禍終素学園の混沌な日常   作:有頂天皇帝

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イタリカでの戦い後編です。

OP『GATE それは暁のように』


GATE編九話 イタリカ攻防戦(後編)

イタリカの街東門広場。そこは先程まで戦闘があったことが分かるほどに周囲は崩壊しており地面や壁などの至る所に赤や緑、紫色の血がこびりついているがブレイズが死体も含めてキメラアントやガストレアなどの敵軍を転移させてしまったので血肉はどこにも見当たらなかった。

そんな場所でドラゴンそのもののような黒い鎧を全身に纏った零斗と両手に赤黒い球体を作り出し、互いに戦闘態勢を崩さないまま睨み合っていた。それを離れていたところで銀時達はいつでも加勢できるようにしながらも二人の様子を見ていた。

 

ブレイズ「こうして戦ったのは五年前の夏だったか?」

 

零斗「あぁそうだな。その時は俺が勝ったな」

 

ブレイズ「あぁ?何寝ぼけたこと言ってんだ。あれはどう考えても俺の勝ちだろうが」

 

零斗「負け越してるからって嘘言ってんじゃねぇよクソ悪魔」

 

ブレイズ「負け越してるのはてめぇだろうが駄竜」

 

零斗・ブレイズ「「・・・・・・・・死ねやこのカスがぁぁぁぁぁぁ!!」」

 

右腕部分を剣に変えた零斗が、赤黒い球体を剣の形に変えたブレイズが叫びながら斬りかかろうとしていた。

 

銀時「オラァァァァァ!!」

 

零斗・ブレイズ「「へぶぅぅぅぅぅ!?」」

 

その剣がまじわろうとした瞬間、銀時によるドロップキックが二人に炸裂し二人は勢いよく地面を転がっていくのだった。

 

零斗「ちょっ、銀さん。そこは黙って見てくれるところじゃないんですか?」

 

銀時「いや、確かにジャンプ好きの俺としては一対一の戦いを邪魔するのは気が引けるけど、馬鹿なことしてる奴を止めるのも教師の務めだからな」

 

零斗「いや、銀さんってそんな真面目に教師してないじゃないですか」

 

銀時「たまにはこういうこともあるんだよ。とりあえずまずは俺に糖分を渡し、あの男について詳しく話せ」

 

新八「いや糖分渡す必要はないでしょ」

 

零斗「わかりましたよ、おいブレイズ。説明したいから一旦休せ──」

 

零斗は銀時たちにもブレイズとの関係を話すために一時休戦を提案しようとブレイズの方を見るとそこにはエスデスによってやられたと思われる氷漬けにされたブレイズの姿があり、その周囲を殺る気に満ち溢れた零斗に恋する乙女たちがいつでも攻撃出来るように準備していた。

 

零斗「じゃあそいつはどうなってもいいので話しますね」

 

ブレイズ「言いわけあるか!!」

 

零斗はブレイズが氷漬けになっているのも気にせず話そうとしたが氷の中でもその声が聞こえたらしいブレイズが氷を壊して外に出てきた。

 

零斗「ちっ、大人しくそのままくたばっていれば良かったのにな」

 

ブレイズ「零斗くぅーん?その態度は何かな?そっちがその気ならこっちも本気で殺すぞ」

 

零斗「やれるもんならやってみろよクソボケ悪魔」

 

ブレイズ「上等だやってやろうじゃねえかよクソ駄竜が」

 

今すぐにでも殺し合いを再開しようと互いに頭をぶつけながら襟元を掴んでおり、それぞれ右手に剣を握っていた。

 

???「落ち着けバカ者共」

 

ゴスっ!!

 

「「グフッ!?」」

 

二人が睨み合っている時、突如二人の頭に赤い槍を勢いよく叩きつけられたことで二人の頭に大きなタンコブができ、二人はあまりの痛さに頭を抱えてしゃがみこむのだった。

零斗は痛みを堪えながらも聞き覚えのある声を聞いたため顔を上げるとそこには紫色のタイツを来た女性と銀色の鎧を纏い、馬に乗った女性がいた。

 

零斗「あの、なんでスカサハ師匠とアルトリアがここにいるんですか?」

 

スカサハ「ほぅ、私たちのことを思い出したか」

 

アルトリア(槍)「安心しました。忘れられたままというのも悲しいですから」

 

零斗「まぁ思い出したのもついさっきなんだけど」

 

零斗は苦笑しながらスカサハとアルトリアと話した。

 

マシュ「クー・フーリンなどケルトの兵士を鍛え上げた影の国の女王であるスカサハ。ブリテン王国の騎士王であるアルトリア・ペンドラゴン。どちらも有名な英霊ですね」

 

立香「あれ、でも士郎と鍵のアルトリアとは違うよね」

 

