VDを一緒にやってる友人に布教したらfaを購入しちゃったらしい。今日の午前4時頃からずっとやってる。今は白栗攻略中とのこと
はやすぎでは?
あれから一週間経った。その間に自分はACに乗って動きのシミュレーションをしたり。足でゲームする練習をしたり、好きな漫画のセリフを役になりきって読んでたりした。楽しかった。
さて、第二回お出かけである。食材の他に、今回は暇つぶしの為に漫画とかこの世界のゲームとかを買いたい。
金を詰めたアタッシュケースを2つ。それとお手伝いロボを乗せて有澤ハイエースに乗り込む。
オートドライブはホント楽である。速度はそこまで出ないが、旅のお供はそこそこの数積み込んでいるので問題はない。
さて、はるばる街に来たわけですが。駐車場に行くとこの世界の第一知り合いが立っていた。
「エドさん、どうしたんですか?」
「親父から、うちの事務所の駐車場に車を入れろとのお達しがありましてね。まぁそっちの方が中心街にも近いですし」
「あら、ありがとうございます」
「事務所までは私が運転します」
「お願いします」
自分が助手席に移ると、エドさんが身体を折りたたんでハイエースに乗り込んできた。
「ジャンヌちゃんは、いったい何者なんだ?」
シートベルトをしながら、エドさんが言う
「……やっぱり、私の事はわかりませんでしたか?」
「あぁ、親父も驚いた。……親父は元々国軍の情報将校でな。そこらのヤクザとは、それこそ情報網の質も量も違う」
そういや、まだ国家解体戦争からそこまで時間が経ってないから、そんな人間がワンサカいるのか。
しかし、元国軍か、エドさんもそうなのかしら?
「えぇ、ここに来る前に徹底的に変えましたから、親からもらったもの全てを捨てて」
性別もだよ!とは言わない
「……大変だったんだな。」
「……」
何も答えずに窓の外の風景に目を移す。街路樹や電柱が後ろへと飛んでいく。エドさんはまたもや何かを察したのか、無言で運転を続けた。
うん、良い人だ。今後も長いお付き合いをしていきたいね。
「さて、これが調査結果だ」
事務所に着くと、シンさんから分厚い紙の束を渡された。
「とりあえず、一週間でやれるだけのことはやった。質問があるなら聞いてくれ」
「ありがとうございます。成功報酬の方は既にエドさんに渡しています」
「……嬢ちゃん。人生の先輩からのアドバイスだが、そんなに簡単に人を信じちゃいけないぜ?特に俺たちみたいなヤクザ者が相手の時は」
この辺りには聖人君子しかいないのか?いや、それともこの痛ましくも美しい見た目のお陰か?
「ご忠告感謝します。ですが、今の私に出来ることはお金を渡す事と人を信頼することだけですので」
本音は人を疑うのが面倒くさいだけである。騙されたらそん時はそん時よ、ケ・セラ・セラの精神は大事。
「そうかい……ま、まだ報酬分は働いてないからな。調査は続けるよ。携帯端末は持ってるかい?」
「いえ」
使ってたスマホが部屋にあったけど、電話やネットが使えなかったのでゲームや音楽流す為の箱と化している
「なら、これを持って来な」
そう言うとシンが携帯を投げよこした。無意識に左腕を出しそうになり、慌てて右手で受け止める。
「連絡用の端末だ。今後、情報を渡す時はそれにメールする。充電器はこれだ。」
いま自分の手の中にあるのは、少し大きめのスマホといった風情の端末だ。
触ってみる。……ヤベェ、ネットに繋がるぞこれ
「あ、ありがとうございます!」
思わず声を張り上げてしまう。やっべやっべ、これじゃあまるでパパからプレゼントを貰った少女みたいじゃ〜ん
「通信料はこっちで払う。なに、嬢ちゃんから渡された額からしたらチンケなもんだ。連絡以外にも好きなだけ使うと良い」
…………ちょっとイケメンすぎない?これが私の顔と金の威力?
まぁ、戸籍がない自分にとってこのプレゼントは最高に嬉しい。こりゃ今後とも贔屓にせねばまなるまい。
さてさて、資料を読み始める。
ここには、つらつらとウォルコット家についての様々な情報が書かれている。
なるほど、国家があった時代からのAC乗りの家系なのか。ふーむ、んでもってなかなかの貴族らしい。だからこその名家、ウォルコット家か。
現当主はオリジナルリンクスであるフランシスカ・ウォルコット。隠し撮りであろう写真がついている。金髪ロングの綺麗な姉ちゃんだ、優しそうな表情をしている。他には弟のユージーン・ウォルコット、こっちにも写真がある。これは自分の乗機と一緒にいる姿だ。プロパガンダ用の写真だろうか、こちらも姉と同じ整った顔立ちの金髪の青年が、ニコリと微笑みかけてる。あとは、妹とということになっているリリウム・ウォルコット……と。これには写真がついていない。どちらかというとこれが本命なのだが…………………ん?
