約一週間ほど用事あって執筆に手が回せず、久し振りに書いたとき改めてどんな作品か試行錯誤し、元々遅筆でモチベーション頼みな執筆テンポも相俟って投稿が大幅に遅れてしまいました。
その結果分量が大幅に増えてしまったのも残念です。 気軽に読んで楽しめる作品にもしようと考えていたのですのに……
10話目と佳境に入った数字、様々なキャラや用語を纏めるにも苦労したのも遅くなってしまった要因ですが、それに見合う内容となれたなら幸いです。
──きる……たたかう……──
──何なんだこの死屍累々な地帯……おい待てガキ、それじゃーまるで、この"術"の原型じゃねぇか──
──げんけい?──
──あぁ、影道流殺伐術といってな──
廃ビルの屋上、ツキカゲとカヨウ、ネコ一匹が相対していた。
「えぇと……ツキカゲさん?」
ツキカゲの隣で腰を抜かして倒れているカヨウは、身をやや沈めているツキカゲに顔を向けていた。
「猫……ですよね……?」
カヨウの視線は、ネコの前で動かないツキカゲを怖く見つめていた。
「あぁ見た目は猫だな、どんな変異能を持ってるか分からねぇが」
ツキカゲはサングラスの奥の視線をカヨウに向けず、目の前で威嚇体勢をとるネコと視線を外さない。
その眼は互いに翠色であった。
「あのネコ野郎の眼を見れば分かるだろ、生半可な対処じゃ捕獲は到底無理だ」
ネコとの間合いを保ち、ツキカゲは一見突っ立てるように見える体勢で構えた。
「痛めつけたりするんですか……?」
ツキカゲは片足を前に出す。 視線の先は真っ直ぐネコを定めている。
「依頼状には"捕獲"って書いてあったが……明らかに普通じゃねぇ」
ツキカゲは目線をネコに定め、あらゆる攻撃に対応可能な体勢でネコの威嚇と相対する。
「シャア! シャア!」
「研究所から消えたとか、色々気になる依頼だが……"有事の際の捕獲方法は問わず"の許可もある。 依頼主の方も、はなっから万全な状態の確保はお望みでもねぇわけだ」
「そんな……!?」
カヨウは依頼内容にショックを受け、目の前のネコに可哀想という目を向けた。
「あんなに……小さいのに……」
「見た目で決めるな。 それが地表だ」
ツキカゲがかけるサングラスの奥の眼は、ネコへの戦意で満ちていた。
「おいネコ野郎、五体満足で捕獲されるなら今のうちだぞ。 大人しくこっちへ来な」
「シャアアア!!」
ネコはツキカゲの誘いに威嚇で返答した。
「あぁ了解……任務開──」
「ニャ~オ!」
ツキカゲが前に踏み出した瞬間、物陰から一匹の仔猫が顔を覗かせた。
「ニャ~オ!……ニャ~オ?」
「ニャア! ニャアア!」
キョトンとした顔でこちらを眺める仔猫に対して、ネコの方は焦ったように顔を向けた。
その隙をツキカゲは逃さなかった。
「ニャア! ニャ──」
「逃がすかよ」
ネコの上から大きく指を開いた手が降り下ろされた。
ネコは避けようと体を仰け反らしたが、ツキカゲの手は力を的確な方向に集中させ、ネコを逃さず腹から押し倒した。
「ニャアアア!!……」
ケホッとネコは押さえつけられながら咳き込み、全身の肉が痙攣を引き起こした。
「ネコさん!? 何を!?」
「ハッ、存外あっけねぇなぁ」
ツキカゲはネコを片手で押し倒したまま動かない。
「安心しろ、少し打ち込んだだけだ……この程度の"技"だけで済んで助かったな」
無表情に、淡々とツキカゲはネコを押さえつける。
そんなツキカゲの冷酷さに、カヨウは動揺と恐怖した。
「捕獲完了……あとは袋にでも詰め込んで──」
「ニャーオ!」
小さい鳴き声のした方向に、ツキカゲは視線だけを向けた。
そこには物陰から出た仔猫が、ツキカゲに対して威嚇をしていた。
「ニャーオ!……ニャーオ!……」
仔猫は怯えながらも、必至になって鳴きながらツキカゲに近づいた。
その猫から離れろ──そう言ってるような鳴き声であった。
「仔猫……さん」
「チビ猫、うるさいぞ」
ツキカゲはサングラスの奥から仔猫を睨みつけた。
睨みつけられた仔猫は鳴くのを止め、身をたじろいでしまった。
「ニャ、ニャーオ……」
「ツキカゲさん! 手荒にしすぎない方が……」
ツキカゲは仔猫、そしてカヨウに顔を向けた。
「言っとくが、眼をよく見ろ」
グッタリしたネコの顔に、ツキカゲは視線をもどした。
「見りゃ分かるだろうが……翠色の眼は他と違う、バケモノの証だ」
カヨウはツキカゲの後ろでその発言を聞いていた。 そこからツキカゲの顔は角度で隠れて見えなかった。
唯一その表情を見ることができた仔猫は黙って威嚇を止めた。
(ツキカゲさん……それはどういう意味なのでしょうか)
「分かったらとっと離れ──うっ!?」
ツキカゲはよろめいた。 全身に力が入りにくくなるもなった
何事かとネコを押さえつけている手に視線を向けると、ネコが己の指先に噛みついているのが分かった。
「ネコ野郎……テメー!」
ツキカゲは倒れ、手がネコから離れた。
ネコは素早くツキカゲから離れ、仔猫と一緒に階段へと降り去った。
「ツキカゲさん!?」
倒れこんだツキカゲにカヨウは駆け寄った。
「はぁ…はぁ……クソッ」
ツキカゲは懐から潤滑剤を出し、手の甲に打ち込んだ。
噛み傷が結晶となり砕け、体に活気が戻る。
「はぁ……なんだ今のは」
手を開いたり握ったりして、ツキカゲは体調が戻っているかを確かめた。
「大丈夫ですか!? よろめいた様子でしたが……?」
「どうってことない、もう動ける」
ツキカゲは立ち上がり階段へと向かう。
カヨウもそのあとに続いて階段へと向かう。
(たかが指先を噛まれただけでか……あれがネコ野郎の変異能か?)
