空条承太郎と奇妙な女神の守護者達   作:( ∴)〈名前を入れてください

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閉話 過去 『柱の男』 その1

 

何…?話をしたいだと…こんな駄目な私の何が聞きたいと言うのだ?君が聞きたいような話は無いのだがな……

 

何…「柱の男と戦った時の話を聞かせて欲しい?」

 

そうだな…それくらいは話しても良いか、どうせやる事等無いのだからそれくらい話したって問題無いだろう。話して置く前に一つ前置きをしておこう、『柱の男との戦い』…表向きは私の戦果のように扱われているが実際は違う。私の大切な戦友…『JOJO』が成した物なのだ

 

私は行ったのは逆効果に過ぎなかった…逆に奴を…『カーズ』に手を貸しただけに過ぎなかった。私の浅慮な行動が…知らなかったから仕方ないとは言えない。あれっきり『JOJO』とは連絡も無く、きっと死んでしまったのだ。私の行動が…JOJOの命を……

 

あぁ…済まないな、最近は昔の事を考えるとこうなってしまうのだ。では話すとしよう

 

あれは……私が総統閣下から極秘の命令を受けてとある物を研究する事になった事から始まったのだったな

 

「フッフッフッフゥ…これが『柱の男』かぁ?」

 

私が始めてそれを見た時に思ったのは『惹き込まれる』ような思わず『触りたくなる』そんな神秘性を持っている『彫刻』だった。だがそれに触れる事はあってはならない、触ってしまえば彫刻…いや『柱の男』に触ってしまえば取り込まれ消化されるのだ。

 

何故知っているのかだと…?そんな事は簡単だ『既に実証済みだから』だ。何を驚いた顔をしている?私がそんな非人道的な事をしないとでも思っていたのか?

罪人程度あの時代山のようにいた。ゴロツキだって山ほどいた。

折角いなくなっても誰も気に求めない奴がいるのに、使わない通りがあるまい?

 

私は柱の男の実験の為に様々な人間を使用した。罪人を…ゴロツキ共を、『柱の男の研究の為に使った』

 

「少佐…流石にこれは非道過ぎではありませんか?」

 

「我がドイツは誇り高い民族だ。それを穢す愚か者共はいなくなっても何も問題はあるまい?」

 

「しかし!」

 

私の目の前にいるのは個室に入っている男共、どれもかれもロクな奴ではない。我がドイツの恥さらし、銃殺刑になるべき愚か者だ。それをドイツの発展の為の実験に使おうとしているのに一人の青年が私に待ったをかけてきた。私の部下の一人である彼は非常で有能で、仲間思いの素晴らしい男だった。本当に彼は良い男だった、見ず知らずの男達を庇ってしまう程にな。

 

「ふぅむ…我らが総統閣下の望みである『柱の男の研究』その為ならば犠牲は止むないと思っていたが…それが間違いとでも?」

 

「うっ…しかし……これは。確かに彼らは我がドイツの恥とも言える存在。ですがそんな彼等も生きて」

 

私の言葉に彼はグッ…と声が詰まるがそれでも私に対して意見してくる。彼は良い男だった、本当に…本当に良い奴だった。人とはあのように有るべきなのだろう

 

「そうかそうかそんなに彼等の代わりになりたいか」

 

「えっ……?」

 

だがその良心は戦争に置いてはゴミ同然だ。守るべきは同胞だけで良い。我がドイツの汚点のような屑は『同胞』ではない。そんな奴らをドイツの為に使うのに何の問題があると言うのか

 

「君は誇り高い我らが同胞。そんな君が役たたずの屑、我がドイツの汚点のような彼等の代わりをするのかね?」

 

「いっいえ…そのような……」

 

「良いかね。これは総統閣下から密命である。それは全てに対して優先される大切な事なのだ『それを分からない君ではあるまい?』」

 

「はい…彼らはドイツの為の礎となるのですね」

 

「そォだァァッ!屑は屑なりに使いようがあるのだァァッ!わぁっがドイツの有効活用術は世界一ぃぃッ!出来んことはなぁぁっい!」

 

そして実験を開始した。個室に入った彼等の近くにあの『柱の男』を置きそれを触る事を命じる。それに触れば身柄を開放するとな、すると奴らは我先にと触りに行く。

 

「まるで街灯に近づいて行く蛾のようですな。その醜い姿を自分を殺す物に近づけていく、見るだけで滑稽ですな少佐」

 

部下の言葉を聞きながら私は彼等の死にざまを見る。『柱の男』にズブズブと取り込まれ悲鳴を上げながら溶け込んでいく彼等の姿を

 

「うむ…これは…吸収されているのか?」

 

「みたいですね…赤外線センサーで確認しましたが『柱の男』以外の生命反応を失っております」

 

そして私はこの謎ばかりの生命体の研究を続けた。全てはドイツの為に、ドイツに勝利を与える為に。

 

…少し話し疲れたな。さてベアトリス君に蛍君、ここまでで何か質問があるかね?

 

ふむ?「『柱の男』とはなんなのか…か」簡単に言うならば。生命体を、人間を捕食し超上的な力を使う存在『人類の上位種』つまりは全ての生命体の『頂点』に立つ存在とでも言えば良いのだろう。触れた物を吸収…いや同化し自分のエネルギーとする存在。『柱の男』に対抗する手段は科学では不可能だった『波紋使い』でないと対処出来ぬ存在だったのだ。

 

蛍君…相変わらず君は話が分からなかったら考える事を放棄する…良いかね。どんな時でも勝つ者は『博識でありそれを使う頭脳を持ち勇気を持つ者』だ。君には頭脳が足りない、もう少し考えて行動したまえ。

 

『人種は違えど私はおまえのような勇気ある者に敬意を表す!すぐれた人間のみ生き残ればよい!』

 

私がとある少年に送った言葉だが君にも送っておこう。お前が優れた人間であるのならばこの程度の事理解できるだろう?お前がそのままでいたら大切な所で間違いなく失態をやらかす。

 

『ドジこいた─ッ手柄をたてて勲章をもらうつもりが…こいつはいか──ん!』みたいな事を言いたくなければ気をつけておきたまえ。人生何処で失態をやらかすのかは分からないからな?

 

…ハッハッハッハッハッ!「全部無くなってそうなお爺さんに言われたく無い」か…これは面白い。私の頭脳はちゃーんと残っているぞ?まぁ頭脳以外残っていないがな!ハーハッハッハッ!あぁ…ベアトリス君そんなに気にしなくても良い。私が大佐であったのは昔の事、ここにいるのは唯の昔語りをしているお爺さんとでも思いたまえ。

 

もう…ナチスドイツは無いのだからな

 

 


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