大鳳が欲しい…
(助けて…)
「おい、〇〇…立てよ!」
ドカァ!
「立てよ!このクズ!何も役に立たないクズが‼︎」
(助けて…)
ガシ!グイ!
「出来の悪い弟を持つとこっちの評判が下がるんだよ!この〇〇家の恥がぁ‼︎」
パァァン‼︎
(助けて…)グス…グスグス…
「泣いてるんじゃねぇよ‼︎‼︎オラ!オラオラ!」
ドスドス!ドガ‼︎
「うぐ…」
ドンガラガッシャァァァン!
(どうして…どうして…助けて…助けて…)
「今日はこれぐらいにしておいてやるよ、じゃあな」
(ねぇ…どうして、どうして僕を虐めるの?誰か、誰か教えてよ…僕は僕は誰なの?)
ーーーー☆
ザザァ…ザザァ…
「うう…うあぁ…」
ここはある輸送船の中の寝室、そこで俺は毎回見る悪夢に魘されながらも熟睡していた。
「司令官さん!起きて下さい!」
「うう…うう…た、たすけ…」
「むむむ…起きろぉぉぉ!なのです!」
ゴス‼︎バキィッ‼︎
「ウグッ⁉︎」
そんな中で俺は突然肺の助骨部分が折れるような錯覚を覚えたので飛び起きて目を覚ました。
「な、なんだ⁉︎ん?どうしたの
俺は目を覚ますと馬乗りになっていた少女、
「何時までも起きない司令官が悪いのです、それにもう鎮守府が見えて来ましたよ!」
「何⁉︎ど、どいて…」
「はいなのです」
ヒョイ!
ガバ!タッタッタッ!
それを聞いた俺は電に退くように言った後、俺は立ち上がり電と共に甲板に出た。
「あれが俺たちが配属される鎮守府か…」
「そうなのです!」
目の前に広がる光景は最早再起不能と言っていいほどのボロボロの鎮守府が広がっていたのだった。
「じゃ、行くか」
「なのです!」
それを見た俺と電は格納庫に向かった、格納庫に向かうとそこにはあの鎮守府に配備しテストする新型MSプロジェクトの試作機達と防衛用モビルスーツに艦娘用の艦装が沢山あった。
「そういえば、電の姉妹があそこに所属していたんだっけ。」
「はい、そうなのです!今から会うのが楽しみなのです!」
「ハハハ、そうか…それはいいな、早く会ってみたいな」
「みんないい子ですからすぐに仲良くなれるのです!」
タッタッタッタッタッタッ!
と俺と電は他愛無い会話をしてると誰かが走って来る音が聞こえたのでその方向を見ると男性の姿があった。
「少佐!何故パイロットスーツを纏っているんですか」
その男性の名前はコウ・ウラキ少尉、僕よりも年上だけど階級が僕より下の軍人さんだ、彼は試作機モビルスーツのテストパイロット候補だった筈…
「いや、説明しただろ?この鎮守府は以前の提督がクズ野郎で、最悪の場合こちらに砲撃する可能性があるということで新提督である俺と秘書艦になる電と一緒に出て先行するって言ったと思うよ」
俺はそう答えると同時にパイロットスーツを纏い終えたので電の方向を見ると既に艦装を纏っていた、それを見た俺はハッチの方に向かいスイッチを押してアベンジャーズのアイアンマンみたいに海戦用モビルスーツ・RAG-79アクアジムを纏った。
「じゃ、留守を頼んだぞ少尉…行くぞ!電!」
「了解なのです!」
「了解しました!」
バシャァァァン!
俺はそう言うと同時に電と共に海へと飛び出して鎮守府へと向かったのだった。
ザァァァァァァ…
「(ピキィィン!)……⁉︎、電!回避!」
「了解なのです!」
クイ!ドォォォォォン!
俺は何かが来るのを察知し電にそう伝えると俺と電は左右に分かれた、その直後、その場所に砲弾の嵐が降り注いだ。
「……司令官!あそこを見るのです!」
電は何かに気付いたのか、その方向に指をさすと二人の艦娘が砲塔をこちらに向けていた…それを見た俺はすぐにアクアジムに積んである倍率スコープを使って覗いた。
「金剛型と山城型が一人ずつ、それと駆逐艦が四隻か…‼︎、おっと⁉︎」
ドパァァァァァン!