階段からツキカゲは周りを観察したが、既に近くにはネコ達の姿は無かった。
「チッ、既にいねぇか……ん?」
ふとツキカゲは目線を変え、この建物から少し離れている大通りを眺めた。
妙な人だかりができており、まるで珍しいもの見たさで駆け寄っているようであった。
「また新手のギャングが盗みでも働いてるのか……」
大通りから目線を外す。 野次馬なんて毎日現れるもので珍しくもない。
よく見れば普段より非常に多い野次馬だが──ツキカゲはそういうことには興味のない性格だった。
「……いた!」
大通りから外れたところ、路地裏の陰にネコの尻尾が隠れて消えた。
ローの"Lock on"程ではないが、ツキカゲの視力も屋上から周囲を見渡せるぐらいには良いのだ。
ツキカゲは走り出そうとし、後ろのカヨウに振り向いた。
「あぁっと……」
「あ、ここで待ってます!」
思案し始めたツキカゲにカヨウは提案した。
「いや……アンタ一人じゃ──」
「だ、大丈夫です!」
ツキカゲに、カヨウは懐に忍ばせた自動拳銃──Mt・Hg"M1911"を取りだし見せた。
「私一人でも……コレさえあれば、万が一でも大丈夫なハズです」
カヨウはM1911を握る手を震えさせながらも、ツキカゲに対してなんとか安心感を保った顔を見せる。
「私がいては足手まといでしょうし……」
「いや、おい」
「それに撃てば……」
一瞬戸惑いを見せたツキカゲに対し、カヨウは震え声でありながらも真っ直ぐツキカゲを見て答える。
「……撃てばツキカゲさん達クランチェイン、ひいては地表の仲間入りができるんですよね」
ツキカゲは何か答えようとし、そして黙った。 表情は固く結んだ口以外変わらず、サングラスの奥の目が何を言おうとしてるかは見えず推し量れなかった。
「……あぁ、気ぃつけな」
ツキカゲは屋上の縁に足を立てた。
「これだけ言っとく、撃つものは見極めろ、意味を考えて撃て」
一言忠告するとツキカゲは飛び、建物の屋上から屋上へと移った。
「見極めろ……意味を……」
Mt・Hg"M1911"──通称コルトガバメントを握りながら、カヨウはツキカゲの言葉を復唱した。
「クッ、何処へ行ったというのだカヨウ嬢様……」
大通りのど真ん中、スカライズ警察三番隊隊長のエイリーン・ソウマは堂々と歩いていた。
「ダメです、どの地表人もカヨウ嬢様らしき人物を目撃したと証言しません!」
四方八方から同じく白い軍服コートの隊員が数人、エイリーンに駆け寄り報告した。
「誰も見ていないというのか……カヨウ嬢の行方不明と同時期に、第三都市へ通した輸送船はこの都市から出ているというのに……」
エイリーンは腕を組み、厳しい表情をより固くした。
「輸送船関係者も知らないの一点張り……カヨウ嬢様を一体何処へ……」
「うーん、もしかしたら何処からか違うかもよ、エイリーン」
エイリーンの隣、青い髪で眼鏡をかけた女性は困り顔のエイリーンに付き添うように歩いていた。
「カギホ、それはどういうことなんだ?」
カギホという名の女性に話しかけられ、エイリーンはややに緊張を解いたかのようにわけを聞いた。
「なんとなくだけどね……カヨウ嬢様って自発的に外に出たんじゃないかって」
人差し指を顔につけ、カギホは思案している表情を作った。
「聞いたところ、どうやら従者が眠ってる隙に家を抜け出たらしいのよ。 大人しそうな割には大胆に行動したわね、カヨウ嬢様は」
クスッとカギホはカヨウを考えて笑った。
「そういえば、カギホはカヨウ嬢様の知り合いであったな」
「単なる近所付き合いだっただけよ。 仕事もあって、もうしばらく会っていないし」
肩を頭の後ろに回し、カギホは懐かしむように答えた。
「大人しい子だったな~、有能な姉の影に隠れて引っ込み思案な感じだったよ」
カギホの話の聞き、エイリーンは腕に巻いたデータウェアの写真を投影する。
