どーいう事ですかそれっ……」
山崎が銀時(土方)にそう言いかけた、そのとき。
「局中法度第二条、細かい事をグチャグチャ気にする奴は、切腹!!」
なんと、銀時(土方)はギロリと隊士達を睨み付けながらそう言った。
銀時(土方)の鋭い眼光にビビったのか、隊士達はずーんと沈黙してしまった。
「(黙らせたァァァァ!!強引な技でねじ伏せたァァァァァ!!)」
強引な方法で隊士達をねじ伏せた銀時(土方)を見た近藤は声にならない叫びを出した。
「てめーら、いつまでこの土方さんに甘えれば気が済むんだ」
突然、銀時(土方)が隊士達にこんな事を言い始めた。
「局中法度なんて知るわけ・・・、言わなくてもてめーらの身体に染み込んでんだろ。武士らしくあるための鉄の掟?そんなもん人に訊く暇があんなら、てめーの胸に訊け。各々がてめーの局中法度を掲げ勝手にやれよ。イチイチ土方さんの手を煩わすな」
「ふっ・・・、副長」
まさかの発言に驚き、ぎこちない表情をする山崎や蓮太郎たちを含む隊士たち全員が銀時(土方)の言葉を訊いた。
「ま・・・、まさか、局中法度を廃止すると・・・」
動揺しながらも山崎が聞いてくることに対し、銀時(土方)はこう言いながら屯所の方に歩き出した。
「好きに受け取れよ。とりあえず俺は俺の局中法度に従って」
そして、銀時(土方)は
「三度寝します」
と気の抜けた声で隊士達にそう言って屯所の中に消えていった。
その様子を沖田と共に見ていた近藤は、ついに叫んだ。
「いやちょっ……、トシィィィィ!?」
「・・・・・・・・・」
その様子を離れたところから風魔陽菜がこっそりと覗き見していた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
そして最後に場所は万事屋───ではなく禍終素学園高等部2ーZの教室に移動する。
新八を殴り飛ばした後、万事屋の2人と1匹を連れて電話で呼び出しておいた2ーZメンバー(深夏、鍵、零斗を除く)のいる2ーZの教室へと来て全員座らせた。
そして教室の黒板の上には『Z組法度』なる掟らしきものが書かれた紙が貼られていた。
「あのー、銀さん」
新八が椅子に座り何故かクラスメイトに背中を向ける銀時(中身土方)に訊いた。
「これって一体何なんですか?」
新八の質問を受けた土方(銀時)は椅子を横向きに動かし、パイプ式のタバコを口から離しながら答えた。
「Z組法度……。たるみきったてめーらを叩き直す鉄の掟」
『は?』
新八含むクラスメイトたちは思わず声を上げた。
「今回は特例で見逃してやったが、次からはこれを違反すれば即切腹だ」
土方(銀時)はZ組の面々にそう言った。
Z組法度にはこう書かれていた。
一、遅刻した者、士道不覚悟で切腹
二、寮費を滞納した者、士道不覚悟で切腹
三、会費を横領する者、士道不覚悟で切腹
四、会費を集めたにも関わらず博打等に遣った者、切腹
五、つーか天パ切腹
他にも色々な項目があったが、ここでは省略する。
「つーかそれ、ほぼ銀さんの事じゃん、コレ」
明久が土方(銀時)にツッコミを入れた。
「誰だ銀さんて、先生と呼べ」
土方(銀時)は明久にそう言い返すとこう続けた。
「昨日までの俺は猫のケツの穴に吸い込まれて死んだ。俺がここに来た以上今までのような自堕落な生活を遅れると思うなガキども」
「いや、一番自堕落だったのはアンタだろ」
アラタも土方(銀時)にツッコんだ。
と、そのとき、土方(銀時)は指差し棒で黒板に新たに張り出したプリントにクラスメイトを注目させた。
「とりあえず不本意だが、コレを見ろ」
プリントには『ボウリング大会 今日18時30分より開催! 遅刻する者は切腹』と書かれており、前日銀時(中身銀時)の競馬によって中止になってしまったボウリング大会をやる事を示していた。
「昨日、俺の不手際で開催できなかったレクリエーションだ。活躍に応じて報酬は更に上乗せしてやる。だから、身を粉にして勉強や奉仕をしろ。俺の言う通りに動けば間違いない」
Z組のクラスメイト達は感動して目を見開いてしまっていた。
「あとコレ、家賃とかどこに払えば……」
土方(銀時)がクラスメイトにそう訊いた、次の瞬間──。
『この人でなしがァァァァァァ!!』
Z組の面々が土方(銀時)の腹に蹴りを入れた!
