禍終素学園の混沌な日常   作:有頂天皇帝

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タイトル変えました

OP『桃源郷エイリアン』


文字でしか伝わらないものがある

零斗「えっ。新八の様子がおかしい?」

 

最近、学校にも顔を見せない新八を心配した零斗、明久、鍵、一誠、霊夢、妹紅、深夏、ゼノヴィアは新八の家に来たが零斗は思わず声をあげてしまった。

妙「そうなのよ。昨日から様子がおかしくて、鼻の穴にごはん突っ込んじゃうし、ボケても返してくれないし」

 

妙が新八の事を零斗たちに伝えていた。

 

妙「それに、朝方まで寝ないで部屋で何かシコシコやっているようなの」

 

一誠「シコシコ?」

 

鍵「へんな妄想すんなよ一誠」

 

一誠「し、してねーし⁉」

 

妹紅「声がどもってるぞ変態」

 

一誠が変な想像をしながら声を漏らすので鍵が注意するが図星だったのでへんな声になったのを妹紅が冷たい目で見た。

 

妙「そうなの。部屋の前に丸めた紙みたい物が散乱していて……。一体何をしているのかしら?」

 

と、妙は新八の部屋の前に向き、零斗たちも続いて新八の部屋の前を見た。妙の言う通り、新八の部屋の前には丸めた紙が散乱していた。

 

妙「昨日から何をシコシコやっているのかしら」

 

妙の話を聞いた零斗は、うーんと唸りながら考える。

 

零斗「まぁあのアイドルオタクのことだからどうせ下らないことじゃないのか?」

 

ゼノヴィア「取り敢えずもうしばらく様子見でもいいんじゃないか?」

 

妙「そんな悠長なことは言ってられないわよ。とにかく、難しい年頃だからこういう事は女の子をたくさん侍らかせている竜ヶ崎くんたちに聞いた方がいいと思って。ちょっと様子を見てもらえないかしら?」

 

明久「お妙さん、僕たちの事何だと思ってるの?何そのひどいイメージは」

 

霊夢「そんなのほっときゃいいじゃない。どうせなんか書いてるだけなんじゃない?」

 

妙「ダメよ、新ちゃんは万年発情期ですもの」

 

深夏「それ弟に言うべき言葉か?てゆーか扱いひどくない?」

 

深夏は妙の新八に対しての扱いの酷さにツッコんだ。

結局新八の様子が心配なので零斗たちは新八の部屋に向かうのだった。

 

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

 

一方その頃新八はというと、前日の昼からお通ちゃんグッズだらけの自室に籠ってなにやら手紙を書いていた。うーんと唸りながら悩み、気に入らなかったのか書き出しのみを書いた紙を丸めて後ろに捨てていた。

 

新八「何と書き出せばいいんだ。氏も素性も知れない人に手紙を出すなんて、本当に何も知らないもんな~」

 

新八は左手で頭を掻きながら右手に筆を持ったまま悩んでいた。 どうやら新八の様子がおかしかったのは手紙の内容を考えるのに集中してたためだったようだ。

 

新八「わかっているのは」

 

新八は懐から二日前に海辺で拾った瓶の中の写真を見て、ヘラッと気持ちの悪い笑いを浮かべる。

 

 (運命って信じますか?)

 

瓶の中に入っていた手紙の冒頭の部分を思い出しながら。

 

新八「……信じる!!断固信じるよ!!そうだ!!この書き出しにしよ……」

 

新八が興奮しながらそう叫んでいたときだった。

 

一誠「おーい新八──」

 

新八「はっ、はいィィ!!って一誠くん?来てたんだ」

 

一誠「ぱっつぁん、あんま姉さんに心配かけんじゃねーよ」

 

襖を開けながら入ってきた一誠は新八に話しかけてきた。

 

新八「え?何言ってんだ」

 

一誠「あと、それからコレ、Z組一同からの差し入れ」

 

一誠はいつもと違う優しい口調で、妙以外のZ組の面々から新八に対する差し入れらしいエロ本を襖の隙間から差し込んできた。

 

新八「何を気持ち悪い気ィ回してんだァァ、お前ら!!」

 

新八は妙を除くZ組クラスメイト全員にツッコミを入れた。

 

新八「何、勘違いしてんだよ!違うからね!僕そういうんじゃないからね!!つーか、なんでいつもよりちょっと優しくなってんだよ!気持ちわりーんだよ!」

 