投影されたのは高等学院に進学したときのカヨウ。 白いワンピース風の学生服を着ており、手を膝の上に置いた礼儀正しい姿勢で椅子に座っている写真であった。
「この少女がカヨウ嬢様……何と優しげで綺麗か」
エイリーンは何度も見て覚えた写真の投影を止めた。
「だが分からぬな、何故抜け出さなければならぬ。 スカライズという素晴らしい地と、九家の一つの家柄であって、何故外に出ねばならぬのだろう」
エイリーンの顔は、一つの疑問に答えを見いだせぬ表情をしていた。
「九家と言っても次女、姉であり当代屈指に優秀なミナモ様より地位は低いだろうし……」
カギホはのんびりした様子で、問いへの答えを考え出す。
「違う土地へ行けば、その土地で偉くなれるかもしれない……そうでも考えたんじゃないかな?」
「なんだと!? そんな俗物的な考えをしているのか!?」
その推測を聞き、エイリーンは驚いてカギホに顔を向けた。
「あくまで推測よ、カヨウ嬢様の今なんて分からないわ」
そう言ってカギホは苦笑いでエイリーンと向かい合う。
「だけど……もう大体の人がそんな考えなんじゃないかな?」
カギホは顔を上げ空を眺めた。 天は曇っており、己達の故郷であるスカイカントリーは遥上に移動している。
「そういえば確か同じくらいの日に、上層部の何人かが地表人を買ってきて
「そうだな、私の担当した捜査だった……思い出すだけでも憤慨することであった」
エイリーンは厳しい表情を怒りに変えて思い出した。
「俗物的な欲求を満たすために、選ばれし者のみ許された権力を振るい、酒池肉林な罪へと走る下衆を私は嫌いだ……
「エイリーン……?」
「私の目標は腐敗したスカライズ暗部の改革、それをもってスカライズをより素晴らしい楽園へと発展させたいのだ」
エイリーンは拳を握りしめ、日頃思っている使命をつい宣言した。
「その為には一つの仕事でも完璧にこなせばならん……今回の件は、我ら三番隊の実力を知らしめるのにうってつけなのだ!」
使命感に燃えるエイリーンを、カギホは微笑んで見守った。
「はぁ……本当に曇ってしかいない天気ね……」
カギホは小さく呟いた。 スカイカントリーによって汚された空を眺めながら。
(ん、そういえばあの日も同じであったな……あの商船が出た時刻も……)
ふとエイリーンは思い出す。 少しは懸念していた、だが墜落した商船を確認した時には乗員も
(いや待て、まだ……まだ、あの場にいたモノがいたではないか……あの
ドォォォォォン!!
エイリーン達スカライズ警察三番隊が聴き込みに回っている住宅街の近く、商店街にて爆音が響いた。
「な、何事か!?」
大通りを走る人が増える。 商店街から逃げてきたのか、皆口々に向こうの状況を教えている。
「ギャングチームとエニマリーの交戦だとよ!」
「商店街には向かわねぇ方がいい、銃撃戦の真っ最中で流れ弾がどんどん飛んでやがる!」
「ガーンズオウ一味と……あとエニマリーの方は」
「要注意人物の欄に載っていたから分かる! ありゃ"クランチェイン"だ!」
「クランチェイン!?」
エイリーンはその名を聞いて、銃撃と爆音が響く商店街に驚愕顔を向けた。
脳内に思い出されたのは怪しく礼儀正しい笑顔──
「クランチェイン……奴らがこの街にいるというのか!」
爆発したワゴン車に次々とハンドガトリングガンが撃ち込まれる。
「どこの一味の回しもんじゃぁぁぁぁぁ!!」
「だっこらぁぁぁぁぁぁぁ!!」
炎上したワゴン車に次々と叫びながら銃弾を撃ち込むが、とうとうサイボーグギャング──ガーンズオウ一味全員の弾帯が途切れてしまった。
「チッ、補充だぁぁ!」
ハンドガトリングガンの弾帯をガーンズオウ一味は補充しようとし、一部はショットガンを持って燃えるワゴン車を囲もうとした──
バン! バン! バン !
