魔法の世界にこんにちは   作:ぺしみんと

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山も谷も落ちもない回です。

UA10000とお気に入り200件行きました。初めての二次小説制作でも皆様に読んでいただけて本当にうれしいです。


15話 進級とサプライズ

「管理局で働く?」

 

 翠屋でぐだっていると、高町たち仲良し四人組とはやてに遭遇した。最近ははやてとも一緒に居るのでほぼ五人組になっている。

 

 珍しく翠屋でのエンカウントだったので駄弁っていると、そんな話をされた。はやては本人からは聞いてたけど。他二人もか。

 

「うん、晃一君も一緒にどうかな?」

 

 何故か希望に満ちた目で誘ってくる高町。俺あなたとそこまで親しいつもりは無いんだけど。なんか親密度高くない?

 

 その辺どうなんですか、嫁のテスタロッサさん?

 

「よ、嫁じゃないよ?」

 

 そんな顔真っ赤にしていわれても説得力ないんですが。かわええなこの生き物。

 

「うぅ……。私となのはは戦いを通して友達になったから。こういちの場合も同じような感じじゃないかな」

 

 戦友的な? まあ確かに死線を共に潜ったが。ってか、あなたたちそんな馴れ初めだったのね。あなたたちの青春熱すぎない?

 

「どう?」

 

 どうっていわれても。女の子から誘われてこれほど嬉しくないこともないと思う。何が悲しくて小学生で働き始めなきゃなんないのか。

 

「いや、俺管理局で働く気無いから。普通に地球で就職しますよ」

 

 せめて大学卒業してから働きたい。そう言うと、高町だけじゃなくはやてとテスタロッサも目を丸くした。

 

「……晃一君、それ本気で言っとんの?」

 

「あんな無茶な修行してるのに魔導師として働く気はないの?」

 

 その変なものを見る目をやめろ。

 

 いつだったか、はやてたちに修行風景を見られたことがあった。片手崖登りとか素振り一万回とかである。危ないだとか無茶だとかうるさかった。あんたらの砲撃の方がよっぽど危ないわ。

 

 どうやら俺があんな修行をしてたのは魔導師として働く為だと思ってたらしい。

 

「そんなに無茶な修行してるの?」

 

 俺の修行を見たことがない月村とバニングスはハテナ顔だ。

 

「片手崖登りを見た時は本当に肝が冷えたわ」

 

「何してんのよ」

 

 はやての言葉を聞いてバニングスが俺を呆れた顔で見てきた。いやいや、こんくらいの無茶は無茶に入らんよ?

 

 

 

「あんたはどこへ向かおうとしてんのよ」

 

「幻想郷かな」

 

「時々、晃一君の考えてることが分からんわ」

 

 そこはかとなくバカにされた気がする。

 

「というか、働くってお前ら学校はどうすんのさ?」

 

「お母さんたちと相談して、中学校まではいくことになったんだ。仕事の時は、休むことになっちゃうけど」

 

「まあ、その辺はクロノ君とかが調節して、できるだけ学校の無い日にしてもらうつもりや」

 

「実は、私はもう嘱託魔導師っていう、こっちでいうバイトみたいなものかな?をやってるんだ」

 

 高町、はやて、テスタロッサの順に答えた。義務教育はしっかり修めるってことね。やはりその辺はあの家族ならきっちりやらせるだろうな。進路を決めるには早すぎるわけだし。

 

 嘱託魔導師、バイトみたいなもん、ねえ。それはちょっと考えてみようかね。デバイス製作の為にもお金は欲しいし。

 

「ま、とにかく俺は管理局には入らんよ。まだ小学生だ。時間はたっぷりあるさ」

 

 将来のことを考えんのはまだまだ先だろ。

 

「あんたたまに妙に大人っぽくなるわよね」

 

 バニングスに言われた。まあ、少なくともあなたたちよりは大人ですから。

 

 

 

 てなわけではやてたちは管理局に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 春である。進級して四年生になりもうした。だからといって何かが変わるわけでもないが。ああでもクラスは変わるな。クラスメイトの事をまともに覚えてない俺には関係ないけど。

 

 掲示されてる紙で自分のクラスを確認する。あ、月村と同じクラスじゃん。あとは……え? 何故に?

 

 

 

「お! 今年も同じクラスだな! よろしく!」

 

 教室に入るとクラスメイト君が話しかけてきた。そういえばお前とは去年も同じクラスだったな。

 

 適当に話してると、HRが始まった。

 

「クラス分けの紙を見て知ってるかもしれないが、今年から編入してきた子が一人、うちのクラスにいる。入ってこい」

 

 新しい担任(といっても去年と同じだが)がそういった。え、あれまじなの?

