モモンガさん、世界征服しないってよ   作:用具 操十雄

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時間外労働

ヤトはナザリックに帰還し、デミウルゴスに八本指が所有している鉱山の調査を任せ、執務室に向かった。

待ち構えていたご立腹なアインズにしばらく踏みつけられ、ラキュースと共に説教を食らう羽目になった。

相変わらず人の姿で正座させられたが、眠気が解消せずに居眠りをしてしまい、説教時間が伸びた。

 

レベルアップ・神殿の調査・食料の供給、農園の開拓に必要なデータの依頼を指示され、疲れた二人は王都へと追い返された。

 

半分眠りながら、ラキュースに肩を借りて歩く。

「眠い……あんなに踏んづけなくてもいいのに」

「余計な事をいうから、そうなるのです。」

とばっちりでいらぬ説教を受けた彼女は、迂闊な物言いをした旦那を責めていた。

「うん……ごめん……ラキ」

 

 邸宅に着くなり、朝まで泥のように眠った。

 

 

 

 

翌日、ガガーランとティナは名指しの仕事をこなすため、王都を離れていった。

 

入れ違いでエ・ランテルから帰還したイビルアイとティアは、王宮執務室に呼び出しを食らう。

正座させられた苦い経験から二人にも強要しようかと思ったが、可哀想なので諦めた。

 

「イビルアイ、ティアはエ・ランテルに出入り禁止!」

ヤトは人差し指を突き出して、声高らかに命じた。

心の中でズキューン!と叫ぶ。

 

ラキュースはラナーと共に昼食を摂っており、席を外していた。

 

「……え?」

吸血姫なのにイビルアイの血の気が引く。

仮面をかけた彼女の動揺は、ゴロツキっぽい雰囲気の彼には伝わらない。

「不満、なぜピュアな私が出禁になる。」

ティアはいつも通りだった。

 

「騒がしいと苦情が来ている。これ以上、無理にゴリ押しするとモモンに嫌われるから、ほとぼりが冷めるのを待て。」

「……わかった」

小さな肩が更に狭くなっている彼女に、少し可哀想かなと思う。

だが、ヤトも上司(アインズ)に踏みつけられながら指示された内容であり、余計な恩赦をかけて同じ目に遭うのは御免被りたかった。

 

「何故ピュアな――」

「ティアは単独で騒がしい。少し大人しくしていなさい。」

「はーい。」

「……本当にわかったのか?」

目を細めて疑いの視線で見る。

見た目が小さくて子供っぽい彼女は、不貞腐れた子供に見える。

他の何者にも見えない。

「子供にしか見えんな……」

 

「見た目は子供、中身は大人、一部は女。」

「やかましい。どこで覚えたんだ、そんな下ネタ。つーわけで、二人はしばらく王宮で騎士たちと修業しなさい」

「どうして?」

「頑張ったらナザリックのメイド達と遊ばせてやるぞ。」

「……わかった、鬼旦那」

口元は隠されているが、頬を膨らませ唇を尖らせているだろう。

 

「レベルアップして強くなったら出禁解除の要請をしてやるから。それまで頑張れ。」

暗い二人をガゼフとブレインに託し、ザナック勉強会に戻った。

 

 

 

翌日、王宮執務室にてザナック、ラナーと打合せをしていた。

背後ではラキュースが、姿勢よく座っている。

冒険者を休業中である彼女の仕事は、気楽な付き添いだった。

 

 エイトエッジ・アサシンが、早朝に新しく作ったラキュースの装備品を届けてくれた。

この日、二人の様子はどこか上の空だった。

 

「食料需給率を、調べて欲しい。」

「どこのでしょうか?」

向かいに座るラナーが不思議そうに尋ねた。

 

「どこ……王都でいいんじゃない」

「王都全体の食料自給率(・・・)ですね。明日には調べられるでしょう。」

「ん、よろしく。」

「あなた、需給率ではなく自供率です。」

「ラキュース、自給率よ。」

「ごめんなさい……」

恥ずかしそうに俯いた。

 

ラナーはため息を吐く。

「二人とも上の空ですが、何かあったのですか?」

「い、いや、なんでもない。すみません」

申し訳なさそうに、支配者が頭を下げた。

後ろのラキュースも言葉なく礼をしていた。

 

