八幡の武偵生活   作:NowHunt

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8月に投稿すると言っておきながら7月に投稿するスタイル
前回色々と訂正してくれた方々アザっす!自分で書いてて、忘れるってどうなのよ…………。しかも読者の方が詳しいって……………。





Travel in the sky

「おい、間宮」

 

「あ、はい。何でしょう?先輩」

 

「いや、こんなゾロゾロ来て……。何か用か?」

 

「あ、用があるのは私じゃないんですけど………」

 

「あ、あるんだ。本当に………」

 

 そこで間宮が見た方向を目線で追いかける。

 

 

 

 ――そこには、間宮と同じような茶髪。肩にギり掛からないほどの髪。身長は一般的な女子とあまり変わらない。 

 

 容姿は客観的に見ると、可愛い部類に入るだろう。………だが、問題はそこじゃない!

 

 

 

「うっわぁ……理子と似たような感じがするな…………」  

 

 幸いにも誰にも俺の呟きは聞こえなかったみたいだ。けっこう近くにいる間宮にも聞こえてないみたいだし。

 

 俺とそいつの目が一瞬合うと、そいつは首を傾げた。……その動作何回も練習してるだろ!と叫びたいほどあざとい。

 

 そいつは俺に近づき、俺を見上げながら、

 

「私、一色いろはっていいま~s」「あざとい、やり直し」「えっ。…………ちょ、何ですかぁ、それ!」

 

 スゴい甘ったるく、あざとい声を出してきたので思わず反射で訂正を要求してしまう。

 すいませんね。あざといのは理子で腹一杯です。いやもう本当にね。小町も十分あざといしね。……いや、あれは小悪魔的な感じか?

 

 小悪魔…………LDP!あ、はい今は関係ないですね。

 

「私はあざとくないでーす」

 

「…………」

 

 こう、いかにも私怒ってます!アピールが、違和感なく自然と出してくる。普通の奴らなら騙せそうだな。正直レベルが高い技術だと思うわ。

 

 女子ってスゲぇ、と、改めて実感する。

 

 あと、間宮と声が似ているような………このネタ前回もやったような…………。あれ?そうだっけ?うん分からん。

 

「俺は比企谷八幡だ。それで……一色っていったか?何か用なのか?」

 

「はい!」

 

 俺と接点なんかなさそうなのに…………、珍しい奴もいるんだな。うーん。何だ?今まで見たことないしなー。特に思い当たる節がない。

 

「えーっとぉ、単刀直入に言いますとぉ、私をアミカにしてください」

 

「八幡を?」

 

 真っ先に反応したのは元アミカの留美だ。

 

「どした?留美よ。本来は俺が反応するべきなんだが」

 

「いや、別に。………物好きもいるんだなぁ、と思っただけ」

 

「その物好きにお前も入ってることに突っ込んでいいか?」

 

「それは置いといて。一色さん、何で八幡なの?」

 

 頼まれた俺を差し置いて留美が話を続けるとか……俺の立場はどこに行ったのか?

 

 ちなみに、不知火は話の輪から外れて、外から見守ってる形になっている。

 

 間宮は何か苦笑い。 

 黒髪ストレートの美人さんはずっと間宮を見つめている。 …………はっ!これは、もしかして百合?

 火野も島麒麟とくっついている。火野はまんざらでもない顔をしている。

 

 …………間宮のグループ大丈夫か?百合思考の奴らしかいないの?そうだ、このグループを特殊性癖軍団と名付けよう。

 

 そうこうしている内に話は進む。

 

「実は~、先生から誰かアミカ取れって言われたから、あかりちゃん誰かにお奨め聞いてみたら、そこの先輩を奨められたんだよね」

 

「ふーん。で、どうするの?八幡」

 

「急に振られてもなぁ…………。俺、お前のこと全く知らんわけだし」

 

「基本皆そんな感じじゃない?」

 

 留美がぼやく。が、それより、留美よ、あんた今関係ないよね?俺と一色の問題だよね?

 

 ………………よしっ。

 

「間宮ー。こいつ連れてけー」 

 

「あ、はい。分かりました」

 

「えっ。ちょ八幡」

 

 留美の背中を押して、特殊性癖軍団に押し付ける。どうなったかは知らん。強く生きろ。

 

 もう一度俺は一色の方に向き直る。

 

「ん?そういや、さっき教師にアミカ取れって言われたって言ってたけど………何でだ?問題でも起こしたのか?」

 

「いやいやいや、そんなわけないじゃないですか~~!!」

 

 怒った風に声を出すと、コホン、と咳払いして話を続ける。

 

「私、中等部では2年間CVRにいて、最後の1年間は尋問科にいたんですよ~~。それで、色々な所に所属していたからお前は中途半端や!って言われたからなんですよ」

 

