選出理由もついでに書いときます。
ベッドパーツ 063AN02 1.4
個人的にいっちゃんの美人顔なので。この作品のメインヒロインがリリウムになった理由でもあり、本作品の象徴的なパーツ。
コアパーツ 白栗コア 1.4 (OIGAMIチート)
軽くてOBがカッコいいから。実を言うとバランス的にクレピュスキュールには余り似合っていない、カッコよくするならテルスコアとかアルゼブラの新コアとかの方が良い。
腕パーツ テルス腕 1.4
EN武器適性から、もっと角ばった腕の方がカッコ良いかもしれない。
脚パーツ 061AN04 (レギュは考え次第更新)
大いに迷ったが、速度よりもカッコ良さを重視した。でもなんだかんだ言って速いので最高の選択だったと思う。OIGAMI展開時の美しさは凄まじく、一晩悶えた。重四脚狙撃機は神。よってそれを選ぶ王小龍が私は好き。
右武器 月光 1.0
強い。刀身が美しい。
左武器 カノープス 1.2
圧倒的総火力に惚れた。あと見た目。この武器2つは、どちらもACの象徴的兵装だからというのもある。
背中武器 OIGAMI 1.2
神は言った、力こそパワーであると。そして神は言った、長砲身は美しいと。
51センチか46センチ砲だと嬉しいけどそれだと色々問題が……いやでもACが170トンくらいだと考えて砲身を軽量化かつ短くすればあるいは……
ジェネ LINSTANT/G 1.4
KPのみで選出。エネルギー?あぁこれレギュ1.15だから
ブースター だいたいオルレアのもの。 (レギュは考え次第更新)
クイックで躍動する機体なので、推力重視。重量機をハイパワーでもって動かす
OB ソブレロ 1.4
軽くAAの威力が高いから。
FCS INBLUE 1.4
クレピュスキュールの戦い方は、近距離高速戦において大砲をぶちかまし、全弾発射後はブレードによって斬り刻むというものです。その戦い方には、こいつが一番合致します
こんなところか。
とりあえずこういう機体組んでレギュ1.15で動かしてみよう!性能は色々違うけど、動かすとクッソ楽しいよ!!
カラーリング アンビエイトのをそのまま
6/30 忘れていたFCSを追記しました。
9/17 ジェネレーターのレギュと忘れていたカラーリングを追加しました。
今日の私はとても気分が良かった
大西洋からブリテン島に入り、川を遡上すると基地へと繋がる秘密の洞穴なある。そこをのんびりと歩いて行くと、岩肌が露出していた穴がが金属製の整備されたトンネルへと変わる。
歩いて行く最中、様々な液体が機体に吹きかけられる。
ここで、ネクストの除染が行われる。身体からコジマ粒子をスッパリと落としたクレピュスキュールは、気のせいか昨日よりも美人さんに見える。
清潔になったところで、トンネルの終着点に至る。
そこには巨大なエレベーターが設置されており、自分の存在を感知すると、自動で上へとせり上がっていく。
すると、もうそこには愛しき我がガレージだ。
整備ロボ達がクレピュスキュールの周囲に纏わりつき、塗装を塗り直したり弾薬の補充を始める。
すべての作業をメカに任せ、私はシャワールームへと入る。
シャワーを浴びながら湯を溜める。地獄のように熱いやつだ。身体を泡だらけにし、髪を丁寧に洗い、頭にタオルを巻いて湯船に浸かる。100まで数えた後風呂から出て、そのまま部屋の中に戻っていく。
タンスを漁ると、この前のショッピングの時に買っておいた新品のパンツとシャツを取り出す。そいつを身につけて、部屋のクーラーをオンにする。
ソファに腰掛ける、大きく伸びをする。
そして、一言、彼女は笑いながら口にした
おぎゃあ。と
そう、ジャンヌ・オルレアンは今日をもって誕生したのである。この世界において、私は山猫として殺人を犯した。
右腕を頭上に掲げる。少しだけ重い気がする。
恐らく、これが殺人という罪の重さなのだろう。直接死体は見ていない。ただ、間違いなく、私は人を殺した。
これから、この身体はどれだけの罪に汚されることになるのだろう。この繊細な右腕に、存在しない左腕に、そして頼りなさげな両肩に、私の咎は積み重なっていくのだろう。
最高の気分だ。こんなに可憐な少女が自分の何百倍もの大きさの十字架と共に生きて行く、究極に萌えるじゃないか。
右手を眺めながら、殺した男の事を想う。
マグリブ解放戦線は跡形もなく消滅するだろう。瀕死の兵隊が甘ったれて言う台詞を吐く男には、万分の一もレイヴンを討てる可能性はない。
その後はどうなるだろう。やはり、始まりはハイダ工廠となるのだろうか。
今回で確定したが、この世界はハードモードらしい。ということは、ハイダ工廠にはパイオツキリシタンが来るという事だ。
