SSS SS S AAA AA A B C D
「AAA以上は管理局全体の5%、Bランクが一般の武装局員の壁」というのを魔力量にも持ってきた感じです。
やってきました。ミッドチルダ。魔法の世界ですよ皆さん! さあ、どんなファンタジーがお出迎えしてくれるのか!?
とか思ってた時が、俺にもありました。
「魔法、世界……?」
目の前に広がっているのはまさにSFといった街並み、ビル群。
「何期待してたのかは想像つくけど、アースラとかデバイスとかのデザインの時点で察しなさいよ」
まったくもってその通りで。
「ほら、さっさと検査終わらせるわよ」
あらほらさっさー。
それにしても。
「もしかして、リーゼ達って結構有名?」
現在、局内を移動中。すげえ視線感じるんですが。
「まあね。父様が管理局の重鎮だから」
中には俺に嫉妬の眼差しを向けてくる奴も居る。子供相手に向けて良い視線じゃなくね? ……あ、でも。子供でも働いてるし、そこら辺の区別はないのかも?
てかグレアムさんて、予想はしてたけど相当なお偉いさんだったのね。ビッグボスってのはあながち間違いとも言えなかったのか。
……うーむ。俺が目覚めた時一番最初に会ったのがグレアムさんだってのは何か引っ掛かるな。もしかしたら、古夜家とは個人的な関係があったのかも。ただの局員の子供に、管理局の重鎮が1人で会いに来るとは思えない。
ま、記憶喪失ってことになってる俺には関係ないだろう。
「さ、ここよ。とっとと検査してらっしゃい」
ぱぱっと済ませちゃいます。
あっという間に検査終了。いやー、検査機械もSFぽくて、でも魔法技術っぽいのもあって割りと楽しかった。
結果はというと、魔力量はB。将来的にはAにもなるだろうとのこと。魔力変換資質は無し。まあなくても属性魔法は使えなくはないしいいか。その他変わったレアスキルもなかった。
「この結果、どうよ?」
「「微妙ね」」
ハモったね。
「魔力量がBってのはまあ、平均よりは多いわね。将来Aにもなるっていうんだから、それなりの量ではあるわ」
「ただ、適正が特にないってのはねー」
それな。
魔力の圧縮だったり放出だったり、どんな魔法が向いてるなどの適正の検査もしたのだが。
「どれもそれなりにはあるのよね。でも、才能があるかというと、やっぱり微妙なところね」
何とも言えない結果だった。
まあ、才能がなかった訳じゃないし、良しとしましょう。
「で、この後はどうすんの? 観光?」
「父様に会いに行くわよ」
おお。やっぱこっちに来たからにはご挨拶しないとね。
「あんたの通うことになる小学校も決めなくちゃね」
そういやそうだね。幼稚園には行ってなかったからなあ。……あれ、俺小学校入れる?
「その辺はどうにでもなんのよ」
まじですか。
「久しぶりだね、晃一君」
「お久しぶりです、グレアムさん」
「あんたはなんで敬礼なんてしてんのよ」
やっぱり目上の人には敬意を表さなければということで。
「局員でもない子供に、そんなことは求めんよ」
グレアムさん、苦笑。やっぱこの人いい人だよな。
「いろいろ、話を聞かせてくれるかね?」
もちろん。
「不自由なく暮らしてくれているようで何よりだよ」
「リーゼ達もなんだかんだ優しいので」
かわいいし。
グレアムさんは嬉しそうだ。
「……それで、小学校はどこに行きたいか希望はあるかい?」
悩ましいとこなんだよなあ。やっぱ私立はお金かかるし、グレアムさんから資金援助を受けてる身としては、やっぱり公立にしとかないと、とは思う。
まあ、ぶっちゃけどこでもいい、どうでも良すぎて決められないってのが本音なんだけどね。だって前世は田舎で小学校選ぶとかありえなかったし。幼稚園行ってなかったから友達の居るとこ行こうとかもないし。
「どこがいいんですかね」
「資料をみる限りでは、聖祥というところが良さそうだね」
いろんな学校のパンフレットを見ながらそう言うグレアムさんは、なんというか、お父さんだなあって感じ。失礼なのかもしれないけれど。
「え、でも聖祥って私立ですよね」
「そんなことは気にする必要はないよ」
即答。まじかい。
「あんたも変なところで遠慮すんのね。ここでいいじゃない」
「もうここに決めましょう」
あれよあれよという間に決定。俺は私立聖祥大学付属小学校に通うことになった。
地球よ! わたしは帰ってきた!
あの後は特にやることもなく普通に帰ってきた。もちろん帰りの船でもリーゼ達にボコられた。……もう俺、痛みに対する耐性は一流なんじゃね? って思うくらいには盛大にボコられた。
あー、もう疲れたわー。リーゼ達は帰ったし、久々にゆっくり過ごしますかね。
でも何しよ。てきとーに歩き回るかなー。修行ばっかで、町に何あるかとかいまいちよくわかってないからなー。別に修行は好きでやってるから問題ナッスィンだけど。
よし。飲み歩きしようか。
色んな喫茶店でだらだらしてます。次のお店は、喫茶「翠屋」である。
「いらっしゃいませ! 僕、一人?」
美人さんがお出迎え。つくづく、この世界の美人率はオカシイと思う。
一人で席に座り、メニューを見る。なんかいいのないかな~っと。価格は普通。……いや、ブルマンだけ高いな。ま、まさか! このブルーマウンテン、『本物』か!? だとしたら、このお店、侮れん!
ぶっちゃけ俺コーヒー超知ってるってわけではない。でも、このブルマンは飲んでみたいなあ。
近くを通った男の店員さんに尋ねてみる。この人、強そう(小並感)
「すみませ~ん。あの、このブルマン、『本物』ですか?」
「……! ああ、そうだよ。運よく仕入れられたんだ。君、そんなに小さいのにわかるのかい?」
ちっちゃくないよ!
てかまじで本物か。ここでいう本物とは、本当にジャマイカの「ブルーマウンテン」という山で栽培された豆のことである。希少価値が高く「コーヒーの王様」とも言われるほどの、レアなコーヒー豆。これは飲まなきゃ。味の違いが分かるわけではないけど、飲んでおきたい!
というわけでこれにしたんですが。
「お待たせしました、ブルーマウンテンにな……って、晃一君じゃん!」
「ぬ?」
見ると、コーヒーを持ってきたのは、メガネに三つ編みの……て
「美由希さんじゃないですか。ここでバイトしてたんすね」
「あはは、ちょっと違うかな。ここ、うちが経営してるの」
なんと。表は喫茶店員、裏では剣士ですか。どこのヒロインだよ。
コーヒーを飲みながら軽く雑談する。
「へー、さっきの人、お父さんなんですか。道理で強そうだと」
「でしょでしょ」
「美由希さんは強そうには見えなかったんですけどねえ」
「随分容赦ない言葉だね!?」
なんか弄り易い雰囲気してんだよね。
「恭ちゃんにもよく弄られるんだよ~」
あ、やっぱり?
「そういえば、来年から小学生になるんだよね」
「そうなんですよ。聖祥に決まりました」
「え、ほんと? うちの妹と一緒だね!」
まじですか。妹居たんすか。そして同い年ですか。
「なのはっていってね。とってもかわいいの! 天使みたいでね~」
満面の笑みでそう語ってくる美由希さん。シスコンかよ。
美由希さんの妹自慢を聞き流しながら、コーヒーを飲む。
コーヒーは素人の俺にもわかるほど美味しかったです。
作者はコーヒーに詳しくはありません。ただのコーヒー好きです。
ちなみに紅茶はまるっきりだめです。