ということになっている?
ページをめくる。
リリウム・ウォルコットは、戸籍上では前当主の娘ということになっているが、彼に次女がいたという情報はない。これは元々彼の部下だった人間複数にも聞いているため、情報の信頼度は高いと言える。
また、現当主のフランシスカとユージーンは、兄弟という関係にしては異常に仲が睦まじいことで知られている。最近までウォルコット家に勤めていたメイドによると、姉弟は時々同じ寝室で眠ることもあり、使用人達の間では「リリウムは二人の娘なのでは?」という噂が流れていた……
…………………………………………………え、あ、はい
「その顔は……リリウム・ウォルコットについてか?」
「まぁ、はい……」
マジか、マジにマージか。いくら弟好きて言っても子供産んじゃったらあかんやろ。てかなんか昔こんなラノベ読んだ覚えあるぞ。あれは確か強制されてだが。
「まぁ、噂話程度に聞いておいてくれ。自分の常識だとどうも信じられなくてな」
「はい……」
となると、リリウムにとってはレイヴンは父母の敵となるのか。お、ヤベェ、ラインアーク襲撃しなきゃ。
さらにペラペラとページをめくる。etc.etc.etc……ん?
ふと目が止まる。ウォルコット家の見取り図があった。
「この見取り図は?」
「そこに書かれている元使用人からの証言を元に作ったものだ。奴さん、だいぶ金に困ってたのか少し握らせただけで喜んでそれを描いたよ」
守秘義務とは一体。まぁ、自分も百万もらえるんだったらペラペラ喋っちゃいそうだからなんとも言えないが。
ほーん、へー。デカイ家だこと。リリウムちゃんは……こんなとこに住んでるのね。把握把握。警備体制は……まぁ、そりゃ結構いますよね。BFFの重要人物が住んでるんだから。
となると外出時を狙うのが良いかも知れんな。
「リリウム・ウォルコットの行動パターンについての資料はありますか?」
「ないな」
シンさんが言葉をつなぐ
「何人か人間を家の周りに付けてるんだが、この一週間一切外出をしていないらしい」
「……ほほう」
「元使用人曰く、教育などはすべて屋敷の中でやっているらしい。その上、彼女自身も殆ど家から出ることはない」
なるほど、籠の中の小鳥ちゃんというわけか。
「やっぱり、狙っているのはこの娘なのか?」
無意識にコクリと頷く。
「はぁ……。世も末だな。」
確かに彼の頭の中で起こっている事象は世も末な物事だろう。両親の復讐のために、何の罪もない仇の娘を手にかけようとする幼い少女。どこにも救いがない。
「ま、こっちだって正道なんて歩けない人間だから大きくは言えないが。だけど嬢ちゃん、何事も命あっての物種だ。それだけは覚えておいてくれ」
優しい人だ。このセリフを金ヅルだから言うのか、自分の外見が幼いから言うのかはわからないが、それでも心配の言葉は素直に受け取るに限る
「はい、ありがとうございます」
ニコリと笑ってそう返した。
買い物を終えてハイエースに戻る。
資料を助手席に置き、買い漁った漫画を読み始める。
とりあえず人気なのや巻数が多いのを纏め買いしてきたのだが、やはりというかなんというかロボットものが多かった。中には、実在のネクストについて描いた漫画もある。
セルフのガソリンスタンドで給油しながら、少し考える。
……そういや、いまの自分って外見女児なんだよな。これ警察に捕まったら一発でアウトなのでは?