美人の損失ほど世界にダメージの入るものはない。クレイドル03なんぞの比ではない。
なんとしても助けなくては、まぁその計画はゆるりと考えよう。なんだかんだ言って、この世界に来て4ヶ月は経っていた。ミッションの進行速度から考えるに、すぐにハイダ工廠が血の海になるとは思えない。
そうのんびりしてると、途端に腹が悲鳴をあげ始めた。そういや、戦闘以降なにも食べていない。
そうだな、リリウムにも最近会っていない。食事ついでに会いに行くか。夜遅いが、彼女は許してくれるだろう。私の脳には、彼女から提供された警備の穴についての情報もインプットされている。
予定は決まった、あとはレッツ行動である。服を着て、偽造免許や金などを車に突っ込む。目的地設定、ゲームを起動。準備はOK。
「しゅっぱーつしんこー!」
車内に彼女の能天気な声が響く。
夜、空には不自然なほど多くの星が瞬いていた。
一難去ってまた一難。この諺は企業の苦悩を表していた。
いままで自分たちを悩ませてきたアマジーグが死んだ、それは素晴らしいニュースだった。
しかし、その戦果を報告してきた傭兵が提出した(もしくは売った)映像により、彼らは新たな胃痛の種を植え付けられた。
新たな……それも凄まじい高性能機に乗ったイレギュラーが登場したのだ。
その機動を見た技術者やネクストは、一様に目を丸くした。
おぉよそ、現在の常識では考えられない動きである。重量四脚と見られる機体が、右に左にと止まる事なく躍動し続ける。
その前ではあのアマジーグの動きでさえ児戯に等しかった。
この問題に関して、一番問い合わせが多かったのがインテリオル・ユニオンである。
ほぼ全てが出所不明のパーツで組まれたこの不明ACだったが、2つだけ良く知られているものが使われていた。
それがレオーネ・メカニカ社の標準機であるテルスの腕部パーツと、メリエス製のハイレーザーライフル、カノープスである。
しかし、インテリオル・ユニオングループには当然それらの販売のデータは無い。会社全体で徹底的にルートを探したものの、結局見つかったのは幾つかの全く関係の無い不正のみだった。どんなにどんなに漁ってもデータは出てこない。しかし、このイレギュラーは我が社の製品を装備している、どこかで、どこかに何か残っている筈だ。
今日も多くの社員が右に左に、インテリオル・ユニオンはイレギュラーの正体を探すために駆けずり回っていた。
だが、このインテリオルよりも大きな衝撃を受けた会社があった。
レイレナード社である
レイレナード社製の輸送機の中で、男は惰眠を貪っていた。
ベルリオーズとの協働ミッションの時から世話になっている機体である。機長含め全ての乗員と顔見知りになっている中での空の旅は、快適な物だった。
リンクスというのは貴重な戦力であるからどこでも丁重にもてなされているが、ネクストこそが主戦力であるレイレナードでの接待は他の企業のものよりも上だ。このベッドなど、アナトリアの自分の部屋にあるものよりも寝心地が良かった。
ドアがノックされる。すぐに目を覚まし、起き上がって入室の許可を出すと、副機長が入ってきた。
「まもなく着陸態勢に入ります。揺れますので、座席にてお待ち下さい」
「あぁ、了解した」
ニコリと頷いて副機長に言葉を返す。ネクストでの行軍と違って快適そのものだ。飯が美味いのも良い。こういうサービスの差が、仕事の選択の基準となるのである。
座席について、窓の外を眺める。既に輸送機は雲の下へと降りており、滑走路へ向かっている。
窓の外を見ると、今回の目的地が目の前に見えた。
エグザウィル。レイレナード社の誇るこの大型建築こそが、今回自分が招かれている場所なのである。
なぜこんな所に呼ばれたか、理由はどう考えてもあの不明ACについてだろう。
GAに提出した後、各企業に高値で売り払ったあの戦闘記録は、各地に大きな波紋を広げていた。
そんなこのデータを最も高値で買ったのは、現在疑惑の最中にいるインテリオル・ユニオングループではなく、このレイレナードだった。
その理由については知らないが、呼ばれたのだから行くしかない。報酬も少なく無い数が支払われているのだ。
どう足掻いても似合わないスーツなどに身を包んだレイヴンは、少ない荷物を鞄に突っ込むと機体から降りる準備をした。
機体から降りた時に現れた案内人に導かれるまま特異な形の本社ビルの中に入ると、中にいる全ての人間の視線が肌に突き刺さった。
そういう視線には慣れているので、気にせずに進んでエレベーターに乗り込む。
斜め上へと向かっていく円柱の中から、グレート・スレーブ湖を眺める。
……しかし、なんというか、本当に奇抜な形である。あの支柱辺りに攻撃をしたらこのビル容易く崩れるんじゃないか?
