世にリリウムのあらん事を   作:木曾のポン酢

6 / 55
突然ですが、最近四脚にハマっています。
地上を高速で疾駆しながら撃ちまくる。なるほどこれは楽しい。
レッドラム脚がお気に入りです。

ふと、第1話を読み返しました。

うん、二脚とは書いてないな。うん。


よし


いやまて、まだだ、もう少し待とう。逆脚にハマる可能性もある。


というわけで、クレピュスキュールは既に描写しているパーツ以外は作者の中でも未定です。今のところ第一候補は軽量四脚ですが。


フラジール10機の断末魔聴いてたら頭痛くなってきた

こーんにっちわんこそばー!どうも!グーテンモルゲン・佳子ことジャンヌ・オルレアンでーしゅ!!!いえーい!!どんどんぱふぱふー!!ぶおおおおおおおおお!!!

というわけで、わちきは情報屋のおやびんに会う為に街に来ているでござるにそうろう。テンションはいつもの倍でお送りしてまーす!!

 

「まさかなぁ、なるほどなぁ」

 

これには理由がある、それは私がいま手にしている新聞に書かれた記事を読めばわかる

 

「ベルリオーズ、アナトリアの傭兵と共に武装組織を撃退」

 

そこには、二機のアリーヤが並ぶ写真が載っている。このブレードを持った機体がこの世界のレイヴンの乗機だろう。

機体名はワルキューレ……黒い機体でワルキューレ……いいねぇ……そそるよ……黒いワルキューレってラーズグリーズ感あるもん……計画を破壊する者とかイレギュラーに最高に似合う2つ名だよね

 

よし、こいつの事はラーズグリーズの悪魔って呼んであげよう。AC的には4はリボン付きの死神だが、細かい事は……

 

あれ?Vの黒い鳥ってそれこそ最高にラーズグリーズじゃね?いやそれともVDの方がラーズグリーズか?財団の計画ぶっ壊してるし。

 

まぁ、そんなことはどうでもいい。私が気に入ったのは、あの二人がこうして別の出逢い方をした事だ。

どうやら、自分が何もしなくても世界は動くらしい。これもう何の介入もしないでテレビ見てるだけで良いのでは?と一瞬思ったが、台本持ってメイクてるのに舞台に上がらんのもつまらない。

 

まぁ、この調子だとなかなかのアドリブ舞台になりそうだが。

 

そんなこんなを考えつつ、シンの兄貴の元に行く。

そろそろ顔馴染みになってきたヤクザな兄やん達に挨拶しつつ、てけてけ可愛く部屋に入る

 

「驚いたよ、ウェルコット家にあぁも簡単に入り込むなんて」

 

開口一番、シンが言った

 

「どれもこれも、シンさんの情報のお陰です」

 

私はお淑やかに礼をした

 

そう、私は素晴らしいことにリリウムちゃんと仲良くなることに成功していた。

いやぁ、アレだね。運が良かったのもあるけど、万人から好かれる顔だという自覚があると振る舞いにも落ち着きや余裕が出てくるね。ウィットに富んだジョークもポンポン出るもん。

余裕だよ、余裕、やはり人間には余裕が必要なんだ。

 

「で、この後はどうするんだい?」

 

「焦っても仕方がありませんからね、ゆっくりと信用されるよう頑張りますよ」

 

ニコリと笑ってそう返す。無邪気に、そう無邪気にだ。笑顔ほど人の心が見えない不気味なものはない。笑みは仮面だ、この人には、自分は復讐の鬼と勘違いしていてもらいたい。その方が楽だ。

 

「そうかい、幸運を願うよ」

 

「シンさんは、ネクストに恨みを持ったりはしてるんですか?」

 

ふと、気になったのでシンに尋ねてみる。この組織の構成員は殆どが元国軍の彼の部下らしい。だとすると、ネクストや企業に思う事があってもおかしくない。

 

「うーん、そこまでだな。あの戦争で妻や息子が死んだわけでも無いし。自分の大隊だってそんなに被害にあったわけではない。まぁ、国に対しての忠誠なんてものも殆どあったわけじゃないしな」

 

聞き捨てならない言葉が耳に入った

 

「……ご家族が?」

 