「どこで手に入れたのよ!!」
「銀行かコンビニか学園資金か!!」
美波とゼノヴィアがおいおいと泣いて腹を蹴られてむせ込む土方(銀時)に怒鳴った。
「俺たちは先生をレクを開催する人でなしになんて育てた覚えなんてねぇよ!!」
一誠もおいおいと泣きながら土方(銀時)に言った。
「あのすみません、レク開催した方が人でなし扱いってどこまで人でなし!?」
土方(銀時)はむせ込みながら、怒りを押さえつつ一誠に返した。
と、そのとき。
「大変です織斑先生!!」
Z組の副担任のリリスが職員室に駆け込み、高等部1年生の主任教師である織斑千冬に大声でこう伝えていた。
「坂田先生が……、坂田先生がレクと家賃を!!」
「何だと!!」
驚いた千冬が声を上げ、山田真耶が音楽室からシンバルとバチを借りてきて千冬がこれを受け取って鳴らすと二人にこう言った。
「早く学園中に報告しろ!!隕石が降ってくるぞ!!」
「マジ出ていきてェこの身体!!」
あまりの禍終素学園の生徒達と教師達の変貌ぶりに銀時の中に入ってしまった土方は思わずそう叫び、大急ぎで銀行に走っていった。
それから数十分後。
「見ろ」
銀行から戻ってきた土方(銀時)はぶちギレる寸前になりながらZ組のクラスメイトに自身の預金通帳を見せた。
「間違いなく俺の通帳だろ。目ん玉ひんむいてよォく見ろ!!」
そのときだった。
「御意!!先生の仰せのままに」
なんと、Z組のクラスメイトは席を立ち、土方(銀時)の前に膝をついて忠誠を誓いだした!
「どんだけ豹変してんだ!!人でなしはてめーらだろ!!」
あまりのZ組のクラスメイトの豹変ぶりに土方(銀時)は怒鳴るが、続けて
「今度俺を疑ったら切腹だぞてめーら」
とZ組のクラスメイトに約束させた。Z組のクラスメイトは土方(銀時)に
「はっ!!」
と返事をした。
そんな彼らに土方(銀時)はこう言った。
「いいかてめーら、大事を成してもっと成績を上げたかったら、バラバラの学園の足並みを揃えなきゃならねェ。その為の御旗がこのZ組法度だ。組織の為に自らを厳しく律する。個を殺し、組織を活かす。その覚悟をもって初めて組織は一つにまとまり、その力を遺憾なく発揮できるんだ。その為にはまずだな……」
「やれやれ……」
廊下から、Z組のクラスメイト相手に説法する土方(銀時)を見た千冬と真耶が少し呆れ気味に見守っていた。
その時、その背後でノートを持っていたたまは振り向いて土方(銀時)を見ていた。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
4人の身体が入れ替わってから数日が経ったある日の夕方。4人は学園から離れた川に架かる橋の上にて夕日を見つめながら黄昏ていて。
「どうだ・・・、そっちの調子は?」
「進展なしだな。部下を使って、方法を訊き回っちゃいるが、魂を元に戻す以前に魂が入れ替わった事例なんざねーからよ」
「こっちも知り合いに片っ端から声を掛けてますけど何の情報もありません」
「俺も同じだ」
パイプ式のタバコをふかした土方(銀時)がロリポップを口にくわえた銀時(土方)に訊いた。それに同意するように肉まんを食べている零斗(おそ松)とスルメを齧っているおそ松(零斗)が答えた。
「ヒャッハァァァァァァァァァァァ!!」
その時、世紀末アクションに出てきそうな悪党の集団がバイクに乗りながら姿を現した!
