お気に入り400、
感想20件突破!!
読者に感謝ばかりです
これからもよろしくお願いいたします
「俺らの勝ちを祝してカンパーイ!!」
武藤が元気よく言った。
「うん、乾杯」
「………乾杯」
「…………」
不知火はいつも通りに、とこやま遠山は小声で、続けて言う。
え?俺だけ何も言ってない?まぁな、だって俺だぜ?
さすがに武藤が、
「お前らテンション上げろよ!せっかくの祝勝会だぜ、わざわざ台場まで来てるのに」
……そら怒るわな。だが、俺にだって言い分がある。
「俺疲れた、ちょー疲れた。何で台場まで来たんだよ。そこらにあるファミレスでいいじゃねぇかよ」
「比企谷に同じく」
ですよねー。やはり俺も遠山もどことなく共感できる部分がある。
「まあまあ、遠山君に比企谷君。たまにはいいじゃないか」
不知火お前、その場をなだめるの上手だな。やはりイケメンは違うのか、イケメン死すべし。
それよりも今言うべきことがある。
「打ち上げは別に良しとしよう。………だけどなんで部外者もいるんだ?なあ、星伽さんに峰理子にレキなぜいる?」
別に星伽さんはいてもいいと思うよ。でも、敵チームの2人はここにいる理由がわからない。
「そんなこと言わないで下さい、比企谷さん。せっかくキンちゃんとご一緒できるから…………」
ちっ、このリア充が……。羨ましい。
「まあまあいいじゃない、ハチハチ~。気にするなって」
「おい、ハチハチって俺のことか?峰さん」
そんな不名誉なあだ名つけるなよ。
「ハチハチ~、私のことは理子でいいよ。武偵が名前で呼び合うのはおかしいことじゃないよ?」
「へー……。そうなのか?遠山」
「確かにそんな話も聞いたことがあるな。名字だと色々悪用されたりするって」
武偵もそういうところ深いな。
「でもまぁ、呼ばないけど。……で、レキはなんでいるの?」
「ちょっと待った!ハチハチ。どうしてレキは名前で呼んでるの?」
「だって苗字知らないし。で、レキの苗字って何?」
「私に苗字はありません」
うわ……。怪しさ満天だな。武偵高ってそこら辺り適当だよ。しっかりしろよ。
「気にすんなって、比企谷。ここは楽しもうぜ」
武藤、俺が馬鹿騒ぎするやつに見えるのか?もし見えるなら、お前の目は節穴か?節穴だな。
「ハチハチ~、そんなに目を腐らせないで。そ、れ、で、聞きたいことがあるんだけど」
駄目だ、峰のテンションについていけない。
「あ?何だ?」
「え~っとね、どうやってあのレキに近づけたの?」
峰が一瞬まるで、獲物を狩るような目になった気がした。だけど、すぐに戻った。
「あえて言うなら俺にしか出来ない技だ」
カッコつけて言う。そしたら、今度は遠山が、
「そういうのいいから、一体どうやったらあんなに気配消せるんだ?」
えっ?物好きだな、そんなに特別でもないぞ。
「小学生と中学生の前半イジメにイジメられてたんだよ。そして、極力目立たないように過ごしてきた。その結果がこのステルスだ」
「なんか……ゴメン、比企谷」
「私もゴメンね、アハハ」
誰だ?空気重くしたのは。…………ハイ、俺ですね、すみませんでした。
「ところでハチハチ~、それって私にも使えたりする?」
峰にも使えるか?そんなの答えは決まっている。
「無理だ」
「え~!なんで~!!そんなこと言う子にはプンプンガオーだぞー」
両手で角を作ってなんかしてる。
……こういうのは男受けいいんだろうが、俺からしたらハイハイ、あざといあざとい。ぐらいの感想しか出ない」
「私はあざとくないよ!」
「あれ?声出てた?」
「比企谷、ガッツリ出してたぞ」
武藤が突っ込みを入れる。マジか。
「峰、話の続きしていいか?」
とりあえず続けていいか確認をとる
「あ、どうぞどうぞ~」
「簡単な話だ、峰は客観的に見て可愛い部類に入る。その点俺は目が腐ってる、基本空気と同化している。そんなやつだから使える芸当なんだよ」
峰は顔を赤くしながら、
「ハチハチも言うねっ、可愛いとか。くふふっ」
「俺は客観的に見てと言った。つまり俺自身はお前のことを可愛いと言ってない」
俺はお前を可愛いとは感じない。
なぜなら………
峰理子よ、お前は他人には見せないような仮面を被っているように見える。かなり異質な仮面。
自分を騙して、別の自分を演じて楽しいか?そんな生活に意味はあるのか?