「あぁ、こんな世の中で息子も小さいが、ピンピンしてるよ」

 

「そうなんですか……」

 

意外だ、なんとなく独身だと思っていた。まぁ、顔は兎も角なんだかんだ優しいしねぇ。部下を自分の組織で雇ったりしてるし

 

「だから、まぁ、俺はあんまり奥深くでジャンヌちゃんの気がわかるわけじゃねぇが……」

 

大丈夫大丈夫、自分も復讐に狂う人間の心情わからないから

 

「そっちが顧客である限り、こっちは出来る限り手助けをするよ」

 

「あら、じゃあ良いお客さんでいなきゃいけませんね」

 

うふふ、そう笑ってシンさんとの話を終えた

 

 

こせきを てにいれた !

 

というわけで偽造された身分証明証を幾つか手に入れた。やったぜ!!名前はジャンヌ・オルレアンにしてくれたのね。良きかな良きかな。

これで自由度が大きく上がった。免許証もあるのが嬉しい。楽しくドライブができる。

 

ウッキウキしながら街を歩く。今日の目的はこれで終了である、最近の日課であるリリウム訪問は今日はいかない。曰く、久しぶりにお兄様とお姉様が帰ってくるから家族水入らずで過ごしたいらしい。

人と話すことに飢えていたのか、リリウムからは色々な事が聞けた。

自分の事、家族の事、暮らしの事、そして夢の事。

どうやら、リリウムの夢はネクストに乗る事らしい。良かったね!夢は叶うしネクストの中で死ねるよ!!だいたいコジマ塗れだけどね!!!

そうか、叶うと良いねと応えると、リリウムは自分にこんな事を尋ねてきた

 

「ジャンヌ様、ネクストに乗るというのはどのような感じなのですか?」

 

リンクスって事がばれてりゅ!?と一瞬驚いたが、よく考えたら自分の背中にはAMSに接続するための端子が埋め込まれている、それを見て気づいたのだろう。

 

「いや、自分はまだ殆どネクストに乗った事がないんだ」

 

「候補生ってことですか?」

 

「そんな感じかな?」

 

ボロロンと心のカンテレを弾く。

 

「あまり、自分の事はお姉さんたちに言わないでおくれよ?ここにいるってバレるとマズイからね」

 

「ジャンヌ様は、訓練をサボってここに来ているんですか?」

 

「違うよ、少し休憩しているだけさ。息抜きは大事なんだよ」

 

そう言うとリリウムは少し呆れたような顔をしていた。まぁ、BFFの中では性以外についてはマトモなウォルコット家に暮らしていたら、自分みたいなネクストは信じられないのだろう。

 

「訓練は、ちゃんとやった方が良いと思います」

 

「リリウムは真面目だね」

 

そう言ったリリウムに、私は笑顔でそう返した

 

 

訓練、そうか訓練か。そうだな、ゲームだけじゃなく実機で訓練してみても良いかもしれない。確か、クレピュスキュールにはトレーニングモードがあった筈だ。

 

そうと決まれば早速帰宅だ、少しは努力しなきゃ、この世界で埋もれる可能性は多々ある。幾らチートじみた補正を持ってようと、死ぬ時は死ぬんだ。

そうだ、なんたってこの世界には、アナトリアの傭兵が……イレギュラーがいるんだから。

 

 

帰宅後、パイロットスーツに着替えた私はすぐにクレピュスキュールに乗り込む。

あ、パイロットスーツはプラグスーツみたいな感じです。ほんとはもっとフルアーマーなのが良かったんだけど、成長のことも考えてどんな体型でもフィットするこいつにしました。

で、緩衝材もりもりなヘルメットを装着。AMSを接続し……

 

『パイロットの接続を確認。システム、通常モードを起動します』

 

「OK、トレーニングを行いたい。」

 

『了解、トレーニングモードを起動します。設定を行ってください』

 

画面に無数のACが表示される。4やfAに登場したネクストの他にも、他のAC作品の特殊兵器や現実で自分が組んだ機体のデータ(AIは色々と4系にふった感じのUNACがぶち込まれていた。いいよね無人ACって、4系に出てくるのは大体動きが単調なのでアレだな。)、そして特別なAIを採用したある機体がぶち込まれていた。