 ……………………何そのハイスペック。そんなにできるもんなの?普通って1つの専門科ですら極めるのは大変だというのに。

 器用なのか、それとも才能なのか…………。

 

「と言っても、吸収できた技術は精々6割程度なんですけどね」

 

 いやいやそれでもスゴいだろ。

 

「それなら高校からでもそのどっちかは続けようとは思わなかったのか?」

 

「そうですね。確かにそうは思いましたけど、もしもの為に自分でも戦えるようになりたくてですねー。自由履修でいつでもできるわけですし、ここらで強襲科にでも移ろうかと」

 

 ほー。一色にはそこそこ立派な目的があるのか。俺なんか勝手に親父が決めて、今まで流れるように過ごしてきたんだが。そこは留美とも似てるな。

 

「別に俺はアミカ取ってもいいが、けっこう放任主義だからな」

 

「あ、私もそれでいいですよ。…………でも、先輩って本当に強いんですかぁ?」

 

「知らん」

 

 突然の問いかけに俺は即答する。

 

「はぁ?」

 

 おい、女の子が出してたらダメな野太い声を出すな。色々怖いから。

 

「いや、自分が強いとか自惚れたことなんてない。むしろ弱いぞ、俺は」

 

「は、はぁ……」

 

 イ・ウーの連中に勝てたことなんて少ないしな。それよりあいつらが強すぎるだけ。シャーロックさんマジチート。

 

「それじゃ、軽く戦ってみるか?」

 

「えっ?」

 

 驚いた声を上げる一色だが、いきなりそんなこと言われたら誰だって驚くだろうな。まず俺は言われることすらないけ………いや、シャーロックに言われたことあったわ。

 

「まぁ、互いの実力を確認するって意味で」

 

「は、はぁ………。別にそれならいいですけど」

 

「ルールは………そうだな、5分間で俺に触れたら勝利ってのはどうだ?武器は互いになし。もちろん鬼ごっこみたいに俺は逃げ回らない」

 

「…………バカにしているんですか?」

 

「さぁな?」

 

 これは互いの実力を確かめるだの何だの言ったが、ぶっちゃけ俺の練習だ。

 これだけ不利な条件で俺はどこまで動けるだろうか………それを見極めるために。

 

「別に結果がどうであれアミカを断るつもりはないから安心しろ。気楽に、な」

 

「だったら~~、私が勝ったら何かご褒美くださいよ」 

 

 この子………図々しいね!今日会ったばかりなのに!ほんと理子に似てるよ、その性格。

 

「アミカじゃダメか?」

 

「それは先輩がしてくれるって言ったから、また別のご褒美を」

 

 ほとんど初対面の相手にここまで言えるとはコミュ力半端ねーな。ある意味尊敬できるわ。

 そこに痺れ…………はしないし、憧れもしない。俺と違う人種、生きる世界が違うから。俺は俺の道を行くだけだ。

 

 …………って、なーにカッコつけてんだか。後でベッドでジタバタしたいのか?

 

「いやー。それは無理だわ。だったら頭ナデナデとかは?」

 

「それは流石に引きます。先輩キモいです。というより、何ですか私に一目惚れとかそういうアピールですか。いきなりは無理ですごめんなさい」

 

 一色が一息で言い終わると同時に周りから微妙な視線が飛んでくる。

 

「…………ん?」

 

 その中にいる留美が携帯を取りだしどこかに連絡をとってると思えば、俺の携帯が急に震え出す。

 

 ……………………お相手はレキからだ。

 

 中身は『後でお話があります』か。

 

 うんうん、なるほど。要するに留美がチクったのか。つーか、いつの間に連絡先交換していたんだ?そこに驚きを隠せない。

 

 話脱線したな。まぁ、何が言いたいかというと、俺、死んだな。余生でも楽しもうか。………冷静だなぁ、俺。もう慣れたのかね。

 

 

 

 冗談はここまでにして、再び視線を一色に向ける。

 

「さて、そろそろ始めるか?」

 

 軽く首をゴキゴキと鳴らしながら一色に問いかける。

 

「あ、はい」

 

 一色は間宮たちに自分の装備を渡して、アキレス腱を伸ばしている。

 

「じゃあ、行きますよ」

 

「分かった。留美ー、時間」 

 

「分かった」

 

 携帯を操作し、留美は俺たちを見据えて、

 

「――始めっ!」

 

 と、言った瞬間、一色が一直線にかなりの速度で突っ込んでくる。

 速効で勝負を決めると思い、咄嗟に横に避けようとする。俺が右に跳んだ。その時、

 

 一色は、俺が元にいた位置の50cm前で綺麗にピタッと止まる。急停止。

 

 これは――――フェイント!