「司令官!大丈夫ですか?」
「アクアジムの潜水機能で助かった」
その直後、俺の方向に再び砲弾が飛んで来たので咄嗟にホバーを停止して潜行して砲弾を回避した。
「少し仕返ししてくる…電は合図があるまで待機」
俺は少し頭に来たので、電にそう伝えると同時に潜行モードにしたまま敵の方に向かう…
「了解なのです」
それを聞いた電もまた笑顔になってうなづいたのだった、それから暫くして俺は奴等の足元に到達したので聞き耳を立てていた。
「響さん、残りはあの
「ハラショー、電の説得は私に任せてみんなは輸送船を沈めに行ったら?そして高速修復材と資材とか奪えばいいし」
「確かに響の言う通りだね、どうする扶桑?」
「時雨、私が決めることでは無いわ…これは旗艦である比叡さんの役割です」
「分かりました!響さん…説得を頼みます、私達はあの船を沈めに行きます!」
そこまで聞いた俺は事前に装備していたハンドミサイルランチャー両手で構えていた、そして…
「させねーよ、あの中には俺の相棒もいるんだ」
カチャ…ドドドドン!ドドドドン!
「…」
ビュイン!
ブォォォォォン‼︎
俺は迷う事なく引き金を引いた後にアクアジムの標準装備であるビームピックを構えて突撃した。
「⁉︎、真下から熱源!ってこれはまさか…不知火!」
「⁉︎」
ドォォン!ドォォン!
時雨と呼ばれた艦娘と無名もわからぬ艦娘は俺が下から放ったミサイル攻撃の餌食となり大破していた。
「時雨!不知火!なっ…何処に敵が…」
ザパァァァァン!ガシ!
「ヒィ⁉︎」
その姿を見た山城型戦艦は辺りを見渡していたが、俺は真下から来ているので意味は無い…だから、俺はそのまま背後に飛び出して山城型戦艦を羽交い締めしてビームピックを首に当てる。
「伏せて!」
パァァン!
その直後に響と呼ばれた艦娘がこちらに発砲してきた、それを見た俺は山城型戦艦を蹴り飛ばして距離を取って回避した。
「大丈夫?扶桑?」
「な、なんとか…‼︎、響さん!」
「なっ!」
ドォォォォォン!
だが…俺は回避すると同時にハンドミサイルランチャーを放って響と呼ばれた艦娘と山城型戦艦を大破させる。
「扶桑!響!良くもやってくれましたね!」
残りが戦艦一隻になったところで俺は再び潜行した、何故なら戦艦は駆逐艦や軽巡と違って対潜水用の装備は積んでいないからだ(まぁ、例外はあるけど…あの帰国子女のババァめ、何者だよ)。
「くっ…何処に…」
金剛型戦艦は俺を探そうと海面を見るが今俺がいる所とは別の方向を見ている。
ザパァァァァン!
「読み通り!もら…」
ザシュ!
「え?」
「なのです」ニィタァ…
俺はそのまま奴の目論見通りに飛び出すと同時に電が金剛型戦艦の背後から高周波ブレードを突き刺していた、しかもとびっきりの笑顔で…
「輸送船へ、艦娘を数人捕まえた…今すぐ回収隊を送ってくれそれと弾薬を運んできてくれ弾切れだから頼む」
「分かった、ウラキ少尉!キース少尉!貴様らが回収に行け!ウィゼル大尉とアスカ少尉は武装しておけ、一応念のためという事がある!駆逐艦吹雪は補給パックを装備して向かう様に以上!」
「「はっ!」」
それを見た俺は輸送船にそう通信を送ると船長は何人か適当に選んで、そう命令したので俺は通信を切り電の方向を見ると…
グッグッ!
「ふぅ、これで良しなのです!」
先程戦闘していた相手を鉄のチェーンで拘束している光景だった。
「……程々にな」
「分かっているのです」ニィタァ…
少なくとも、その笑顔でいる間は信用出来ない…てか誰だよ、電に高周波ブレードを持たせた馬鹿は!その所為で電は
と俺はその変化に恐怖しながらも補給部隊が来るのを待ったのだった。
to be continue…
感想、アドバイスお待ちしております。