囲もうとした三人のガーンズオウ一味の額に風穴が空いた。
「な!?──」
炎からシールドがアクロバティックに飛び出てきた。
各所に段階的に動かせる機構を持ったシールドの真ん中には、センサー及び短身状態の銃口が覗いて見えた。
その姿はまるで、勁部を広げたコブラのようであった。
「
シールドがコンパクトに"Coil up snake"に収納される。
そして両手に握るMt・Hg"ベレッタM92"が二挺と背部アームに接続された"Coil up snake"、それぞれの銃口がローの両眼及びセンサーを通して、空中回転しながらガーンズオウ一味の急所に狙いを定めた。
バン! バン! バン! バン! バン! バン!……
三挺の銃器を無駄なく撃って周囲のガーンズオウ一味を仕留める。
そして着地した瞬間"Coil up snake"のシールドを小刻みに展開し、ショットガンの猛攻をシールドで受けたり避けたりしながら三挺の銃器で眼の前のガーンズオウ一味を次々と打ち倒す。
わずか数秒、音もなくガーンズオウ一味全員は倒れ、ピクリとも動かなくなった。
「全弾命中」
鉄クズの真ん中に着陸し、ローは両足のホルスターにMt・Hg"ベレッタM92"をしまう。 "Coil up snake"は背部アームと共にコンパクトに畳まれる。
「よっし、これで任務達成っと!……ロー?」
ローはしまおうとしたMt・Hg"ベレッタM92"を改めて構えた。
「
「ロー!?」
「
四方八方から次々と武装車が集まり、PTRD1941めいた対戦車ライフルを構えた治安維持局やら、援軍として駆けつけたサイボーグギャングやらがバーの前に集結した。
「捕らえる、報復、目的、多彩、ローガン、サバイバ、に」
「……血気盛ん過ぎねぇかコイツらよぉ~」
道端でサバイバは嘆くように大きく手を広げたあと、既に逃げ去っているローの後を追った。
ドォォォォォン!!
「キャ!?」
遠くで起きた爆発にカヨウは驚き、四方八方にMt・Hg"M1911"の銃口を向けた。
「えと……一体何が……」
爆音のした方向に顔を向かせながら、カヨウは咄嗟に構えられた自分に安心感を持った。
(ちゃんと構えられた! あとは撃てば──)
何に撃てばいいか、カヨウは改めて考える。
(私を襲う人……襲う人、悪い人を撃てば……)
急にMt・Hg"M1911"が重く感じた。 その重さが、生を壊すことができると思った。
(じゃあ誰かがピンチになれば撃っていいんだ……撃って、殺して?)
カヨウはペントハウスに倒れこんだ。 握ったMt・Hg"M1911"を曇り空に掲げる。
(ツキカゲさんは……あの人は日本刀ですけど)
ツキカゲの戦闘は四回ほど見た。
奴隷業者やら獣からカヨウを守り、制圧のために敵部隊や兵器や牧師さん(?)を倒して進み、カヨウを助けるために一人で悪者集団を全て倒し……
(ツキカゲさんも……たくさん殺してきたのかな)
戦闘している時のツキカゲを思い出す。 ひたすらに敵を斬り刻む時の冷酷な眼、ただただ斬ることに専念した表情、その奥で何を考えているか……
(違う、ツキカゲさんは酷い人なんかじゃない)
忠告をしたときの表情……この世界を教えてくれるときの表情……
どれも冷淡だけど、口調は優しかった……ハズ。
「ツキカゲさんは……私を助けてくれた、優しいお方……戦って、助けてくれた……」
掲げたMt・Hg"M1911"と曇り空を眺めながら、カヨウはただ呟くのみであった。
カヨウの思いは、常に戦うツキカゲのみを考えていた。
「……これでツキカゲさんを、手伝うこともできるのかな」
ガチャン
ペントハウスのドアが開いた。
カヨウは思わずペントハウスの裏に回って隠れる。
出てきたのは三人。 一人はデカイ髭を生やした白コートの男性、それに付き添うバイザーを被った人物、そして最後に出てきた男を見てカヨウは驚愕した。
(どうして……この人が!?)