一誠「えー?違うのかよ?こういうんじゃないのか?」

 

一誠は残念そうな顔をしながら後ろに抱えていた紙袋を下ろした。

その紙袋には襖の隙間から差し込んだのとは異なるエロ本が大量に入っていた。

 

零斗「なーんだ、てっきり欲求不満なのかと思ったのによ」

 

明久「せっかくムッツリーニに頼んで持ってきた秘蔵の奴なのにね」

 

鍵「俺たちの勘違いだったか」

 

新八「あんたら僕のこと何だと思ってんですか⁉」

 

妹紅「性欲の眼鏡」

 

霊夢「否定してたくせにこっそり取ってるしね」

 

新八「あ、いや、これはその………………」

 

新八は一誠が紙袋から出した大量のエロ本の内、自分の好みらしきものを数冊取っていたのを女子たちに見られて焦っていた。

 

ゼノヴィア「ところで机の上のこれは何だ?手紙みたいだが?」

 

新八「あ、ちょっと!勝手に見ないで下さいよ」

 

新八が机の上に置いてある書きかけの手紙を見ないように言うが、零斗たちはそれを無視してゼノヴィアの持ってる手紙を見た。

 

零斗「何これ?新八手紙出すような相手なんているのか?」

 

霊夢「この写真の娘に向けてじゃない?」

 

明久「それじゃ新八くんの様子がおかしかったのは」

 

妹紅「どうやって手紙を書くのか悩んでたんだろうな」

 

完全に自分のやっていることが知られたので新八は誤魔化すのは無理だろうと思い正直に話した。

 

新八「姉上にはこのこと話さないで下さいよ。女の子と文通なんて知られたら色々とアレなんで」

 

零斗「アレってなんだよ」

 

一誠「やらしい事でもかんがえてるのか」

 

新八「かっ……、考えてねーよ!!そっそーいう風に思われるのが嫌なんだよ!」

 

新八は恥ずかしさで顔を赤らめながら一誠に返し、その後にこう言った。

 

新八「僕はただ、純粋な気持ちで彼女と交流したいだけなんだよ。だってあの広大な海を漂って、僕に届いた手紙だよ。何かの縁があるんだよ。でも、姉上が知ったらふしだらだとか怒られるに決まってるよ」

 

霊夢「アイドルオタクのくせによく言うわね」

 

新八「うるせェ、殴るぞバカ巫女」

 

呆れた顔をして言ってきた霊夢に新八はそう返した。

 

鍵「でもお妙さんも意外とそういうのは理解あるんじゃないか?」

 

新八「いやないですよ」

 

新八が鍵の言葉を否定したときだった。

 

妙「新ちゃん」

 

襖の向こうから、妙が新八に声をかけてきた。

 

新八「姉上!?」

 

妙「お茶とお菓子、持ってきたから、よかったら食べて」

 

その妙の差し入れは、いうと──。

 

妙「ハイ、こんにゃくとローション」

 

ざるに置かれた、中央に奇妙な切れ目の入ったこんにゃくと、ローションだった。

妙は、悲しそうな目をしながら新八に目を合わせることなくこう新八に言った。

 

妙「……新ちゃん。新ちゃんはどんなになっても……、私の……、弟だから」

 

言い終わると妙は、パタンと襖を閉めた。

 

ゼノヴィア「ホラ、わかってくれてるじゃないか」

 

新八「どんな理解のされ方してんだァァァ!!お前ら、人の姉ちゃんに何話してんだァァ!!なんでお茶としてローション出てくんだよ!なんでこんにゃくに穴開いてんだよ!完全に勘違いしてるよ!一回も目ェ合わせてくれなかったよ!!どーしてくれんだァ、これから超気まずいだろーがァ!!」

 

明久「まぁまぁ、落ち着いてよ。ローションがアリって事は文通もアリって事じゃん。良かったじゃん」

 

妹紅「そうだぞ、これで堂々と文通をしても文句は言われなくなるぞ」

 

明久と妹紅はこんにゃくを食べながら、新八を宥める。

 

新八「全然良くねーんだよ!!文通バレた方が遥かにマシだったわ!!」

 

新八は明久たちに返した。ちなみに妙の一件は零斗たちと会話してるうちに妙が勝手に勘違いを重ねた末であり、別に零斗たちが妙に何かを吹き込んだわけではなかった。

 

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 

 