 

 そう判断した俺は、先に右足を地面に付ける。と、すぐに右足でもう1回跳ぶ。

 かなり変装的な形になる。左足を付けずに跳んだからな。

 

 多少フラついて、元の体勢に戻る。が、一色は追ってこなかった。止まったところで俺を見ていた。

 

 ……………なるほどな、この一連の行動は俺の動きを見るためか。

 

 恐らく尋問科にいた経験だろう。相手の動きをを監察することが習慣になっているのか。

 

 強襲科よりも尋問科は相手を見る必要があると聞いたことがある。

 些細な仕草や表情から、的確に嫌な所を突いて、相手から確実に情報を取らないといけないから、だったっけか?

 まぁ、それを言うなら探偵科の方が相手を監察しないといけないらしいんだがな。

 

 

 例え中等部だろうと、油断はしない。さっきのは予想外の行動だったが、次は気を付けるぞ。

 

 俺は攻撃を避ける時の――――肩の力を抜き、手をダランとし、腰を曲げて姿勢を低く、そして、重心を自由に変えれる――体勢になる。

 

 この体勢では中々攻撃できないから、普段はしないが避けるだけならこれが一番しっくりくる。

 

 一色はゆっくり、慎重に俺に歩み寄ってくる。対して、俺はその場から動かず一色を待つ。 

 

「フッ!」 

 

 俺との距離が1m切ったところで、軽く跳躍しながらの俺の顔面にに向けてストレートの蹴りを放ってくる。

 右足を思いっきり伸ばしているのにも関わらず、体は、左足1本で綺麗にバランスを取っている。

 

 ……………俺が言いたいのはそこではい。今、俺たちは互いに制服で戦っている。制服、女子の制服はスカートだ。

 

 要するに、一色がストレートのキックをするもんだから、スカートが捲れてチラッと中が見えそうになりました。もちろん計算した動きなんだろうな。

 

「うおっと!」

 

 反応が遅れながら、回避には成功した。

 

 また距離をとった俺は、一色の顔を見る。……………はぁ、予想通り一色はしてやったりって表情だ。周りの奴らは、間宮以外は今の一色の行動に気づいている。

 

 不知火と火野は微妙な顔だし、島(妹)は火野を見ながら笑ってるし、佐々木(名前を教えてもらった)は顔を赤らめ間宮を見てるし、留美に至ってはメッチャジト目だし。

 ……………唯一間宮は、恐らく一色に対し、おぉーって顔になってる。今の一連の動作に気づかないとは………鈍いな。

 

 そういや、一色はCVRにもいたと言っていたな。ハニートラップ――所謂、色仕掛け――を究める場所だ。

 そういうのも心がけてるっていうことか。厄介だが、動きは単調で読みやすい。無心でいこう。後が怖いし。留美が色々報告したら困る。

 

「まだまだ行きますよ~~」

 

 一色が普通の男なら惚れるような甘ったるい声を出して、また距離を詰めてくる。

 

「ナメんな」

 

 俺はそれだけ呟く。

 

 

 

 

 それから、一色の攻撃が絶え間なく続くが、問題なく全て避ける。間合いは50cmぐらいを保ったまま。

 

 殴打も蹴りも、全て避ける。たまに色気を見せた攻撃も交ぜてくるが、最初は焦ったが、何回も使われるとこちらとしてはもう慣れた。

 

 これ以上キョドると後が怖いもんね!レキからの冷たい目が待っているだろう。

 

「………ハァハァ……。――っ!」

 

 そして、一色からは焦りの表情が見える。

 ジャブ以下の威力で体に当てればいいのに、何で当たらない?とでも言いたげな表情だ。

 

 

「よっと」

 

 体の中心部を狙ったパンチを右足を軸にしてクルッと回転する。

 

「ハァ……ハァ………」

 

 

 一色の方が武偵経験が長かろうと、戦闘経験は俺の方が長いんだよ。目線、重心、呼吸――これらが全て今から攻撃するぞ、というサインになる。

 

 呼吸と聞いてしっくりこない人もいるだろうから、説明する。

 息を吸う、息を吐く。まぁ、これらは日常の動作だな。 

 だけど、勝負の世界になると違う。

 息を吐ききったら、そこが隙になる。剣道で言うところの――息が尽きた所だ。そこが人が安心できる時だが、最も警戒しなければならない時でもある。

 剣道では、息を吸うとこれから動くという合図ともなる。

 

 

(作者が剣道部だったから、どうしてもその例えを出してしまうのです。許してね?)