一誠「あぁ、こっちの人はオッパイの大きさはメロン並だしな!」

 

ヒロインX「あの女とついでにこの変態も殺すべきですね」

 

信長「まぁ落ち着くのじゃヒロインX。こういう時は茶を飲んで煎餅食うのが一番じゃよ」

 

沖田(FGO)「いや、それは落ち着きすぎじゃありませんか?」

 

さっきまでシリアス展開の開始を思わせるような感じだったがやはりいつも通りのギャグというかぐだぐだな感じで話は別の方向へと進んでしまうのだった。

というか存在をまるでないかのように扱われているブレイズは孤独を感じていた。

 

スカサハ「まぁ私とアルトリアは零斗の師匠として修行をつけていてな、バルバトスは勝手にやってきた奴だ」

 

霊夢「そういえば零斗がいなくなった時がたまにあるけどそういうことだったの」

 

零斗「あぁ、だけどさっきまでスカサハたちとに関する記憶が消えてたんだよな」

 

アルトリア(槍)「そ、それはどうしてでしょうね(目逸らし)」

 

スカサハ「不思議なこともあるものだ(目逸らし)」

 

ブレイズ「いやこの二人いつも修行終わらせたあとの食事に色んな薬ぶち込んでるからそれで記憶飛んでっから」

 

キャスニキ「師匠、あんた・・・・・・」

 

ベディヴィエール「我が王・・・・・」

 

スカサハ「ち、違うぞ!!別に影の国に連れ込んで既成事実を作って共に暮らそうなど考えておらんぞ!?」

 

アルトリア(槍)「わ、私だって別にブリテン王国で一緒に夫婦のように暮らそうなどとは考えてはいませんよ!!」

 

二人は否定しているがその顔は林檎よりも赤くなっておりその様子から察することが出来たのか霊夢達はジト目で二人を見るが当の本人である零斗はなんの事かよく分からないのか首を傾げているがいつもの事なので皆特に気にしてなかった。

 

ブレイズ「まぁ暇つぶしでたまたま見つけたのが零斗で、そこからちょくちょく殺し合いするようになったんだよな」

 

零斗「野垂れ死んでなかったのが今でも残念だよ、その間抜け面を見てると心底腹立つ」

 

ブレイズ「あ"ぁ"!?」

 

零斗「あ"ぁ"!?」

 

新八「凄いですね。僕零斗くんがあんな喧嘩腰になってるのめったに見ませんよ」

 

一誠「あぁ、シュラみたいなクズ連中ぐらいしかあんな喧嘩腰しないよなアイツ」

 

アラタ「つまりこいつもそれほどのクズってことか」

 

ブレイズ「流石にそれは否定するぞオイ」

 

スカサハ「おい、いい加減話の続きをしたいんだが」

 

ブレイズ「うるせぇよ若作りババ─────」

 

【 残酷な描写があるので暫くの間お待ちください。気になる方は自分で好きなように想像することをオススメします】

 

スカサハ「──────さて、これで一通り私たちについての話は終わりだな」

 

少し返り血が付いている槍を持ったスカサハが大量に槍を刺した最早肉塊レベルになったブレイズを踏みつけながら知ってる限りのブレイズについてのことを話していた。ブレイズはバルバトス家の長男として生まれたが家を継ぐ気がなかったので家出してはいろんな場所で喧嘩を仕掛けては殺したり半殺ししたりしていたらしい。それ以外のことはバルバトス家自体が家の恥としてその存在をなかったものとして扱われていたので情報はあまり無かった。なので何故廃棄物やキメラアントなどと関わりがあるのかはスカサハやアルトリアも不明だった。

 

ブレイズ「悪魔として契約したから転移させただけだ。これ以上の義理はねぇから何もしねぇよ」

 

タツミ「じゃああんたならあの連中を送ってきた奴らについて知ってるってことだよな」

 

ブレイズ「悪ぃが契約相手のことは話せねぇ、そういう決まりだからな。ってことで俺は帰るわ」

 

零斗「あ"ぁ"っ?」

 

ブレイズ「じゃあね♪」

 

ブレイズはジャンヌ(エンズ)たちを転移させたのと同じような魔法陣を自らの足元に出現させ転移した。転移する瞬間、ブレイズは零斗を指差しながらバカ笑いしていたのを零斗は見逃さず中指を突き立てた。

 

メイヴ「マスターちゃんあのブレイズって奴のこと嫌いすぎじゃない?」

 

零斗「いや別に嫌いってわけじゃないんだ。ただアイツ相手には何故かああなんだよな」

 

早苗「つまり新撰組の土方さんと沖田さんみたいな関係ですか?」

 

飛鳥「見た感じはそれが近いのかしらね」

 

耀「そうだね」

 

