比企谷八幡と一色いろはの話   作:のこのこのこのこ

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八幡告白編①

【火曜日】

 

早朝 グラウンド 

 

 

戸部「な、なんだよいろはす~。朝練始まるゼー?」

 

いろは「戸部先輩。この間のことを話してもらってもいいですか?」

 

いろは「ならべく詳しくお願いします」

 

戸部「俺何か話したっケー?」

 

いろは「は?」

 

戸部「え」

 

いろは「やだなー。海老名先輩の事に決まってるじゃないですかぁー」

 

戸部「ちょ、いろはすそんな俺の恋バナ聞きたいのかよ~」

 

いろは「戸部先輩のことはどうでもいいです」シラー

 

いろは「ひ、き、が、や先輩のことです」

 

戸部「あ~ヒキタニくんのことナ~」

 

いろは「教えて下さい」

 

戸部「実はサーアー?」

 

 

朝 昇降口

 

 

いろは「せーんぱいっ!」

 

八幡「おう、朝からあざといな」

 

いろは「第一声がそれってどうなんですかねぇー」

 

八幡「安心しろ、褒めてるぞ」

 

いろは「本当ですかー?」

 

八幡「ああ。俺の中では最上級に褒めてるつもりだ」

 

いろは「ならいいです」

 

八幡(いいのかよ、ちょっとチョロくないですかね)

 

 

いろは「あ、そうだ先輩」

 

八幡「なんだ」

 

いろは「今日もお昼は生徒会室でお願いします」

 

八幡「またか」

 

いろは「はい、お昼作ってきました」

 

八幡「毎日大変だろ、気つかわなくていいんだぞ」

 

いろは「先輩が気を使うと気持ち悪いですね...」

 

八幡「それは悪かったな」

 

いろは「今日は聞きたいこともあったので気にしないでください」

 

八幡「聞きたいこと?」

 

いろは「海老名先輩のことに決まってますよね?」ボソッ

 

八幡(笑顔のままよくそんな怖い声出せますよね)ゾクッ

 

 

八幡「...また昼に行けばいいんだな」

 

いろは「はい!それではっ、よろしくですっ」テヘッ

 

八幡(なんだよくそ、かわいいなお前)

 

 

教室

 

 

隼人「やあ、おはよう」

 

八幡「おう」

 

隼人「昨日、いろはが報告しに来たぞ」

 

八幡「そうか」

 

隼人「知ってたのか?」

 

八幡「なんとなくな。予想はしてた」

 

隼人「...君たちは変わったよな」フッ

 

八幡「そんなことないだろ...」

 

 

戸部「ちょっとヒキタニく~ん!朝からいろはすが怖かったんだけど~」

 

隼人「と、戸部。おはよう」

 

八幡「なにこいつ。え、仲良かったっけ?」

 

戸部「ひどくね~。俺とヒキタニくんの仲じゃ~ん?」

 

八幡(どんな仲だったか記憶にございません。やだ俺、政治家っぽい)

 

 

姫菜「ねえねえねえ!三人最近仲良いよね!」

 

姫菜「一体どんな素敵なことがあったのかなあ??」

 

 

戸部「マジ最近俺たちマブダチっつーかー?」

 

戸部「一心同体っつーかぁー?」

 

姫菜「一心..どう...ぐはぁ!」バタッ

 

 

結衣「やっはろー...って姫菜!?大丈夫!?」

 

優美子「あーまた病気がでたんしょ?ほらティッシュ」

 

姫菜「ぐふふふふふ。朝から良いものが見れたよ」

 

優美子「あんたさー。倒れるならあーし達がいるときにしてくんない?世話できないっしょ」

 

八幡(あーしさんかっけえな)

 

 

結衣「あ、ヒッキー...」

 

八幡「おう。...おはよう」

 

結衣「え?えぇ!」

 

八幡「なんだよ」

 

結衣「いまヒッキーあいさつした!」

 

八幡「空耳だ」

 

結衣「いやなんで嘘つくし!」

 

八幡「お前こそ、いつものはろはろ~はどうしたんだよ」

 

結衣「それ姫菜のだし!ヒッキーまじ最悪!」

 

 

戸塚「おはよー。二人とも、朝から仲良いね」クスクス

 