「あーごめん、王都じゃなくて支配地域のだった。王都とレェブン侯領、エ・ランテルだな。」

「……すぐに調べましょう。お兄様、レェブン侯を呼び出して下さい」

「……私がやるのか?」

 それまで黙っていたザナックは、眉間を押さえて首を振る。

 

「はい、お願いします。お兄様。」

笑っているラナーに押し切られた。

 

二人はどこか上の空で、明らかに別の事を考えていた。

 

ラナーは業務に支障がないので、そのまま指摘もしなかった。

クライムの調教に考えが逸れる自分が、二人を責められないのだ。

 

 

「で、次はなんだっけ?」

「神殿へ行く予定です。」

「面倒だね……」

「そうですね……」

「踏みつけられるの怖いなぁ……」

「私は先に帰っても」

「ダメだよ、どこ行くにも一緒だろ。」

一人だけ逃げるなと、思っても口に出さなかった。

「仕方ないですわね……」

背中から哀愁を漂わせる二人は、神殿へ向かった。

 

 

 

アンデッドを不倶戴天の敵と断定する神殿勢力の考えは、アインズとしても早めに把握しておきたかった。

 

下手な刺激をするとスレイン法国と戦争に向けて動き出しかねない。

警戒中の漆黒聖典も参加する事になり、必然的に評議国を巻き込んだ血で血を洗う戦争になるだろう。

それほどに重要な内容であるにもかかわらず、二人のやる気は無かった。

 

 ナザリックの爪の垢程度に綺麗な神殿に着くと、神官が不快な顔を隠しもせずに出てくる。

 

 

「……何か?」

「神官長と話がしたい、連れてきてくれますかね。」

「……」

若い神官は、露骨に帰れという空気を出していた。

悍ましいアンデッドに与する者として敵視されている。

法国への忠誠心が高いのだろう。

 

無言で通された応接間では、年配の神官がソファーに腰かけて待っていた。

「神官長様、お久しぶりです。アルべイン家のラキュースですわ。」

「分かっているよ。水神への信仰は絶やしていないかね。」

「そのことですが、洗礼名を外させて頂こうと思いまして。」

「そちらの魔導王陛下の友人であるヤトノカミ殿の影響だね?」

「はい、水神様は夫と同じプレイヤー様と判明しましたので。」

 

「……ヤトノカミ殿……いや、ヤトノカミ様」

「はい?」

突然こちらに話題を振られ、鳩が豆鉄砲を食ったような顔になる。

まだ一悶着あると思っていた。

 

法国にとっての異形種とは、完全に異端であり唾棄すべき存在だ。

 たとえ六大神であるスルシャーナを信仰していても、それを公衆の面前で話す事も憚られる。

王都の神官長は、敬虔なスルシャーナ信仰者だった。

 

「彼の御方、魔導王陛下は……スルシャーナ様なのだろうか?」

表情を変えまいと必死だったが、明らかに未知への好奇心により興奮している。

こちらがありのままの彼に見えた。

周りに部下がいれば、ここまで豹変しなかったに違いない。

 

 スルシャーナって六大神のオーバーロードだったよな……? よく知らないけど。

 

「正直に言わせて頂くと、違います。魔導王であるアインズ・ウール・ゴウンは、スルシャーナとは同種族です。」

「なんだって!?そんな事があり得るのか!?」

 

別に隠せと言われてないからいいよな?

 

頭に浮かんだ怖い上司の顔を振り払う。

「スルシャーナも、六大神も、八欲王も、我々も、全てがプレイヤーと呼ばれる存在であり、全員が同じ世界からこちらに飛ばされています。」

「……」

空いた口が塞がらない彼を気にせず、今までの常識を破壊し続ける。

法国の末端である神殿には、ここまでの情報は回っていない。

「やっぱり知らないんでスね。まぁ……ここまでは法国も教えないでしょうからねぇ」

 

ここで身を乗り出し、本題に入った。

「神殿は魔導国の支配下に入って下さい。」

「……それは……ちと難しいですな。いや、反発するわけではないのですが」

「法国の支配下ですから仕方ないッスね。興味はありまス?」

「はい。」

「腹割って話しましょうよ、神殿長さん。」

「あなた、神官長よ。」

訂正した彼女も“様”を付けるのを忘れていた。

 