路地裏、逃げ惑うネコをツキカゲは追っていた。
ネコの通った道は段々と引っ掻き傷などで荒れていった。
徐々に大きくなる引っ掻き傷を辿り、ツキカゲは大太刀を構えながら路地裏をジグザグに走る。
(腹のラインと依頼内容から察するに、あのネコ野郎は人造の翠晶眼か)
"翠晶眼"……自然発生でしか生まれず、並の人間以上の能力を持った希少性の突然変異生物。
その能力からエニマリー必須といわれるほど戦略的価値の高い生物を、人間の手で増やすことができる……
(ネコ野郎は……その実験体ってことか)
プルルー プルルー プルルー
通信端末が小さく鳴る。
走りながらツキカゲは通信端末を開いた。
「おうツキカゲ、任務は済んだかぁ~?」
楽しげな声が通信端末に出た。
「あぁまだ終わっちゃいない」
通信端末の向こうにいるカーチスに、ツキカゲは走りながら答えた。
その声色は静かながら激しく動いてるにも関わらず、息切れなく無愛想であった。
「そうかいそうかい……ネコとは出くわしたか?」
「あぁ、猫じゃねぇような野郎だったな」
パチパチと手拍子が通信端末から流れた。
「そいつぁいいや話が早い! いやさっき依頼人が依頼状を更新してよぉ」
陽気に楽しげそうなハイテンションの調子でカーチスは用件を言った。
「"
"
「試作段階で逃亡した人造翠晶眼、本気になりゃ熊をも凌ぐ戦闘能力で辺りを一面ズタボロにするってよぉ」
「それを未然に防ぐためにも、あらかじめ倒せってことか」
「あぁ……あぁそうだぁ! ハーハッハッハッハ! いい答えだなぁ!」
"倒せ"という言葉をツキカゲが無感情に発した瞬間、カーチスは一瞬静まりそしてけたましく笑い声を上げた。
「ひたすら痛めつけてぶっ倒しなぁ! 依頼人の目的はそれだからよぉ!」
「じゃあ
カーチスの笑い声に顔をしかめながら、ツキカゲは淡々と冷酷そうに答える。
「あぁいいぜ……そういやアケヨちゃん何処行ったのかなぁ?」
通信端末を切ろうとした瞬間、唐突な質問にツキカゲは一瞬止まりかけた。
「建物に置いてきた。 アイツがそれでいいと言った……」
ツキカゲは答えた。 カーチスに……そしてあるいは自分自身にも。
「へぇ~あっそ。 じゃ、ご武運祈ってるぜぇツキカゲ!」
質問しながらも興味なさげな返事をして通信端末は切れた。
同じタイミングで通信端末を閉まったツキカゲは行き止まりに着いた。 辺りには不法投棄された家具そして──
「なんだこりゃ……」
縄張りを荒らしたのか……ネコに倒されたらしい人間の死体などでも埋め尽くされていた。
「シャア!」
家具の中には数匹の仔猫と大きな猫が一匹、そして最も高い家具の上からツキカゲを翠色の眼で見下すネコが一匹。
「あぁ、ここの王様ってか、ネコ野郎」
「シャア! シャア!」
背中の毛を立ててネコは威嚇をした。 翠色の眼は爛々と輝き、口には翠色に染まった牙を覗かせた。
「己の領域に侵攻するな……か」
「シャアアア!!」
ネコが飛びかかり、ツキカゲの腕に噛みつこうとする。
ツキカゲは大太刀を抜いて振るい、その牙を受け止める。
「……ネコ野郎相手に、"ヤギュウ"を抜くことになるとはなぁ」
実際太刀を抜かずとも、この体格差ならツキカゲはネコに勝てる。
だが先程の噛みつき攻撃、一瞬だけツキカゲの力を抜かしたその牙を警戒し、ツキカゲは素手での戦闘をせず大太刀を抜くことにしたのだ。
(体格差……さっきよりもデカくなってるな)
ツキカゲは振り払ったネコを、サングラスの奥の翠眼で凝視した。
大太刀に振り払われ地に着陸したネコは、先程よりも大きくしなやかな体躯であり、ツキカゲの180㎝ほどの背丈半分以上の大きさへと変貌していた。
「それがテメーの変異能ってか……」
狭い路地裏でありながらも、ツキカゲは大太刀を全く空間を気にしない振り回しで前に向けた。
「腹ごしらえは済んだらしいな」
大太刀の柄を掴んでいる手を後ろに引き、ツキカゲは体勢を低く構え、同じく威嚇して構えるネコに眼線を定めた。
「さっき言ったよな、五体満足で済むなら今のうちと。 もうどうなってもしらねーぞ」
ネコが飛びかかり、ツキカゲも戦闘体勢を整えた。
「任務開始……
「ふんふん、これでいいっつーことかなぁ?」
煙草をくわえたカーチスは後ろに振り向いた。 場所は屋上、先程までツキカゲが路地裏を走るのを、通話しながら眺めていたのだ。
「あぁいいとも。 ワシの目的は"AEBW・04"のデータの回収なのだからな」