「トシぃぃぃ何やってんだ!!早く攘夷志士血祭りにいこうぜ!!」
完全に世紀末の悪党になってしまった近藤が銀時(土方)に言った。
「奴等『カフェノーウェア』で集会やってるらしいぜ!!」
「おうゴリラ、今いく。・・・で、お前の方は」
銀時(土方)は右手を上げて近藤に返し土方(銀時)に訊いた。
「こっちも部下を使って調べてみたが、結果は……、似たようなもんだ」
そのとき、土方(銀時)のいる橋の方からザッ、という音がした。
「アンタたち、天下の公道で何をやっているっスか」
「先生、この賊共を片付けてよろしいですか」
何故か侍の着物を着た目がキリッとしたレヴィとアラタが土方(銀時)にそう訊いてきていた。
「禍終素学園 七番隊副隊長風間レヴィ」
「同じく禍終素学園 七番隊隊長春日アラタ」
「「悪・即・斬!!遂行いたす!!」」
「待て忍者と魔王。ソイツらは見逃してやれ。悪い奴じゃねぇ」
日本刀を抜いたレヴィとアラタが野盗集団と化した真選組に挑みかかろうとしたが土方(銀時)は左手を上げてレヴィとアラタにこう言って制止させる。土方(銀時)に制止させられたレヴィとアラタだが、それでも二人は真選組を睨み付ける。
「おいクソ松、余計なことはしてねぇだろうな」
「そういうてめぇこそ勝手なことはしてねぇだろうな?」
そんなことを言いながら2人が後ろを見るとそこにはチョロ松、一松、紫音がいるのだがどこか普段と様子がおかしかった。
「一松、面接どうだった?僕は何とか受かって明日から仕事に入れたよ」
「何とかやれたと思う・・・・」
普段は絶対に着ないであろうリクルートスーツを着ながら面接の結果について話すチョロ松と一松
「いやー、酒はうまいしツマミも最高で言うことないわマジで!零斗の野郎にはマジで感謝だわ!!」
胡座をかいてスルメを齧りながらカップ酒を飲みまくっているブレイズ。その後ろには大量の酒の空き缶やツマミの空き袋が転がっていた。
「そうか」
「何もなかったのか」
「困りましたね」
「だな」
『『『『ハハハハハハハハっ!!』』』』
ガシッ(銀時と土方、零斗とおそ松が互いに胸ぐらを掴み合う)
「「「「じゃ、ねぇだろうがァァァァ!!」」」」
「進展どころかとんでもねぇ後退の仕方してんだろーがァァァ!!」
最初は空を見て笑いあった4人だがすぐに互いの胸ぐらを掴み合った。
「何アレェェェェェェ!?どこの野盗集団だ!!」
まさかの世紀末覇者が率いるような野盗集団と化している新撰組に土方(銀時)が叫んだ。
「どう見ても取り締まる側じゃねーだろ!!ぶち込まれる側だろ!!何やってんだ、あのゴリラ!!留守の間に人の実家に何してくれてんだてめェ!!」
土方(銀時)は近藤を指さしながらツッコんだ後、銀時(土方)に怒鳴った。
「つまらん規則にがんじ絡めにされたからちょっと緩めてやっただけだろ!!オメーの方こそ、人んちに何盗品持ち込んでんだァァ!!悪・即・斬って何だ!!早く止めてこい!!牙突撃つ前に止めてこい!!」
と銀時(土方)が言い訳しながら土方(銀時)に新撰組のような侍と化している生徒たちを指さしながら怒鳴り返した。
「アホか!!烏合の衆を少しはまとめてやったんだ、感謝しやがれ!!」
「てめーこそ組織に自由を取り戻した副長に感謝しろ!!」
銀時(土方)と土方(銀時)の喧嘩がヒートアップするように零斗(おそ松)とおそ松(零斗)の言い争いもまたヒートアップしていた。
「テメーブレイズに何しやがった!?酒なんて成人するまで飲まねぇとか真面目ワロス笑笑だったアイツがなんで酒飲んでんだよ!!」