「……神官長殿。何かご希望の条件があるんじゃないスか?」

「式典で支配下にしていたアンデッドについて教えて頂きたい。」

「デスナイト、魂食い(ソウルイーター)、どっちですか?」

「両方です。あれらのアンデッドは、スル……魔導王陛下が支配しているのですか?」

「支配はしていますが、アインズさんが創ったアンデッドですね。」

「創った!? 伝説に謳われるアンデッドを!? そこまでの魔力が……それでは神と同格ではありませんか」

「そーですね。」

「そうですね。」

二人は事も無げに肯定したが、神官長は足元が崩れた。

口は開いたまま閉じていなかった。

 

崩壊しつつある常識は、僅かな時間で順調に瓦解を続けており、存在意義(アイデンティティー)まで手を伸ばす。

「創造したアンデッドを、我らが使役する事も可能ですか?」

「アンデッドが欲しいんですか?」

「……」

立場を考えると素直に肯定できず、歯を食いしばって耐えていた。

真面目な宗教家として、自制して働く神官長が可哀想になった。

ヤトは独り言として続ける。

 

 

「アインズさんはアンデッドを創る事ができて、それを誰かに渡すことが造作もなくできる人なんだよねー。カルネ村ではデスナイトを二体渡しているしー。デスナイトが大人しく農作業や資材運搬を村人と協力しているところをみると、最初に出した命令には絶対服従なんだろうね。私も欲しいって人がいれば、絶対の忠誠を誓えば、もしかしたらー可能かもしれないなー。ねえ、ラキュース」

「そうですね、あなた。」

「……」

理性的な彼はまだ歯をくいしばって耐えている。

 

 

「神官長、どうします?デスナイトだったらすぐにくれるかもしれませんよ。」

魂食い(ソウルイーター)……魂食い(ソウルイーター)を頂けるには、どうすればよいだろうか?」

「……あれは危険だと思いますよ。デスナイトあたりにしてみては?」

カルネに渡した経緯により、そちらならすぐ貰えそうと踏んだ。

舐めてかかって死にかけた苦い思い出が浮かぶ。

「私は魂食い(ソウルイーター)が欲しい!」

彼の理性はここで止めるのをやめた。

 

王都の神官長はあまり優秀とは言えない境遇だった。

才能の無さを血の滲む努力で助け、必死の想いで神官長の地位を得た。

自らの力不足を嘆き、六大神最強の存在、スルシャーナを密かに信仰する。

目の前に現れた同格、スルシャーナに酷似した外見の魔導王に心を激しく揺さ振られた。

もう少しだけ優秀であれば、異端のスルシャーナなど信仰しなかっただろう。

 

「スルシャーナ様に近づきたいのです!悪用は致しません、お願いします!」

言い切った彼は、ソファーを降りて土下座した。

 

「この通りだ、ヤトノカミ様!何でもする!」

「アインズさんに話しておきます。くれぐれも法国や部下に悟られないで下さい。バレたらその瞬間に交渉決裂。」

「お任せください。表向きは今までと同様に一神殿として務めます。」

「働きに期待します、神官長さん。」

ヤトは微笑んで右手を差し出す。

彼は駆け寄って手を取り、強く握った。

 

「それでは帰ります、神官長。」

「お時間を割いて頂きありがとうございます、神官長様。」

 

二人が退出した後も、彼はしばらく動かなかった。

法国と魔導国双方にいい顔を続け、最終的に法国を裏切りアインズへの忠誠を誓う。

そのためにどうすれば最も効率と効果が高いかを、必死に算段していた。

 

アインズへの揺るがぬ忠義となる種子が芽を出していた。

法国へ情報を流すつもりは毛頭なかった。

魂食い(ソウルイーター)より上位の魔物・アンデッドが、この国にいるだけで簡単に見れそうだった。

何より、伝説の魂食い(ソウルイーター)を僕にできるのだ。

 

魔導国へ敵対するより忠誠を誓った方が、神話の登場人物になる可能性が高かった。

信仰していたスルシャーナは、いつしか魔導王(アインズ)にすり替わっていく。

 

 

「あれなら法国に余計な事を言いそうにない。スルシャーナってそんなに凄いのかな。」

「六大神ですもの、凄いですよ。」

「オーバーロードにも色々あると思うんだけど、最初のプレイヤーだから過度の信仰してないか?」

「今はそれよりも、早く帰りましょう、あなた。」

隣を歩く彼の手を取った。

「……そうだな」

若夫婦は手を繋いで帰路につく。

 

 

 