カーチスの後ろ、デカく立派な髭を生やした白コートの男性が答える。
「あのツキカゲという
カーチスは首にかけた望遠鏡から、建物の向こうの路地裏にて戦う二匹のバケモノを観察していた。
「へ~はいはい……おぉ、ありゃ中々強いじゃないのぉ~ツキカゲがあぐねるとはねぇ、いい兵器作ったんじゃない
ハイテンションな調子でカーチスはバケモノ同士の観戦を楽しんでいた。
「|対翠晶眼生体兵器《アンチ エメリスタリー バイオロジカルウェポンズ》の試作品だ。 品種改良で製作した猫の牙や爪に
髭を撫で付けながら老いた男性──D・ヒゲドムは自慢げに頷いた。
「
望遠鏡の向こうで、160㎝以上の大きさへとなったネコ──"AEBW・04"にツキカゲは苦戦していた。
大太刀と鞘を用いて牙と爪を押し通すも、回された後ろ足などに引っ掻かれている。 そして引っ掻かれる度に力をなくしているような様子であった。
「
「フゥ~……ツキカゲと相性最悪だなぁ」
カーチスは煙草の煙を吐き、ボソッと呟いた。
「そうだ、敵うまい……何度かウチの"
淡々と同情もなく、D・ヒゲドムも眼鏡のレンズを調節して戦闘経過を眺めていた。
「エネルギーは十分、だが試験品故エネルギー調整に問題があってな……定期的にメンテナンスをしなければ、近いうちに内部のエネルギーが荒れ暴走するだろう」
危機感なくD・ヒゲドムは説明した。 ネコを機械のように扱って。
「その前にあの
他人事のようにヒゲドムは発言を締めた。
「まぁ、我が傑作兵器に敵うならばな」
やっと得意気な表情でD・ヒゲドムは顔を動かした。
「あの
カーチスは望遠鏡から目を離し、目を細めて笑った。
「続けて構わねぇさ、俺はツキカゲを戦わせたいからなぁ~♪」
「死んでも構わぬと?」
「そんなこたぁどうでもいい。 さぁ~てっと、ぼちぼち見学の続きをしましょうかぁ──」
「任務を止めさせてください!!」
ペントハウスの物陰から少女が飛び出た。
それはカヨウであった。
「そんなに危険なら、一度退かせないといけないハズです!」
「おぅおぅ、アケヨちゃんじゃねーか」
驚いたD・ヒゲドムとは反対に、カーチスは全く表情を変えず笑顔で銃口を見つめた。
「いやぁまっさかたー思ったがぁ、ここにいるのは驚きだぜぇ~ツキカゲに護衛されなくていいの──」
「ツキカゲさんが死んでもいいんですか!?」
カヨウの顔は怒りで必死な形相だった。
「このままだとツキカゲさんは疲弊する……疲弊して、死んでしまうと!?」
カヨウは無我夢中に叫び問う。
「"AEBW・04"の吸収能力は高く、一噛みされただけでも身体の約15%の
D・ヒゲドムは早口に"AEBW・04"の能力を説明した。
「つまり、そうである。 あの
「だったら止めさせないといけないハズです!」
カヨウは手を握りしめカーチスと向かい合う。
「ツキカゲさんが危険ならば……退かせないといけない、そうじゃないんですか!?」
眼前のカーチスは笑みを崩さず、カヨウの泣きを堪える顔を嘲笑う。
「おぉい
カーチスの瞳がカヨウの涙目と合う。
「いきなりしゃしゃり出てきてよぉ、なぁにエニマリーに退散を乞うだぁ?」
その瞳は唯一本当の感情を除かせていた。
苛つきと、カヨウへの嫌悪という感情を。
「エニマリーの規則"受けた依頼は、如何なる傷害を負うとも遂行すること"」
真面目に、あるいは棒読みめいてカーチスは暗唱した。
「それを破らせるってか、俺らエニマリーに?」
「……お願いします!」
カヨウは握っていたMt・Hg"M1911"の構え、銃口をカーチスに向けた。
「ハーハッハ! 実力行使ってのかぁ! そんな教育誰から受けたんだぁ? ローか? サバイバか? それともツキカゲかぁ!?」
嘲笑う口元と細めた目、銃口にすくむことなくカーチスは前へと歩き出す。
「そういう自体には慣れっこだ。 ほら狙えよ」
カーチスは笑いながら己の額をグリグリ指で押す。
「なぁ、たかだかツキカゲが危険っつー理由だけでよぉ、お得意様からの任務を無下にしろってかぁ?」
カーチスはカヨウに向かって歩く。 途中で煙草を捨て、踏みつけて火を消した。
カーチスの様子に言い知れぬ恐怖をカヨウは感じ、Mt・Hg"M1911"のトリガーにかける指が震える。
「テメーのその勝手な意見行動でよぉ、ツキカゲに迷惑かけてんじゃねぇぞ」
「わ、私は──」
カヨウは俯いた。 ツキカゲを安全に退かせる理由を思いつこうとして……
「パターン1、囲め」
『『『『『ガルァァァァァ!!』』』』』