零斗「お好きに解釈してくださって結構だ」

 

一誠「なぁさっきの奴は本当にいなくなったのか?実は近くで隠れてて油断したところを攻撃とかさ」

 

零斗「アイツは騙しや罠とか姑息な手段を考えないからそういうことはないんだよ」

 

立香「じゃあこれで終わりってことでいいんだね」

 

零斗「多分な」

 

戦闘が終わりだと実感出来たのか肩の力を抜き、地面に座り込んだり壁に寄りかかったりするものもいた。伊丹たちが向かった東門の方も戦闘が終わったようでこちらの方にまで市民による勝鬨の声が聞こえていた。

 

─────こうしてイタリカの街に一時的なものだが平穏が訪れた。しかし、これはこの世界での戦いの序章に過ぎなかった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

──────そこはあらゆる世界に接していながらあらゆる世界と繋がりを持たず、どの時代かも定まっていない場所『次元の狭間』。その次元の狭間のある一角に巨大な島───否、要塞のようなものがあった。その要塞内部に複数ある倉庫の一つにキメラアントやガストレアの死体が重ねられたことで出来上がった死体の山の上でブレイズが座っていた。

そしてその死体の山の下に『ウロボロス』と呼ばれる組織に所属するプロフェッサーと呼ばれる老人と数名の部下がブレイズを見上げていた。

 

プロフェッサー「劣等種族の悪魔にしてはよく仕事をこなせたもんじゃな」

 

ブレイズ「ハッ、こんな出来損ないしか作れねぇジジイに褒められたってなんも嬉しくねぇよ」

 

研究員A「き、貴様!?傭兵風情がプロフェッサーに無礼なことを言うなど!?」

 

ブレイズ「事実を言って何が悪い?回収するまでこのゴミ共の戦いを見てたが酷いもんだったぜ?知能がある兵隊長クラスのキメラアントが兵隊蟻と同じように知能の欠片も感じないほどの戦い方しか出来てなかったし、ガストレアは本来なら特殊金属『バラニウム』でしか倒せないが死体を蘇生させたことでその恩恵がなくなってしまった。これらを見ても出来損ないと言えるか?」

 

プロフェッサー「フン、青二才の小僧が抜かしおる。雇われの傭兵は黙って言われた通りの仕事をしておればいいんじゃよ」

 

ブレイズ「へいへい、それじゃあ俺は次の仕事まで待機させて貰いますよ」

 

興味が無くなったのかブレイズは死体の山から降りると手をヒラヒラさせながらその場から離れていった。それを研究員たちは睨むのだった。

 

研究員B「プロフェッサー、何故我らが王はあのような輩を雇ったのでしょうか?」

 

プロフェッサー「そのような些細なことを我々が知る必要は無い。我々は我々がすべきことを行うだけだ」

 

研究員C「そうですね。それに新たな実験体もすぐにでも実戦投入できますから次の作戦で目にものを見せてやりましょう!!」

 

プロフェッサー「無論だ。それに新たな実験体を確保し、更なる実験を行えるというものじゃ」

 

プロフェッサーは心底愉快そうに実験出来ることを想像し笑っていた。彼らにとってこの世全ての生命が実験するための存在としか見ておらずその命がどうなろうと構わないと言う考えを持って行動していた。

 

???『ならば次の作戦にはそれらを出撃して貰おうか』

 

そう言いながらプロフェッサーの前に現れたのは全身を金と黒で装飾された鎧を身に纏った青年だった。彼がこの『ウロボロス』を纏める組織の王、クロノス。

 

クロノス『次の作戦は未知の戦力との戦いになる。その実験体たちがどれほどのものか見せてもらおう』

 

プロフェッサー「いいだろう。して次の作戦ではどのような敵と戦うのですかな?」

 

クロノス『─────この世界の住人だよ』




有頂天「どうも毎度おなじみ有頂天皇帝です!今回のゲストはオリキャラにして主人公のライバル。ブレイズ・バルバトスです!」

ブレイズ「なぁなんで俺がこんな所に来なきゃ行けないんだよ?」

有頂天「今後出てくるオリキャラの細かい設定などは後日考えて投稿しますね!!」

ブレイズ「とりあえず零斗の野郎が無様醜態を晒す話を書いてくれ」

有頂天「それは気分次第ですね。寧ろブレイズさんの方が醜態晒すと思います」

ブレイズ「いやなんでだよ!?」

有頂天「特に話すことがないので次回予告!」

ブレイズ「おい無視かよ!?まぁいいがな。えぇと、次回は零斗の野郎がイタリカにいる間アルヌス基地でも騒動が始まろうとしていた」

有頂天「一体どうなるのか次回をお楽しみに!!」

ED『ぷりずむコミュニュケート』

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