「何もしてねぇよ!!俺は普段通りチビ太んとこやら色んなところで酒飲んでそれにたまたまいたアイツを誘って最初は無理やり飲ましただけでこれといったことはしてねぇよ!!」
「テメェの私生活なんて真似したら。わあぁなるのは当たり前だろうが!!」
「お前こそ俺の兄弟に何しやがった!!アイツらがあんな真面目に就職活動なんてするわけがないだろうが!!」
「社会のクズ共に労働の大切さを教えてやったんだ!!感謝はされても文句を言われる筋合いはねぇんだよ!!」
互いに怒鳴り合いながら言い争ってそれがヒートアップしすぎて4人がそれぞれ殴り合いに発展しそうになったその時、
「そこまでだ。トシさんに手ェ出したら、ただじゃ済まねーぜ、旦那」
「何で手懐けられてんだ沖田てめーはァァァァァ!!」
土方(銀時)の後頭部に日本刀の切っ先を突きつける沖田に土方(銀時)は、何故か手懐けられた沖田にツッコんだ。
「俺には全く懐かなかったのにどーいう事だ!どんな手使ったァァ!!」
「それはこっちの台詞だ」
土方(銀時)が銀時(土方)にそう返している時だった。
「少しでもその刀動かしてみろ」
「トシ・即・斬だよ」
「オイぃぃぃぃ!!牙突はやめろォォォォォ!!零式はやめろォォォォォ!!」
銀時(土方)の後頭部に日本刀の切っ先を突きつける一誠、春虎、明久に銀時(土方)が叫ぶが三人は聞いていない。
「テヤンデイバーローチクショー!!三日前のツケ!!今日こそ払ってもらうぜバーローチクショー!!」
「ま、待てよチビ太!ツケは今度払うからもうちょっとだけ待ってくれ!!」
そして矢先ににカラシ味噌を塗りたくった棒をおそ松(零斗)の口に入れようとしてくるチビ太をおそ松(零斗)は必死になって止めようとするがあまり効果はなさそうだ。
「おいおい、何俺のベストフレンドに何絡んでんだよクズ?潰すぞ?」
「ベストフレンドってなんだァァァ!?テメェと友情作るくらいならミジンコと友情作るわ!!」
零斗(おそ松)の背後に立って顔を赤くしたブレイズが赤黒い剣を零斗(おそ松)の首に突き付けてきた。
そのときだった。
「面白ェ、てめェらの牙突オギノ式と俺のクズ龍閃、どっちが速ェか勝負するか」
「望むところだ」
「やれるものならやってみろ!」
「返り討ちにしてあげるよ!!」
世紀末の悪党と化した沖田が、何故か侍のような格好になった一誠と春虎、明久に挑発し、一誠と春虎、明久は挑発に乗ってしまった。
「ならオイラもおでんとカラシの二刀流でいかせてもらぜバーロー!!」
「丁度いい、この間向こうの世界の遺跡で見つけたこの剣の試し斬りができる」
チビ太はカラシ味噌を塗りたくった棒に加え、熱々のおでんを発射するバズーカを取り出し、ブレイズは握っている赤黒い剣に魔力を込め始めた。
「「誰も望まねーよ!!本物の新撰組に怒られるだけだよ!!」」
「「それ色んな意味でシャレにならねーから!!まじでやめろ!!」」
銀時(土方)、土方(銀時)、零斗(おそ松)、おそ松(零斗)は彼らを制止しようとするが最早止められない。
「「「「待て待て!!やめろ、落ち着けェェェ!!ああああああああああ!!」」」」
カッと閃光が出た瞬間、橋が崩落し、哀れ4人は川に落下した。
果たして4人の運命は!?とりあえず次回に続く!!
台本形式よりこちらの方がわかりやすいそうなので試しに書いてみました。次回の話ですが、原作通りなら源内だけが出てきますが、デカパンやアザゼルなども追加しようかなと考えているのですがどうでしょうか?
次回は4人が入れ変わった詳しい原因や変わってしまった面々について話します
次回もよろしくお願いします!!
ED『バカ・ゴー・ホーム』