 

「敵のレギュは……こいつなら1.15だな。マップはバーチャルBで、数は………物は試しだ、3でいこう。」

 

ピッピッピと決めていき、ウキウキと準備をする

 

「いやぁ楽しみだ、前の世界だとこんな無理な対戦はできないからね」

 

さぁいこう、始めよう。自分がどれだけACを動かせるのか、練習には最適だ。

 

一面に広まるは無機質な世界。地面は六角形のパネルにて構成され、空は絵の具で塗り潰したかのように青い

ここは少女たちの遊技場。彼方に立つのは、全てを惑わす魅惑のローレライ

 

「それじゃあ、行きますか」

 

パキポキと、指の骨を鳴らす。溢れんばかりの笑顔が、顔中を支配する

 

「天使とダンスだ!!」

 

次の瞬間、クレピュスキュールは駆け出した。

 

空を舞う三人の乙女、黄昏の蝶はそんな彼女たちに向けて、素早くグレネードの照準を合わせた

 

 

銀髪の少女がスーツ姿で帰ってきた姉達に抱きつき、フランシスカ・ウォルコットとユージン・ウォルコットの二人は心底嬉しそうに自分達に良く似た妹の頭を撫でた。その柔らかな感触を楽しみながら、リリウムは久方ぶりの姉達との再会を実感した。

 

メイドも控えさせず、三人だけで整えられた庭にて紅茶を楽しみながら、リリウムは仕事の話をして欲しいと姉達にせがむ。

彼女に対して、蜂蜜漬けのパンケーキ並みの甘さで接しているこの姉弟は、機密事項にあたることや醜い現実を省きながら詳しく話す。

その一々に対して首肯し、相槌をうち、ある時は目を輝かせながら質問するリリウム。

 

話はどんどんと進んでいく、彼女にとって一番の憧れは勿論姉達だが、他のBFFのリンクスにも憧れを持っていた。

王小龍、アンシール、そしてメアリー・シェリー。

どのリンクスのお話も、彼女からしたら物語の主役のようにキラキラとしたものだった。(この姉弟は、特に後者二人の性格的欠損についてオミットしてから妹へと話していた)

 

ふと、リリウムはある事が気になって質問した

 

「BFFのテストパイロットとかで、優秀な方はいらっしゃるんですか?」

 

「テストパイロットか……」

 

ユージンが記憶の中のクローゼットを漁りながら、誰かいないかと探し出す。

 

「うーん、あまりパッとしたのはいないわね」

 

姉が口を開く、弟も頷いた

 

「だね。簡単に良いリンクスは見つからないからね」

 

「あ、そういえば……どうしたのリリウム?」

 

フランシスカがリリウムの顔を覗き込んだ

 

「え、なんでもありませんけど……」

 

「そう?何かに怒っているように見えたけど……」

 

「テストパイロットの不甲斐なさにじゃない?」

 

「い、いえ違います。少し眠くなってしまって……起きようとしたら……」

 

焦りながらリリウムは姉達に言い繕う

 

「ふふ、まぁ今日はいい天気だからね」

 

ユージンが銀色の小さな頭を撫でて言う。フランシスカが妹のカップが空な事に気付いて紅茶をいれた。

 

そんな温かな幸せを感じながら、リリウムは頭の隅で不思議な隻腕の女性について考える。

ジャンヌさんに、訓練は真面目に行うよう注意しなくては……

 

 

OIGAMI

有澤重工の技術の結晶とも言えるこの超大型グレネードは、多くのネクストから愛される存在だった。

両肩のスロットを占有するその大きさ、あの凝った展開ギミック、そしてその長砲身から放たれる大威力の砲弾。まさに浪漫だった。

だがしかし、その余りに大きすぎる射撃反動や展開時のスピードの遅さなど、使いにくい部分も多い。

そのため、このOIGAMIは、殆どのネクストにはネタ武器とされる類の武器だ。

 

 

機動する、機動する、機動する。

砂の上を、ビルとビルの間を、そして空を、あらゆる場所をかけながら、敵の攻撃を回避する。

 

現在状況

場所 旧ピースシティ

敵AC フラジール

数 10

 