ラキュースの邸宅改め二人の新居では、夜になり平和な時間が流れていた。

ベッド上の二人は、楽しそうに話をしている。

「……体が内側から裂けるかと思いました」

「大丈夫か?」

「はい、とても幸せです。これでやっと、私は貴方のものになれました。」

隣の青年にすり寄って、頭を撫でるように催促する。

 

「敬語はやめてくれ。対等な関係じゃないみたいだ。」

「これでやっと夫婦になりましたからね。」

「あなたじゃなく、ヤトにしてくれ。結婚前の呼び方で。」

「はい。」

しばらく無言で彼女を撫でていた。

 子猫のように頭を擦りつける彼女は、目を閉じて微笑んでいる。

 

「このまま、時間が止まればいいのに。」

「それは困る。これで終わりじゃ物足りない。」

「……馬鹿」

言葉に反して嬉しそうだった。

 

 

「ところで闇の呪いってなんだ?」

「……本当に何でもないの」

恥ずかしさにより、耳まで真っ赤になる。

「心配なんだよ。」

「……」

「俺も全部話すから、お前も全部話してくれよ。」

「……うん」

 

ベッド上の会話により、ラキュースが中二病、ヤトが人間だったなど、お互いの知りえる知識を話し続けた。

強引に取り出してきた妄想日記(ラキュースノート)を、楽しそうに奪い合っていた。

この日の“時間外労働”は会話も交えて朝まで続き、体力と精神力を消耗したラキュースはしばらく休む。

 

すんなりと闇の呪い(中二病)が受け入れられた彼女は、症状が多少和らいだものの一部では極度に悪化する。

どこからともなく仕入れてくる彼女の“設定”に付き合わされ、この日から妙な“時間外労働”が増えた。

他の者に彼女の症状が見えなくなった代わりに、彼の前に限り症状が悪化した。

 

 

新たな彼女の装備は、薔薇が黒くなり、隅に蛇が描かれている以外は、以前の装備と形状が変わらなかった。

優秀なパンドラの手にかかれば、純潔か非純潔かの差をその程度で収める事など造作もなかった。

どちらにせよ、その程度の差であっても、蒼の薔薇の仲間にはすぐバレてしまった。

 

 

 

「御苦労、私はここへ泊まる、明日の朝また会おう。」

「はい、では失礼します、陛下。」

 

 

黒い甲冑を装備した皇帝の護衛騎士は、主を愛妾の邸宅へ送り届け、自らの邸宅に戻った。

バハルス帝国、帝都アーウィンタール中心部の王宮近く、いわゆる一等地に構えた邸宅。

そこが騎士の屋敷だった。

小さな邸宅だったが、他に何が必要でもなく、その程度の広さで充分だった。

 

 

大人しい部屋着に着替え、机に向かって何かを記入している。

時間外に行われる大切な日課に取り掛かった。

 

机の端においてあるハンカチを取り、顔の右半分へ持っていく。

拭い終わったハンカチは膿を吸って黄色く変色していた。

 

 

「はぁ……」

黄色くなった布切れをみて、ため息が漏れる。

普段は漏らさないため息も、気を緩めた自室だと出てしまう。

嫌な現実から目を背け、彼女は再び筆を走らせる。

 

 

《家族と婚約者への復》

 

途中まで書いて、若き皇帝ジルの力を借りて実行した、彼らへの復讐を思い出した。

半分だけ覗く厚めの唇が、笑みで歪んでいく。

 

横一列に並び、泣いて土下座をする両親と元婚約者の顔が浮かんだ。

毎夜毎夜、繰り返し思い出しても擦り切れる事のない大切な記憶。

 

少しだけ溜飲をさげ、新しい白紙のページを(めく)る。

記録紙へ筆を走らせた。

 

《ドレスを着て舞踏会》

 

ドレスはピンクが良いだろうか。久しく踊っていないが、体が覚えているといいけど。

 連中から奪った物資の中にそんなドレスがあったと……折角だから新しいドレスを買いたい。

スカートの丈が長いドレスは避けよう。久しぶりに踊って躓いてしまったら大変だ。

 誰かエスコートしてくれるだろうか。素顔を曝け出せば、きっと誰かが手を取ってくれる……はず。

踊りの練習をしなければならない。体が覚えているといいな。

 

そこで止まっていた筆を置き、筋肉がついた固い二の腕に触れる。

騎士として経験を積む内に、十分な筋力がついてしまった。

 