 

 入ってきたのは見覚えのありすぎる車椅子少女。

 

「八神はやてです。見ての通り足がちょい不自由で、今はリハビリしてます。車椅子なんで皆に迷惑かけてまうかもしれへんけど、皆、よろしゅうな!」

 

 はやてが編入してきた。うっそーん。そういえばあなた学校には行ってなかったんだっけ。でも聖祥か。まあ確かに高町たちが居るから選ぶならここだよな。

 

「じゃあ古夜、お前八神に校内案内しろ」

 

「え、ちょ」

 

 いきなりなんですか。そんな面倒くさいの勘弁なんですが。

 

「お前休み時間は色んなところを彷徨ってるだろ? それに友達だって八神から聞いてる」

 

「テヘペロ」

 

 どこでそんな顔芸覚えたてめえ。不覚にもイラッとしたわ。お前俺が面倒くさいの嫌なの知っててやらせようとしてんな? 周りの奴らも俺の友達ってことにかなり驚いてるし。

 

「お前俺以外に友達居たのか!? しかも転校生と!」

 

 クラスメイト君が特に五月蠅い。転校生じゃなくて編入生な。あとお前のこと友達っていう認識はなかった。

 

「orz」

 

 崩れ落ちたクラスメイト君。まあそれは置いといて、

 

「せんせー、月村の方が仲が良いので月村に任せた方が良いと思いまーす」

 

「え!?」

 

 急に振られて月村が焦っている。悪く思うな。

 

「じゃあ月村と二人で案内な。お前はやれ」

 

「横暴だ」

 

 そこまで俺に案内させたいのか。

 

「貴重なお前の友達だろう。友達が居るって聞いて先生感動の涙を流したよ」

 

 いやまあ、確かに友達居ないけど。特に気にしてないし。

 

「ほんとにぼっちやったんやな」

 

 お前後で覚えてろよ。

 

 

 

 

 

 

放課後。仕方なくはやてに月村と校内案内している。

 

「まさか聖祥に編入してくるとはな」

 

「ふふっ驚いたやろ? こういち君には黙っとったからな」

 

「はやてちゃん反応が楽しみって言ってたもんね」

 

 月村は知ってたってことは高町たちも知ってたんだろうな。

 

「屋上で弁当とかええもんやな」

 

 昼は高町たちと食べたみたいだ。仲が良さそうで何より。

 

「こういち君はどこで弁当食べとるん?」

 

 普段は教室だな。クラスメイト君が寄ってくるけど。たまに気が向いたらうろちょろして外で食ったりもする。

 

「相良君と結構仲良いもんね」

 

 相良って誰?

 

「ほんまに名前覚えとらんのやな……」

 

 あ、もしかしてクラスメイト君のことか。相良って名前だったのね。まああいつのことはどうでも良いとして。

 

「散策してて一番の発見は、一年の時の高町たちの喧嘩かなあ」

 

「何それ詳しく」

 

「え、ええ!? 晃一君、見てたの!?」

 

 懇切丁寧に説明して差し上げた。

 

「へー。ビンタとはなのはちゃんやるなあ」

 

「それで今親友ってのがすごいね」

 

「そういえばフェイトちゃんの時も同じ感じやろ」

 

「あいつ少年漫画の主人公なんじゃねえの」

 

 衝突から始まる友情とか熱い。

 

「あ、あはは。とりあえず、喧嘩のことはアリサちゃんに言わない方が良いかな。本人の中ではかなりの黒歴史みたいだから」

 

 そんな地雷を踏む気はありませんよ。

 

「あ、そうだ」

 

「なんや?」

 

「俺、嘱託魔導師としてバイト始めることにしたわ」

 

「なんやと!?」

 

 俺からの大したものではないがサプライズ。

 

「えっと、嘱託ってちょっと前のフェイトちゃんと同じってこと?」

 

 月村が聞いてきた。

 

「いや、もっと軽いかな。週末の、俺の気が向いた時に仕事があればやるみたいなもんだから」

 

 多分基本は地上部隊、つまりはミッドチルダでの仕事だろうな。あそこは仕事無い日が無いから。

 

 バイト入れた週は土日どっちも使わなくちゃいけないから面倒くさいけど。お金は欲しいし。グレアムさんやリーゼ達と相談して決めた。嘱託の登録なんかもグレアムさんの伝手を辿った。

 

 まあその辺は内緒のことだが。

 

「じゃあ、一緒に働くこともあるかもしれへんな」

 

 その確率は大分低いと思うけどな。今言ったばっかだけど、基本は地上部隊での仕事だろうし。

 

 

 

 まあ、嬉しそうだし、余計なことは言わないでおきましょうか。

 

 

 




クラスメイト君の名前が判明。あと流石にはやてが仲良し四人組と一緒のクラスはありえねえなと思ったので、知り合いである主人公と仲のいいすずかがはやてと一緒のクラスになりました。

アリサ、フェイト、なのはは一緒のクラスです。

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