隣り合った世界において自分がこの会社を襲撃することを知らない男は、心の底から心配だという風にそう考えた。
エグザウィルの最上階層。
まるで高級ホテルのような内装の道を進んでいくと、目的の場所へと着いた。案内人が扉をノックする。そして中から入室の許可が出ると、案内人は扉を開いた。
そこには、久しぶりに会う友人がいた。
「ようベルリオーズ、息災そうで何よりだ」
案内人が退出した部屋にて、出されたワインを傾けながら男は言う。机を挟んで座っているスーツ姿のベルリオーズはそんな彼を眺めながら、申し訳なさそうに言う
「まぁ、最近は殆ど会社から出られなかったからな。さて、さっそく本題に入りたい所だが……実は一人遅れていてな」
「まだ参加者が?事務屋か?」
「いや、リンクスだ」
「もしかしてレイレナードではリンクスもサラリーマンの真似事をするのか」
「もしかしても何も我々は会社員だよ、会社から命じられたらどんな仕事もしなくてはいけない。戦争屋はあくまで有事の仕事だ」
「まぁ、リンクスなんてのは特にそうか」
つまらない世の中だ、と言わんばかりに溜め息を吐く
「今でも君は首輪をつける気は無いのか?」
「あるわけ無いだろ。鴉に鳥籠が似合うか?」
馬鹿馬鹿しいとばかりに男は言う。今回、レイレナード社に来てその想いは更に強くなっていた。男にとって、戦争以外に生きる気などさらさら持ち合わせていない。
「まぁそうだろうな。……しかし遅いな」
「別の仕事じゃ?」
「いや、間違いなく会社に居るはずだが……」
その時、ノックの音が室内に響く
「噂をすれば……か、入れ。」
ベルリオーズが入室を促すと、ドアがゆっくりと開いた。
そこに立っていたのは女性だった。切れ長な瞳、シャープな作りの顔、黒い髪はバッサリと首元で切られている。
肢体は一見しなやかだが、あの手や肩を見た感じ、全身くまなく筋肉でコーティングされているのだろう。服装はいわゆるライダースーツというものだろう。
ちなみに胸はフィオナよりも大きい、どうせ筋肉だろうが。
「すまない、遅れた。」
女は入室早々謝罪する。なかなかにぶっきらぼうなもので、客人である自分からしたら怒るべき所なのだろうが、不思議とそのような気持ちは湧かない
「紹介する、彼女は……」
「いや、だいたいわかる」
男は立ち上がると女性の方に向い、手を差し出す。
「初めまして〝鴉殺し〟。仲間が世話になった」
「あぁ、こちらも楽しくやらせてもらったよ」
友好的という言葉とかけ離れた挨拶であるが、二人とも一切表情の中に皮肉などの要素は無い
「ベルリオーズもそうだが、会うとしたら戦場でだと思っていたが……」
「私もだ、出来ればお互い知らない状況で殺し合いたかった」
「初対面でする会話じゃないぞ、それは」
ベルリオーズが苦笑しながら言う。
「で、トップリンクスが二人して何の用だ?」
男が二人の姿を見比べてから言う。この2人はレイレナード社の最高戦力だ、どちらも戦術級……いや、一機で戦略級の価値はある化け物である。
「わかっているだろ?あのイレギュラーについてだ」
「アマジーグか?」
席につきながら男が言う
「……すまんが、冗談は後だ。すぐに本題に入りたい。聞きたいことは多いのでな、後で技術者たちが君の話を元にあのACをシミュレーター上で再現したいと言っている。」
「それはそれは、そのデータは後でくれよ」
「そのつもりだと言っていたぞ。あぁすまんベルリオーズ、席を借りるぞ。」
「どうぞ」
アンジェはそう言ってベルリオーズと男の間に座る