その瞬間、ペントハウスから数匹の獣が飛び出てきた。
狼染みた外見に、全身に機械で補強された部分が見受けられる獣共は装着されたバイザー越しにカヨウに眼線を定めた。
カヨウを定めた獣共は、カヨウを囲んで今にも襲いかかりそうな体勢で構えた。
「キャアッ!?」
『『『『『ガルァァァァァ!!』』』』』
「おうおう、これまた大層な護衛を連れてきましたなぁ~」
後ろに飛んで避けたカーチスは獣を見やり、そしてD・ヒゲドムの隣に顔を向けた。
カヨウは獣に怯えながら同じ方向に顔を向けた。
そこにいたのは一人の人物、バイザーを上げ片手を前に突き出している。
その眼は翠色であった。
「如何なさいましょう、Doctor?」
無機質で機械のような声でバイザーをかけた人物はD・ヒゲドムに指示を仰いだ。
「そのまま"エメラルフ"で捕縛しろ、レヴォルツィオーン……よいかなカーチス君?」
バイザーをかけた人物──レヴォルツィオーンは無表情に頷き、前に突きだした指を細かに動かす。
『『『『『ガルァ……』』』』』
指の動きに合わせられているかのように、獣──エメラルフはカヨウの周りを周って逃げる隙を封じる。
「何ならよぉ、
カーチスは狂気的な瞳を、腰を抜かしてへたりこんだカヨウに向けた。
「ツキカゲの依頼人をボロボロにするのは残念だがなぁ……」
一度俯き、そして狂気を全面に押し出した笑顔でカーチスはカヨウと向かい合った。
「けれどそれでなぁ、ツキカゲから邪魔者が消えるならイイことじゃねぇーかぁ~!」
カーチスはカヨウに背を向け、向こうで苦戦しているツキカゲに優しい笑顔を向けた。
「あぁそうだ戦えツキカゲ……最近テメーに迷惑をかけるやっこさんは俺が抑えるからよぉ……ツキカゲは心配なく戦ってなぁ……」
「ツキカゲさんは……」
カーチスは振り返った。 カヨウは恐怖しながらも、力を込めて言葉をカーチスに投げる。
「あの人は、戦うことが嫌だと思ってるんです!」
淡々とした表情の奥にある感情……カヨウはそれを、戦うことへの忌避感だと考えた。
「だから……だからツキカゲが嫌がっていること、止めさせて──」
「おいアケヨちゃあん」
カーチスの笑みが消え能面のように無表情となり、淡々とした瞳を一瞬だけカヨウに向けた。
「てめぇよぉ……ツキカゲのよぉ、何を知ってるってんだ?」
カーチスは瞳をそのまま、口元が張り裂けそうなほど歪みきった笑みを浮かべる。
「アイツの眼を見たのかぁ~? 見れてねぇハズだぜ、サングラスに隠れてよぉ」
狂気に埋もれるカーチスの瞳……無表情に淡々とした眼のツキカゲ……
カヨウ脳裏に、何故か二人の顔が一致した。
「たかが一週間程度でよぉ……俺の前で"ツキカゲを知ってる"っつー顔すんじゃねぇぞ」
カヨウはカーチスの垣間見せた本性に恐怖しすくんだ。
それでも何とか、カーチスに立ち向かおうと顔を上げた。
「ツキカゲさんは……ツキカゲさんは……」
「アケヨちゃん、ツキカゲを知りたいっつーならよぉ、アイツの戦闘を見てから言えや」
カーチスは向こうで戦闘を継続しているツキカゲに指を向けた。
「今のツキカゲに退かせてみろ、できたなら俺はアンタが正しかったと認めよう……できたらなぁ~!」
カーチスはエメラルフ共に追い払うような仕草をした。
レヴォルツィオーンは即座に手を払い、その仕草に反応したかのようにエメラルフ共はカヨウから離れた。
「さっさと行けや。 その偽善ぶった顔をツキカゲに向けてみろ」
茫然とした様子のカヨウは、カーチスに一瞬悔しい顔を見せてペントハウスの階段へと走り去った。
「な、なんじゃと」
煙草を取りだし火をつけようとするカーチスの後ろ、D・ヒゲドムは眼鏡の望遠鏡レンズから戦闘を見て驚いた。
「あれから数分、まだ動けるのだと!?」
「そういやD・ヒゲドムさんよぉ、アンタさっきツキカゲが死ぬっつったよなぁ~? さっきは面倒だからスルーしたけどさぁ~」
「貴様、止まれ」
D・ヒゲドムに詰め寄ろうとしたカーチスをレヴォルツィオーンが片手を出し静止させる。
『『『『『ガルァァァァァ……』』』』』
レヴォルツィオーンに阻まれ、後ろをエメラルフに取り囲まれながらカーチスはD・ヒゲドムに歪みきった──だが一人の少年に向ける純粋な感情を見せ言い放つ。
「ネコ野郎なんぞに、俺のツキカゲは負けねぇぜ」
戦闘開始から数分が経過し、ツキカゲは疲弊していた。
ツキカゲ大太刀で防御するなか、その体躯と俊敏さで指や足を噛み引っ掻く。