 

 

 話が逸れたが、これらのサインを出し続けると負けてしまうから、強襲科はそれらを隠そうとする。その為の訓練を積む。

 

 しかし、一色にはそれがない。これは前に戦った間宮にも当てはまる。日が浅いから仕方ないと思うが。

 例えば蘭豹みたいな馬鹿力があればごり押せる。でも、そんなの当然俺たちにはない。だから攻撃を決めるために、極力動きを読ませずに、残りの切り札を切る。そこで勝利を手に入れる。

 

 長々と語っていたが、つまり何が言いたいかと言うと………………、

 

 

 ピィ――――――――、と留美の携帯からタイマーの音がする。

 

「…………ふぅ………。俺の勝ちだな」

 

「…………ハァ……ハァ……。つ、疲れたぁー」

 

 息切れを起こして倒れ込む一色の前で俺は不敵に笑う。………この一部分だけ切り取ると、犯罪臭がスゴいです。

 

 

 

 

 

 

 

 あれから数分経ち、互いに休憩をとっている。

 

 不知火と話していると、横から一色が、

 

「てゆーか、先輩。私に勝った時の表情が非常に気持ち悪かったです。あれですか、ゾンビなんですか?」

 

間宮の隣で足を広げストレッチしながら失礼なことを言ってくる。

 それと伸ばし方があざとい。いい感じに汗が太ももについてテカってるから。なんかエロいから。

 

「んなわけあるか」

 

 それ、前に留美にも言われたな。

 あれか「私の夢は不滅だァ――!!」って叫べばいいの?新比企谷八幡!って名乗ればいいの?土管から勢いよく飛び出ればいいの?そんなに俺ってデンジャラスなの?

 

 ちなみにゲームはコンテニューしてでもクリアする派です。ノーコンとかムリムリ。

 

「ところで、せんぱ~~い。アミカ……正確にはまだですけど、私にアドバイス下さい」

 

 俺のアホみたいな妄想が中断させられる。

 社長!あんたのツイート好きだぞ!「来週はゴルフ中継だ」最高に面白かったぞ。爆笑バイクもな。

 

 で、一色へのアドバイスねー。

 

「まずアレだな、体力つけろ」

 

「ですよね~~」

 

 フイっと目線を逸らす一色。

 

「それと、目先の目標としては、重心や目線をなるべく相手に悟られないようにすることだな。それができたら、呼吸のタイミングをずらすとかだな」

 

「呼吸ですか?」

 

 いきなり呼吸とか言われても分からんもんか…………。

 

「あぁ。呼吸ってのは接近していると、どのタイミングで動くかよく分かるんだよ。特に突発的に動こうとしたらな。大概の人間は息を吸いながら、攻撃しようとしたら上手くいかない。………例外はいるかもしれないけど」

 

 それを聞いてた特殊性癖軍団及び留美は実際に動いて確かめている。不知火はニコニコしながら話を聞いてる。

 

 走る時だって多分だけど息を吐いた方が1歩大きく踏み出せる。ハンマー投げの選手も投げる瞬間に大声を出すと聞いたことがある。剣道(またかよ)でも声を出しながら竹刀を振るう。

 

「それでな、息を吸うと一瞬硬直する場合もある。俺はそれらを見ながら相手の動きを予測した………って感じだ」

 

「なるほど………。伊達に強襲科で1年生き残っただけありますね」

 

「上からすぎない?」

 

「そこは気にしてはダメですよ」

 

「いや、普通に気にするわ」

 

「細かいですよぉ~~」  

 

 

 残り時間何をやろうかと思っていたら、トントンと誰かが俺の肩を叩く。

 

「比企谷先輩、少しお話いいですか?」

 

 間宮か。…………何だろ?

 

「分かった」

 

 間宮と一緒に体育館の隅に移動する。佐々木が睨んできたけど、気のせい気のせい。

 

「で、話って?」

 

 佐々木の視線が怖いので、なるべく合わせないよう間宮に尋ねる。

 

「えーっと……先ずは……ありがとうございました」

 

 間宮は綺麗にお辞儀する。

 

「お、えっ、ちょっと……?何がだ?」

 

 困惑するわ。いきなり頭下げられるとか………ドキドキします。

 

「1つ目は……去年の今頃の事件。覚えてますか?お台場での立て籠りの………」

 

「まあ、一応は」

 

 恐らく俺が初めて解決した事件。

 小町に何か頼まれて台場に行ったが、そこで………俺は初めて人を撃った事件。

 

「急に何でその話が?」

 

「いえ、その……あの時の人質私なんです」

 

「えっ?」

 

 …………そういえば、確かに茶髪の女子ってのは覚えていたが。

 

「それで先輩にここで初めて会った時にもしかしてと思いまして。少し調べたんですが、やっぱりそうだったんです」

 

「…………そうか」

 

 笑顔で話してくる間宮に対して、俺は短く答える。

 

 あの時は、顔までは心の整理が追い付かなくて覚えてなかったが……間宮だったのか。

 

「だから、改めて助けてくれてありがとうございました」

 

「ま、あそこで見捨てたら寝覚めが悪くなるし、妹に失望されたくないからな」

 

「アハハっ。………相変わらず捻くれてますね」

 

