プロローグ
最初の駆け魂を攻略して、すぐに2体目の駆け魂も攻略して……
何だか凄く忙しい2週間だった気がするな。ゲームも(あんまり)できなかったし。
まぁ、流石にまた駆け魂が見つかるって事は無いだろう。(授業中に)めいいっぱいゲームするぞ!
……ちょうど、そんな決意を固めたいた時だったかなぁ……?
ドロドロドロドロ……
教室に入った途端にこんな音が鳴り響きやがった。
「って、またかよオイ!!」
「そ、そうですね。このクラスの中に居るみたいです」
そう言えば歩美と中川もこのクラスの生徒なんだよな?
1クラスに3人居るって事になると1学年4クラスだから単純計算で高等部に36匹の駆け魂が居る計算になるんだが?
中等部まで含めると倍に……いや、これ以上考えるのはもう止めよう。
この世には気付かない方が良い事もある。駆け魂をそもそも見つけなければ攻略する義務も多分無いし。
「……で、次の攻略対象はどこのどいつだ?」
「えっと……」
「
「ちっ、また昼休みに話すぞ」
「はいっ!!」
なお、中川は教室の隅の自分の席からこっちを心配そうに見ている。
登校途中は一緒だったんだが、ずっと一緒に居るとファンの連中がうるさそうだという事で途中で別れた。
せっかくだからあいつも呼んでおくか。
”昼休み、屋上に集合”
”了解!”
超高速でメールを打ち、返信を確認してからPFPを懐にしまい……また取り出す。
どうせまだ何もできないんだ。こんな時くらい全力でゲームしてても文句は出ないだろう。
……昼休み 屋上……
「さぁ、洗いざらい吐いてもらおうか」
「いや、あの、吐くと言われましても……
次の攻略対象は『
「吉野麻美……そう言えば居たな。そんなの」
教室の後ろの方にそんな名前の女子が居たような気がする。
クラスメイトと話す機会なんてそうそう無いから僕が得ている情報はそれくらいだな。
「どんな人なんだろうね?」
「また面倒な奴じゃなければ良いんだがな」
「桂馬くん、それってどういう意味かな?」
「…………」
お前の記憶に無い間、色々あったんだよ。面倒な事が。
下手な事は言わないでおくが。
「え~っとですね、
『吉野麻美 6月6日生まれの17歳
茶道部に所属、血液型はA型、
身長156cm、体重は47kg。
好きな物は特に無し、嫌いな物も特に無し』
だそうですよ!」
「……おい、エルシィ」
「はい何でしょう?」
「お前、本物か?」
「え? ほ、本物ですけど……」
「嘘だ!! お前がこんなに有能なわけがない!!」
「ちょ、ヒドいですよ神様!!
同じクラスなんだから休み時間とかに周りの人から話を聞けばこれくらいの情報は集められますよ!!」
「部活とかはともかくさ、何で身長体重まで分かるの?」
「羽衣さんのパワーです! えっへん!」
要するに……
人から聞ける事は休み時間に聞いて情報を集めた。
身体情報とかは羽衣の謎機能で集めた、と。
「……おまえ、そんなに有能だったのか?」
「当たり前じゃないですか! 私はお二人の
……とりあえず、情報収集能力、と言うより雑談力にのみ特化しているという解釈で良いのだろうか?
そういう事にしておこう。うん。
というわけで、小説版からの登場でした!
時系列的にはどこら辺なんでしょうね、アレ。
ちなみに小説版1巻の発売日は原作5巻と6巻の間です。大体その辺なんでしょうかね。