眼の前のネコ──"AEBW・04"はより大きく、そして素早くなっている。
(思ったより面倒だなこりゃあ……)
全身に噛み傷や斬り傷を作り、そしてそれらを結晶で再生しながらツキカゲは呻く。
(ちったぁ骨のある野郎だなぁこりゃ)
一方の"AEBW・04"も同じような表情でツキカゲを狩ろうと攻めてくる。
互いの実力──"AEBW・04"の体格と素早さから繰り出される鋭い一撃と、ツキカゲの大太刀と鞘でそれらのほとんどを受けきっていた。
だが決着はつく。 動きと体力をなくし、ツキカゲは倒れこんだ。
「シャアアアア!!」
"AEBW・04"は気高く、誇るように路地裏で鳴き声を上げた。
「ニャ……ニャアア!」
「ニャア!」
陰に隠れた仔猫達は、"AEBW・04"を讃えるように鳴いた。
"AEBW・04"は大の字に倒れたツキカゲを見下して詰め寄った。
自分こそがこの地のボスであり、誰にも負ける気はしない……"AEBW・04"の顔は、そんな王様気分を表した表情であった。
ツキカゲは"AEBW・04"に噛みつかれながら、光を失い虚ろな眼で曇り空を眺めた。
──さつばつじゅつ?──
──そうだ殺伐術。 相手を殺すことに重点を置いたぁ必殺戦法ってよ──
──じゃあ、ししょーのおしえるわざってなぁに?──
──"影道流外戦渡術"、殺すだけの技を、より戦うことに特化させた戦法よ──
──たたかう?──
──そうだ! 己の感じるまま、したいがままに戦うってことさ!──
──たたかう?──
──そうだ、テメーも感じる、戦うという生きるもの全ての本能、そして可能性さ! 分かるかガキ!──
──……きりたい、たたかいたい──
──あぁ素晴らしい答えだ! その渇望、俺は愛してるぜ!──
"ししょー"は、大空のように優しく爽やかな笑顔で幼いツキカゲを撫でた。
ツキカゲの脳内に、ぼやけたフィルムでししょーの顔が不透明に写される。
『破壊しなぁ、眼につくもの全てをなぁ』
"ししょー"の顔が歪み、今なおツキカゲを束縛する陰気な顔に変わった。
軽薄で人を喰ったような態度で、そして内面にドス黒く冷酷な感情を隠し、この世の無情全てを内包し笑い飛ばす狂気に燃える笑顔……
『破壊することを楽しもうや、それがテメー……ツキカゲだ』
「そんなに喰いたいなら喰らえ、
ツキカゲは首筋に潤滑剤を打ち込んだ。 眼が翠色に充血したようになる。
ツキカゲの全身から蒸気めいて吹き出した翠晶粒子に驚き、"AEBW・04"は後ろへ跳んで避けた。
「シャアア……シャアアアアアアア!?」
"AEBW・04"は悶え苦しみだした。 突如吹き出した翠晶粒子を急激に吸収してしまい、身体中に変調をきたしてしまったのだ。
「シャアアアアアアア!!」
"AEBW・04"はうずくまる。 その身体が歪むように大きくなった。
「シャアアアアアアア!!」
牙がより鋭く伸び、古来より伝わる"バケネコ"めいて巨大な体躯となってツキカゲの前に吠えた。
より獰猛に、そしてそんな己に苦しむかのように吠えた。
「シャアアアアアアア!!」
"AEBW・04"は後ろをふと見た。 全ての仔猫は既にその場にいなかった。
"AEBW・04"が従わせ、そして悪者から守り抜いた仔猫達は、"AEBW・04"を恐れて既に逃げたのだ。
「シャアアアアアアア!!」
もうそんなことはどうでもよかった。 "AEBW・04"の関心は眼の前に立ち上がった人間だけに集中していた。
立ち上がったツキカゲは全ての傷を結晶化して直していた。 翠色に充血した瞳は"AEBW・04"のみに集中していた。
ツキカゲは眼の前のネコ野郎を戦闘不能に追い込むことだけを考えていた。 そこに苦しみはなかった。
「第三戦を始めるぞ、ネコ野郎」
その表情は久し振りに遊ぶかのように、楽しげな表情であった。
「テメーを壊す」
「シャアアアアアアア!!」
互いに見合うその眼は、己の本能全てをぶつけるように狂暴であった。
如何だったでしょうか?
また投稿が遅くなったのもあって、今回はまさかの途中投稿です。 これ以上遅くなると心配されるかなと思い、ラストバトルは次に持ち越すことにしました。
本来はいつも通り(?)二話構成で進めたかったのですが、思った以上にキャラを纏めるのに時間がかかってしまい、結果は長引かせることになってしまったのも今回個人的に残念な箇所です。
続きは近日投稿すると思います。 少なくとも一週間程度、それを目安に投稿しておきたいです。 反省もまたその時に。