新八の文通を書くのを手伝うことにした零斗たちは取り敢えず新八の書いた文章を読むのだった。

新八の書いた手紙の内容は、一言で言うと煩雑だった。

 

零斗「おい新八、何だよこの手紙。長いし内容も煩雑だし要点どこだか解んないし普通だし。こんなのわっかりづらくて文通続かねえぞ?」

 

明久「そうだね。僕だったらこんなの読んだらすぐに寝ちゃいそうだね」

 

霊夢「つまんないわね」

 

零斗たちはダメな子を見るような目をしながら新八の手紙にダメ出しする。

 

新八「べ……、別にいいでしょ。奇をてらったって仕方ないでしょ、手紙で」

 

零斗「奇をてらわないでどーすんだよ?あっちは手紙を海に流してランダムで文通相手を探すような奇のてらい方してんだぞ?しかも、この簡潔な文章。こんな奇抜な事をする人は飽きっぽい人が多いんだよ。多分、この様子だと三行以上は全然読まないかもしれないぞ?」

 

零斗は新八にそう言った。

 

新八「……確かに、僕の手紙は長い上に要点がよくわからないな」

 

妹紅「むこうの情報もろくすっぽない以上、こっちの事をわかってもらうしかない。自己紹介くらいなら三行あれば十分だ」

 

鍵「あと、写真もだよ。むこうに合わせて写真も送らないと」

 

新八「そうか。そういやそうだ」

 

新八は写真も送らなければならない事に気がついた。しかし、当然疑問もあった。

 

新八「でも、自己紹介なんてたったの三行でできる?」

 

零斗「いや、できるって。試しに俺がやってみるから」

 

そう言うと零斗は新八の便箋の用紙にさらさらと書き出した。

 

 零斗

 

 零斗だ、

これからよろしくな!

 

新八「って、お前の自己紹介かよォォォ!!」

 

新八は零斗にツッコミを入れた。零斗は自らの自己紹介を手紙に書いたのだ。

 

新八「なんで人の手紙に自分の自己紹介書いてんだお前!!しかもほぼ二行しかねーし」

 

零斗「えー、一応試してみただけじゃねーかよ」

 

新八「とにかく、僕の自己紹介で試してよ」

 

深夏「それじゃ今度は私がやるよ」

 

零斗の次に深夏が書き出した新八の自己紹介はこうだった。

 

 志村 新八

 

 眼鏡買い替えました

 

何故か、漫画の単行本の表紙の裏の著者近影とコメントのようになっていた。しかも、著者近影の部分はメガネオンリーになっていた。

 

新八「なんの単行本だァァァァ!!コレ、単行本の裏のアレだろアレ!よく見たことあるわ!」

 

新八は怒りを露にしながら深夏にツッコんだ。

 

新八「なんで著者近影眼鏡しかねーんだよ!」

 

深夏「著者は姿見せると作品の人気が下がる場合があるらしいからな」

 

新八「失礼な事言うんじゃねーよ!つーか文章ギリギリ二行から完璧に一行に減ってんでしょーが!写真も文章も眼鏡にしかふれてねーよ!」

 

深夏「色々書こうと思ったんだけどさ。思い当たるのが眼鏡しかなかったんだよなー、凸凹が。ホラ、新八って平面に眼鏡だけ転がったような人間だろ?他に凸凹ないだろ?できるだけ引き伸ばしたけど、私の力じゃこれが限界かな?」

 

新八「どんだけつまんねー人間だよ!!」

 

頭を掻きながら言い訳する深夏に、新八はまたツッコんだ。

 

霊夢「いやでも、これ位の方が想像の余地あって深いカンジでしょ。オシャレなカンジに」

 

新八「どこが!?眼鏡買った報告しかしてねーよ。つーか買ってないからね眼鏡なんて」

 

新八は深いカンジだと言った霊夢にツッコむ。

 

ゼノヴィア「なら次は私の番だな」

 

深夏のも没になったのでゼノヴィアの番となり、ゼノヴィアの書いた新八の自己紹介はこうだった。

 

 志村 新八

 

 めがねを

 買い替え

 たんだヨーグルト

      

 

ゼノヴィア「これなら三行になったし新八の特徴も相手に伝わるだろう」

 

新八「お通ちゃん語になっただけだろーが!!」

 

新八はどや顔をするゼノヴィアにツッコミを入れた。新八の自己紹介は三行になったが、何故かお通ちゃん語がつき、しかも結局メガネにしか触れていない点は全く解決されていなかったのだ。