俺からしたら全然楽しくない。自分をそこまで偽ることは過去の自分を肯定できてない証拠だ。
なぜそこまでして過去の自分を否定する必要がある?
とはいえ俺はお前の過去を知らないから知ったような口は聞けないけどな、知る気もないし。これが間違っているかもしれないし。
それに峰が可愛いなら小町のほうが何倍も可愛いね。はぁ………あの笑顔に癒されたい
「そんなに照れなくていいのに。でも、なるほどねやっぱり私には無理かー」
うん、本当に苦手ですよ、この子の相手するの。
今更なんだがこれが峰と話すの初めてなんだけどね。
「まあ、今回は色々と武藤を頼りにしたけど。レキの索敵とか囮とか」
少し話をそらしてみる。
「そーだぜ、比企谷。レキの攻撃なんとか避けたと思ったら、何故かワッペン壊れたんだけど」
お、乗ってきたな。
「そーだ比企谷。お前何か奢れよ」
「……はあ?何でだよ武藤。結局武藤の囮は成功しただろ。轢かれる理由も奢る理由もない」
「うっせー、いいから奢れ轢くぞ」
理不尽な。
「金欠なんで止めて下さい」
「ちっ、しゃーねーな。今回は比企谷の活躍に免じて見逃してやるよ」
なんという上から目線、腹立たしい。
絶対武藤には奢らないと心に誓った。あとでラーメンくらいなら奢るけど。
そして、完璧に話をそらせたな。面倒事はゴメンだぞ。
今までのレキの反応は…………特になし。
せっかく台場にいるのにカロリーメイト食べている。
甘党、トマト嫌いの俺が言えたことではないけど栄養バランス悪すぎだ。兄として生きてきたから心配になってくる。
ま、余計なお世話だと思うだろ。
こうして打ち上げが進んでいく。こういうのは初めてだけど、案外楽しいもんだ。
しかし問題が1つ。
それは時折レキの視線を感じることだ。
自意識過剰とかじゃなくてチラッとレキを見ると確実に俺のことを見ている。教室でも見られている時がある。
え?俺のこと好きなの?レキ可愛いし、勝手に勘違いして告白して振られちゃうよ。いや、やっぱり振られるのか。
ん?………そういえばレキの表情が動いたところ見たことねーわ
俺ですら笑ったり目を腐らせたり泣いたり目を腐らせたりするのに……(大事なことなので2回言いました)。
今、気づいたが、もうグループが作られている。
どうしよう?周りのやつらの会話に入れる度胸ないし、遠山は星伽さんとイチャイチャしてるし俺とレキだけ取り残されてる。
だから話しかけられたら適当に返事するぐらいしかやることない。
もう……いいや…………。
いつもの事だし、べ、別に寂しいとか思ってないんだからね!!
うん、普通にキモい。男のツンデレとか誰得だよ、需要ねーだろ。
あのあとボーっとしてたら武藤の解散の号令で皆帰ってた
残ったのは俺とレキだけだ。まあ、ここは挨拶しとくか
「じゃあな、レキ」
「はい、では、また」
また……か。なんだかすぐに会いそうな予感がするな。
ー翌日ー
カルテットは平日全て使って行われる。俺たちは月曜日に行われた。つまりだ、残り4日間は休みというわけになる。
ちょーエキサイティング!
朝起きると遠山が、
「武藤と不知火で金曜日まで旅行行ってくる」
うん、当然俺は入ってないんだな。誘われても行かんが。
「遠山さ、そいつら以外に知り合いいないのか?」
「お前な、それ特大ブーメランだからな」
ですよね。……わかってるよそんなことは!
「はいよ、いってらっしゃい。お土産よろしく」
「ああ、わかった。行ってくる」
遠山、ナイス!これでしばらくの間1人でだらだら出来る。ここは楽園ですか?そうですか、わっははははは。
とりあえずコンビニで朝ごはん買うか。
適当にパンを買って帰ろうとする。
――――すると、後ろから。
「おはようございます」
「うっひゃあ!」
レキの声がした。
ビックリした、急に声かけないでよ。ぼっちにはかなりダメージデカイんだよ、
ソースは作者。いや………作者ってなんだよ
「あ、うん。おはようございます、レキさん。何か御用ですか?ないならすぐに帰って寝たいんですけど」
俺は心底面倒くさそうな表情をする。
しかしレキは無表情でこう返した。
「単刀直入に言います。比企谷八幡さん、私はあなたのことを知りに来ました」
ファッ!?
なんか長くなった
勢いでこうなった、
後悔もしないし反省もしない