空条承太郎と奇妙な女神の守護者達 作:( ∴)〈名前を入れてください
ドイツの小さな酒場、そこに馬鹿みたいに大きな声が聞こえる。聞こえる声はドイツに対する敬愛が篭っておりその声が聞こえれば聞こえる程酒場の中はやんややんやとと盛り上がっていく。
「バッカモンガァァッ!ドイツの科学力は世界一ィィィ!出来ん事はなィィッ!」
「わぁぁっがドイツの科学力は他国を圧倒しているゥゥッ!故に負ける道理等存在しないぃぃッ!」
顔を真っ赤にしながら席を立ち総統閣下のいる方角へ敬礼をする男、名前をルドル・フォン・シュトロハイム。このドイツの同胞達を誰よりも愛していると自他共に認めている男であり、階級は少佐であるが将官からも彼の実力を持ってすれば何時でも将官に上がれるだろうと言われている男である。そんな彼は友人達と共に週末の酒場で酒を飲んでいた。他の者達より酒が弱い彼は直ぐにベロンベロンになりドイツ愛を叫び始めると酒場の客からは認識されている。
と言うか現在進行形でベロンベロンで叫んでいるのだが
「卿は相変わらずだな。そうは思わないかルーデルよ」
「良いからイワンだ!イワンをに皆殺しにしろ!」
ざんばらに髪を切り揃え顔を真っ赤にしてイワン絶対殺すマンとなっている男は
ハンス・ウルリッヒ・ルーデル、ソ連人民最大の敵として恐れられているスツーカ乗りだ。敵国を恐れさせるそんな男も酒には勝てないのかベロンベロンに酔っ払いイワン絶体殺すマンとなっている。
まぁ酔ってなくともこれだから困るのだが。何時も通りの平常運転だがタガが外れているのか、何時もよりイワンに対する殺意が溢れ出している。ドイツ軍人の鏡だ。
「卿も酔っているのか……」
一緒に飲みに来た二人が早々に酔っ払い会話が成り立たなく成っている姿に苦笑いをするしかない男、名をラインハルト・ハインドリンヒ。敵味方から黄金の獣と呼ばれ恐れられており、このナチスドイツでゲシュタポの長官まで務めた超エリート。この中では1番階級が高い男である。この世の財宝全てを合わせても叶う事が出来ない容姿を持ち、社交界ではモテモテNo.1の男と言えば彼である。
そんな彼等が酒場で何故飲んでいるのか?それは非常に簡単な事であり、例えるならばコーラを飲めばゲップをする程の事水を上から流せば下へと落ちるようなレベルの事である。
それは彼等が有名過ぎるからだ。地のシュトロハイム、空のルーデル、政治のラインハルト。このドイツの三柱と呼ばれている英傑達であり、3人で秘密裏に集まりでもすれば将官達は彼等が何かを企んでいるのではないかと怪しむ可能性がある。友好関係持つ彼等にとって何時も何時も政治に縛られるのは余り好ましく無い事であり、週末のくらい誰にも縛られずに友人と酒を飲みたいとラインハルト以外の二人が此処で週末、酒を飲み明かそうと言い始めたのだが
「卿ら、毎週の事だが早々と酔いつぶれるのが早すぎないか?」
この2人、ラインハルトよりも酒が弱い。ラインハルトからすれば光速で酔い始めているのだ。
「酔ってなどいないィィィィッ!わぁぁっがドイツの医学薬学は世界一ぃぃッ!出来ん事はなィィッ!」
「何!イワンか!?往くぞガーデルマン!イワンをボッコボコにしてやるのだ!」
「ルーデルよ。ここに卿の相棒はいない、そしてシュトロハイム。確かに我が国の医学薬学は世界一だが、それは卿の酒の弱さとは話が別だ」
ラインハルトの冷静なツッコミは意味を成さずテンションがMAXの二人は席を立ち回りの客に対して演説を始める。それを聞いている周りの客はそれを野次ったり拍手を送りしたりと盛り上がりに盛り上がっている。
「我が国、ドイツの軍事力は世界一であり、他の国々の追随を許す事はないィィィッ!そして我が国の兵士達は他の国よりも勇気に溢れ自分の国をあいしているぅぅぅっ!」
「イワンは雑魚だ!俺達が負ける訳が無いッ!お前ら俺に付いて来いッ!」
「「総統閣下万歳ィィィッ!」」
「ウルセェェェェェッ!!テメエら何時も何時も喧しいんだよ!ちったァ静かに酒を呑めねぇのか!」
馬鹿二人の演説に我慢の限界が来たのか白髪赤目のアルビノ青年が五月蝿いとブチ切れる。が、この二人にそんな声は届かない。寧ろこの二人が酔っている時にそんな事をしたらどうなるのか、それが今から始まる
「貴様ァァッ上官に対する口の聞き方がなっていないぞォォッ!所属と名前を言え名前をッ!」
「アァ?いきなり何言ってやがモガッ」
青年の口にビールの瓶事口に突っ込んで行くシュトロハイム、青年が暴れないようにルーデルが青年を羽交い締めにして動けないようにする。
「フハハハハハハ!どぉだァッ!我が部隊名物ビール一本丸呑みの刑だァッ!よぉぉぉっく味わって飲むが良いっ!」
「モガガガガーッ!」
「何?ソーセージも欲しいだと?欲張りな奴め!焼きたてをくれてやるわ!」
そう言いながらシュトロハイムは近くの席から焼きたてのソーセージを掴むと青年のほっぺたをビシビシと叩き始める焼けたてのソーセージが青年の頬を叩く度に溢れ出る油、それはかなり熱いのか頬を叩けば叩くほど青年の頬を赤くしていく。
「モガガガガーッ!(あっつ!あっつ!)」
「フハハハハハハァッ!どうだぁ!参ったかイワンめ!」
ルーデルの良く解らない勝利宣言が青年の悲鳴をかき消していく、これにはイワンも苦笑いをするしかない。まぁ青年は現在進行形でこの現状に参っているのだが…
「わぁぁっがドイツの食べ物は世界一ィィィッ!出来ん事はなィィッ!」
きっと彼等の頭の中にはイワン絶体殺すマンか溢れんばかりのドイツへの愛しかなのだろう。そんな彼等のハッチャケた姿を楽しそうに見ていたラインハルトは席を立ち3人の元へと近づいていく。
「待て、卿らよ。少しやり過ぎだ」
その姿に青年は助かったと安堵するがラインハルトがおもむろに酒を持ち近づいていく。その姿に少し疑問を覚えるがラインハルトの顔を見て自らに置かれた現状を理解し顔を真っ青にしていく。
「私も混ぜたまえ」
ラインハルトがいた席を見てみれば山のような酒瓶が席やその周りに置かれており、その顔を良く見れば顔は朱に染まっていて酔っ払いが3人なっているのが良く分かった。
「ーーーーーッ!」
青年はアンコールから逃れようとするも拘束から逃れる事が出来ないのか藻掻くことしか出来ない。
「さぁラインハルトよ!このイワンに酒をぶち込んでやれぇ!」
「我等が連帯性は世界一ィィィ!出来ん事はなィィッ!」
「さぁ、卿には更なる酒を奢ろうではないか。何怯える事は無い、全てわたしの奢りだ、遠慮せす飲むが良い」
3人の夜は始まったばかりだ