 互いに少し微笑む。間宮は明るい笑顔、俺は卑屈っぽい笑みを。

 あの時と似たような台詞を言い合う。 

 

「それと2つ目です。この前のアドバイスありがとうございました」

 

「アドバイス?」

 

「自分の守りたい、守るべき物は見失うな……ですよ」

 

 そんなことも言ったような。

 

「何かあったのか?」

 

「はい。夾竹桃っていう人と昔の因縁があって戦って…………」

 

 ……………知ってる名前が出てきたんですがそれは。イ・ウーの面子の毒女。それとこれはジャンヌに聞いたんだが、俺とジャンヌは同年代。そして夾竹桃は、俺らより年上、つまりオバs……………この先は怖いので言いません。

 

「あの毒女とね…………、勝ったのか」

 

「ご存じで?」

 

「ちょっとした知り合い程度の仲だ。特にこれといって親しくない」

 

「そうなんですか。あ、何とか勝てました。仲間の協力もあって」

 

「大したもんだな」

 

 実際そう思う。例えどうあれ夾竹桃はイ・ウーの1人だ。そいつを捕まえるとは。

 因縁とか言ってたし、間宮の出生は特殊なのだろうか?あの殺気の消し方も……………。あれだな、遠山や神崎、理子みたいにどっかの偉人とかだったりな。

 

「それで、あそこにいる志乃ちゃんが………夾竹桃の使っていたガトリングで撃たれた時に我を忘れて相討ちでもいいから殺す!……って頭によぎったんです」

 

 怖っ!女子ってみんなそうなの?…………と思っても俺は人のこと言えないんだよなぁ。その経験俺もあるし。

 

「その時、アリア先輩が言ってくれた『死んでいい実戦はない』と比企谷先輩のさっきの台詞を思い出せました。それで冷静になれて…………私の技を使って逮捕できました」

 

「そうか…………お疲れ様」

 

 それだけ伝えて、俺は間宮から離れた。俺を殺しそうな勢いの佐々木に会釈しながら。

 

 ――――少し嬉しかったのは内緒だ。

 

 

 

 

 そんなこんなで、残り時間を留美の相手をしたり、不知火とナイフの訓練したりと過ぎていき、放課後には教務科に行き、一色とのアミカ申請をした。

 

 蘭豹は何かニヤケ顔だった。俺が小悪魔みたいな後輩をアミカにしたからか?腹が立つ……が、あまりにも怖くてスルーした。地雷踏むのはゴメンだ。象と相撲する奴の相手はゴメンだね。

 

 平塚先生は涙を流していた。 ………誰か貰ってあげて!じゃないと、また熊さんが犠牲になるよ!この人はイライラが溜まると山に行き、熊をワンパンで仕留め、いい笑顔で帰ってくるらしい。…………恐ろしいわ。

 

 

 

 

 

 

 にしても、材木座。今日の昼にメンテ頼んで放課後には完了するって早すぎじゃね?いつも通り問題なんてなかったし。

 あいつ、安く色々引き受けてくれるから顧客案外多いのにな…………。感謝だな。

 

「八幡さん」

 

 …………少しでも現実逃避をしたい。もうしばらくボーッとしていいですか?

 

「八幡さん」

 

 ダメですか…………。と、隣にいるレキをチラッと見る。

 

 今現在、下校中です。校門で待っていたレキと。

 

「おう。どした?」

 

「何か話でもしましょうか」

 

「……………………おう」

 

「その間はなんですか?」

 

「別に………。明日は雨かなーって」

 

「予報ではそうらしいですよ」

 

 うん、知っている。かなりの大雨だとテレビで言ってたから。

 

「それで八幡さん、話なのですが」

 

「は、はい」

 

 ダメか。話を逸らせなかった。

 

「先程アミカをとったそうですね」

 

 情報伝わるの早いな。くそっ、留美か、ルミルミなのか。

 

「留美さんに教えてもらいました」

 

 留美でした………。

 

「というより、いつから連絡取り合ってたんだ?」

 

「連絡先を交換したのはこの前の始業式です」

 

「意外だな、なんか」

 

「そうでしょうか?」

 

「いや、小町の時もそうなんだが、留美とかの連絡を継続するイメージがない……みたいな?」

 

「小町さんとは月に何回かはメールでやり取りはしています。留美さんとは今日が初めてです。それで………八幡さん」

 

 あ、これ墓穴掘ったかも。だってレキの纏ってる空気が変わったもん。例えるなら、絶対零度みたいな?