「で、だ。レイレナード社はあいつの何に注目してるんだ?あの映像、ふっかけたらインテリオルの1.5倍は出したぞ」
男が尋ねる。ベルリオーズはそれに応えずに、それぞれの前にある物を投影した。
「アクアビット社のものが再現した不明ACの3Dモデルだ。これに何か問題は?」
「いや、無い。うん、細部の記憶は朧げだがだいたいこんな形だ」
3Dモデルを回しながらしげしげと観察する
「しかし、何度見てもふざけたデカさだなこのグレネードは」
「あの被害半径から察するに、戦艦の主砲クラスの攻撃力を持っているらしい」
「そんなもの作るのは有澤くらいだろ。問い合わせたのか?」
「奴さん達、悔しがっていたらしいぞ。あんなものを作る会社がいるとはって」
「なるほど、アクアビットやGAEと同じ穴の狢ということか。」
男が納得したように言う。
「で、何が問題なんだ?」
「ここと、ここだ」
男の問いに、ベルリオーズはある二点を指す
不明ACの持つブレードと、メインブースターだ。
「これか?たしかに馬鹿げた性能だった。射程は長く、威力はありゃドラゴンバスターよりも高いな。メインブースターも凄まじい出力だった、あの重そうな機体をまるで軽量機体のように動かしていた」
「この2つはレイレナードの製品だ」
「なに?」
男がふざけんなよと言った様子で口を開く
「おいおい、となるとそっちのカタログ馬鹿げた重大な記載漏れがあることになるぞ。こんな商品があるのなら、他の装備なんざ買わずにコレを買っていた」
「記載漏れではない、そもそもこれらは非売品だ。」
「非売品?」
「そうだ」
今まで腕を組んで黙っていたアンジェが頷く
「……こいつは、私の〝オルレア〟に合わせる形で作られた専用のパーツだ」
「それはそれは……」
わけがわからないといった風に男は呟く
「今は生産は?」
「していない。そもそもこれは国家解体戦争前に製造したものだ、造った工場はいま別の目的の為に動いている。こんなやたらとコストがかかるものを作る暇は無い、それに、あんなピーキーな代物を他の工場で作れるとは思えない」
「予備があるだろ?どこにあるか把握しているのか?」
「ムーンライト……このブレードが私が装備しているものを含めて五振り。メインブースターも五組、どれもこの本社にある。念のため全て動作チェックした、間違いなく本物だ」
アンジェが淡々と述べる。それを聞いて男は、軽く眉の間を揉むと、自分の考えをまとめるかの様に言葉を吐く
「存在する筈のない装備を持つイレギュラーねぇ」
謎が更に深まった。ほぼ部外者の自分でさえ少し頭が痛いのだ、レイレナードの上の人間など、胃と頭に深刻な損傷を受けているに違いない
「なんなんだ、こいつは」
思わず男が呟く
「企業が持てる力でもって探っているのに尻尾の掴めないような奴だ、本人以外知りようがないだろうよ」
「戦場で聞くしかないだろうな」
ベルリオーズの言葉に、アンジェが続く。そして彼女は男の方を見る。良く研がれた刀のような視線が向けられた。
「レイヴン、依頼だ。もしもこいつの動きが捕捉できた時、レイレナードでは私が出る事になっている。……その時に、僚機として雇われて貰いたい」
「問題無い、俺だって1人で挑んで何とかなるとは思っていないからね」
男は頷いた。彼は投影されたイレギュラーへと視線を戻し、語りかけた。
「クレピュスキュール……か。お前、本当に何者なんだ?」
拡張現実は何も答えなかった。
おはよーございます……!
