「ははは!やった!やった!遂にあの憎きモビルスーツ乗りを私は!榛名は!やりました!」
私、榛名は砕け散った
「ははは、そうだ…そのままあの輸送船を潰して…」
私がそう思って主砲を向けた直後だった。
ドォォン!
「きゃ⁉︎な、何?」
突然、真後ろから攻撃されたので私はその方向を振り向くと…
「⁉︎、貴方は死んだ筈じゃ!」
そこには先程主砲の一撃を喰らい爆発した筈のモビルスーツの姿があった。
「残念だったなぁ榛名、トリックだよ」
スチャ…パン!
彼はそう言って何か変な飛び道具を出すと同時にこちらに何かを撃ってきた、私はそれを躱そうとしたが何故か体が動かなかった。
パス!
「⁉︎」
ビリビリビリ‼︎
「あぐ⁉︎」
ドサ…
私はそのままその攻撃を喰らうと同時に気絶したのだった。
ーーーー☆
「これで一応、鎮圧完了なのかな?これで終わればいいが」
プシュ〜
と俺は榛名を気絶させた後にそう呟いていた後にアクアジムの頭部ヘルメットを外して周りの状況を確認していた。
「くそ、さっきの攻撃でヘルメットのレーダー機能がいかれたか…これはまた怒られるな、はぁ…(ピキィィン!)ん?まさか…」
プシュ〜
「少し急ぐか」
ブォォォォォン!
とそんな時だった突然何か不気味な気配を先程までいた工廠の方から感じたので俺は直ぐにヘルメットを被り直しそのままブーストを吹かして全速力で工廠の方に向かうのだった。
「クソ、やはりか…」
そこに向かうと最悪の事態に陥っていると悟っていた、何故なら一人の艦娘が深海棲艦になったのだ、というか何処にこんなに艦娘達がいたんだ?気づかなかったぞ!
「ニクイ!ニンゲンガ!ニクイ!」
「どうしたの潮!ねぇ!どうしたの⁉︎」
「ジャマダァァ!」
「きゃあ‼︎」
潮と呼ばれた深海棲艦は自我を喪っているのか周りにいる艦娘達に攻撃を仕掛けていた。
「ちっ…ハンドミサイルランチャーとビームピックはさっきの攻撃で使い物にならない、格闘戦だけか…しょうがない!」
ブィィ…ブォォォォォン!
それを見た俺は直ぐさま機体の状態を確認してそのまま深海棲艦になりつつある艦娘に突っ込んだ。
ガシ‼︎
「早く逃げろ!グズグズするな‼︎」
「ふ、ふざけんじゃない…」
「いいから逃げろ!艦装を纏ってないお前らは足手まといだ‼︎」
俺はそのまま深海棲艦になりつつある艦娘に取り付き、後ろにいる駆逐艦達にそう言うと、一人の駆逐艦が何か言い返そうとしてきたが、俺は怒鳴って黙らせると駆逐艦は皆逃げたのだった。
「ぐぐ…オリャァァ!」
ガシ!
「ぐ…ニンゲン、コロス!」
それを確認した俺はそのまま蹴り飛ばして構えを取ると同時に彼女もこちらを睨んできたのだった。
「さて、どうするか…」
それを見た俺は勝算はあまり無いと思っていた、何時もの相棒ならともかくアクアジムのままではパワー負けは確実だ、せめて武器があれば…
「司令官!これを!」
ヒュン!
俺がそう思った直後だった、いきなり聞き覚えの声が聞こえてきたと同時に何か物を投げる音が後ろから聞こえてきたのだった。
「サンキュー!電!」
パシ!ビュィン!
俺はそう言いながら投げ渡された高周波ブレードを手に取り構えた。
「待っていろ、今【戻してやる】!」
ブォォォォォン!
俺はそう宣言すると同時に高周波ブレードを片手に突っ込んだ。
「ウガァァァァァァァァァ‼︎‼︎」
ダァァン!ダァァン!
それを見た彼女はこちらに砲撃をしてきたが、今更遅い!
「一本無剣…」
駆け抜けるは風の如く…
「二本明剣…」
刺し貫くは雷の如く…
「三本で通す…」
闇を切り裂く光の如く…
「無明三段突きぃぃぃぃ!」
本当の敵を突き貫く!