結衣「あ、彩ちゃんヤッハロー!」

 

戸塚「なんだか今日は八幡の周りがにぎやかだー」

 

八幡「ああ、なんだってこんな辱めを...」

 

戸塚「楽しそうでいいね!」キラキラ

 

八幡「ああ最高の朝だな」キリッ

 

結衣「うわー」ヒキー

 

 

平塚「ほら、HR始めるぞ席につけー...え?」

 

ワイワイガヤガヤ

 

八幡「...」

 

平塚「...」

 

平塚「比企谷、お前...」ウルッ

 

八幡「え?」

 

平塚「そうか、ついに、ついにお前にも...くっ、仕事中でなければ今すぐ祝杯を挙げたい気分だ」

 

八幡(大丈夫かよこの人。てか俺ってそんなに心配されてたの?やべえな息子かよ)

 

 

戸部「...それでサーアー。ヒキタニくん、彼女に何とか言っといてくんない?」

 

平塚「.....ん?」

 

八幡(戸部の馬鹿野郎)

 

 

結衣「と、戸部ッチ!それ一応黙っといた方がいいかも!」アセアセ

 

戸部「なんでよ?報告しに来たってことは公認じゃね?」

 

 

姫菜「へー!比企谷くん彼女できたんだー!」

 

優美子「まじで?物好きなやつもいんのね」

 

結衣「ほらーバレちゃったよー」

 

 

八幡(違うな由比ヶ浜。本当の恐怖はそこにはない)

 

 

平塚「そうか。比企谷に彼女.....彼女?彼女だと.....」

 

八幡「せ、先生。HRを...」

 

平塚「HRを終わる!比企谷はあとで職員室まで来い!!」バタンッ

 

八幡「まじかよあの人。むちゃくちゃだろ」ボーゼン

 

戸塚「が、がんばってね八幡」ハハッ

 

八幡(ああ、心のオアシス戸塚)

 

 

昼休み 生徒会室

 

 

いろは「せんぱいっ!」ドンッ

 

八幡「....なんだ」

 

いろは「やだなーわかってますよねー?」

 

八幡(こわい。いろはすこわい!)

 

 

八幡「海老名さんのことなら、依頼でしただけだぞ」

 

いろは「あーそんなこと言ってましたね」

 

八幡「悪いがこれ以上は言えない」

 

いろは「えーなんでですかぁー」

 

八幡「守秘義務ってやつだ」

 

いろは「仕事嫌いの先輩がよくそんなこと言えましたね」ムスゥ

 

八幡「自分でも驚いている」

 

 

いろは「まあ、いいです」

 

いろは「先輩の事ですから、大体想像できますし」

 

八幡「ありが...」

 

いろは「問題はそこじゃありません!」バンッ

 

八幡「なんだよ」

 

いろは「せんぱい。私に告白してませんよね?」

 

八幡「は?しただろ」

 

いろは「メールですよねぇ。しかも成り行きですよねぇ!」

 

八幡「それに何か問題があるのか?」

 

いろは「大ありですよ!ロマンチックの欠片もないじゃないですかぁー!」

 

八幡「まて、よく聞け一色」

 

八幡「そもそも、そのロマンチックな告白と言うものが間違っているのではないだろうか」

 

八幡「時にマスメディア、時に大衆が作りだした...」

 

いろは「そういうのいいですから」シラー

 

八幡「ごめんなさい」

 

いろは「依頼とはいえ海老名先輩にはしてるなんてズルイですよ...」ボソッ

 

 

八幡「わかったよ。どうして欲しい?」

 

いろは「決まってるじゃないですかぁー!告白して下さい」

 

八幡「え、ここで?」

 

いろは「は?本気ですか?」

 

八幡「いやお前がいったんだろ」

 

いろは「違いますよぉー。放課後、一緒に帰って下さい」

 

八幡「なるほど、そこでしろと」

 

いろは「はい。せんぱいに任せます。」

 

八幡(それは男のレベルを測っているとみていいんですよね)

 

 

八幡「お、おう。任せておけ」

 

いろは「うわー頼れるー」

 

 

八幡(さて、どうしましょう。清々しいほどに自信がない)

 

八幡「...聞いてみるか」ボソッ

 


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