 

 

 

 

 

 

 それからは、もう大変でした。

 俺が何を言っても聞いてもらえず、今日一色としたこと(ここだけ聞くと卑猥)をほとんど留美から報告を受けてたらしく、目線が痛かったです。

 

「そこで八幡さん」

 

 5分くらい続いたが、やっと話が終わるともう僚の近くまで来ていた。

 

「なんでしょうか………?」

 

 今の気分はあれだ、浮気とかの隠し事がバレた気分。

 親父はこんな経験とかしていたのだろうか。今度聞いてみよう。参考にできる部分があれば参考にする。

 

「報酬を1つ使っていいですか?」

 

 ………報酬?あぁ、あれか。理子の部屋に侵入してもらった時の3つの願い事……でしたっけ?

 

 別に無茶苦茶な内容ではないだほうと思っているがな。

 

「どんなだ?」

 

「これです」

 

 と、言うとレキはカバンから『ある物』を俺に見せてきた。

 

 それを見た俺は思わず絶句する。予想の斜め下を行き過ぎた。

 

 『ある物』を凝視しながら尋ねる。

 

「………マジか?」

 

「はい」

 

 即答である。滅茶苦茶無茶苦茶でした。……自分でも何言ってるか分からなぇ。

 

 しかし、レキの目は無表情だが、真剣。武偵は依頼は守らなきゃいけないし。武偵憲章にもあるし、仕方ない。ワガママに付き合おうじゃねーか。

 

 ――――なぁ、お姫さん。

 

「分かったよ。しかしまぁ――『あれ』を明日で用意できるか?」

 

「大丈夫ですよ。私がある程度やっておきましたから。正確には小町さんに頼んでご家族に手伝ってもらいましたが」

 

 おい、いつの間に俺の家族使ってんだよ……………。もう両親に誤魔化すの厳しいな。小町がバラしてるかも。

 

「じゃあ、明日行ってくるわ」

 

「お願いしますね」

 

 正面に移った微かに微笑んだレキは俺の目を見て頼んでくる。さすがにいきなりすぎとか理解はしてんだろうな。

 

「おう」

 

 軽く返事し、レキの頭を流れで撫でる。

 

 ………………。

 ……………………。

 …………………………えっ?撫でる?誰が?誰を。

 

 俺が、レキを撫でてる?

 

「お、おぅ……」

 

 本当に撫でてました。

 

 自分でも驚きだわ。まさかこんな行動に出るとは。手を繋ぐことはたまにあるけども、撫でたことは地味になかったので……ね。

 

 何このピュアなカップル。しかも自分でカップルとか言ってるし………。

 

「……………」

 

 レキは無反応かと思いきや、うつむいていて、表情が見えない。でも、耳はほんのり赤く染まっていることから照れてることが何となく分かる。

 そんな初々しい反応しないでよ。普通に俺も困っちゃう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――――翌日。

 

 午前中はモノレールに乗り、学園島から出て、台場や他の場所で用意するものをあらかた買ってきた。

 

 にしても、その日は予報通りの大雨だ。道行く人は全員傘を挿して、必死に雨から身を守っている。そういう俺も同じなんだがな。

 

 午後から登校した俺は、体育館の誰も気づかれないような隅の方に移動し、柔軟などを小一時間やった。

 

 放課後までの残り時間は射撃場に行った。そこに一色がいたので、射撃の指導をした。中々上手だったな。

 俺も左手で撃ってみたが、そこまで命中率は上がらない。やっぱ慣れだな。ちなみに左手メインで右手で支えながら撃ったら多少はマシになる。ホンマに多少レベル。関西弁なのはご愛嬌。

 

 余談だが、強襲科の訓練場に入るときって皆が「死ね」「死ね」だの言いまくるわけだが、俺言ったことも言われたこともありません。

 

 まともに話す強襲科の相手って不知火だけだったからな。不知火に「死ね」って言うのは何か違うわけだし。

 

 射撃レーンでも基本は隅っこで練習してる。だから、今日一色に教えた時は周りの視線が痛かった。あれだよ?同級生にも「あいつ誰?」って言われるレベルだからね?

 

 おかしいな。蘭豹や神崎と戦った時はそれなりに目立っていたと思ったのだが…………。

 

 

 

 放課後は戸塚と一緒に材木座に拳銃のメンテの仕方など詳しく教えてもらった。

 いやもう途中から専門的すぎて何言ってるか分からなくなってきた。知らねーよ、銃の細かい部品まで。何だよ、ファイアリングピンって。戸塚もポカンとなってたし。可愛い。

 

 

 

 

 そして、帰ろうと大雨が降っているので傘を挿しながら校門辺りまで歩くと…………、

 

 ――――ザリ!ザリ!ザリザリ…………――――

 

 ああ、着信変えるの忘れてた。そろそろ着信音変えるか。で、電話の相手は武藤か。

 

「もしもし」

 

『比企谷!今すぐ2―Aに来てくれ!』 

 

「……武藤か。何があった?」 

 

 大声で喚く武藤。こいつが大声を出すのは珍しいことではないが、何やらいつもと違う感じがする。

 

 ………もしかすると……、

 

『ハイジャックだ!神崎が巻き込まれた、なぜかキンジもいる!手伝ってくれ!』

 

 ………………理子…………。

 

「分かった、すぐ行く」

 

『悪い』

 

 

 

 

 

 

 そして、着いたわけだが、そこには生徒が複数、中心には不知火と武藤。武藤はどこかに連絡しているのか?てゆーか、みんな焦りすぎだろ……………。そこまでヒドイのか?