 ……ドレスを着る前に筋力を落とさないと駄目か。自分より逞しい女性を、誰もエスコートしないだろう。

貴族なんて大多数が苦労の知らないお坊ちゃんばかりだ。ナイフやフォークより重い物を持てない体にしないと。

今の自分より強い男など、貴族にはいないから。

 

 自分より強いと考えたところで、頭に浮かぶ者は同僚の騎士だった。

馬鹿馬鹿しい想像に苦笑いをする。

 

“激風”はお茶会ばかり開いている。空いた時間に彼の口からは茶葉の話しか出ない。

“雷光”は妻や妾と遊びに盛っている。何より彼は平民出身だから踊れないだろう。

“不動”は体を鍛えるので忙しい。筋力なら私よりありそう、動かないだけの男。

 

全員が攻撃力の面で劣っていた。

何よりも彼らに興味がわかなかった。

こちらの顔を誰も正面から見ようとしない。

 

「はぁ……」

再びため息を吐いて、新しい項目を書き加える。

 

《宝石や服の買い物》

 

貯蓄はある。遣いの者ではなく、自分の目で見て、実際に手に取って選びたい。

 帝都は商店が多い、いつも煌びやかな店を通るたびに、目が行ってしまい困る。

 赤い宝石……青い宝石……紫か、ピンクのドレスに合わせるには紫……ちょっと毒々しいかな。

ドレスも丈の短いものとすると、多少は鮮やかな色にしてみるか。でも、赤も捨てがたい。

以前に通りがかった商店で見た、赤い大きな宝石が頭から離れない。もう売り切れてしまっただろうか。

 もう宝石店の前を通るのはやめよう……この状態では買っても意味ないから。

 

 

筆が動き、新たな項目を記入する。

 

《化粧をする》

 

 唇に紅くらいは差した方がいいだろうか。赤……いや、最近は淡い色も流行っているとメイドが噂していた。

 自然な色の方が人気なのか? ドレスがピンク、宝石が赤か紫、唇が赤では毒花ではないか……? 

 

 

《酒場で人目を気にせずに嗜む》

 

これは別にいいか。舞踏会に参加すればお酒は嗜めるだろう。わざわざ酒場まで出向く必要が無い。

白馬の王子様など求めていない、だが粗雑な男に抱かれるつもりはない。

 

《一人旅をする》

 

 ……保留。行きたい場所に当てがない。

 

《髪型を変える》

 

 ……保留。変えたい髪型が思いつかない。

 

《性格を変える》

 

 ……保留。変える意味がわからない。

 

《再就職する》

 

 ……却下。収入が下がる。

 

《れ》

 

 

途中まで書いて、時間がかなり経過している事に気付く。

「明日の朝は鮮血帝を迎えに行かないと……今日はこの辺にしよう」

ノートを引き出しの奥へと仕舞い込み、簡素なベッドに入った。

 

眠るまでの間、噂になっている魔導国の事を考える。

国王がアンデッド、犯罪組織が管轄する新興国家、絶対に関わるなと言われていた。

 

不思議なマジックアイテムを持っていると聞いたが、治癒系のアイテムもあるのだろうか。

陛下がさっさと王国を潰してくれれば、彼らの所持するアイテムもこちらの所有物だったのに。

 次の戦争で属国にできれば、アイテムの調査ができる。私も参加しようかな……。

 

帝国四騎士の一人、“重爆”の二つ名を持つレイナース・ロックブルズは、微かな希望に微笑みながら眠りに落ちた。

 

 

 

 




夜のバカップルは別件のダイスによる必須イベントです。
性欲値 50→0

夫婦ダイス2回目→12 合計47 残り5回
二人がやる気ないのは仕様です。15以下の目なので甘さ控えめです。
新婚の二人はこれで控えめです。


神官長
法国への忠誠度→1d% →20%
スルシャーナへの信仰→1d% →80%  異端者?
合わせて100%でいいダイス目です。もうちょっと忠誠誓ってもいいんじゃ…。

彼はとてもいい人ですが、強い魔力に憧れてます。
スルシャーナ信仰の影響でアンデッドへの嫌悪は、本当はありません。
表面上はあります。(法国的に)腐っても神殿勢力です。

洗礼名→デイル(六大神の一柱の名の線が濃厚。現状これ以上言及せず)


彼の功績により、法国の情報が更新されました。
1d20→+14% 知ってる事は、なんでも喋ってくれました。
スレイン法国の情報量
52%に更新


箱舟ちゃんはまだ出待ち中です。


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