ブシャャャャャ‼︎
「ウガァァァァァァァァァ‼︎‼︎」
パス…
「この子は返してもらうぞ」
無明三段突きを放った俺の手元には先程深海棲艦と化した一人の艦娘が俺の腕の上で眠っていた。
「ウガァァ‼︎キサマ‼︎キサマァァァァ‼︎」
「黙れ、貴様はもう斬り殺されているんだ…先程の一撃でな」
ブシャャャャャャャャ‼︎‼︎
「グガ…ウガァァァァァァァァァ‼︎」
シュュュュュュ…
ヤツは断末魔を上げながらその場で消滅した、これで奴等を見るのは何軒目だ、何回やってもコイツラの相手は慣れ無いな…
「電、この子を頼む」
俺は腕の中で眠っている艦娘を電に頼んだ後、執務室(執務室は奇跡的に無事だった)に向かいここの鎮守府の情報を収集しつつ閃光弾で輸送船に合図を送り輸送船は鎮守府と港に停泊した、この時既に夜遅くとなっていた。
「お前ら!これをガンガン売れ!結構高値で売れるからな!」
「はい、というか勝手に売ってよろしいのですか?」
「ああ、売っていいよ!どうせ悪趣味な物ばかりなんだから!それとあの純金像は溶かしてしまえ!」
「はい!」
「この後に中のリフォームを行う!モビルワーカーの準備をしておけ!」
「了解!」
まず俺がやったことは艦娘達の悪夢の巣窟と思われる執務室がある所の改築だった、ここは元々艦娘達の寮だったのだが…以前のクズ提督の誰かが改造して以来このままらしくこれを機に全面リフォームしようと決めた、因みに電は整備班と共に工廠と入渠ドックの整備を任せ、ウィゼル大尉には新人の艦娘と共にここに所属している艦娘達のバイタルチェック及び輸送船の入渠ドックに入れるように指示をした。
「ふぅ、大分綺麗になったな」
「そうですね、少佐」
「……なんでこんな目に」
因みにリフォームに参加しているのはウラキ少尉とアスカ少尉だけでだったりする、理由としては優先度が低いからだ、流石に執務室の為に人員を割くわけにはいかないだからモビルワーカーありでここの改築だ、かなり進んで中のリフォームは完了している、艦娘達が住む部屋も全てモビルワーカーのウォッシュ機能で全てピカピカにしてある。
「二人共お疲れ、明日何か作るからそれで許してくれ」
「わ、分かりました」
「了解…」
俺は二人にそう言うと二人はそう答えたので俺はその場を離れて食堂に向かった。
「……さて、ここまでいいだろう出てこいよ」
俺は食堂に着くと同時に後ろに振り向いた、そこには一人の艦娘が佇んでいた。
「ふーん、私の気配に気付くとはやるね…」
そこにいたのは川内型軽巡洋艦の一番艦川内の姿があった。
「川内、俺に何の用だ、暗殺しに来たのか?」
俺は彼女にそう尋ねると彼女はやれやれのポーズを取ってこう答えた。
「いや、殺しに来たわけじゃ無いよ…それにあの電という駆逐艦よりも君は強いだろう?そんな奴を相手に殺しに行ったら返り討ちにあうしね」
それを聞いた俺は彼女に何故ここにいるのか気になったかだ。
「一つ聞きたいことがあるんだ…どうして艦娘が深海棲艦になったのかな?あと君はいや君達はその光景を何度も見ているのか見慣れている反応をしていたしね、ねぇ…教えてよ」
俺は彼女からの問い掛けを聞いた時、少し悩んだがどっちにしろ喋れないのでこう答えた。
「これは軍事機密にバリバリ触れることだから俺の独断では話せない、でも一つだけ言えることは艦娘も深海棲艦も姿は違えど性質は同じということだよ」
「ふーん…そう、ありがとう」
彼女は俺の質問の答えを聞いて納得はしていないようだが、ある程度は納得してくれたらしい…俺はそのまま立ち去ろうとした時だった。
「あともう一つ聞いていいかな?どうやって艦娘を深海棲艦から元に戻したの?」
と突然彼女がそのことを尋ねてきたので、俺は彼女の質問にこう答えた。
「誰でも出来ることだ、それにその質問は禁止な」
それを聞いた彼女は俺の心境を察したのか、質問はしてこなかった。
「そう、それはつまらないことを聞いたね…それじゃ」
ヒュン…
彼女はそう言うとそのまま姿を消して消えたのだった、俺は気を取り直して食堂に向かうのだった。
to be continue…
感想、アドバイス…お待ちしております。