 

「不知火」

 

「比企谷君。来たんだね」

 

「状況は?」

 

「現在、ジェット機のエンジンがミサイル攻撃で壊され、神崎さんと遠山君が操作している。パイロットは負傷しているらしい…………」

 

「お、おぉ………」

 

「クソッ!キンジ!?おい!………切れたか…………チクショウ!お、来たか!比企谷」

 

 武藤が無線機から手を放すと、俺を手招きしている。

 

「ヤバいんだよ。この状況」

 

「不知火から聞いたが他にもあるのか?」

 

「ああ。あのジェット機が今着陸できそうな空港は羽田だけだ。だが、防衛省が着陸するなら……恐らくだが撃ち落とすってな」

 

 それは………予想以上にヤバいな。十中八九、本土の犠牲者を少なくさせるためだろうな。だが、それでは乗客が危ない。こっちは武偵法の縛りもあるんだよ。

 

「遠山は?」

 

「一旦通信が途切れた。今通信科の中空知がどうにかしてる。けど、時間がない……せめてキンジがどうするか知れれば……。比企谷、お前なら分かるか?」

 

「ちょっと考えさせてくれ」

 

 それだけ言い、目を瞑る。

 

 

 

 

 

 ――――雑音はシャットアウトして。

 

 

 

 

 

 

 さぁ、状況を整理しよう。

 

 ハイジャック。したのは武偵殺しの理子。だが、遠山たちに飛行機の操作を許しているということは逃走しているな。負けたのか?

 まぁ、近くにイ・ウーでもあるかもしれないから拾ってもらったのか………。って、そうだとしたら、エンジンの損傷……多分イ・ウーからのお土産ミサイルだな。

 

 理子を退けたということは、遠山はHSSの可能性が高い。そうでなければ、普通に死ぬ。遠山は知らない理子の超能力の奇襲もあるからな。神崎でなったのか………。そこは考えるのは止めとこう。

 

 つまり、女を守るためにイカれた考えを実行するかもしれない。いや、する。それが遠山キンジのHSSだ。

 

 

 

 俺は手に持っていたマッ缶を飲む。あぁ、いい感じの甘さが頭に染み渡る。

 

 さて、あいつの――遠山キンジの立場で考えろ。頭を回せ。同じ思考になれ。

 

 羽田は防衛省のせいで無理。ならば、別の場所。だが、東京本土では着陸できそうな場所はない。

 なら、東京本土以外………近くにあるのは埋立地やメガフロート。それらはここ東京武偵高校、しいては学園島も当てはまる。

 

「………ん?」

 

 何か……閃きそうだ。

 

「なぁ武藤、着陸するのに距離はおおよそ?」

 

 武藤はレキからの通信を受け取ると、

 

「今の風だと、ざっと計算して2050以上はいる」

 

 窓を除くと、ビュービュー、ザァーザァーと、雨と風の音がうるさい。まるで嵐だ。

 

 そうなると残る選択肢は………………、

 

「武藤、お前の力で何でもいいからライトを……空き地島にかき集めてくれ。あそこなら対角線に突っ込めばいけるはずだ」

 

 ――――空き地島。それはレインボーブリッジを挟んだ北側に位置している人工浮島、メガフロートだ。あそこには何もない。建物すらない。せいぜい風車があるくらい。

 

「空き地島だと!?………なるほど。だが、ダメだ。地面が雨で濡れてる。さっきは2050とか言ったが、本来止まるのにもっと距離が必要だ!あそこではどうしても足りない、危険すぎるだろ、不可能だ!」

 

 …………そうか、この天気だと滑走路の地面の状況も考慮に入れないといけないのか。

 

 ――――でも、大丈夫だ。

 

「今のあいつはイカれた考えしか持たない。あいつならきっとそうするしどうにかするからよ。…………急げ」

 

 胸ぐらを掴みながら、軽く殺気を放出する。

 

 こいつ誰だよ感がスゴいな、俺よ。

 

「――――ッ。……ああ、もう分かった!無許可で取り出すから責任は空の2人に任せるぞ。あとでキンジ共々轢いてやる!」  

 

「あっ、ちょ!」

 

 1歩下がると、武藤は頭をガシガシと掻きむしり、俺を押す。それからクラスにいる奴らを連れていった。不知火もついていき、教室に残ったのは――俺独り。

 

 ………マジですか。

 

「そこで置いていくのかよ。今の完全に俺も手伝う流れだよな………………」

 

 あ、もしこれで遠山が違う選択肢を選んだらヤバいよな。まだ通信繋がらねーのか?