あらゆる方向から弾丸が飛来する。

それをかわしながら、攻撃の隙をうかがう。

いま、クレピュスキュールの持つ武器は、OIGAMIのみだ。カノープスもムーンライトも、開幕早々パージした。

絶え間ない機動の隙間、ついに射撃の為の時間を作り出たクレピュスキュールは、クイックターンでもって振り向いた。

 

刹那、2つの爆発音がほぼ同時に響く。

1つはクレピュスキュール、砲口からはゆらゆらと煙が立ちのぼり、真鍮製の薬莢が砂の中に落ちる。

1つはフラジール。OIGAMIの直撃を受けたこの軽量機は、いまは無数の破片を地面に突き刺すだけの存在と成り果てていた

 

あるネクストは考えた、確かにOIGAMIは使いにくい、ロックは安定しないし、弾も殆ど入っていない、そもそも威力を求めるならば、ロケットやブレードを積めばいいのだから、こいつを使う必要は無い。

だが、それでも、使いたいのだ。ならどうする?こいつを使えるよう、特訓すればいいのだ。

 

そして山猫は特訓した。なんとしてもこいつを使いこなせるように、なんとしてもこいつで活躍できるように。

 

頭のおかしくなるような試行錯誤と特訓の末、彼はある境地に達した。

 

 

 

そうだ、反動高くてロック外れるならノーロックで当てればいいんだ。

 

 

 

そして彼は実現した、オフラインはもとより、オンラインの戦場を飛ぶ猛者達にさえ機動しながら、ノーロックでOIGAMIをぶち当てるようになった。

リアルのACコミュニティや掲示板で彼の存在を知った人々は、尊敬と畏怖の念から彼のことをこう呼ぶようになっていた。

 

 

 

 

 

 

超機動高射砲と

 

 

 

 

 

 

「つまらん」

 

無数のフラジールの骸の上で、少女は一人そう呟く。

 

残弾は0、敵は0。一発一殺でもってトレーニングを終了させた。

 

「うーん、あとでもう少し逃げに徹するUNACを組んでみようかしら」

 

視界が戻る、ヘルメットを外し、クレピュスキュールから降りる

 

「まぁでも、動かすことについてはこっちの方が楽しいな。」

 

そう言うと、スーツを脱ぎながら歩き始める。

汗をかいてしまった、風呂に入ろう。

あぁくそ、早く生でACと戦いたいな。

データというのはどうも単調すぎる、やはり戦いというのは、生の人間とやってこそ楽しい

 

もはや、彼女の中に殺人というものに対する忌避の感情は無かった。機動兵器同士の戦いでは、人間が死ぬという実感が薄いのが第一の理由。

第二の理由、折角の第二の人生だ、やれなかった事をやりたい。クズなロールは最初からするつもりだった、そこから殺人までの道は遠いようで近い。大丈夫大丈夫、死んでしまった動物を見ている時よりも、抱く悲しみや罪悪感は間違いなく薄いだろう。

 

この感情に気付いた時、少女は成る程と頷いた。

 

「あいむしんかーとぅーとぅーとぅーとぅとぅー……あいむしんかーとぅーとぅーとぅーとぅー……」

 

そうそう、我々人類種の天敵達唯一の同志も言ってたではないか。

刺激的にいこうと

 

人に優しく、人に厳しく、時にはいたぶり、時には希望を示し、時には助け、時には殺し、時にはグレネードで、時にはレーザーで、時にはブレードで……

殺れば殺るほど楽しくなるかもしれない、もしかしたら、人道的なロールな方が楽しいかもしれない、それはわからない。わからないならとりあえずやってみよう、

 

「リリウムにバレないようだったらクレイドル30億人殺しとかやっちゃおっかなぁ」

 

縁起でもないことを呟きながら、少女は風呂場へと入っていった。曇りガラスの中では、彼女の楽しそうな歌声と、お湯がタイルに落ちる音のみが響いていた

 

 

あ、やべぇ、タオルと着替え出してねぇ

 




サイコパスの方が書きやすい問題
いきいき動きやがる

てかこれこいつ拷問とかしそうだな。どうしよう、念のためアンチ・ヘイトタグもつけようかしら。うんそうだな、そうしよう。

愛ある拷問はアンチ・ヘイトなのか?(哲学)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。