 

新八「1ミリたりとも深さ増してねーよ!眼鏡買っただけだからね!つーか何度も言うけど買ってないからね眼鏡」

 

ゼノヴィア「話を多少面白くするためには、多少色づけも必要なんだ」

 

新八「全く面白くなってないから!!もっと鮮やかな色塗ってよ!!」

 

と、新八はゼノヴィアに怒った。

 

新八「三行だよ!やっぱり最低三行たっぷり使わないとキツイって」

 

鍵「三行以内なら楽なんだけどなー、さすがに三行ちょうどはな。うーん、ちょっとやってみるか」

 

ゼノヴィアの次の鍵は少し悩み、新八の自己紹介をこう書いた。

 

 たくさんのメガネ送って頂き

 ありがとうございました

 Sといっしょにかけます(新八)

 

鍵「コレなんてどうだ?」

 

新八「ジャ○プの目次になってんだろーが!!」

 

新八は鍵のを見て今まで我慢してきたがとうとうぶちギレてしまった。

 

新八「何でバレンタインみたくなってんだよ!!何でたくさんのメガネが送られてきてんだよ!!S(スタッフ)って誰だァ!!」

 

鍵「S(スタッフ)じゃない、S(しんぱち)だ」

 

新八「結局、新八しか眼鏡かけてねーだろうが!何にも状況打破できてねーよ!」

 

と、鍵に対してぶちギレた新八だが、ここで主旨が完全にずれている事に気がついた。

 

新八「つーか完全に主旨ずれてるじゃないか!こんなもん送ったらあの娘から手紙じゃなくてメガネ受け取ったみたいになってるじゃないかコレ!一旦原点に立ち帰ろう!!振り出しからやり直そう!!」

 

新八がそう零斗たちに言ったときだった。

 

零斗「そうだ、原点に立ち帰ればいいんだ!新八の言う通りだよ。最初に戻って考えればいいんだ」

 

零斗は新八にこう訊いた。

 

零斗「新八、この手紙のどこに惹かれたか思い出してみろ」

 

「そう、それは奇抜な手紙の送り方でも、簡潔な文章でもないハズだ」

 

「写真(コレ)だ!」

 

新八「うっ!!」

 

新八は歯を食い縛り、声を上げてから、慌ててこう否定する。

 

新八「ちっ、違う!!僕はそんな、人を見た目で判断……」

 

零斗「ハイ、じゃあ聞きます。おまえはもし、この娘がキャサリン並みのバケモノみたいな女だったら文通しようと思いましたか」

 

零斗が言った正論の前に、新八は返す言葉もなかった。

 

そして、零斗はこう結論付けた。

 

零斗「そう、つまり幾ら頭悩ませて名文作ろうが何しようが、結局最後にモノを言うのは」

 

零斗はここで一旦言葉を切ると、声を張り上げて新八に写真を見せつけた。

 

零斗「写真(みため)なんだよ!!」

 

『あぁ~~』

 

零斗の言っていることを納得したのか明久たちはその言葉に頷いた。

 

新八「うぐっ……、否定できない。いや、しかし、だとすればこんな冴えない僕に……、勝ち目は……」

 

新八がうろたえ出したときだった。

 

零斗「新八、メガネとれ」

 

新八「ムッ……、ムダだよ、眼鏡なんてとったって僕なんか」

 

見た目に自信がない新八は零斗にそう返す。だが、零斗は新八に背を向けながらこう言った。

 

零斗「大丈夫だ、新八はお妙さん譲りのいい顔してっから。安心しろ。新八はメガネなんか無くたって十分イケるから」

 

鍵「そうだな。新八はそこらの奴よりは顔はイケてるな」

 

霊夢「もっと自分に自信持ちなさいよ」

 

明久「安心しなよ新八くん」

 

妹紅「バックアップくらいしてやるよ」

 

ゼノヴィア「お前ならやれるさ」

 

新八「みんな」

 

新八は勇気が湧いてきた。そして、新八は突然着替え始め、零斗たちは新八の部屋を出て外で待機する。

そして新八はこんな感じに着替えた。

髪型をリーゼントにし、昔のスターのような格好をしてマイクスタンドを持ち出した。

その格好を見た霊夢たちはクソダサイと思ったが心の中に閉まっておいた。

 

新八「やります!僕やってみます!どうですか!!こんなカンジで」

 

しかし、当の零斗はというと──。

 