 

 さっきまで武藤が持っていた携帯を手にすると、いきなり震えた。あ、もしかして、

 

「もしもーし」

 

『その声………比企谷か!?』

 

 やっぱり遠山だ。ふー、良かった、繋がったのか。

 

「………ハロー、ワールド。グッドモーニング、チバ。お空の旅はどんな気分だ?」

 

『ハハッ。1人なら最悪だが、隣にアリアがいるとね…………最高だよ。あとその台詞何だ?』

 

『ハァ!?何言ってんのよ、バカキンジ!』

 

 元気そうな神崎の声も聞こえるな。お熱いことで。

 

「お元気そうでなによりだ。ところで遠山、《その》状態のお前なら多分この解決法思い付いてんじゃねーの?あとさっきの台詞は適当だ」

 

『…………どういうことだ?比企谷、何を知ってる?』

 

 あ、言ってしまったな。隠し通すのは難しいし、いずれは言わなきゃいけないしな。カナのこともあるし。

 今の……とかにしとけば良かったかな?もう、いいけど。時既にお寿司、ではなく、遅しってやつだ。

 

「その話はまた今度にしよーぜ。ある程度は話すからよ。……………タブンネ」

 

『時間がないしな………分かった。多分じゃなくてちゃんと話せよ』

 

 あ、これで話しないといけないのか。うーん、カナの話をされたら誤魔化すか。

 

「で、だ。今からせーのでどこに着陸するか言おーぜ」

 

『あぁ』

 

「じゃあ……せーの」

 

「『空き地島』」

 

 見事に2人の声が重なる。やっぱりイカれた考えをお持ちで。互いにな。

 

「つーことで、迷わず行け。武偵憲章一条がどーのこーのだ」

 

『……そうか、なるほど。もう武藤を手回しでもしたのか。流石に仕事が早いな』

 

 流石に察するの早いな。

 

「そーゆーことだ。あとは当たって砕けろ」

 

『八幡、あんたね……砕けちゃ意味ないでしょ!』

 

 冗談を言ったら神崎にお小言貰った。解せぬ。

 

「じゃ、一旦通信切るわ。またな」

 

『またな、比企谷。話忘れないでくれよ』

 

「へいへい」

 

『また後でよ!八幡!』

 

「うーい」

 

 ここで、遠山たちと通信は切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 そして、時間は経ち、ハイジャックから2日後。

 

 遠山と神崎は無事に乗客を守ることに成功した。

 理子がどうなったかは知らないが、まあ生きてるだろう。というより生きてる。だってハイジャックの翌日にメール来たもん。

 

 まあ、遠山との会話とかそこら辺りの話は次にでも話そうか。今、重要すべきなのはそこではない。

 

 …………本当にそこではないんだよ。今の状況、泣きたくなるから。

 

 

 

 

 

「行きますよ。八幡さん」

 

「仰せのままに。お姫様」

 

 俺とレキは互いのキャリーバッグを引きながらある場所を歩く。俺はイ・ウーから貰ったコートを。レキは武偵高の制服を。

 

「あっつ……」

 

 そこでは大勢の人が日本語だの中国語だの色んな言語を話している。だが、ほとんど聞き取れない。要するに俺からしたら外人さんが多い。何言ってるかさっぱりだわ。

 

 だって俺、日本語と少しの英語しか喋れないからな。

 

 

 あ、そうそう、ここの座標は調べると――――北緯47度50分35秒 東経106度45分59秒 / 北緯47.84306度 東経106.76639度………に位置する……らしいです、はい。

 

 言われても分からんから、参考にすると、日本の標準時子午線は明石で、東経135度。つまり、俺は今、日本から西にいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 纏めると、ここの場所の名前はというと…………『チンギスハーン国際空港』だ。

 

 俺が今、立っているこの国は我が愛しの日本ではなく、レキの故郷――――――――モンゴルだ。

 

 

「ハァ…………どうしてこうなった。パート……どんぐらいだっけ?帰りたーい、特に暖かい部屋なんて待ってないけど。待ってるのは硝煙の世界だけど」

 

 ブツブツぼやきながら、俺とレキは空港を歩く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




補足です!レキとの会話の件での「ある物」は飛行機のチケット。「あれ」はパスポートです。



この話を持ちまして、しばらくは投稿は停止します…………。もしかしたら、年末に出すかも……いや、ないな。
感想とかはいつでもどうぞ。きちんと反応しますから!むしろ高評価と感想下さい!!

――――目指せ関西大学!!

では皆さん、ばいちっ!


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