危ない危ない。ギリギリ気づいた。セーフだ。秘密基地から人気のない道は兎も角、ウォルコット家まで行くとしたらリスクが大きすぎる。
しょうがない、とりあえず電車で向かうか。だが、いつまでも電車ってのは困る。もしもの時の誘拐ができない。
一瞬考えた結果、とりあえずシンさんに頼むことにした。頼むだけならタダだし、既に三万コーム渡してるんだ、これだけのお願いは聞いてくれるだろう。
とりあえず、偽造の戸籍と免許とパスポートをお願いしといた。年齢は20くらいでと付け足しとく。
すぐにOKの返信が来た。
うん、まるで四次元ポケットだな。都合の良いものがドンドンと出てくる。莫大な金という対価が必要なのと、完全に法的にアウトっていうん部分が異なるが。
さて、どうしようか。状況は切迫している、いつアナトリアのがレイヴンが動き出すかわからない。行動は早いうちの方が良い。
よし、決めた。今からとりあえずウォルコット家のある街に移動しよう。
善は急げ、兵は神速を貴ぶ。行動は早いに越したことがない。
というわけで、車を有料駐車場に置き、ロボットに留守番を頼む。最悪盗まれるかも知れないが、そん時はそん時だ。なんというか、金が大量にあると万物に無頓着になってしまう。これでも前の人生ではなかなかにケチな生き方をしていたのだが、まぁ、苦労せずに稼いでしまったせいだろう。諦めなければ、人間とは変化する生き物だ。
10コームと少しが入った財布と携帯、今回買った中で一番気に入った漫画、シンさんから貰った資料。そして、いつ作戦を決行しても良いようにと車に乗せてた小道具やらを鞄の中につっこみ、意気揚々と高速鉄道に乗り込む。
約一時間ほどして目的の街についた。さてさて、ウォルコット家は……
すぐに目に入った。ビル街に石造りの城が建っているというのは、なんともアンバランスだ。まぁ、イギリスの貴族というイメージにぴったりではあるが
さて、じゃ、やるか。作戦はプランDで行こう。
はい、いわゆるピンチ用の作戦です。
パタリ
少女はいままで読んでいた絵本を閉じ、立ち上がり本棚に戻す。そして、その横からまた違う絵本を取り出して、机に持って行き、読み始める。
全身が宝石のように美しい少女だった。
白金色の輝く髪が、窓から吹き込む風によって揺れる。真珠を想起する滑らかな指が、本のページをゆっくりと捲り、紅玉のような瞳に無数の文字が映る。
少女の名は、リリウム・ウォルコットと言う。ウォルコット家の秘蔵の娘。姉弟の禁断の愛の結晶。
彼女は自分の出自を知らなかった。知る由も無かった。彼女が自我を持つ直前に、訓練中の事故によって両親は他界していたし、歳の離れた姉や兄が向けてくる愛を、純粋な妹へ向ける類のモノだと勘違いしていたのだ。
ページを捲る。
本の中では、お姫様の病気を治すために冒険する青い鳩の物語が綴られている。
少女は紅い瞳だけを動かして、青い鳩と共に病気を治す魔法の木の実を求めて旅をする。様々な出会いを経験した鳩は、ついに求めていた魔法の木の実を手に入れる。
ページを捲る
だが、青い鳩は間に合わなかった。帰ってきたときには、お姫様は永い旅を始めてしまっていた。
だが、鳩は後悔しなかった。お姫様が安らかに眠っていたからだ。希望を持ちながら、世界を愛しながら、彼女は旅立った。
長旅で疲れた鳩は、そのまま眠ってしまった。
そして……
「…………」
読み終えた本を閉じる。
彼女は、ほとんど外に出たことが無かった。
リリウムはアルビノだった。身体の造りに異常は無かったが、肌の弱さはどうにもならなかった。
だけど、なんの問題もない。リリウムは、家の中で旅をする術を知っていた。
リリウムは絵本を戻すと、一番のお気に入りの本を机の下から取り出した。
ネクストACについて書かれた本。愛する姉や兄が自らの手足のように動かす鋼鉄の巨人。そして、叶わないだろうけど、願ってしまう夢。
本を読みながら、いろいろな事を想像する。
だがその中に、ACの本来の仕事を思い描くものはない。
純粋に、ただ純粋に。少し規模の大きい人形遊びを、彼女は頭の中で楽しんでいるだけなのだ。
「あら?」
ふと、リリウムが横を見ると。小さく首をかしげる雀と目があった。
「ここには、貴方のご飯はありませんよ?」
少女は雀にそう優しく諭すと、カーテンを開けた。
太陽の光によって少し目が眩む
部屋の中から空の青を確認した雀は、そのまま自らの居場所へと帰って行く
その様子を眺めていると、庭の外、街路樹の上に、人が座っているのが目に入った。
美しい人だ。遠目から見てもわかる。流れる深緑の中にいる黄金色の姿は、物語の姫君という表現がよく似合う。
彼女は、片手で何かを吹いているようだ。澄んだ風に乗り、美しい旋律が微かに少女の耳に届く。
と、視界の中の姫君は、演奏を止めじっとこちらを見つめてくる。
どうしたのだろう?私が見ているのに気付いて止めてしまったのだろうか。リリウムがそう考えていると……
彼女は優しくリリウムに微笑みかけた
少女は、自分の大きく心臓が飛び跳ねるのを感じた。慌ててカーテンを閉める。
何故か身体が熱い。自らの肌が、上気するのを感じる。
恐る恐るカーテンを開け、もう一度街路樹の上の姫君の姿を眺める。
彼女はこんな自分の姿を知ってか知らずか、ただただ何かを演奏し続けていた。
APPクリったな(確信)
AC7はPSVRと共に購入します。