 パシャ、パシャ

 

零斗「うーん、もうちょい左かな~。ハイ笑って、新八くん」

 

しゃがみながら、地面に置いた新八のメガネをスマホで撮影していた。

新八は零斗に対して怒りがこみ上げてきた。

 

新八「僕を撮れよォォォォ!!新八くんこっちィィィ!!」

 

怒りが頂点に達した新八は、零斗の後頭部に蹴りを入れた。零斗は倒れこんで、地面に顔を着けてしまう。

 

零斗「イタタタ……、だって今の新八じゃメガネ成分高過ぎるだろ。成分比にして95%メガネだろ。イケメン成分がメガネ成分追い越すのは多分あと五年位かかりそうだぞ?」

 

新八「5%しか僕の居場所ねーのかよ!!つーか五年位しないとメガネと釣り合わねーのかよ!!」

 

霊夢「今の新八だと、残りの3%が水分で、2%がゴミかしら?」

 

新八「ゴミの中に入ってんの!?もしかして2%ないの!?」

 

新八は零斗と霊夢に対して声を上げ、零斗に対してこうツッコミを入れた。

 

新八「つーかコレ、さっきと寸分違わねーだろうが!!違う意味で振り出しに戻ってるだろ!!」

 

明久「いやでも、この木にかかってる一枚はいいよね。サマになってるじゃん」

 

と、明久は零斗が撮った写真の一つである新八のメガネを桜の木にかけた一枚を新八に見せる。その写真は枝の下のうろの部分を口に見立て、枝を鼻に見立てた写真だった。

 

新八「新八にかけろォォォ!!」

 

鍵「うーん、イマイチ決定打にかけんな~」

 

新八「あたりめーだろ!本体ねーんだよ」

 

新八は鍵にツッコむが、零斗ははまだメガネを返そうとせず、スマホで撮影を続ける。

 

零斗「もっといいモチーフはないかな、あれも違う、これも違う……」

 

零斗は色々模索した。障子にメガネをぶつけたり、地面に置いてレンズにタンポポの綿毛を付けてみたり、灯籠にかけてみたり……。

 

 そして、最終的にこうなった。

 

 パシャ

 

零斗「よし、これだ」

 

零斗は新八のメガネをかけた、アラタを撮影していた。

 

新八「それ全くの別人だろーが!!」

 

新八は零斗に対してぶちギレてツッコむが、零斗は新八の言葉に耳を貸さなかった。

 

零斗「かなりカッコよくとれたな新八」

 

新八「新八じゃねーよそれ!そいつただのクラスメートだろうが!!」

 

アラタ「俺が新八さ。趣味はアイドルの追っかけだよ‼(アラタダミ声)」

 

新八「だからオメーアラタだろーが!!何?死んでいい?」

 

新八の叫びも虚しく、零斗たちによるアホな撮影はこの後も続くのだった。

 

 ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆ 

 

そして次の日の嵐獄島の北側の海辺では新八が拾った瓶の中の写真の女の子がハッハッと息をあげながら浜辺を走っていた。

 

「お姉ちゃーん、大変大変!ホントにっ・・・」

 

写真の女の子が走っていった先には───

 

「ホントに届いたよ‼お姉ちゃんの手紙‼」

 

女の子の姉らしい、メガネを掛けた大人しめな少女がいた。




有頂天「文通編出来たので投稿しました。そして今日のゲストは『不幸だ』が口癖の『とある魔術の禁書目録』主人公の上条当麻さんです」

当麻「今回も遅いけど大丈夫なのか?」

有頂天「最近パソコン手に入れてとあるとかキューティクル探偵因幡とか色んなアニメ一気見してて筆が全然進んでません」

当麻「駄目じゃねぇかよ!」

有頂天「そんなことより!皆さんにお願いがあります!!」

当麻「誤魔化すなよ!?」

有頂天「笑ってはいけないシリーズをやってみたいのでネタとかこのキャラが出たら面白そうとかあったら感想に書いてください!」

当麻「本当にやるのか?」

有頂天「一応十二月後半にやれたらいいなと考えてます。まぁ話はここまでにして次回予告始めましょうか」

当麻「写真の女の子と文通を始めた新八、それを手伝う零斗たちだが果たして上手くいくのか? 」

有頂天「次回、文通編第2話!お楽しみに!」

当麻「俺の右手でふざけた幻想をぶっ壊す!」

ED『バカ・ゴー・ホーム』

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