えぇ、現在時刻、朝の二時でございます……
私はいま、ウォルコット家のベランダに来ております……!!
では、お邪魔しましょうか……
わぉ、寝苦しい季節だからか窓は開いています。
あぶないにゃあ、自分がゴーカン魔なら人生が詰んでいる状況である。
よし、音を、鳴らさないように……
いえーい……
さてさて……リリウムちゃんは……
寝てますねぇ〜……きゃわきゃわな寝顔です。
さてさてどう起こしましょうか。バズーカは持ってないんですよねぇ残念な事に。
……添い寝ドッキリやな。
じゃ、横に失礼しまぁ〜す…………
あ、良い香りするよ良い香り。女性の良い香りという質問をしたら50人中16人が思い出すような良い香りがするよ。
うふぅ〜、良いねぇ、何が良いってこんな行為をしている自分が美女なのが良い。絵面が華やか過ぎる。
……なんか横になったら眠くなってきたぞ。
うーん、例え使用人とかでもリリウムの部屋に本人の許可無く入ったりしないよなぁ。うん、その筈だ。彼女にだってプライベートがある。
よし、寝んべ寝んべ。こちとら疲労で死にそうなのだ。
じゃ、そゆことで、おやすみ〜〜
「ん……んん……」
揺れるカーテンの隙間から朝日が漏れ、リリウムの顔を照らす。
その眩しさによって意識を夢の中から現実に戻された彼女は、ゆっくりと目を開いた。
まだ、少し眠い。時計を見てみると、朝食の時間まで一時間ほどあった。
支度のことを考えても、もう少しだけ余裕がある。
少しだけ……と思いつつ、リリウムが陽の光から目を背ける為に寝返りをうつと……
ジャンヌの寝顔があった
「!?」
驚愕の余り脳が覚醒する、なぜ彼女がいるのだ!?
リリウムがベッドから転げ落ち、なんの遠慮も無く寝ている不思議な友人の顔を見た。確かに、正式な客人で無い彼女には、自分が部屋から抜け出す時にも使用する、この部屋に内緒で来れる方法を伝授してはいるが、それでも朝起きたら横で寝ているというのは予想外である。
「ジャ、ジャンヌ様……?」
恐る恐る尋ねてみるが、静かな寝息しか帰ってこない。どうやら、完全に寝ているらしい。
なるほど、だから彼女の夢を見たのかと勝手に納得する。今日の夢は、ジャンヌと共にネクストに乗るという内容だった。
とりあえず、熟睡しているところを起こすのは忍びない。リリウムは自分が動いたせいで乱れた布団をジャンヌにかけようとした。
「……?」
ふと、なんとなくジャンヌに違和感を持つ。彼女の顔付きが、なんというか、少し変わっているような気がする。
どういうことだろう、と疑問に思い。こんな気持ちを持ったことが前にもあったなと考える。
なんだったか頭を捻っていると、不意に今のジャンヌが姉や兄と似た雰囲気を持っている事に気付いた。
あぁそうだ、アルバムだ。父様と母様が亡くなった時を境に、姉様や兄様の雰囲気が変わったように感じたのだ。これは、その時の違和感だ。
リリウムは、この差異の原因は親愛なる人を失ったからだという結論に達した。
恐らく、ジャンヌも誰か、大切な人を亡くしてしまったのだろう。それで、悲しくなって、人肌が恋しくなって、ここに来てしまったのだろうか?
リリウムはジャンヌの頭を撫でた。そう考えると、どこかこの寝顔も悲しいものに見える。
「ジャンヌ様……リリウムを頼ってくれたのですね。」
リリウムは微笑んだ。いままで少しもその正体が掴めなかった少女の、人間らしい部分を見た気がしたからだ。
「ゆっくり寝ていて下さい。リリウムが横にいますから」
そうジャンヌに囁き、その手を優しく握る。彼女はそのまま、この客人が起きるまで横でその手を握っていた。
リリウムは間違っていた。しかし、誰にもその事を責めることはできない。
常人に、狂人は理解できない。双方は常に並行で、一切交わる事なく在り続ける。
狂人は眠る。
その顔は、どこまでも安らかであった。
ジャンヌの座右の銘は「美人は何をしても許される」です。
なお、これは前の世界から確信している事です。救いようがないね!